◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- INSネット(ISDN)は2024年8月31日に新規申込受付を終え、2028年12月31日にサービス提供終了が予定されている
- 「フレッツ・ISDN」は別サービスで2026年1月31日に提供を終了しており、INSネットの期限と混同しない
- 移行は契約種別の確認から始め、取引先ごとの通信手順と相手が案内する移行後の方式を一覧にする
- 1社あたりの事前調整から利用開始までに1カ月ほどかかった事例があり、社数と相手の準備状況を踏まえて逆算する
- 補助金の対象可否、データ形式の違い、セキュリティの設定は、公募要領と取引先の仕様で個別に確認する
目次

ISDN(INSネット)終了はいつで、自社のEDIにどう影響するか
NTT東日本のINSネット(ISDN)は2024年に新規受付を終え、2028年に提供終了の予定です1。ISDN回線でEDIを続けているなら、まず契約がINSネットか別サービスのフレッツ・ISDNかを確認し、期限から逆算して取引先ごとの移行方式を洗い出します。
新規受付終了(2024年8月31日)とサービス提供終了(2028年12月31日)
NTT東日本は、INSネット(ISDN)の新規申込受付を2024年に終了しました1。
そのうえで、INSネット64・INSネット64ライト・INSネット1500のサービス提供終了予定日を2028年としています1。
受付終了と提供終了は段階が違い、受付が終わった後も既存の契約は提供終了予定日まで使える一方で、新しく同じ回線を引く前提の計画は立てられません。
EDIの観点で押さえておきたいのは、終了するのが個々のソフトではなく「回線」だという点です。
ISDN回線を使ったEDIは、相手先の電話番号にダイヤルして接続し、あらかじめ決めた通信手順でデータを送受信する形で動いてきたため、回線の提供が終われば、その上で動いていた手順もそのままでは成り立ちません。
受発注データの送受信が止まると、発注の受領や出荷指示といった日々の業務が直接止まるので、システム更新の話というより業務継続の課題として日程を組む必要があります。
なお、ここで日付の根拠としているのはNTT東日本の告知です1。
西日本エリアの回線を使っている場合や、他の通信事業者を介して回線を利用している場合は、契約先が出している告知で同じ項目を確認してください。
「フレッツ・ISDN」と「INSネット」は別サービス
「フレッツ・ISDN」は、ISDN回線を使ったダイヤルアップ型のインターネット接続サービスで、回線そのものであるINSネットとは別の契約です。
NTT東日本はフレッツ・ISDNについて、2024年をもってすべてのエリアで新規・移転の申込受付を終了したと案内し2、さらに2026年をもってサービス提供を終了したとしています2。
名前にISDNが付く二つのサービスで、終了の時期が数年単位で異なることになります。
この違いを取り違えると、判断が二方向に狂います。
フレッツ・ISDNの終了をINSネットの終了と読み替えると、本来の期限より前倒しで慌てることになり、逆にINSネットの2028年という数字だけを覚えていると、インターネット接続側がすでに終わっている事実を見落とします。
自社が使っているのは回線(INSネット)なのか、その回線を通じたインターネット接続(フレッツ・ISDN)なのか、あるいは両方なのかを、契約単位で切り分けておくことが先決です。
EDIの通信方式によって、どちらの終了が先に効いてくるかも変わります。
相手先へ直接ダイヤルしてデータをやり取りしている場合は回線側の期限が関係し、ダイヤルアップでインターネットに接続したうえで通信している場合は接続サービス側の終了が先に効きます。
接続の経路を図に描き、どこがどのサービスに当たるかを担当者間で共有しておくと、後の取引先への説明にもそのまま使えます。
自社の契約がどちらか確認する方法
確認は、書類・契約照会・現場の三方向から突き合わせると早く済みます。
まず請求書や契約書に記載されたサービス名を見て、「INSネット」「フレッツ・ISDN」のどちらの名称が載っているかを確認します。
名称が読み取りにくい場合や、複数の回線がまとめて請求されている場合は、契約先の照会窓口で回線番号ごとのサービス名と契約内容を確認してください。
次に現場側の確認です。
EDIに使っている端末やサーバの接続設定に相手先の電話番号が登録されているか、ターミナルアダプタ(TA)やダイヤルアップルータのような機器が接続されているかを見ると、ダイヤル接続を前提にしているかどうかが分かります。
通信ログに発信の記録が残っている場合は、いつ、どの番号へ接続しているかまで確認できます。
最後に、回線番号ごとの用途を一覧にします。
同じ回線に電話やFAXなどEDI以外の用途が収容されていることがあり、EDIだけを見て切り替えると別の用途が置き去りになるためです。
拠点名、回線番号、契約サービス名、用途、担当部署を一行ずつ並べておくと、この後の移行計画と取引先への説明にそのまま使えます。
インターネットEDIへの移行、何から始めればよいか
移行先の主な選択肢(流通BMS・Web-EDI等)
インターネット回線を使うEDIには、業界で仕様が共通化された方式と、取引先が用意した画面から操作する方式があります。
ISDNからの移行を扱った記事では、IP網に対応したEDIとして流通BMSやWeb-EDIといった名称が挙げられています3。
どの名称がどの取引先で使われているかは業界や企業によって異なるため、一般論で決めずに、取引先の案内文書に書かれた方式名をそのまま拾うのが確実です。
仕様が共通化された方式は、決められたデータ項目で送受信するため、自社の基幹システムと連携させる設計がしやすくなります。
一方、ブラウザ画面で受発注を行う方式は、専用の仕組みを用意しなくても始められますが、取引先ごとに画面や操作手順が異なる場合、データを自動で取り込む仕組みがなければ、件数が増えるほど入力や転記の作業が残ります。
どちらが自社に合うかは、取引件数、社内システムとの連携の有無、担当できる人数によって変わります。
気をつけたいのは、方式を自社だけで決められるとは限らないことです。
EDIは相手との取り決めで成り立つ仕組みなので、取引先が指定する方式がある場合は、まずそれに合わせられるかが検討の出発点になります。
なお、各方式の費用や仕様の細部は提供事業者や取引先ごとに異なり、本記事で確認した資料の範囲では横並びの比較ができていません。
見積もりは、実際の接続条件と件数を示したうえで取得してください。
取引先ごとに移行方式が異なる場合の進め方
複数の取引先とEDIを行っている場合、移行は一度の切替ではなく、相手ごとの切替の積み重ねになります。
まず、取引先名、現在の通信手順、相手が案内している移行後の方式、切替の希望時期、社内の担当者、連携している自社システムを一覧にします。
この一覧があると、同じ方式でまとめられる相手と、個別対応が必要な相手が分かれ、作業の重複を減らせます。
着手の順番は、自社の都合だけでは決められません。
相手の準備状況やテストの受け入れ枠に左右されるため、取引量が多い先と、相手側の期限が早い先を優先し、残りは相手からの案内待ちとして管理するのが現実的です。
連絡しても方式が未定という回答が返ってくることもあるので、その場合は再確認の時期を決めて一覧に書き込んでおきます。
社内システムとの連携も同時に見ます。
受発注データを基幹システムに取り込んでいる場合、方式が変わるとファイルの形式や項目が変わり、取り込み処理の改修が必要になることがあります。
改修の範囲が見えないうちに切替日だけを約束すると後から動かせなくなるため、相手との日程合意の前に、社内側の作業量を概算しておくと安全です。

移行にかかる費用・期間、取引先との調整で何が必要か
移行にかかる期間の目安(事例)
医薬品や健康食品の製造・販売や卸事業を手掛けるピップグループの例では、EDIの移行について、事前調整から利用開始までは1カ月ほどかかるとされていました3。
これは2016年時点の記事で紹介された、当時のIP網対応EDIへの移行に関する目安であり、INSネットの2028年の提供終了を前提とした期限とは背景が異なります。
そのため、1社あたりの調整にこれくらいの時間が見込まれることがある、という目安として読み、自社の見積もりは実際の相手と作業内容で組み直してください。
この目安を社数で単純に掛け算する必要はありませんが、割り算もできません。
複数の取引先と並行して進められる部分がある一方、テストの日程は相手の受け入れ枠に左右され、社内の改修や検収は他の案件との順番待ちになることがあるためです。
相手待ちの時間と自社作業の時間を分けて見積もると、どこを前倒しできるかが見えます。
切替日の置き方にも条件があります。
受発注の締めや請求のタイミングに重なる日を切替日にすると、不具合が起きたときの影響が大きくなるため、業務の谷になる時期を選び、旧方式と新方式を一定期間並行させられるかを相手と確認しておくと安全です。
取引先とのスケジュール調整
調整は、相手も同じ時期に多数の取引先を抱えている前提で進めます。
案内が来るのを待つだけでなく、自社の現在の通信方式と切替の希望時期を先に伝えておくと、相手側の計画に載せてもらいやすくなります。
窓口が営業担当なのかシステム部門なのかは相手によって違うので、最初の連絡でEDIの技術的な窓口を確認しておくと、その後のやり取りが速くなります。
合意しておきたい項目は、切替の開始日、旧方式の停止日、テストの実施日と使用するデータ、テストで確認する電文の種類、障害が起きたときの連絡先と代替手段、並行運用の有無と期間です。
このうち旧方式の停止日をあいまいにしたまま進めると、いつまで古い回線の契約を残すべきかが決まらず、費用と作業の両方が宙に浮きます。
合意内容は文書やメールで残します。
移行の期間が年単位に及ぶ場合、担当者の交代で口頭の取り決めが失われることがあるためです。
一覧表に合意日と合意内容の保管場所を併記しておけば、引き継ぎのときに同じ確認をやり直さずに済みます。
使える補助金(デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠)
中小企業基盤整備機構が案内するデジタル化・AI導入補助金2026のインボイス枠(インボイス対応類型)では、PC・タブレット等のハードウェアについて10万円以下の補助額が設定されています5。
移行にあたって端末を入れ替える必要がある場合、この区分に該当するかどうかが検討の対象になります。
ただし、EDIのソフトウェアや導入作業の費用が対象になるかは、枠と類型ごとの要件、そして登録されているツールの区分によります。
本記事で確認できたのは上記のハードウェアに関する記述であり、EDI関連費用の適用可否までは判断できません。
対象経費の範囲と申請期間は、制度の公募要領で確認してください。
日程の組み方にも注意が必要です。
補助金には申請から交付決定までの手続きに時間がかかるものがあり、発注や契約のタイミングに条件が付く場合があります。
回線の期限と補助金の日程が競合するときは、どちらを軸に据えるかを先に決め、条件を満たせない場合は自己負担で進める判断も含めて検討しておくと、移行そのものが止まりません。
移行が遅れた場合に生じ得るリスク
取引先の移行スケジュールに乗り遅れるリスク(事例)
先に挙げたピップグループの例では、2016年時点ですでに10%強の取引先が、IP網に対応した流通BMSやWeb-EDIなどへ移行していたと紹介されています3。
裏を返せば、同じ時期でも多くの取引先はまだ移行していなかったということで、移行の進み方には相手ごとに差が出ます。
自社が準備できていても相手が動かない場合があり、逆に相手が先に旧方式を止める場合もあるため、進捗は取引先ごとに管理する必要があります。
相手が旧方式を停止した時点で自社が対応できていないと、受発注のやり取りは電話やFAX、メールなどの手作業へ戻るか、取引の条件そのものを調整することになります。
手作業に戻れば、転記や確認の工数が増えるだけでなく、入力ミスや連絡漏れが起きたときの調査にも時間がかかります。
参考として、中小企業庁の中小企業共通EDIの実証事業では、選定された12のプロジェクトにおいて中小企業の受発注業務時間が平均51.4%削減されたと報告されています4。
これはEDI導入一般の効率化効果を示した数字で、ISDNからインターネットEDIへ切り替えること自体の効果を測ったものではありません。
それでも、電子的なやり取りが手作業に戻る場合に業務時間がどちらの方向へ動くかを考える材料にはなります。
多くの企業が同じ期限に向けて動く時期には、取引先側のテスト枠や、支援を依頼する事業者の対応枠が取りにくくなることがあります。
その可能性を見込むなら、費用の詰めより先に日程の確保を進めておく、という順番の判断もあり得ます。
2028年12月31日までに残る猶予
告知されている提供終了予定日は2028年です1。
ただし、この日までの期間をそのまま作業に使える時間と考えると、実際には足りなくなることがあります。
取引先との調整、社内システムの改修、予算の確保はそれぞれ別の時間軸で進み、予算は年度単位、取引先調整は相手の都合、改修は他案件との兼ね合いで決まるためです。
新規申込受付はすでに2024年8月31日に終了しています1。
そのため、拠点を増やす、事務所を移転するといった場面で、同じ回線を新しく引く前提の計画は立てられません。
既存契約の移転や工事の取り扱いは個別の条件によるので、該当しそうな予定がある場合は早めに契約先へ確認してください。
また、ISDN関連はすべて2028年まで使える、と一括りにしないことも大切です。
フレッツ・ISDNは2026年1月31日にサービス提供を終了しており2、関連するサービスが先に終わる場合があります。
回線、インターネット接続サービス、EDIのソフトやサービスのそれぞれについて、提供元の告知を個別に確認しておくと、想定外の停止を避けられます。
移行時に注意したいデータ形式・セキュリティ
データ形式の違いに関する留意点
通信の方式が変わると、やり取りするデータの形式も変わることがあります。
固定長のテキストから項目名を持つ形式へ変わる、文字コードが変わる、必須項目や桁数が変わるといった違いが、同じ発注データでも起こります。
切替の作業を回線の話だけで見積もると、この部分が後から膨らみます。
特に確認したいのは、コードの対応関係です。
取引先コード、商品コード、単位、数量の小数の扱いなどが新旧で異なる場合、変換表を作り、変換をどちら側で行うかを取り決める必要があります。
変換の責任があいまいなまま本番に入ると、数量や単価の食い違いが請求の段階まで気づかれないことがあります。
テストは、通常の発注だけでなく、返品、訂正、取消といった例外のやり取りまで含めて行います。
発生の頻度が低いものほど、切替後に初めて問題が見つかりやすいためです。
テストで実データを使う場合は、誰がどこに保管し、いつ消すかを決めてから始めてください。
切替後に過去のデータを参照する必要があるかも、先に確認しておきます。
旧方式で送受信したデータが古い端末の中だけにある場合、回線を止めた後に取り出せなくなることがあります。
保存が必要な期間と参照する手段を移行計画に含めておくと、後から慌てずに済みます。
セキュリティ面で確認すべきこと
ダイヤル接続では、接続先が電話番号で限定されていました。
インターネット経由の接続に変わると、誰がどこから接続できるかを自社と提供事業者の設定で管理することになり、確認すべき項目が増えます。
通信が暗号化されるか、接続元を制限できるか、認証の方式は何かを、取引先や提供事業者の資料で確認してください。
IDとパスワードの扱いも決めておきます。
取引先ごとに発行されたIDを部署で共有して使うと、操作した人をたどれず、担当者が異動や退職をしたときの停止漏れも起きます。
人ごとに割り当てる、保管場所を決める、異動時の停止手順を文書化する、という三点は、移行の機会に整えやすい部分です。
外部のサービスを使う場合は、責任の分かれ目を確認します。
データの保管場所、障害時の連絡経路と復旧の見込み、契約が終わるときのデータの返却や削除の扱いは、移行前に書面で確かめておきたい項目です。
送受信の結果を確認する仕組みも用意します。
送ったつもりで届いていない状態に気づくのが遅れると、納期や請求に影響が出ます。
送受信の成否を一覧や通知で確認できるようにし、失敗したときに誰がどう再送するかまで運用として決めておくと、切替直後の混乱を抑えられます。
ISDN回線のEDIは、期限が決まっている一方で、実際の作業の中身は取引先ごとに違います。
まず契約がINSネットかフレッツ・ISDNかを切り分け、取引先ごとの通信手順と移行後の方式を一覧にすることが、費用や方式の比較より先に来る作業になります。

契約種別の確認と取引先ごとの方式の棚卸しは、回線、EDIの仕組み、基幹システムの三つにまたがるため、社内の一部門だけで見ると抜けが出やすい作業です。期限が決まっている移行では、どこから着手するかを早く固めるほど、後の調整に回せる時間が増えます。
現在の契約内容と接続の状況を共有いただければ、INSネットとフレッツ・ISDNのどちらに該当するか、取引先ごとにどの順で調整を始めるべきかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する
移行の可否と期限を判断する前に確認する項目
ISDN回線でEDIを続けている場合に、移行の可否と期限を判断するために必要な確認対象という軸で並べています。
- 請求書や契約書に記載されたサービス名が「INSネット」か「フレッツ・ISDN」か
- 回線番号ごとの用途(EDI、電話、FAXなど)と拠点・担当部署の対応
- EDIの端末やサーバの接続設定に、相手先へのダイヤル先電話番号が登録されているか
- 取引先ごとの現在の通信手順と、相手が案内している移行後の方式
- 切替時期を左右する社内事情(基幹システムの改修範囲、予算の時期、繁忙期)
これらを一覧にしておくと、以下のよくある質問で扱う個別の判断も、自社の状況に当てはめて考えやすくなります。
要点の整理
| 確認する契約 | INSネット(回線)かフレッツ・ISDN(ダイヤルアップ接続)かを、請求書・契約照会・現場設定の三方向で切り分ける |
|---|---|
| 期限 | INSネットは新規受付が2024年に終了済み、提供終了予定は2028年1 |
| 別サービスの扱い | フレッツ・ISDNは2026年に提供終了しており、INSネットの期限と同一視しない2 |
| 移行方式 | 取引先が指定する方式に合わせられるかを先に確認し、方式ごとに取引先を分類する |
| 期間と費用 | 1社あたり1カ月ほどかかった事例を目安に社数と繁忙期を加味し、補助金は公募要領で対象経費と日程を確認する |

移行の見積もりは、データ形式の違い、セキュリティの設定、補助金の対象可否といった条件が絡み、一般的な相場だけでは判断できません。条件を並べて比べる段階で第三者の目を入れると、後から膨らむ作業を先に見つけやすくなります。 取引先ごとの通信手順の一覧と社内システムの連携範囲をお見せいただければ、改修が必要になりそうな箇所と、切替日程の組み方を具体的に確認できます。
よくある質問
INSネット契約でまだEDIをFAXや紙で運用している場合はどうすればよいか
データ交換を電子的に行っていない場合でも、電話やFAXにINSネットの回線を使っているなら、その回線自体が2028年12月31日に提供終了予定である点は同じです1。まずは回線の切替として、どの用途をどの方式へ移すかを整理してください。手元のFAX機や電話機が切替後の回線でそのまま使えるかは機器と接続方式によるため、契約先や機器の提供元に確認が必要です。受発注の電子化を同時に進めるかどうかは、回線の切替とは別の判断として、取引先の要望や自社の件数を見て決めるとよいでしょう。
取引先がまだISDNのままで、自社だけ先にインターネットEDIへ移行してもよいか
EDIは相手との取り決めで成り立つため、自社だけ切り替えても、相手にインターネット経由の受け口がなければ接続できません。実務上は、取引先ごとに方式を分けて、移行済みの相手とは新方式、未移行の相手とは従来方式という形で並行させられるかが判断の分かれ目になります。並行運用ができる構成かどうか、費用が二重にかからないかを、提供事業者と社内システムの両面で確認してください。相手の移行予定が未定の場合は、再確認の時期を決めて一覧で管理しておくと、期限直前の積み残しを防げます。
デジタル化・AI導入補助金2026はEDIシステムの導入費用にも使えるか
本記事の資料で確認できたのは、インボイス枠(インボイス対応類型)でPC・タブレット等のハードウェアについて10万円以下の補助額が設定されているという点です5。EDIのソフトウェアや導入作業の費用が対象になるかは、枠と類型ごとの要件、登録されているツールの区分によって決まるため、ここでは適用可否を判断できません。申請を検討する場合は、公募要領で対象経費と申請期間、発注や契約のタイミングに関する条件を確認してください。制度の日程と回線の期限が合わない場合に、どちらを優先するかも先に決めておくと計画が止まりません。
2028年12月31日より前に回線が使えなくなることはあるか
告知されている提供終了予定日は2028年12月31日であり、あくまで予定日として示されている点を踏まえ、最新の告知を定期的に確認してください1。一方で、新規申込の受付は2024年8月31日にすでに終了しているため1、移転や増設で同じ回線を新しく用意する前提の計画は立てられず、実務上はそれより前に選択肢が狭まる場面があります。また、名前の似たフレッツ・ISDNは2026年1月31日にサービス提供を終了しており2、関連するサービスが先に終わることもあります。回線、接続サービス、EDIのサービスを分けて、それぞれの提供元の告知を確認するのが確実です。
取引先が多くて全社に連絡しきれない場合、どこから手を付ければよいか
取引先名、現在の通信手順、相手が案内している移行後の方式、切替の希望時期を並べた一覧を作り、取引量が多い先と相手側の期限が早い先から着手するのが現実的です。事前調整から利用開始までに1カ月ほどかかったとされる事例もあるため3、社数と相手の準備状況を踏まえて逆算し、相手待ちの期間と自社作業の期間を分けて見積もってください。方式が同じ取引先はまとめて進められることが多いので、方式ごとにグループ分けしておくと連絡と試験の手間を減らせます。未定の回答が返ってきた先は、再確認の時期を決めて一覧に記録しておきます。
- 1 出典:東日本電信電話株式会社(NTT東日本)「「INSネット」の新規申込受付終了及びサービス提供終了について」(2024年) 経路
- 2 出典:東日本電信電話株式会社(NTT東日本)「フレッツ・ISDN 提供条件」(2026年) 経路
- 3 出典:日経クロステック(xTECH)「ISDN移行のハードルは業界によって様々、EDIなどは早期対応が必要」(2016年) 経路
- 4 出典:中小企業庁「中小企業共通EDI(次世代企業間データ連携調査事業・ミラサポplus解説)」(2018年) 経路
- 5 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 インボイス枠(インボイス対応類型)」(2026年) 経路
画像の出典元
- A telecommunication tower equipped with satellite dishes aga/Photo by Barnabas Davoti on Pexels
- Silhouette of a telecommunications tower against a vibrant t/Photo by Schena Maria Karlec on Pexels
- A modern telecommunication tower stands against a clear blue/Photo by Jean W Photos on Pexels
- Telecommunications tower in Grubišno Polje against a blue sk/Photo by Vladimir Srajber on Pexels