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インターネットEDIの移行手順|棚卸し項目と回線変更の有無で分ける進め方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 移行の検討は製品選びではなく、接続先・通信手順・回線契約・認証情報を接続単位で書き出す棚卸しから始める
  • 棚卸しの結果で手順が分岐し、回線が変わる場合は通信手順や接続設定の見直しまで範囲が広がる
  • INSネットは2024年8月31日に新規申込受付を終了し、2028年12月31日に提供を終了するため、回線起点の移行はこの期日から逆算する
  • 取引先との調整は1社ずつ進む工程で、同時に何件を回せるかが着手時期を決める
  • 並行稼働では通信の疎通と、届いたデータが基幹システムで正しく処理されたことの両方を確認してから旧環境を止める

60代前半の日本人男性が二人で画面を覗くをしている場面

回線更新やEDI入れ替えの話が出たとき、何から手をつけるか

回線の契約更新が近い、EDI用のサーバの保守が切れる、基幹システムの入れ替えでデータの受け渡しを見直すことになった——。
こうした話が出た時点で、移行するかどうかを決める前に手を動かせることがあります。
それは、いま誰と、どの通信手順で、どの回線を通ってつながっているかを書き出すことです。
接続先企業・通信プロトコル・回線契約・認証情報を並べると、回線そのものを変える必要があるのか、EDI側の環境だけを入れ替えれば済むのかが見えてきます。
回線を変えるなら、INSネット(ISDN)が2028年に提供を終える以上1、その期日から逆算した計画になります。
そのうえで取引先ごとに個別のスケジュールを組む、という順序で移行の計画は立てられます。

棚卸し→手順分岐という全体の流れ

移行の話は、自社の計画表より先に外から来ることがほとんどです。
回線の契約更新が近づいた、機器の保守期限が切れる、取引先から接続方式の変更を打診された——きっかけはさまざまですが、共通しているのは期日が自社の都合では決まっていないという点です。
この段階で最初に出てくるのは「どのサービスに替えるか」という問いですが、製品の比較から入ると、たいてい途中で手が止まります。
EDIは相手のいる通信なので、自社が良いと判断した方式を相手が受けられるとは限らないからです。

そこで先に片づけたいのが、いま動いている接続を一つずつ書き出す作業です。
誰と、どの通信手順で、どの回線を通って、どの認証情報でつながっているのか。
この四つが揃うと、目の前の案件が回線の問題なのか、EDIを動かしている側の問題なのかを切り分けられます。
切り分けができれば、見積もりを取る相手も、声をかける取引先の順番も決まってきます。

棚卸しは、移行するかどうかを決めた後の作業だと思われがちですが、順序はむしろ逆です。
いま使っている回線に期日が設定されているなら、移行するかどうかという選択肢自体が存在しません。
逆に、すでにインターネット回線でEDIが動いているなら、入れ替えの時期は自社の都合で決められます。
移行の是非と時期を判断する材料そのものが、現状の一覧の中にあります。

この先の手順は、回線そのものを変えるかどうかで分かれます。
回線が変わる場合は、通信手順や接続先の設定まで見直す範囲が広がります。
回線を変えずにEDI側だけを入れ替える場合は、社内で手を入れる範囲は狭くなりますが、相手との接続条件が変わるなら調整そのものは残ります。
棚卸しの結果で手順が分岐し、どちらに分岐しても取引先との個別調整は避けられない、という形です。

項目を一から考える必要もありません。
インターネットEDI普及推進協議会(JiEDIA)は、全銀協標準通信プロトコルやJX手順の利用ガイドラインに加えて、「インターネットEDI移行の手引き」「インターネットEDI移行チェックシート」をユーザー企業やEDI関連事業者向けに公開しています5。
自社で作った一覧表と突き合わせれば、抜けている観点を拾えます。
まず自社の現物を書き出し、それから手引きで点検する、という順にすると、資料の項目に引きずられて実態とずれた表を作らずに済みます。

棚卸しから切替までの進め方
棚卸し、回線変更の有無による分岐、取引先ごとの調整、並行稼働を経た切替という順に進む流れ

移行前に棚卸しすべき対象は何か

接続先企業の一覧化

最初の列は、接続している相手の名前です。
当たり前のようでいて、長く使っている接続ほど、設定した担当者がすでに異動していたり、営業部門が個別に受けた接続が情報システム部門の管理表に載っていなかったり、ということが起こり得ます。
管理表ではなく、実際に動いているサーバの設定や、月々の通信記録から拾い直すほうが確実です。

数え方も先に決めておきたいところです。
同じ取引先でも、受注データと請求データで別の接続になっている場合があり、法人の数と接続の数が一致するとは限りません。
この後の工程では「何件の調整が残っているか」が進捗の単位になるので、企業名ではなく接続単位で並べたほうが数を見誤りません。

併せて、相手側の窓口も控えます。
移行の調整は結局のところ人と人のやり取りになり、相手の情報システム部門なのか、購買の担当者なのか、EDIを代行している事業者なのかで、話の持ち込み方が変わります。
誰に連絡すればよいか分からないまま期日だけが近づく、という事態を避けるための列です。

もう一つ、その接続が止まったときに何が止まるかも書き添えておくと、後の優先順位付けがそのままできます。
受注が止まるのか、出荷指示が止まるのか、請求だけが遅れるのかで、許容できる停止時間は変わります。
同じ「接続1件」でも、影響の大きさは一様ではありません。

採用プロトコルの確認

次に、それぞれの接続でどの通信手順(プロトコル)を使っているかを確認します。
プロトコルは、データをどう包んで、どう送り、受け取ったことをどう返すかの取り決めで、これが合っていないと相手とはつながりません。
移行で「手順を変える」というときに変わるのが、この部分です。

インターネットEDIで使われる通信手順には、AS2、OFTP2、ebXML MS、JX手順、SFTP、全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順)といったものがあり、流通、自動車、医薬品、銀行など、業界によってどれが使われるかが異なります4。
これはEDI連携ツールを提供する事業者による整理なので、自社が実際に採用する規格は、取引先の指定や所属する業界団体の取り決めに従って決まります。
棚卸しの段階では「どれが正しいか」を決める必要はなく、いま何を使っているかを事実として書き出せば十分です。

書き出した手順がばらついていても、それ自体は問題ではありません。
問題になるのは、ばらつきの理由が分からないまま移行先を一つに決めてしまうことです。
相手の指定で分かれているのか、導入時期の違いで結果的に分かれただけなのかによって、統一できる範囲が変わります。

流通業であれば、相手がすでにインターネットEDIへ移っている可能性も見ておけます。
インターネットEDIの標準である流通BMSは、卸・メーカー側の累計導入企業数が2025年6月1日時点で21,600社以上とされています3。
この数字は流通業の卸・メーカーを対象にした推計なので、他業種にそのまま当てはめることはできません。
ただ、流通の取引先については「相手は対応済みで、こちらが待たせている」という構図があり得る、という想定を持って一覧を眺められます。

回線契約・認証情報の確認

三つ目は回線です。
どの事業者とどの種別の契約を結んでいるか、契約の名義はどの部署か、終端装置やルーターはどこに置かれていて誰が管理しているか。
EDIの話をしているつもりでも、実際に手続きが必要なのは回線契約のほうだった、ということもあります。
請求明細から契約を逆引きすると、使っていない回線が残っていたり、逆に誰も把握していなかった契約が出てきたりします。

四つ目は認証情報です。
接続に使うIDやパスワード、証明書の類がどこに保管され、誰が更新できる状態にあるかを確認します。
ここは属人化しやすい部分で、設定して以来一度も触っていない接続ほど、移行の直前になって手元に情報がないと気づく余地が残ります。
移行後も同じ情報を使うのか作り直すのかは相手との取り決め次第ですが、少なくともいま手元にあるかどうかは、相手に聞かなくても自社で判断できます。

接続先、通信手順、回線契約、認証情報を一枚の表にまとめると、社内で共有できる形になります。
列を増やしすぎると埋まらないので、まずは事実として確認できるものだけを並べ、移行後の予定や判断は別の列に分けます。
事実の列と予定の列が混ざっていると、半年後に見返したときにどちらが現状か分からなくなります。

棚卸しの対象 控える内容 確認の手がかり
接続先企業 接続単位の相手先名と相手側の窓口 受注・請求など用途別に分かれていないか
採用プロトコル 接続ごとに使っている通信手順 取引先の指定や業界団体の取り決め
回線契約 契約先・種別・名義・終端装置の設置場所 請求明細からの逆引き
認証情報 ID・パスワード・証明書の保管場所と更新権限 設定以降触っていない接続の有無
棚卸しで確認する四つの対象
接続先企業、採用プロトコル、回線契約、認証情報の四項目を並べた図

回線の変更を伴う移行と伴わない移行はどう違うか

ISDN(INSネット)終了という期限

回線側に期日が設定されている代表例が、INSネット(ISDN)です。
NTT東日本は、INSネットのディジタル通信モードについて、2024年に新規申込の受付を終了し、2028年にサービスの提供を終了すると公表しています1。
この期日は自社の事情で動かせません。
社内の優先順位がどうであれ、期日までに別の方式へ移っていなければ、その接続は使えなくなります。

そして、回線が変われば、EDI側がそのままというわけにはいきません。
ISDNを前提に組まれた接続は、IP網へ移ると通信手順そのものを変えることになります。
2016年の取材記事でも、ISDNの終了に向けて通信手順を変更しなければならない点を大変だとする担当者の声が紹介されています2。
手順が変われば、接続先の指定も、認証の方式も、送受信の時刻の設計も見直しの対象に入ります。

ここが、回線の移行とEDIの移行が別々の話にならない理由です。
回線の契約を切り替えるだけの工事と考えていると、手順変更に伴う設定作業やテストが計画から抜け落ち、取引先へ声をかける時期も後ろにずれます。
回線側の期日は、回線工事の締切ではなく、EDIに関わる作業全体の締切として扱うほうが実態に近い見方です。

回線を維持する場合との対応範囲の違い

一方で、すでにインターネット回線を使っていて、EDIを動かしているサーバやソフトだけを入れ替える、という移行もあります。
この場合に見直す範囲がどこまで狭まるかは、使っている製品や接続の組み方によって変わり、一律には言えません。
回線の契約や終端装置に触らずに済む、というところまでは確かですが、それ以上を一般化すると自社の実態と合わなくなります。

ただ、どちらの移行でも共通して残るものがあります。
相手から見れば、接続先が変わる、認証情報が変わる、送受信の時間帯が変わるといった変化は、こちらが回線を替えたかどうかに関係なく、自分の側でも確認が必要なことです。
社内の作業範囲が狭いからといって、取引先への連絡やテストまで省けるわけではありません。

逆に言えば、棚卸しの結果として回線に手を入れる必要がないと分かれば、計画の形そのものが変わります。
期日に追われる移行ではなく、自社の繁忙期を避け、並行稼働の期間を長めに取り、取引量の少ない相手から試す、といった組み方ができるからです。
どちらに当たるかを早い段階で確定させることが、その後の計画の自由度を決めます。

なお、同じ社内に両方が混在することもあります。
一部の取引先とは期日のある回線でつながり、別の取引先とはすでにインターネット経由でつながっている、という状態です。
この場合は一括で切り替える計画にせず、期日のある接続から先に片づけ、残りは自社の都合で並べ直すほうが、無理のない日程になります。

回線側に設定された期日(この期日から移行計画を逆算する)
2024年8月31日に新規申込受付が終了し、2028年12月31日にサービス提供が終了することを示す時間軸の図

取引先との調整はいつ・何を伝えて進めるべきか

1社あたりの調整期間の目安

取引先との調整は、一斉に、というわけにいきません。
2016年に報じられた卸・メーカー側の企業の事例では、取引先の小売店が約500弱あり、そのうちIP網に対応した流通BMSやWeb-EDIなどへ移行済みだったのは10%強でした2。
残りの接続については小売店1社ずつスケジュールを合わせながら進める必要があり、事前の調整から利用開始までは1社あたり1カ月ほどかかるとされています2。

この数字は2016年時点の1社の実例で、小売業向けのEDIという条件が付きます。
取引先の規模やシステムの対応状況によって必要な期間は変わるため、1カ月を標準の所要期間として自社の計画にそのまま当てはめるのは適切ではありません。
ここから読み取りたいのは期間の長さそのものより、1件ずつ相手の都合に合わせる工程が確かに存在する、という事実のほうです。

では、1社ごとのやり取りで何を伝えるのか。
切替を予定している時期、移行後に使う通信手順、テストを希望する時期、自社側の連絡窓口が揃っていないと、相手は自分の作業を見積もれません。
相手にも相手の予定があるので、こちらの希望日だけを伝える連絡は、たいてい一往復増えます。
最初の連絡の時点で、相手が社内に持ち帰って判断できるだけの情報を載せておくほうが、結果として早く進みます。

取引先数からの逆算

着手の時期は、接続の件数と1件あたりの調整にかかる時間から逆算します。
といっても、件数と期間を掛け算した日数がそのまま必要になるわけではありません。
複数の相手と並行して進められますし、逆に相手の都合で数カ月待つこともあります。
掛け算が示すのは必要な日数ではなく、同時に何件を回せる体制があるか、という問いのほうです。

この問いに答えるには、自社側で調整を担当できる人数と、テストに立ち会える頻度を見ておく必要があります。
1件あたりの作業が軽くても、同じ月に20件のテストを並べれば、立ち会う側が回りません。
逆算の結果が現実的でなければ、着手を早めるか、外部の手を借りるか、優先順位を付けて順番に進めるかの判断になります。

相手から日程を指定されることもあります。
取引先が先に移行を決め、こちらに切替日を通知してくる場合、こちらの準備が整っているかどうかは別の問題です。
自社から声をかける分の日程表だけを作っていると、こうした割り込みで組み直しになります。
一覧表には、自社が主導する接続と、相手の予定に従う接続を区別する列を入れておくと、割り込みが来ても全体の見通しを崩さずに済みます。

優先順位の付け方にも材料があります。
取引の量が多く、止まったときの影響が大きい相手は早い時期に置きます。
接続の仕方が特殊で、調べ直しに時間がかかりそうな相手も同じです。
相手がまだインターネットEDIへ対応していない場合は、相手側の検討から始まるため、こちらの都合だけでは動きません。
一覧表に優先度の列を足しておけば、どこから声をかけるかで毎回迷わなくなります。

取引先1社ごとに踏む調整の段階(一事例では事前調整から利用開始まで1カ月ほど)
事前連絡、条件すり合わせ、テスト、本番切替という四段階を並べた図

切替の集中や通信断を避けるにはどう考えればよいか

直前集中のリスク

先ほどの事例では、取引先の大半がまだ移行していない状態でした。
この企業の担当者からは、残りの取引先の移行が期限の直前に集中すると、間に合わない取引先が出てくるという懸念が示されています2。
自社の作業が終わっていても、相手が間に合わなければその接続は止まります。
移行の進捗は、自社の作業の消化率ではなく、相手との間で切り替わった接続の数で測るものだということです。

集中が起きる理由は単純で、期限は取引先にとっても同じ期限だからです。
多くの企業が同じ時期に動けば、調整の依頼も、テストの日程も、支援を頼む先への相談も、同じ時期に重なります。
早く動いた企業から順に、相手の時間を押さえていく構図になります。

さらに厄介なのは、遅れが自社の努力だけでは取り戻せない点です。
相手の社内決裁、相手が使っているシステムの改修、相手側でテストに立ち会う人の確保——どれもこちらから巻き取れません。
期限の直前に残っている接続ほど、打てる手が少なくなります。

余裕を持った着手の考え方

では、どのくらい前倒しすればよいのでしょうか。
一律の日数を決める代わりに、動かせない要素から先に置いていくほうが現実的です。
回線側の期日、相手ごとの調整期間、自社の繁忙期、システムの改修が必要ならその開発期間。
これらを並べていくと、着手できる最も遅い時期が自然に決まります。

切替の当日にいきなり旧環境を止めない、という原則も共通します。
新旧の環境を一定期間並行させ、同じデータが新しい経路でも届いていることを確認してから旧環境を落とす形にすれば、不具合が見つかっても元の経路で業務を続けられます。
並行させる長さは接続ごとに違ってよく、データ量の多い相手や、月次の締めをまたぐ相手は長めに取る、といった調整をします。

並行期間に確認したいのは、通信が成功したかどうかだけではありません。
届いたデータが基幹システムに取り込まれ、受注の明細として以前と同じ内容になっているか。
ここがずれていると、通信は成功しているのに出荷の指示が狂う、という形で後から表面化します。
通信の疎通確認と、業務データの突き合わせは別の作業として予定に入れておきます。

移行が済んでも、取引先ごとに条件が違うという状況自体が消えるわけではありません。
接続の方式が揃えば管理する対象は減りますが、相手ごとのデータ項目や運用のルールは残ります。
棚卸しで作った一覧は、移行の作業表としてだけでなく、移行後にどの接続を誰が見ているかを示す台帳としても使えます。
そこまで見越して列を設計しておけば、次に回線やシステムを入れ替えるときに、同じ洗い出しを一からやり直さずに済みます。

回線側の期日が自社の計画に効いてくるかどうかは、契約しているINSネットの種別で判断できます。

進め方 調整の進み方 期限が近づいたときに残る選択肢
早い時期から順に着手 相手の予定を先に押さえられ、1件ずつ確認しながら進む 想定外の接続が出ても順番を組み替える余地がある
期限の直前にまとめて着手 同じ時期に動く企業が増え、調整とテストが重なる 相手側の作業待ちになり、こちらから巻き取れない
着手時期で変わる進み方(模式図)
早期着手と直前着手で、調整の進み方と期限間際に残る選択肢がどう違うかを対比した図

棚卸しの列をどこまで細かく分けるか、どの接続から着手するかは、自社の取引構造を知らないと決めきれない部分が残ります。

一覧の作り方と、取引先への最初の連絡に何を載せるかを、実際の接続の数を前提に一緒に確認できます。無料相談で要件を整理する

提供終了の対象になるINSネットのサービス

NTT東日本が公表した提供終了の告知で、対象として挙げられているサービス区分を並べています。

  • INSネット64
  • INSネット64ライト
  • INSネット1500

契約書や請求明細に書かれたサービス名がこのいずれかであれば、2028年の期日が自社の移行計画にそのまま効いてきます。

提供終了の対象になるINSネットのサービス区分
INSネット64、INSネット64ライト、INSネット1500の三つを並べた図

要点の整理

軸 基準
棚卸しの対象 接続先・通信手順・回線契約・認証情報を、法人単位ではなく接続単位で書き出す
手順の分岐 回線を変えるかどうかで社内の作業範囲が変わり、取引先との調整はどちらでも残る
回線側の期日 INSネットは2024年に新規申込受付を終了し、2028年に提供終了
取引先調整 1社ずつ進む工程。2016年の一事例では事前調整から利用開始まで1社あたり1カ月ほど
着手時期 期日から逆算し、同時に回せる件数を踏まえて直前に集中させない

回線の期日と自社の繁忙期、取引先の件数が重なると、どこから崩すかの判断は社内だけでは決めにくくなります。 現状の接続一覧をもとに、着手の順番と並行稼働の置き方を具体的な日程に落とすところまで相談できます。

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よくある質問

回線をINSネットから光回線に変更する場合、EDI側の設定はどう変わりますか

回線が変わると通信手順の変更を伴うため、接続先の指定や認証情報の設定をやり直すことになります。
2016年の取材記事でも、ISDNの終了に向けて通信手順を変更しなければならない点が負担として挙げられています2。
どの項目をどう書き換えるかは、移行後に採用する手順と、EDIを動かしている製品によって変わります。
そのため、取引先がどの手順を指定しているかを先に確認し、その手順に自社の環境が対応できるかを見てから、回線の工事日程を決める順番になります。

流通BMSに対応していない取引先と接続する場合はどう進めればよいですか

流通BMSは卸・メーカー側で2025年6月1日時点の累計導入企業数が21,600社以上とされていますが3、すべての取引先が対応しているわけではありません。
相手が別の手順を使っている場合、こちらが合わせるか、相手の移行を待つかのどちらかになります。
インターネットEDIの通信手順にはAS2やJX手順など複数があり、業界によって採用される規格が異なるため4、自社のEDI環境が複数の手順を併存させられるかどうかが判断の分かれ目になります。
当面は複数の方式を並行して運用する前提に立ち、どの接続をいつまで残すかを一覧に書き込んでおくと管理しやすくなります。

社内共有用の棚卸し表はどんな項目で作ればよいですか

接続先、通信手順、回線契約、認証情報を軸にして、それぞれに「いま何を使っているか」を書く列と「移行後どうするか」を書く列を分けると、事実と予定が混ざりません。
加えて、相手側の連絡窓口、自社の担当者、優先度、自社主導か相手の予定に従うかの区別を入れておくと、調整の進捗をそのまま追えます。
項目の抜けが心配であれば、JiEDIAが公開している移行の手引きやチェックシートと突き合わせる方法もあります5。

並行稼働の期間はどのくらい確保しておけばよいですか

一律の日数を決めるより、接続ごとに必要な長さを判断するほうが実際的です。
材料になるのは、その接続で流れるデータの量と種類、月次の締めや棚卸しなどの定例業務をまたぐかどうか、不具合が出たときに旧経路へ戻せる体制があるかどうかです。
少なくとも、通信が通ったことの確認と、届いたデータが基幹システムで正しく処理されたことの確認が両方終わるまでは、旧環境を残しておく形になります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:東日本電信電話株式会社(NTT東日本)「INSネットの新規申込受付・提供終了について」(2024年)
  2. 2 出典:日経BP「ISDN移行のハードルは業界によって様々、EDIなどは早期対応が必要」(2016年)
  3. 3 出典:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)/流通BMS協議会「卸・メーカーの流通BMS導入企業数推計(第28回)」(2025年)
  4. 4 出典:株式会社データ・アプリケーション「インターネットEDIを支える6大通信プロトコル解説」
  5. 5 出典:インターネットEDI普及推進協議会(JiEDIA)/一般社団法人情報サービス産業協会(JISA)「JiEDIA公開資料一覧」

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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