◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 前日発注は、発注量の決定、仕入先別の締め時刻と送信手段、確認と締め後の変更対応の3つに分けると、欠品の原因ごとに直す場所が分かる
- 日持ちする定番品は発注点で補い、鮮度の短い品目は予約と見込みから使い切る量を組み、確定分と見込み分を分けて記録する
- 仕入先ごとの締め時刻・受付手段・締め後の扱い・最小発注単位・納品時刻・連絡先を台帳にまとめ、締めの早い順に数えて送る
- 送信前の突き合わせと、送信控え・納品時の照合の2段で確認し、効果は欠品と誤納の件数を月ごとに比べて確かめる
- 締め後の変更条件と代替先は平時に取引先ごとに聞いて台帳に書き、手順書は台帳・目安・確認手順・連絡先の4つで作る
目次

前日の夕方、在庫を数えてから送るまでに決めること
閉店後に在庫を数え終えたころには、もう締めの迫った仕入先があり、慌てて送った翌朝に数量違いや送り忘れに気づく。
前日発注のつまずきは、量の読み違い、締めに間に合わない送信、締め後に直せない注文が、一晩のうちに重なって起きます。
そこで前日発注を「発注量の決定」「仕入先別の締め時刻と送信手段」「確認と締め後の変更対応」の3つに分けて決めると、どこを直せばよいかが見えてきます。
品目の鮮度とリードタイムで量の決め方を分けます。
仕入先別の台帳には、締め時刻・手段・変更条件を残します。
送信前後の確認は、担当と時刻を決めておきます。
具体的な締め時刻や変更の可否は取引先ごとに違うため、台帳に書く前に一社ずつ確かめます。
閉店後に在庫を確定させてから発注する流れ
前日発注の起点は、その日の営業を終えた時点の在庫です。
営業中に数えた数は、その後の注文で減っていきます。
そのため、翌日に足りない量を出す土台としては揺らぎます。
閉店後に数えれば残った量が確定し、翌日の使用見込みとの差だけを頼めます。
飲食店ドットコムは2016年に、会員の経営者・運営者を対象に小規模な自社アンケートを行いました。
この調査でも、発注のタイミングとして最も多く挙がったのは閉店後で、営業時間内、開店前が続きました(複数回答)1。
記事は、閉店後なら在庫が確定した後に不足分だけを頼めると説明しています1。
ただし、これは飲食店の限られた回答者による結果です。
全国の実態を代表するものではなく、給食や惣菜製造の現場にそのまま当てはまるものでもありません。
ここで参考にしたいのは、割合そのものより、在庫を確定させてから頼むという順序の理由です。
一方で、この順序には弱点があります。
仕入先の締め時刻が閉店より前にある場合、在庫が確定するのを待っていては間に合いません。
たとえば、次のような取引をしている店を考えてみてください(仮例)。
鮮魚の仕入先は営業中の早い時間に電話で締まり、青果の仕入先は閉店後にFAXで受け付けます。
担当者は営業の合間に鮮魚だけを見込みで頼み、閉店後に残りの品目を数えて青果を送ることになります。
同じ夜の発注でも、鮮魚は「見込み」、青果は「数えた結果」と、根拠の違う二種類の判断が混ざっているわけです。
前日発注が崩れやすいのは、この混ざり方が意識されていないときです。
見込みで頼んだ品を閉店後に数え直さないことがあります。
数え直して足りないと分かっても、締めを過ぎていて直せないこともあります。
在庫確認から送信、確認までを一つの流れとして描き、どの品目がどの時点の数を根拠にしているかを分けて持っておきます。
そうすれば、翌朝に問題が出たときに、どこで読み違えたのかをたどれます。
前日発注の3つの決めごと
この流れの中で決めることは、大きく3つに分けられます。
・発注量の決定:品目ごとに、何を根拠にどれだけ頼むか
・仕入先別の締め時刻と送信手段:どの仕入先に、いつまでに、何で送るか
・確認と締め後の変更対応:送った内容を誰がいつ確かめ、締め後に直したいときにどう動くか
分ける理由は、同じ欠品でも原因によって直す場所が違うからです。
翌朝に葉物が足りなかったとします。
頼んだ量が少なかったのなら、量の決め方を見直します。
量は合っていたのに締めに間に合わず送れなかったのなら、作業の順番や台帳の時刻の問題です。
送ったつもりが仕入先に届いていなかったのなら、確認の仕組みが抜けています。
3つがひとまとめになっていると、どれも「発注のミス」として片付けられ、次の夜も同じことが起こります。
3つは見直す頻度も違います。
発注量は毎晩決めるものです。
仕入先の締め時刻や受付手段は、取引条件が変わったときに書き換えます。
確認の手順は、担当する人数や勤務の組み方が変わったときに組み直します。
毎晩の判断と、ときどき更新する決めごとを切り分けておくと、夜の作業は量の判断に集中できます。
時刻や手段を毎回思い出す負担も減ります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 閉店後に在庫を確定する
- 発注量を決める
- 送信して控えを残す
- 納品時に控えと現物を照合する
- 廃棄と欠品を記録し目安を直す
発注量は何を根拠に決めるか:定番在庫型と予約・予測型
鮮度・リードタイム・最小発注単位で型を分ける
発注量の根拠には、在庫、予約、来客の見込み、仕入先の最小発注単位などがあります。
これらを全品目に同じ重みで当てはめると、毎晩の判断が重くなります。
品目によっては、根拠として合わないものも出てきます。
そこで品目を次の3点で見て、2つの型に分ける考え方を提案します。
見るのは、日持ち(鮮度の保てる期間)、リードタイム(発注から納品までにかかる期間)、最小発注単位(仕入先が受け付ける最小の数量やケースの単位)です。
1つ目は定番在庫型です。
乾物や調味料、冷凍品など日持ちする定番品では、発注点(補充を始める在庫の目安)を決めておきます。
在庫がその量を下回ったら、不足分を補います。
毎晩考えるのは「発注点を割ったかどうか」だけなので、判断が軽く、担当者が代わっても同じ結果になりやすい型です。
多少多めに残っても翌日以降に使えるので、読み違いの痛手も比較的小さく済みます。
2つ目は予約・予測型です。
葉物や鮮魚のように鮮度の短い品目は、在庫を下限まで残しておくこと自体が品質を落とします。
こうした品目は、翌日に使い切る量を予約と来客の見込みから組み立てます。
在庫は、その見込みから差し引く材料として使います。
読み違えると、多ければ廃棄、少なければ欠品と、どちらに外れても影響が出ます。
そのため、根拠を丁寧に持つ必要があります。
給食や惣菜製造のように献立や製造予定が先に決まっている現場では、予約の位置に献立や受注の数を入れて考えます。
最小発注単位は、この2つの型の間で調整役になります。
鮮度の短い品目でも、ケース単位でしか頼めなければ、翌日に必要な量を超えて届くことがあります。
余る分を翌日以降のどの料理や製造で使うかを決めておけば、その品目は半分定番品のように扱えます。
反対に、使い道が決まらないまま単位に合わせて頼み続けると、余りが廃棄に回ります。
この型分けを運用するには、2つの前提があります。
仕入先ごとの最小発注単位とリードタイムが分かっていることと、廃棄と欠品を記録できることです。
宴会予約と来客予測の使い方
予約・予測型の品目では、量の根拠を確かな部分と不確かな部分に分けて扱います。
そうすると、読み違いを減らせる余地があります。
確かな部分は予約で、とくに人数と料理の内容が決まった宴会予約です。
不確かな部分は、予約のない来客の見込みです。
環境省の食品ロスポータルサイトの事業者向け情報では、外食の取組として、宴会の予約時に幹事と量を調整する例が挙げられています2。
業種共通の取組としては、返品や過剰在庫を減らすための商慣習の見直しも示されています2。
これらは食品ロス全般への取組として紹介されているもので、前日発注の締め時刻や発注量の計算方法を示したものではありません。
それでも、予約の段階で料理の量を決めておけば、仕入れる量の根拠が確かになります。
この点で、前日発注の考え方とつながります。
予約を受けるときに量まで決まっていれば、前日の夜は人数を掛け合わせるだけで済み、見込みに頼る部分が小さくなります。
予約の少ない日は、見込みの比重が大きくなります。
このときの手掛かりは、同じ曜日の過去の使用量や、近くの催事、天候など、自店で記録できるものです。
大切なのは、発注した量を「予約で確定した分」と「見込みで足した分」に分けて書き残しておくことです。
翌日に余ったり足りなかったりしたとき、どちらが外れたのかが分かります。
そうすれば、直すべきは予約の量の詰め方なのか、見込みの立て方なのかが見えてきます。
廃棄・欠品の記録で目安を直す
発注量の目安は、一度決めて終わりではありません。
廃棄と欠品の記録で直していくものです。
記録する項目は多くなくてかまいません。
品目ごとに、廃棄した量、欠品した時刻、その日の予約の状況を残せば、目安を直す材料になります。
欠品の時刻を残すのは、同じ欠品でも意味が違うからです。
閉店間際に切れたのなら、ほぼ使い切ったということです。
この場合は、目安がおおむね合っていたと見ることもできます。
開店して間もなく切れたのなら、見込みが大きく外れていたか、前日の在庫を数え違えたことを疑います。
廃棄も、毎日少しずつ出ているのか、特定の曜日に偏っているのかで、直す先が変わります。
直すのは、定番在庫型なら発注点、予約・予測型なら見込みで足す分です。
記録を続けると、前日発注の判断のうち、どれが毎回同じ答えになるかも分かってきます。
同じ答えになる品目は定番在庫型に寄せ、迷いが残る品目に判断の時間を回します。
そうすると、締め時刻に追われる夜の作業が少し軽くなります。
| 観点 | 定番在庫型 | 予約・予測型 |
|---|---|---|
| 向く品目 | 乾物・調味料・冷凍品など日持ちする定番品 | 葉物・鮮魚など鮮度の短い品目 |
| 量の根拠 | 発注点を割った分を補う | 予約と来客の見込みから使い切る量を組む |
| 在庫の役割 | 補充の合図 | 見込みから差し引く材料 |
| 外れたときの影響 | 翌日以降に持ち越せる | 多ければ廃棄、少なければ欠品 |
| 主な見直し材料 | 欠品の記録 | 廃棄と欠品の記録と予約の状況 |
▼ 図の内容を文字で読む
- 定番在庫型
- 乾物・調味料・冷凍品など日持ちする定番品
- 発注点を割った分を補う
- 多めに残っても翌日以降に使える
- 予約・予測型
- 葉物・鮮魚など鮮度の短い品目
- 予約と来客の見込みから使い切る量を組む
- 在庫は見込みから差し引く材料にする
- 外れると、多ければ廃棄・少なければ欠品
仕入先ごとの締め時間と送信手段(電話・FAX・メール・Web)を一覧にする
仕入先別の台帳に入れる項目
量の決め方が整っても、送る先の条件がばらばらなままでは、夜の作業は時刻との追いかけっこになります。
締め時刻と受付手段が仕入先ごとに違うなら、まずそれを1枚の台帳にまとめ、頭の中で覚えている状態をなくします。
台帳に入れる項目は次のとおりです。
・締め時刻:前日発注を受け付ける最終の時刻
・受付手段:電話・FAX・メール・Webのどれで受けるか
・締め後の扱い:数量変更や追加を受けるか、受けるならいつまでか
・最小発注単位:品目ごとのケースや重さの単位
・納品時刻:翌日の何時ごろに届くか
・連絡先:担当者名と、締め後や時間外の連絡先
このうち見落とされやすいのが、締め後の扱いと納品時刻です。
締め後の扱いは、困ったときに初めて仕入先に聞くことになりがちです。
しかし条件は取引先ごとに違い、業界で一律に決まっているものではありません。
平時に聞いて書いておけば、締めを過ぎたときにすぐ動けます。
納品時刻は、翌朝の仕込みや製造の開始に間に合うかどうかを決めます。
締めが遅く便利な仕入先でも、納品が仕込みの開始より遅いことがあります。
その場合、その品目は前日発注では足りず、もう一日早く頼む必要があるかもしれません。
台帳の一例を、架空の仕入先で示します(仮例)。
・仕入先A(鮮魚):締めは営業中の早い時間、電話で受付、締め後の変更は要相談、納品は開店前
・仕入先B(青果):締めは閉店後、FAXで受付、締め後の追加は次の便へ回る、納品は仕込み開始前
・仕入先C(精肉):締めは閉店後、Webで受付、締めまでは画面上で数量を直せる
・仕入先D(乾物・調味料):締めは閉店後、メールで受付、最小発注単位はケース
実際の時刻や条件は、取引先ごとに確かめて書き込みます。
この形にしておくと、どの仕入先が先に締まるか、どこが締め後に融通が利かないかが一目で分かります。
手段ごとの向き不向き
先の自社アンケートでは、発注手段としてFAXを挙げた回答が最も多い結果でした(複数回答)1。
回答者の声として、次の意見も紹介されています。
Web発注はシステムとブラウザの相性で使えないことが多く、電話やFAXのほうが効率的だというものです1。
2016年の小規模な調査で、個別の意見でもあるため、Web発注一般の評価として読むことはできません。
ただ、手段を店の側だけで選べるとは限らない、という現場の事情はうかがえます。
実際には、仕入先が受け付ける方法に合わせて使い分けることになります。
そうであれば、考えるべきは「どの手段が優れているか」ではありません。
「手段ごとにどこで行き違いが起きやすく、何を控えとして残すか」です。
電話は、相手がその場で受けたかどうかが分かります。
ただし口頭のやり取りなので、店の側で控えを書かない限り記録が残りません。
FAXは送った紙が手元に残ります。
一方で、送信できたことと、相手が締めまでに受け取って処理したことは別の事柄です。
メールは履歴が残りますが、締め前に相手が読むかどうかは、送った側からは分かりにくいものです。
Webは入力した内容が画面に残ります。
ただ、操作する端末や環境によって使いにくさが出ることがあり、閉店後に慌てて操作すると入力の確定を忘れることも考えられます。
Web発注への切り替えを考える場合も、先に台帳で締め時刻と条件を揃えておくことに意味があります。
現場の手段が電話やFAXのまま混在していても、どの仕入先がいつ締まり、何で受けるかが整理されていれば、夜の作業の抜けは見つけやすくなります。
そのうえで、受付方法の変更は、発注の件数が多く、毎晩の転記や送信に手間がかかっている仕入先から相談していきます。
そうすると、切り替えの効果を確かめやすくなります。
作業順の決め方
台帳ができたら、締め時刻の早い仕入先から順に作業を並べます。
当たり前に見えますが、在庫を数える順番が棚や冷蔵庫の並びで決まっていることがあります。
その場合、締めの早い仕入先の品目を最後に数えることが起こります。
数える順番も、締めの早い仕入先の品目から始めるように組み直しておくと、時刻に追われる場面が減ります。
締めが閉店前にある仕入先の品目は、在庫の確定を待たずに頼むことになります。
先ほどの型で言えば、見込みで頼む品目です。
こうした品目は、営業中のどの区切りで残量を見て、どこまでを見込みで頼むかをあらかじめ決めておきます。
閉店後には、見込みで頼んだ品目も一度数えます。
大きくずれていれば、台帳で締め後の扱いを確かめ、連絡するかどうかを判断します。
締め時刻が同じ時間帯に重なる場合は、締め後の融通が利かない仕入先を先にします。
変更を受けてもらえる仕入先なら、万一遅れても手当てができます。
受け付けない仕入先は、送れなかった時点で翌日の欠品が決まってしまいます。
| 手段 | 記録の残り方 | 受領の確かめ方 | 起きやすい行き違い |
|---|---|---|---|
| 電話 | 店の側で書かない限り残らない | その場の復唱 | 聞き違い・言い違い |
| FAX | 送った紙と送信結果が残る | 受信の確認を別に取る | 届いていない・読めない |
| メール | 送受信の履歴が残る | 相手からの受領の返信 | 締め前に読まれない |
| Web | 入力内容が画面に残る | 確定後の画面 | 入力の確定漏れ・操作環境の不具合 |
▼ 図の内容を文字で読む
- 電話
- 相手がその場で受けたか分かる
- 店の側で書かない限り記録が残らない
- FAX
- 送った紙が手元に残る
- 送信できたことと相手の処理は別の事柄
- メール
- 送受信の履歴が残る
- 締め前に相手が読むか分かりにくい
- Web
- 入力した内容が画面に残る
- 操作環境による使いにくさや入力の確定忘れ
漏れ・数量違い・二重発注を防ぐ確認を、誰がいつ行うか
送信前の突き合わせ
前日発注で起きやすい行き違いを、性質の違う3つに分けると、確認の置き場所が決めやすくなります。
・漏れ:仕入先ごと、または品目ごと送り忘れる
・数量違い:ケースと個、重さと本数など、単位を取り違える
・二重発注:電話で頼んだ後に同じ内容をFAXでも送る、二人がそれぞれ同じ仕入先に送る
飲食店ドットコムの記事も、閉店後の終電間際にFAXで発注する状況に触れ、発注時の焦りを指摘しています1。
ミスがどれほど起きているかを示す数値は示されていません。
ただ、締め時刻に追われながら一人で数え、書き、送る場面では、確認が自分の書いた数を自分で読み返すだけになりがちです。
送信前の突き合わせとは、在庫の数と発注の数を、別の人か別の目で照らし合わせることです。
担当が二人以上いる時間帯なら、もう一人が台帳と発注書を見て、仕入先の抜けと単位の書き方を確かめます。
一人で行う場合は、書いた直後ではなく少し時間を置いてから、台帳の仕入先の並びに沿って読み上げます。
それだけでも、自分の思い込みから離れやすくなります。
単位は台帳と同じ書き方に揃え、発注書にも単位を必ず書く決まりにしておくと、取り違えの起きる余地が狭まります。
二重発注を避けるには、仕入先ごとに発注する人を一人に決め、送った仕入先には台帳上でしるしを付けます。
確認の時刻は、各仕入先の締め時刻から逆算して置きます。
見つかった誤りを直して送り直せるだけの余裕を残すためです。
締めの直前に確認しても、誤りに気づいたときには直す時間がありません。
送信控えと納品時の照合
送った後の確認は、控えを残すことと、翌日の納品でその控えと照らし合わせることの2つです。
控えの残し方は、手段によって変わります。
FAXなら、送った紙と送信結果を残します。
電話なら、受けた相手の名前と、復唱した品目・数量のメモを残します。
メールやWebなら、送信済みの画面や履歴です。
控えが一か所にまとまっていれば、仕入先から「受けていない」と言われたときにも、何をいつ送ったかを示せます。
納品時には、控えと納品書、届いた現物の3つを照らし合わせます。
発注の誤りか仕入先側の誤納かがその場で分かれば、同じ朝のうちに連絡して手当てを相談できます。
こうした確認でどれだけ欠品や誤納が減るかは、店の体制や品目によって変わるため、効果は自店で確かめることになります。
欠品と誤納の件数を、原因ごとに分けて月ごとに記録します。
原因は、量の読み違い、送信漏れ、数量違い、仕入先側の誤りなどです。
確認の手順を入れる前と後で比べると、どの確認が役に立っているかが見えてきます。

締め後に数量変更・追加が必要になったときの動き方と、手順の引き継ぎ
仕入先に事前に聞く変更条件
締め時刻を過ぎてから数量を変えたい、追加したいという場面は、予約の急な増減や、見込みで頼んだ品目の数え直しで起こります。
このとき受けてもらえるか、費用がかかるか、納品に影響するかは、仕入先ごとの取引条件で決まります。
どこでも同じというわけではありません。
締めを過ぎてから初めて聞くと、返事を待つ間に代わりの手当てをする時間も失います。
平時のうちに、仕入先ごとに次のことを聞いて台帳に書いておきます。
・締め後に数量の変更や追加を受けるか、受けるならいつまでか
・減らす変更と増やす変更で扱いが違うか
・追加分は同じ便で届くか、別の便になるか
・費用や手数料がかかるか
・締め後や時間外にどこへ連絡すればよいか
減らす変更と増やす変更を分けて聞くのは、扱いが違うことがあるからです。
仕入先がすでに手配を進めていれば、減らす変更は受けにくいことがあります。
一方で、増やす変更は在庫があれば応じられる、ということも考えられます。
どちらが可能かが分かっていれば、見込みで頼む品目を多めに倒すか、少なめに倒すかの判断にも使えます。
欠品時の代替先
仕入先から欠品の連絡が来た場合や、変更を受けてもらえなかった場合に備えて、品目ごとに代わりの手当てを決めておきます。
手当ての先は、主に3つです。
・代替仕入先:同じ品目を扱う別の仕入先に頼む
・メニューや献立の調整:別の食材で置き換える、提供数を絞る
・翌日以降の調整:余った分を翌日以降の料理や製造で使い回す、足りない分を次の便で補う
代替仕入先は、普段取引のない相手に急に頼んでも、口座の開設や受付の条件が整っていなければ間に合いません。
台帳に代替先の欄を設け、締め時刻や受付手段も本来の仕入先と同じように書いておくと、いざというときに迷いません。
本来の仕入先より締めが遅い代替先があれば、締め後の手当ての受け皿として役に立ちます。
手順書の最小構成
ここまでの決めごとは、担当者の頭の中にあるうちは、その人が休んだ夜に止まってしまいます。
手順書は、次の4つを最小の構成として作ることを提案します。
・仕入先台帳:締め時刻、受付手段、締め後の扱い、最小発注単位、納品時刻、連絡先、代替先
・発注量の目安:品目ごとの型と、定番在庫型の発注点、予約・予測型の組み立て方
・確認手順:送信前の突き合わせの担当と時刻、控えの残し方、納品時の照合
・変更時の連絡先:締め後や時間外に連絡する相手と、手当ての順番
代行する人にとって難しいのは、予約・予測型の品目です。
定番在庫型は発注点を割ったかどうかで決まるため、手順書があれば誰でも同じ量を出せます。
予約・予測型は判断が入ります。
そのため、予約表のどこを見るか、見込みで足す分をどう考えるか、迷ったときに多めと少なめのどちらに倒すかを、品目ごとに書いておきます。
多めに倒して余っても使い回せる品目と、少しの余りでも廃棄になる品目では、倒す向きが違うはずです。
手順書は、仕入先の条件が変わったときや、廃棄と欠品の記録から目安を直したときに更新します。
更新した日付と内容を残しておくと、代行した人が古い条件で送ってしまう行き違いを防ぎやすくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 予約の急な増加
- 同じ仕入先へ追加を依頼する
- 代替仕入先に頼む
- 予約の取消・減少
- 同じ仕入先へ減らす変更を依頼する
- 余った分を翌日以降の料理や製造で使い回す
- 見込みで頼んだ品目の数え直し
- 台帳で締め後の扱いを確かめて連絡する
- 仕入先からの欠品連絡
- 代替仕入先に頼む
- メニューや献立を調整する
仕入先ごとの締め時刻や受付手段を台帳にまとめると、手段の混在や確認の抜けが自店のどこにあるかが見えてきます。ただ、取引先との調整を含めた整理は、社内だけでは進めにくいことがあります。
自店の仕入先と品目の条件をもとに、どの仕入先から台帳と手段を揃えるか、どの確認を残すかを確かめられます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 発注量の根拠 | 日持ちする定番品は発注点で補い、鮮度の短い品目は予約と見込みから使い切る量を組む |
|---|---|
| 作業順 | 締め時刻の早い仕入先から数えて送る。閉店前に締まる品目は見込みで頼む範囲を決めておく |
| 送信手段 | 仕入先の受付方法に合わせ、手段ごとに控えの残し方と受領の確かめ方を決める |
| 確認 | 送信前の突き合わせと、送信控え・納品時の照合の2段。効果は欠品と誤納の月次記録で比べる |
| 締め後の変更 | 変更可否・期限・便・費用・連絡先は取引先ごとに平時に聞き、台帳に書く |
| 引き継ぎ | 仕入先台帳・発注量の目安・確認手順・変更時の連絡先の4つを手順書にする |

電話やFAXのまま続けるか、件数の多い仕入先から受付方法の変更を相談するかは、仕入先の対応や自店の体制によって答えが変わります。 現在の発注件数と手段の内訳から、切り替えを検討する順番と、切り替え後も残る確認作業を整理できます。
よくある質問
仕入先ごとに締め時間が違うとき、発注の順番はどう決めるか
締め時刻の早い仕入先から順に、数える作業と送る作業を並べます。
閉店前に締まる仕入先の品目は在庫の確定を待てないため、営業中のどの区切りで残量を見て見込みで頼むかを決めておきます。
締めが同じ時間帯に重なるときは、締め後の変更を受け付けない仕入先を先にします。
FAXしか受け付けない仕入先がある場合、送信漏れや誤送信をどう防ぐか
送信前に、宛先の番号を台帳と照らし合わせます。
送信後は送信結果を控えとして残します。
ただし、送信できたことと相手が締めまでに受け取ったことは別なので、受信をどう確かめるかを仕入先と取り決めておきます。
送った仕入先には台帳上でしるしを付け、送り忘れと二重送信の両方に気づけるようにします。
発注量の目安は何日分の実績から作るのがよいか
日数を一律に決める根拠はありません。
少なくとも、同じ曜日が複数回含まれる期間で見ると、曜日による違いが分かります。
メニューの変更や季節の変わり目には、取り直したほうがよい場合があります。
予約・予測型の品目は、予約で確定した分と見込みで足した分を分けて記録しておくと、どちらの読みを直すべきかが分かります。
締め時間を過ぎてしまった場合、仕入先に何を確認し、代わりにどう手当てするか
仕入先には、締め後の変更や追加を受けるか、いつまでなら間に合うか、同じ便で届くか、費用がかかるかを確認します。
平時にこれらを聞いて台帳に書いておけば、その場で問い合わせる時間を省けます。
受けてもらえない場合は、代替仕入先への発注、メニューや献立の調整、次の便での補充を、品目ごとに決めた順で進めます。
担当者が休んだ日の発注を、手順書でどこまで代行できるようにしておくか
仕入先台帳、発注量の目安、確認手順、変更時の連絡先の4つがそろっていれば、送る先と時刻、確認の流れは代行できます。
定番在庫型の品目は発注点で決まるため、そのまま任せやすい部分です。
予約・予測型の品目は判断が入るので、予約表の見方と、迷ったときに多めと少なめのどちらに倒すかを品目ごとに書いておきます。
予約が多い日と少ない日で、発注の根拠をどう切り替えるか
予約が多い日は、人数と料理の内容から必要な量を積み上げ、予約で確定した分を中心に組みます。
予約が少ない日は、同じ曜日の過去の使用量や催事、天候など、自店の記録をもとにした見込みの比重が大きくなります。
どちらの日も、確定分と見込み分を分けて書き残しておくと、外れたときに見直す先が分かります。