◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- INSネットのディジタル通信モードは2024年1月から段階的に終了しており、いま動いているEDIは品質の落ちた補完策に乗っている可能性が高い。
- 補完策とINSネット自体は2028年12月31日に終了するが、自社の実際の期限は処理時間の限界や取引先・VANの切替予定で前倒しになり得る。
- インターネットEDIへの移行では、回線だけでなく通信手順・電子証明書・接続検証を取引先ごとに決め直すことになる。
- 移行方式は費用の相場ではなく、運用の担い手・指定標準の有無・改修範囲・稼働までの期間の4つの軸で比べる。
- 接続テストが長引きやすい取引先から着手し、1社目の実績から残りを見積もって、並行運用の余裕を残した完了目標を置く。
目次

ISDNのEDIが止まる日はいつか:すでに終わった終了と、これから来る2028年12月31日
取引先から切替の案内が届いた、あるいは社内で「ISDNが終わるらしい」と聞いた。
それでも自社のEDIは今日も注文データを送受信している。
この状態で何を急げばよいのか、迷いやすいところです。
実は、INSネットのディジタル通信モードは2024年から段階的に終了しています1。
いまEDIが動いているなら、品質を落とした暫定の補完策に乗っている可能性が高いと考えられます。
補完策とINSネット自体が終わるのは2028年末です2。
インターネットEDIへの移行は、この時期を待つより、取引先ごとの手順・証明書・接続テストから逆算して順番を決めるほうが現実的です。
ディジタル通信モードは2024年1月から終了済み
ISDNの終了を「これから起きる一度きりの出来事」と受け取ると、判断の起点がずれます。
NTT東日本の案内では、INSネットのデータ通信に使われてきた「ディジタル通信モード」は、2024年1月から地域ごとに段階的に終了しています1。
同社は、エリア内の切替を完了済みとし、ディジタル通信モードは補完策へ移行したと案内しています4。
同じ案内は、ディジタル通信モードの主な利用例としてEDIを挙げています1。
ISDN回線で取引先と受発注データをやり取りしてきた会社は、すでに一度目の切替を通過していることになります。
それでも業務が止まらなかったのは、既存のINSネット対応端末のままデータを送受信できる補完策が用意されたためです1。
端末も画面も変わっていないので、担当者が気付かないうちに通信の裏側だけが入れ替わっていた、ということが起こり得ます。
一方で、INSネットの通話モードは引き続き利用できるとされています1。
EDIの構成によっては、ディジタル通信ではなく、通話モードの上でモデムを使って通信している場合もあります。
この場合の扱いは通信方式によって変わるため、回線事業者の案内で確かめる必要があります。
補完策とINSネット自体は2028年12月31日に終了
これから来る終了時期は、2028年末です。
NTT東日本は、INSネット64・64ライト・1500について、2024年に新規販売を終え、2028年末にサービス提供を終了すると発表しています2。
補完策によるデータ通信も、同じ時期に提供を終了します1。
この日を過ぎると、補完策でつないでいるEDIも、INSネット回線そのものも使えなくなります3。
INSネット回線で他の事業者の通話サービスを使っている場合も、同日以降は利用できないとされています3。
「通話は別の会社と契約しているから関係ない」という整理は成り立たないということです。
ここで挙げた日付と内容は、NTT東日本の案内に基づくものです。
NTT西日本エリアで回線を契約している場合は、同社の案内で自社回線の扱いを確かめてください。
自社がどの状態かの確認方法
自社のEDIがいまどの経路で動いているかによって、残っている時間と取るべき手が変わります。
考えられる状態は、おおむね次の3つです。
- ISDN回線と対応端末のまま、補完策でデータ通信している
- 通話モードの上で、モデムを使って通信している
- すでにインターネット回線など、ISDN以外の経路へ移っている
NTT東日本のエリアでは切替が完了しており、切替日は市外局番ごとに案内されています4。
そのため、同エリアでISDN対応端末のままEDIのデータ通信を続けているなら、補完策に乗っている可能性が高いと見てよいでしょう。
ただし、どのモードで通信しているかは外から見ただけでは決めきれません。
EDIソフトの通信設定や、回線につないでいる端末の種類を、保守を担当しているベンダーに見てもらうのが確実です。
手掛かりになるのは、送受信にかかる時間の変化です。
自社地域の切替日の前後で、夜間の一括送受信の所要時間が延びていれば、補完策の影響を受けている可能性があります。
これはあくまで手掛かりで、通信相手の都合など他の要因でも時間は変わります。
判断は、設定と回線契約の確認で確定させてください。
補完策に乗っているEDIの実態:品質・料金と、自社の期限の決まり方
補完策の品質と通信料
補完策は、ディジタル通信モードと同じ品質ではありません。
NTT東日本は、伝送遅延によって処理時間が増える恐れがあると案内しています1。
2022年の報道では、補完策の通信速度は2〜4倍低下するとされていました6。
これは当時の報道で示された見込みで、現在の保証値ではありません。
それでも、「以前と同じように動いているから問題ない」とは言い切れない理由にはなります。
料金の数え方も変わっています。
補完策のデータ通信料は、切替後の加入電話・INSネットの音声通話と同じ全国一律9.35円/3分です1。
時間に応じて課金される以上、伝送遅延で接続時間が延びれば、同じ件数のデータを送っても通信料は増えます。
件数が変わっていないのに通信料が上がっている場合は、遅延の影響を疑う材料になります。
たとえば、夕方に締めた注文を夜間に複数の取引先へまとめて送り、翌朝の出荷準備につなげている会社を考えてみます。
送信が少しずつ延びても、締め時刻までに終わっているうちは表に出ません。
ところが取引先や注文が増える時期に重なると、送信の終わりが後ろへずれ、翌朝の作業の開始を遅らせることになります。
補完策の品質低下は、こうした業務の余裕を少しずつ削る形で現れます。
補完策そのものの位置づけも押さえておく必要があります。
NTT東日本は補完策を、ディジタル通信モードの提供終了までに別サービスなどへの移行が間に合わない利用者向けの、当面の対応策としています1。
2022年の報道の時点では、補完策は2027年頃までの提供予定と伝えられていました6。
現在の案内では終了日は2028年12月31日です3。
終了時期は当初の見込みより後ろへ延びましたが、暫定の措置であることと、品質が元に戻らないことは変わっていません。
自社の期限を決める3つの要因
では、自社のEDIはいつまでに移せばよいのか。
2028年末は動かせない上限ですが、自社の実際の期限がその時期になるとは限りません。
編集部の整理では、次の3つのうち最も早く来るものが、自社の期限になります。
- 補完策とINSネットの提供終了(2028年12月31日)
- 処理時間の延びが、業務の締め時刻に収まらなくなる時点
- 取引先やVANが、ISDN経由の受付をやめる時点
一つ目は、全ての会社に同じように当てはまる日付です2。
二つ目は、自社で測れる期限です。
夜間の送受信にかかる時間を月ごとに記録し、締め時刻までの余裕がどれだけ残っているかを見れば、どれほど切迫しているかが分かります。
三つ目は、相手の事情で決まる期限です。
VAN(付加価値通信網。
複数の取引先とのデータを中継する事業者のサービス)や取引先が、自社より先にISDN経由の受付を終える予定を持っている場合、自社の期限はその日に前倒しされます。
こればかりは、相手に聞かなければ分かりません。
裏を返せば、まだ取引先やVANに切替予定を聞いていない会社は、自社の期限そのものがまだ分かっていない状態にあるということです。
▼ 図の内容を文字で読む
- 2024年1月から:ディジタル通信モードが地域ごとに段階的に終了し、補完策へ移行
- 2024年8月31日:INSネット64・64ライト・1500の新規販売が終了
- 2028年12月31日:補完策とINSネットのサービス提供が終了
インターネットEDIに移ると何が変わるのか:通信手順・証明書・接続検証
証明書と接続検証
移行を「ISDN回線をインターネット回線に替える工事」と考えると、手間の見積もりが外れます。
インターネットEDIは、インターネットを経由して受発注などのデータをやり取りする方式です。
回線が変わるだけでなく、取引先ごとに、どの通信手順(データを送る際の取り決め)を使い、やり取りをどう保護し、実際につながることをどう確かめるかを決め直すことになります。
インテックとキヤノンITソリューションズが2021年に出したリリースでは、既存システムを置き換える場合、インターネットEDIで必須となる電子証明書の導入・管理と、相手先との接続検証が必要になると述べています7。
電子証明書は、通信の相手を確かめたり、やり取りを保護したりするために使う電子的な身分証のようなものです。
入れて終わりではなく、管理が続く点がISDN時代にはなかった仕事になります。
接続検証は、取引先と実際にデータを送り合い、正しく届き、正しく読み取れることを確かめる作業です。
こちらの準備が整っていても、相手の都合がつかなければテストは始められません。
取引先の数だけ日程の調整が発生するため、時間はここで延びやすくなります。
同じリリースは、発注企業はシステムが大規模で、多数の受注企業との疎通テストのために移行期間が長期化する傾向があると指摘しています7。
これは2社の取り組みを紹介したリリースの見立てで、業界全体を調べた統計ではありません。
ただ、発注側から見ると、受注企業の一社ずつと接続を確かめる作業が積み重なる構造は想像しやすいはずです。
受注側に立つと、同じ構造は別の形で効いてきます。
発注元が多数の受注企業と順番にテストを進めるなら、自社の番がいつ回ってくるかは発注元の日程次第になります。
受注側こそ、発注元の移行計画を早めに聞き、自社の準備をそこに合わせておくほうが安全だと考えられます。
流通BMSなど業界標準の位置づけ
通信手順を一社ずつゼロから決めるのは大変ですが、業界によっては標準が用意されています。
流通BMSは、メッセージ(電子取引文書)と、通信プロトコル・セキュリティについて定めたEDIの標準仕様です5。
GS1 Japanの推計では、卸・メーカーの導入企業は2025年時点で21,600社以上とされています5。
取引先が流通BMSを採用していれば、文書の形も、通信とセキュリティの方式も、合わせる先がはっきりします。
自社で手順を選び直す余地は小さくなりますが、迷う範囲も小さくなります。
ただし流通BMSは消費財流通の業界向けの標準で、他の業界にそのまま当てはまるわけではありません。
大事なのは、自社がどの標準に従うことになるかを、方式を選ぶ前に取引先へ確かめることです。
自社の都合で手順を決めた後に、取引先から別の標準を指定されると、準備をやり直すことになります。
標準の確認は、次に扱う方式の選び方を左右する最初の分かれ目です。
| 決め直すこと | 誰と決めるか | 時間がかかりやすい点 |
|---|---|---|
| 通信手順 | 取引先(業界標準があればその仕様) | 取引先ごとに方式が違うと対応が分かれる |
| 電子証明書 | 自社(運用を委ねる場合は委託先) | 導入後も管理が続く |
| 接続検証 | 自社と取引先 | 取引先の数だけ日程調整が要る |
▼ 図の内容を文字で読む
- 補完策でデータ通信
- ISDN回線と対応端末のまま
- 処理時間の延びを確認
- 通話モードでモデム通信
- 扱いは通信方式で変わる
- 回線事業者の案内で確認
- ISDN以外へ移行済み
- インターネット回線など、ISDN以外の経路
移行方式の選び方:自社対応・VANやサービス利用・取引先方式への合流
4つの判断軸
インターネットEDIへの移り方は、大きく分けて次の3通りが考えられます。
どれか一つに決める必要はなく、取引先によって使い分けることもあります。
- 自社対応:EDIソフトと電子証明書を自社で用意し、接続も自社で運用する
- VANやサービスの利用:EDIベンダーやVANのサービスを使い、接続や運用の一部を任せる
- 取引先方式への合流:取引先が指定する標準や仕組みに、自社が合わせて参加する
これらを費用の相場で比べるのは難しいのが実情です。
見積もりに何が含まれるかは契約の範囲によって大きく異なり、一般化できる金額はありません。
そこで編集部は、次の4つの軸で比べることを提案します。
- 誰が電子証明書と接続を運用するか
- 取引先が指定する標準があるか
- 自社のシステムをどこまで改修するか
- 稼働までにどれだけ期間がかかるか
一つ目の軸で判断が分かれるのは、移行後の日常です。
電子証明書の管理や、夜間に送信が失敗したときの対応を、自社の担当者が引き受けるのか、サービス側に任せられるのか。
ISDN時代に保守ベンダーへ任せていた部分が、自社に戻ってくるかどうかがここで決まります。
三つ目の改修範囲は、受発注データを基幹システムとどう受け渡しているかで変わります。
回線と通信の部分だけを入れ替えれば済むのか、データの形式まで変える必要があるのかで、手間は大きく違います。
取引先の標準に合わせて文書の形が変わる場合は、社内システムとの受け渡し部分にも手が入ることになります。
四つ目の期間には、自社の準備だけでなく、取引先との接続検証の時間が含まれます。
先のリリースでは、移行の短期化には導入工数の削減と、EDIベンダーによる発注側・受注側双方の支援体制が重要だとしています7。
サービスの見積もりを比べるときは、価格だけでなく、取引先とのテストをどこまで支援してもらえるかも同じ並びで確かめると、期間の見通しが立てやすくなります。
取引先が標準を指定している場合
取引先が流通BMSなどの標準を指定しているなら、選択肢は自然に狭まります。
この場合に考えることは、「どの方式で移るか」から「指定された方式を、自社側でどう受けるか」に変わります。
指定の仕様を自社で受けるのか、対応するサービスを使って受けるのかが、残る判断です。
取引先が複数あり、それぞれが別の標準を指定している場合は、方式が並列に増えていきます。
取引先ごとに指定の有無と標準名を一覧にしてみると、同じ方式で済む取引先のまとまりが見えてきます。
まとまりの大きい方式から準備すれば、一度の構築で移せる取引先が多くなります。
反対に、取引先から特に指定がない場合は、自社で方式を選ぶ余地があります。
まず今使っているEDIベンダーやVANに、インターネットEDIへの移行支援の内容と範囲を聞くところから始めるとよいでしょう。
今の取引先とのつながりを把握している相手なので、どの取引先がどの方式に移れるかを整理しやすいためです。
| 判断軸 | 自社対応 | VANやサービスの利用 | 取引先方式への合流 |
|---|---|---|---|
| 証明書と接続の運用 | 自社 | 契約の範囲で委ねられる | 取引先の仕組みと自社の分担による |
| 指定標準との関係 | 自社で標準に合わせて構築 | サービスの対応範囲を確認 | 指定に従う |
| 自社の改修範囲 | 自社で決めて実施 | サービスとの受け渡し部分 | 指定の形式に合わせる部分 |
| 稼働までの期間 | 自社の体制と取引先のテスト次第 | 支援の範囲で変わる | 取引先の日程に左右される |
▼ 図の内容を文字で読む
- 伝送遅延
- 接続時間が延びる
- 通信料が増える
期限から逆算した進め方:取引先の棚卸し、接続テスト、並行運用
棚卸しから解約までの順序
ここまでの話を、実際の作業の順に並べ直します。
以下は編集部が提案する進め方で、取引先ごとに段階を並行させて構いません。
- 取引先・手順・回線の棚卸し
- 移行方式と順番の決定
- 電子証明書の取得と接続テスト
- 新旧の並行運用
- ISDN回線契約の解約
最初の棚卸しで書き出すのは、取引先ごとの名前、自社が送る側か受ける側か、やり取りしているデータの種類、使っている回線と通信方式、経由しているVAN、送受信の締め時刻です。
あわせて、EDI以外にISDN回線を使っている機器が社内に残っていないかも洗い出しておきます。
この一覧が、前の節で挙げた3つの期限を取引先ごとに当てはめる台帳になります。
二つ目の段階では、棚卸しした一覧に、取引先の指定標準と切替予定を書き込み、方式と順番を決めます。
三つ目は、決めた方式に必要な電子証明書を用意し、取引先と接続テストを行う段階です。
証明書は方式が決まって初めて必要なものが分かるため、方式の決定より先には進めにくい作業です。
四つ目の並行運用は、新しい経路での送受信を本番に切り替える前に、旧来の経路も残しておく期間です。
新しい経路で問題が見つかっても、旧来の経路で取引を止めずにすむ点に意味があります。
補完策が使える2028年12月31日までであれば、この安全網を残しておくことができます。
最後が、ISDN回線の解約です。
全ての取引先が新しい経路へ移り、EDI以外にその回線を使う機器もないと確かめてから解約します。
早く解約しても、並行運用の安全網を失うだけなので、急ぐ理由はあまりありません。
テストが長引きやすい取引先から着手する
順番を決めるとき、易しい取引先から片付けたくなるものです。
しかし期限から逆算するなら、接続テストが長引きやすい取引先から先に始めるほうが理にかなっています。
時間の読めない作業ほど、後ろに残すと期限に追われることになるからです。
発注側の立場なら、取引先の多い業務や、データの量が多い取引先から着手するのが一つの考え方です。
受注側の立場なら、主要な発注元の移行計画を聞き、その日程に自社が乗り遅れないよう準備を進めることが先になります。
どちらの立場でも、相手の都合で時期が決まる取引先ほど、早く話を始めておく価値があります。
取引先ごとのテストにどれだけの期間がかかるかを示す一次資料は、手元にありません。
現実的なのは、1社目の接続テストを実際に終えてみて、その所要期間から残りの取引先の分を見積もるやり方です。
1社目が予想より長くかかったなら、2028年12月31日から逆算して、並行運用と解約に使える時間がどれだけ残るかを早めに見直すことができます。
2028年12月31日は、移行が完了していなければならない最後の日であって、作業を始める目安ではありません。
並行運用の期間と、予定どおりにいかなかったときの余裕を引いた日を、自社の完了目標として置いておくと、取引先との話し合いでも日程を示しやすくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 提供終了
- 全ての会社に共通の日付
- 2028年12月31日
- 処理時間の限界
- 自社で測れる期限
- 夜間の送受信時間を月ごとに記録
- 取引先やVANの切替予定
- 相手の事情で決まる期限
- 相手に聞いて確かめる
自社のEDIが補完策に乗っているのか、どの取引先がいつ切り替えるのかは、社内の資料だけでは見えにくく、期限が分からないまま時間が過ぎがちです。
いまの通信経路と取引先ごとの状況を一緒に整理し、自社の実際の期限がどこにあるかを確かめられます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| いま動いている経路 | NTT東日本エリアでISDN端末のままデータ通信していれば、補完策の可能性が高い |
| 動かせない期限 | 補完策とINSネットは2028年末に終了 |
| 自社の実際の期限 | 提供終了日・処理時間の限界・取引先やVANの切替予定のうち最も早いもの |
| 方式の比べ方 | 運用の担い手・指定標準の有無・改修範囲・稼働までの期間 |
| 着手の順番 | 接続テストが長引きやすい取引先から。1社目の実績で残りを見積もる |
▼ 図の内容を文字で読む
- 標準の指定がある
- 指定の仕様を自社で受ける
- 対応するサービスを使って受ける
- 取引先ごとに指定が異なる
- 指定の有無と標準名を一覧にする
- まとまりの大きい方式から準備する
- 指定がない
- 自社で方式を選ぶ余地がある
- 今のEDIベンダーやVANに移行支援の内容と範囲を聞く
▼ 図の内容を文字で読む
- 取引先・手順・回線の棚卸し:送る側か受ける側か、データの種類、回線と通信方式、VAN、締め時刻
- 移行方式と順番の決定:取引先の指定標準と切替予定を一覧に書き込む
- 電子証明書の取得と接続テスト:方式が決まってから必要な証明書を用意する
- 新旧の並行運用:旧来の経路を残したまま新しい経路を確かめる
- ISDN回線契約の解約:全ての取引先が移り、他の利用機器がないと確かめてから
方式の選び方や着手の順番は、取引先の指定標準や社内システムとの受け渡し方で変わり、一般論だけでは決めきれません。 棚卸しした取引先の一覧をもとに、どの方式でどこから着手するのが無理がないかを確かめられます。
よくある質問
自社のEDIが補完策で動いているかどうかは、どう確認できますか。
NTT東日本のエリアでは切替が完了しており、切替日は市外局番ごとに案内されています4。
同エリアでISDN対応端末のままEDIのデータ通信を続けていれば、補完策の可能性が高いと考えられます。
ただし、通話モードの上でモデム通信している構成もあり得るため、確定にはEDIソフトの通信設定と端末の種類を保守ベンダーに見てもらうのが確実です。
切替日の前後で送受信の所要時間が延びていないかも手掛かりになります。
取引先がインターネットEDIへの移行に応じない場合はどうすればよいですか。
2028年12月31日を過ぎると、補完策もINSネットも使えなくなります3。
取引先にとっても同じ期限なので、まずこの日付と自社の移行予定を伝え、相手側の計画を聞くことが出発点です。
そのうえで、利用しているVANやEDIベンダーに、相手側の方式との間をどう取り持てるかを相談すると、自社だけで抱え込まずに選択肢を探れます。
電子証明書は、誰がどのタイミングで用意するのですか。
インターネットEDIでは電子証明書の導入と管理が必要になります7。
どの証明書が必要かは取引先と合意する方式によって決まるため、方式を決めた後、接続テストの前に用意する流れになります。
自社で運用するか、サービスに委ねるかによって担い手が変わるので、サービスを使う場合は、取得と管理のどこまでが契約に含まれるかを確かめておきます。
流通BMSに対応していない業界のEDIは、どの標準へ移ればよいですか。
流通BMSは消費財流通の業界向けの標準です5。
他の業界では、業界団体や主要な取引先が指定する方式があればそれに従うことになります。
名称だけで判断せず、取引先から仕様書を受け取り、文書の形式と通信・セキュリティの方式の両方を確かめてください。
指定がない場合は、現在のEDIベンダーやVANに移行先の候補を聞くのが近道です。
ISDN回線の契約は、いつ解約すればよいですか。
全ての取引先が新しい経路へ移り、並行運用で問題がないことを確かめてからが目安です。
EDI以外にその回線を使っている機器がないことも、事前に確かめておく必要があります。
補完策は2028年12月31日まで使えるため1、それまでは旧来の経路を安全網として残しておけます。
- 1 出典:NTT東日本「INSネット(ディジタル通信モード)サービス終了のご案内」(2024年)
- 2 出典:NTT東日本「「INSネット」の新規申込受付終了及びサービス提供終了について」(2024年)
- 3 出典:NTT東日本「INSネットのサービス終了案内ページ」(2026年)
- 4 出典:NTT東日本「固定電話(加入電話・INSネット)IP網移行 工事完了のご案内」(2024年)
- 5 出典:一般財団法人流通システム開発センター(GS1 Japan)「流通BMS」(2025年)
- 6 出典:ビジネスネットワーク.jp「今からでも成功するISDN対策」(2022年)
- 7 出典:インテック/キヤノンITソリューションズ「INSネット移行に関する協業リリース」(2021年)
画像の出典元
- Professionals collaborating in a modern office with laptops and documents, focusing on teamwork./Photo by Yan Krukau on Pexels