◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 送料が重いときは、まず請求を件数・サイズと重量の区分・地域・送料無料条件のどれで決まる費用かに分けると、効く手が見える。
- 宅急便では3辺合計と重量の大きいほうのサイズが適用され、80cm以内でも8kgなら100サイズになるため、重い荷物は箱を小さくしても区分が下がらない。
- 回数を減らすと件ごとの送料は減るが、在庫・保管・支払い・欠品の負担が増えるため、回転が速く欠品の影響が小さい品目からまとめる。
- 欠品の影響が大きい品目は発注量を変えず、取引先との納品条件の協議で扱う。
- 取引先との見直しは、取適法の考え方に沿って通知ではなく協議にし、リードタイムや発注日、受け取りの時間帯など相手の負担を軽くする条件を材料にする。
目次

配送費が重いと感じたら、まず請求を「何で決まる費用か」に分ける
必要な分だけを小まめに発注していると、請求書のたびに送料の行が商品代金に比べて重く見えてきます。
かといってすぐにまとめ発注へ切り替えると、在庫や欠品の心配が増えるだけで終わることがあります。
多頻度小口の配送コストを発注側で下げるには、まず請求を、件数・荷物のサイズと重量の区分・発着地域・送料無料の条件のどれで決まっている費用かに分けます。
そのうえで、発注日の固定、同じ発注へのまとめ、取引先との納品条件の協議を、品目の回転の速さと欠品の影響度に合わせて順に当てはめていきます。
件ごとの費用とサイズ・重量・地域の違い
送料が重いといっても、中身は一つではありません。
1回発注するごとにほぼ同じ額がかかっているのか、荷物が大きく重くなって上がっているのか、届け先の地域で違っているのかで、効く手が変わります。
件ごとにかかる費用なら、回数を減らすことが直接効きます。
サイズや重量で上がっているなら、回数より先に荷物の作り方が問われます。
地域で決まっている部分は、発注側で動かせる余地がかなり限られます。
宅配便の運賃は、荷物のサイズ区分と、発地と着地の組み合わせで決まるのが基本の仕組みです。
ヤマト運輸の宅急便の場合は、縦・横・高さの3辺の合計と実際の重さをそれぞれ区分に当てはめ、大きいほうのサイズが適用されます1。
箱の大きさだけ、重さだけを見ていても、どちらの側で区分が決まっているかは分かりません。
この判定方法は宅急便に限った仕組みです。
取引先が路線便や共同配送、チャーター便で出荷している場合や、配送会社と個別の契約運賃を結んでいる場合には、同じ区分がそのまま当てはまるとは限りません。
取引先がどの配送手段で出しているかが分からなければ、最初にそれを聞いておくと、このあとの切り分けがずっと楽になります。
もう一つ気をつけたいのは、取引先が請求する送料が、配送会社に払う運賃そのものとは限らない点です。
取引先が独自に決めた定額の送料や配送手数料を請求している場合、運賃のサイズ区分が変わっても、請求される額は変わらないことがあります。
このときに効くのは荷物の作り方ではなく、件数か、取引先との条件の側です。
送料無料条件は取引先の契約で決まる
一定額以上の発注で送料が無料になる、一定数量以上で配送費が変わる、といった条件は、配送会社の運賃とは別に、取引先が自社の取引条件として定めるものです。
どの金額や数量で区切るのが一般的という目安はなく、取引先ごとの取引条件書や見積、規約で確かめるしかありません。
同じ品目でも、取引先が違えば条件の有無も区切り方も違います。
送料無料条件がある取引先では、送料が重く見える原因が「条件に届かない発注が多い」ことにある場合があります。
このときは、回数を減らすことと、条件に届くように品目をまとめることがほぼ同じ手になります。
ただ、条件を満たすために使う見込みの薄い品目まで買い足すのは別の話です。
そこで判断の軸になるのは送料の差額ではなく、買い足した分を在庫として抱えずに使い切れるかどうかです。
▼ 図の内容を文字で読む
- 件数
- 発注日の固定
- 複数品目を同じ発注へまとめる
- サイズと重量の区分
- 梱包の見直し
配送費の比率が高くなる典型パターンと、請求書で見る場所
サイズ区分の境界と重量
宅急便のサイズは60から200までの区分に分かれています。
3辺合計の上限は60・80・100・120・140・160・180・200cmで、重量の上限は60サイズが2kg、80サイズが5kg、100サイズが10kg、120サイズが15kg、140サイズが20kg、160サイズが25kg、180サイズが30kgです1。
1辺の長さは最長で170cmまでとされています1。
区分の境界でよく起きるのが、箱は小さいのに重さで上の区分になるケースです。
3辺合計が80cm以内に収まっていても、重さが8kgあれば100サイズが適用されます1。
8kgは80サイズの重量上限を超え、100サイズの重量上限には収まるためです。
液体や金属の部品、紙の束のように詰まって重い品目では、箱を小さくしても区分が下がらず、重さが区分を決めていることになります。
反対に、軽いのにかさばる品目では、3辺合計が区分を決めます。
緩衝材を多めに詰めた箱や、中身に対して余裕のある箱で届いている場合は、梱包の仕方しだいで区分が一つ下がる余地があります。
自社の荷物がどちらの側で区分を決められているかが分かると、荷物を小さくする話と回数を減らす話のどちらに時間を使うべきかが見えてきます。
請求書で見る4項目
ここまでの仕組みを自社の請求書に当てはめるときは、次の4項目を見ます。
これは請求書を読むための着眼点として編集部が整理したもので、業種ごとの平均的な送料の比率を示すものではありません。
- 1件ごとの送料:発注1回ごとにほぼ同じ額か、毎回変わっているか
- 荷物のサイズ区分:明細や送り状に書かれた区分が、品目と数量に対して想定どおりか
- 重量による区分の上昇:3辺合計なら下の区分に入るはずなのに、重さで上がっていないか
- 送料無料条件の未達:条件に届かずに送料がかかった発注がどのくらいあるか
1件ごとの送料が毎回ほぼ同じなら、取引先が定額で請求しているか、同じ区分の荷物が続いているかのどちらかです。
どちらの場合も、効くのは件数を減らすことです。
毎回額が変わるなら、数量や品目の組み合わせによって区分が動いているはずなので、数か月分の明細を並べ、どの組み合わせで上がっているかを見ると傾向がつかめます。
たとえば、事務所の消耗品を週に何度か少しずつ取り寄せていて、毎回同じ額の送料がかかっている場合を考えてみます。
この場合は、同じ週に同じ取引先へ出ている発注を数えるだけで、減らせる件数の見当がつきます。
一方、部材を必要な数だけ頼んでいて、数量によって箱が80サイズになったり100サイズになったりしている場合は、同じ「送料が重い」でも、先に問われるのは1回分の荷物の作り方です。
送料が商品の単価に含まれていて、請求書に項目として出てこない取引先もあります。
この場合は請求書から切り分けられないため、取引先に配送費の内訳や、発注量によって単価が変わる条件があるかを尋ねることになります。
尋ねるだけなら条件の変更を求めることにはならず、のちに見直しを話し合うときの材料にもなります。
| サイズ | 3辺合計の上限(cm) | 重量の上限(kg) |
|---|---|---|
| 60 | 60 | 2 |
| 80 | 80 | 5 |
| 100 | 100 | 10 |
| 120 | 120 | 15 |
| 140 | 140 | 20 |
| 160 | 160 | 25 |
| 180 | 180 | 30 |
▼ 図の内容を文字で読む
- 重さで区分が決まる荷物
- 3辺合計が80cm以内でも8kgなら100サイズ
- 箱を小さくしても区分は下がらず、1回あたりの数量が効く
- 3辺合計で区分が決まる荷物
- 軽いのにかさばる品目や、余裕のある箱
発注をまとめる・減らすとき、配送費と在庫・欠品・資金負担はどう釣り合うか
発注日の固定と複数品目の同一発注
請求の中身が件数で決まっていると分かったら、次は回数をどう減らすかです。
方法は大きく二つあり、発注日を曜日などで決めてその日にまとめて出す方法と、同じ取引先から買う複数の品目を一つの発注にまとめる方法です。
どちらも1回あたりの荷物を大きくして件数を減らす点は同じですが、在庫への響き方が違います。
発注日の固定は、急ぎでない品目を「気づいたときに出す」運用から、「決まった日にまとめて出す」運用へ変えるものです。
担当者が残りの少なさに気づくたびに注文していると、同じ週に同じ取引先へ何度も発注が出ていることがあります。
発注日を決めておけば、その間に気づいた分を一度に出せるため、品目ごとの発注量を大きく増やさずに件数だけを減らせる場合があります。
複数品目のまとめは、品目ごとに別々に出していた注文を一つの発注にするものです。
品目ごとの発注量は変えないので、在庫の増え方は小さく済みます。
ただし、まとめた結果サイズや重量の区分が上がると、件数は減っても1件あたりの送料は上がります。
前の節で見た区分の境界を頭に置いて、どこまでを一つの発注にするかを決める必要があります。
受渡しの日時が決まっていることは、運送する側にとっても意味があります。
物流効率化法の荷主の判断基準では、運送を委託する荷主が、運送事業者が他の貨物との積合せなどで積載効率を上げられるよう、受渡しの日時や時間帯を決めることが挙げられています2。
これは運送を委託する荷主に向けた基準で、少量を買う発注側に発注回数の削減を義務付けるものではありません。
それでも、発注日を固定すれば取引先の出荷日も揃いやすくなり、取引先が運送の段取りを組みやすくなると考えられます。
まとめ発注で増える負担
回数を減らすと件ごとの送料は減りますが、1回の発注量を増やす場合には別の負担が増えます。
手元に置く在庫が増え、保管の場所が要ります。
代金を先に払うことになるので、お金が在庫の形で寝ている期間が長くなります。
使い切る前に仕様が変わったり期限が切れたりすれば、その損失が送料の削減分を上回ることもあります。
欠品の影響も品目によって違います。
切れてもすぐ別の手段で代用できる品目と、切れると作業や販売が止まる品目とでは、同じ発注間隔でも重みが違います。
回数を減らすと次の発注までの期間が長くなるため、その間に想定より多く使えば、欠品の可能性はかえって高まります。
欠品が怖くて、まとめた量にさらに余裕を足すと、在庫はもっと増えます。
このため、送料の減り方と、在庫・資金・欠品の負担の増え方を、品目ごとに並べて比べるのが現実的です。
回転が速い品目は、まとめても在庫として置いておく期間が短く、増える負担が小さくなります。
回転が遅い品目をまとめると、送料が減る分より、長く置いておく負担のほうが大きくなりがちです。
品目を回転の速さと欠品の影響度で分け、その組み合わせで手を付ける順番を決めるのが、編集部の提案する整理です。
比べるための試算は、手元の請求書で行えます。
過去数か月分の請求で、発注日を決めていれば何件にまとまっていたかを数え、減っていたはずの送料を出します。
同時に、まとめた場合に増える在庫の量と、その保管や支払いの負担を見積もります。
前者が後者をはっきり上回る品目から手を付ければ、送料を減らすつもりのまとめ発注が在庫の問題に変わるのを避けやすくなります。
ここで出てくる差額は、どの品目から試すかを決める手掛かりであり、実際の効果は切り替えた後の明細で確かめるものです。
▼ 図の内容を文字で読む
- 発注日の固定
- 急ぎでない品目を決まった日にまとめて出す
- 品目ごとの発注量を大きく増やさず件数を減らせる場合がある
- 複数品目を同じ発注へまとめる
- 品目ごとの発注量は変わらず、在庫の増え方は小さい
取引先に送料条件・納品頻度の見直しを持ちかけるときの前提
取適法で一方的な決定が禁じられる範囲
発注日の固定や品目のまとめは、自社の中だけで決められます。
それでも送料の重さが残るときは、最低発注額や送料の条件、納品の頻度、発注から納品までのリードタイムを取引先と見直すことになります。
その前に知っておきたいのが、条件の見直しを持ちかける側にも守るべき決まりがあることです。
2026年から施行された取適法では、協議に応じずに一方的に代金を決めることが、委託事業者の禁止行為に加わりました3。
受託事業者からの価格の協議に応じないことも、取適法上の問題となりえます3。
自社がこの法律の委託事業者に当たる取引では、「次回から送料はそちらで負担してほしい」と通知するような、負担を相手へ移す形の提案は避け、協議として進める必要があります。
どの取引がこの法律の対象になるかは、取引の内容や当事者の資本金の区分などで決まります。
商品を購入するだけの通常の売買がどこまで含まれるかは取引によって異なるため、自社が委託事業者に当たるかは、取引の実態に即して社内の法務担当や専門家に確かめておくのが安全です。
また、発荷主が運送事業者へ直接委託する運送も「特定運送委託」として対象に加わりました3。
自社で運送会社を手配して取引先から荷物を引き取っているような場合は、商品の取引とは別に、その運送の委託が対象になるかを確かめておく必要があります。
押さえておきたいのは、この法律が発注側の交渉力を強める根拠ではないという点です。
委託する側に協議を求める法律であり、発注側が条件を一方的に決めないための決まりとして読むものです。
見直しを持ちかけるときは、相手に負担を求める通知としてではなく、双方の条件を話し合う場として設けるほうが筋が通ります。
受け取る側の荷主に求められる協力
物流効率化法は、荷物を出す側と受け取る側をどちらも荷主として扱い、求める行為を分けています。
運送を委託する第一種荷主(主に発荷主)には、積合せなどで積載効率を上げられるよう受渡しの日時や時間帯を決めること、荷役できる台数を超えて一度に多数のトラックが着かないよう日時を決めることが、判断基準として挙げられています2。
荷物を受け取る第二種荷主(主に着荷主)には、第一種荷主から受渡しの日時などについて協議の申出があれば応じて必要な協力をすること、ドライバーに日時を指示するときは一度に多数のトラックが着かないようにすることが求められています2。
どちらに当たるかは運送の委託関係で決まります。
「主に」とされているとおり、商品を受け取る購入者が必ず第二種荷主になるわけではありません。
また、全荷主の努力義務は2025年度から、取扱貨物の重量が9万トン以上の特定荷主への措置は2026年度から始まっています2。
小口の発注を重ねる事業者が特定荷主に当たることは通常考えにくく、関係してくるとしても努力義務の範囲です。
この整理から見えるのは、受け取る側が協力できることの中心が「日時」だという点です。
取引先から受渡しの日時について相談があれば応じる、受け取りの時間を必要以上に細かく指定しない、といったことは、受け取る側にできる協力です。
そしてこれは、送料の見直しを話し合うときに、自社から差し出せる条件にもなります。
相手の負担を軽くする条件を材料にする
見直しの話を「送料を下げてほしい」という要求から始めると、取引先にとっては負担が増えるだけの話に聞こえます。
一方で、取引先が出荷や運送の手配で負担に感じていることを軽くする条件を自社から差し出せば、話し合いの余地が生まれることがあります。
これは制度が交渉の成立を保証するという意味ではなく、編集部が提案する進め方です。
差し出せる条件には、たとえば次のようなものがあります。
- 発注から納品までのリードタイムを長く取る:取引先が出荷をまとめたり、運送の段取りを前もって組んだりしやすくなる
- 発注日を週の決まった日に集約する:出荷日が揃い、同じ届け先への荷物を一度に出しやすくなる
- 受け取りの時間帯を広げる:運送事業者が他の荷物と合わせて回る余地が増え、一度に多数のトラックが着いて待つ状況を避けやすくなる
こうした条件を示したうえで、送料無料条件の区切り方、件ごとの配送手数料、納品の頻度を話し合う、という順で持ちかけます。
話し合いの場には、前の節までに請求書から整理した、件数・区分・条件未達の状況を持っていくと、どこが重いのかを取引先と同じ材料で見られます。
ただし、取引先の配送会社との契約や自社便の運行が先に決まっている場合など、取引先の出荷条件しだいで話がまとまらないこともあります。
見直しが成立するか、どれだけ費用が下がるかは取引先ごとに違い、前もって見積もれるものではありません。
▼ 図の内容を文字で読む
- 発注側が差し出す条件
- リードタイムを長く取る
- 発注日を週の決まった日に集約する
- 受け取りの時間帯を広げる
- 取引先の出荷
品目・状況別に、どの手を優先するか
回転が速く欠品の影響が小さい品目
毎週のように使い、切れても代わりの手段がある品目は、まとめても在庫として置く期間が短く、増える負担が小さい品目です。
ここは発注日を固定し、同じ取引先の品目を一つの発注にまとめることから始めるのが向いています。
件数が減った分の送料を数か月分の請求で確かめながら、まとめる間隔を少しずつ調整していきます。
回転が速くても、まとめた荷物が区分の境界を越えるなら注意が要ります。
件数の減り方と、1件あたりの区分の上がり方を並べ、合計で送料が減っているかを請求書で見ます。
減っていなければ、まとめる品目の組み合わせを変えるか、まとめる間隔を短くするほうが合っています。
欠品の影響が大きい品目
切れると作業や販売が止まる品目は、発注量を増やして間隔を空けると、その間の使用量のぶれがそのまま欠品の危険になります。
この品目は発注量を変えず、送料の負担は取引先との納品条件の協議で扱うほうが筋が通ります。
前の節で見たリードタイムや受け取りの時間帯のように、自社が譲れる範囲を先に決めておくと、協議に持ち込みやすくなります。
取引先の出荷条件が厳しく、協議の余地が小さい場合もあります。
そのときは、欠品の影響が大きい品目の送料は止まらないための費用として受け止め、ほかの品目で件数を減らして全体の送料を抑える、という分け方になります。
すべての品目に同じ手を当てはめないことが、まとめ発注を在庫や欠品の問題に変えないための考え方です。
区分の境界付近の荷物
品目の性格とは別に、荷物の大きさが区分の境界近くにある場合は、回数より先に梱包と同梱数を見直す余地があります。
宅急便のサイズは3辺合計と重量の大きいほうで決まるため1、箱の寸法を変える、1回に入れる数を一つ減らす、あるいは同じ区分に収まる範囲で中身を増やす、といった調整で、1件あたりの区分が変わることがあります。
ただし、重さで区分が決まっている荷物は、箱を小さくしても区分は下がりません。
3辺合計が80cm以内でも8kgなら100サイズになるという例のとおり1、重さが区分を決めている荷物では、箱の大きさより1回あたりの数量のほうが効きます。
また、梱包を決めるのは多くの場合出荷する取引先なので、箱や同梱数の変更は自社から依頼として伝えることになります。

ここでの優先順位は編集部の整理で、実測した効果ではありません。
変更の前と後で請求書の区分と金額を見比べ、自社の取引で本当に下がっているかを確かめながら進めます。
路線便や共同配送で届く取引先については、宅急便の区分ではなく、その配送手段と取引先の条件で同じ切り分けを行います。
取引先ごとに配送手段や送料の条件が違うと、請求書をどこから切り分け、どの品目から手を付けるかを社内だけで整理しきれないことがあります。
自社の発注と請求の状況をもとに、件数・区分・送料無料条件のどこに重さがあるか、まず試す品目をどう選ぶかの見通しを確かめられます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 送料の決まり方 | 件数・サイズと重量の区分・地域・送料無料条件のどれで決まっているかを請求書で分ける |
| 宅急便のサイズ区分 | 3辺合計と重量の大きいほうの区分が適用される |
| まとめ発注から始める品目 | 回転が速く、欠品の影響が小さい品目 |
| 欠品の影響が大きい品目 | 発注量は変えず、納品条件の協議で扱う |
| 区分の境界付近の荷物 | 回数より先に梱包と同梱数を見直す。重さで決まる荷物は数量を見る |
| 取引先との見直し | 通知ではなく協議にし、リードタイム・発注日・受け取り時間帯など相手の負担を軽くする条件を示す |

まとめ発注と取引先との協議のどちらを先にするかは、品目の回転や欠品の影響、取引先の出荷条件が絡むため、判断が分かれやすいところです。 品目ごとの優先順位の付け方や、取引先と話し合う前に揃えておく材料について、自社の状況に沿って確かめられます。
よくある質問
送料無料条件を満たすために発注額を増やすのは、まとめ発注より得ですか。
買い足す品目がいずれ確実に使うもので、在庫として置いておく負担が小さいなら、送料の分だけ得になります。
使う見込みの薄い品目を足すと、送料が減った分より余計な在庫のほうが重くなります。
判断の仕方はまとめ発注と同じで、減る送料と、増える在庫や支払いの負担を比べます。
条件の金額や数量の区切りは取引先ごとに違うため、取引条件書や見積で確かめてから試算します。
取適法は、商品を買うだけの購入者にも関係しますか。
取適法では、協議に応じない一方的な代金の決定が委託事業者の禁止行為に加わり、受託事業者からの価格協議に応じないことも問題となりえます3。
ただ、どの取引が対象になるかは取引の内容や資本金の区分などで決まり、通常の商品の売買がどこまで含まれるかは取引によって異なります。
自社の取引が当たるかは個別に確かめる必要があります。
当たるかどうかにかかわらず、送料や納品の条件を変えるときは、相手への通知ではなく協議として進めるのが安全です。
物流効率化法の荷主の努力義務は、小さな事業者の発注にも関係しますか。
全荷主の努力義務は2025年度から始まっており、取扱貨物の重量が9万トン以上の特定荷主への措置は2026年度からです2。
小口の発注を重ねる事業者が特定荷主に当たることは通常考えにくく、関係するとしても努力義務の範囲です。
受け取る側の荷主に当たる場合は、受渡しの日時について協議の申出があれば応じること、一度に多数のトラックが着かないよう日時を指示することが求められています2。
どちらの荷主に当たるかは運送の委託関係で決まり、購入者が必ず受け取る側の荷主になるわけではありません。
同じ荷物でも梱包を小さくすれば、宅急便の運賃は下がりますか。
3辺合計で区分が決まっている荷物なら、梱包を小さくして区分が下がれば運賃も下がりえます。
重さで区分が決まっている荷物は、箱を小さくしても区分は変わりません1。
また、取引先が運賃とは別に定額の送料を請求している場合は、区分が下がっても請求額は変わらないことがあります。
まず明細で、区分と請求額がどう対応しているかを確かめます。
取引先に納品頻度を減らしたいと伝えるとき、何を材料に話せばよいですか。
自社側の材料は二つです。
一つは、過去数か月分の請求から整理した発注件数、サイズ区分、送料無料条件に届かなかった発注の状況で、どこが重いのかを取引先と同じ材料で見るためのものです。
もう一つは、自社が差し出せる条件で、リードタイムを長く取る、発注日を集約する、受け取りの時間帯を広げる、といったものです。
欠品の影響が大きい品目は発注量を変えない前提を伝え、ほかの品目から見直したいと話すと、取引先も出荷への影響を見通しやすくなります。
- 1 出典:ヤマト運輸株式会社「宅急便のサイズの測り方・決め方(FAQ)」(2026年閲覧)
- 2 出典:国土交通省 物流効率化法理解促進ポータル「荷主の努力義務(法第42条)・荷主の判断基準等」(2026年閲覧)
- 3 出典:公正取引委員会「運送事業者間取引の下請法違反の疑いに関する集中調査の結果」(2025年)
画像の出典元
- High angle view of workers organizing inventory in a busy warehouse./Photo by Tiger Lily on Pexels
- Two adults in a business setting discussing documents on a clipboard./Photo by Kindel Media on Pexels