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電子受発注システムの月額費用|規模別の相場

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • クラウド型の月額は29,800円から49,800円が目安で、取引先が数十社なら初期費用を抑えたまま始められます
  • 商習慣に合わせて作り込む小規模カスタマイズは、月額70,000円から、初期費用400万円からが目安です
  • 基幹システムと連携させる大規模カスタマイズは初期費用1,500万円からで、月額よりも初期投資が判断の軸になります
  • 受発注業務の時間は共通EDIの実証で51.4%削減されており、月額費用は人件費との比較で見ると判断しやすくなります
  • 補助金の通常枠は1プロセス以上で上限150万円、4プロセス以上なら上限450万円まで広がります

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▽ 写真の出典元

FAXと電話に依存する受発注業務の実態

電子受発注システムの月額費用は、クラウド型で29,800円から49,800円、要件を作り込む小規模カスタマイズで70,000円からが目安です。初期費用は10万円から始まり、作り込みを伴うと400万円を超えます。取引先ごとの条件差をどこまで再現するかで価格帯が分かれますが、現場の多くはいまも紙と電話に頼ったままです。

始業前の事務所。FAX機が紙を吐き出す音が続き、担当者は一枚ずつ用紙をそろえて品番を打ち込みます。机の上では、注文書の山が毎朝きれいに背を伸ばします。取引先ごとに書式が違い、単価の欄が空いたままの用紙も混じります。電話で入った追加注文はメモに残り、転記の順番待ちになります。「あとで確認します」という一言が、その日の手戻りの起点になります。

紙と電話に頼る形は、一社だけの特殊事情ではありません。受注方法をたずねた調査があります。85.8%が、企業間取引で最も多い受注方法を「アナログ」と答えた割合でした3。2020年の調査結果であり、最新の比率ではない点は補ってお読みください。デジタルでの受注を最多と答えたのは14.2%にとどまり、紙の側が厚い構図が見えてきますね。

一方で、企業間の電子商取引そのものは伸びています。514.4兆円が2024年の企業間電子商取引(BtoB-EC)の市場規模であり、前年から10.6%増えました1。市場全体がデジタルへ動くなかで、目の前のFAX機だけが取り残されている格好です。転記に追われる担当者の実感と、統計の伸び率との差が、この会社の課題を映しています。

転記のやり直しと電話での確認は、時給に換算すれば毎月の固定費として静かに積み上がっています。

電子受発注システムの費用相場

初期費用の違い

初期費用は、システムの形によって桁が変わります。まず既製のクラウド型から見ます。10万円(税抜)が、帳票の発行を電子へ切り替える構成で示されている初期費用です7。取引先ごとの画面をすぐ用意するプランでも、初期費用は10万円という提示があり、いずれも2026年に公開されている料金です8。「まず出せる形にする」ところまでを十万円台で区切る値付けが、この帯の考え方になります。

作り込みを伴うと、位が一つ上がります。400万円が、商習慣に合わせて構築する小規模カスタマイズのモデルケースで示された初期費用の下限です4。基幹システムとの連携まで含む大規模カスタマイズでは、1,500万円が同じくモデルケースの下限として置かれています4。差を生むのは機能の数ではなく、取引先ごとの「例外」をどれだけ画面と帳票へ再現するかです。

月額費用の違い

月額は、取引先の数と機能の幅で段が分かれます。数を先に置きます。29,800円(税別)が、取引先30社までを想定したプランの月額として示されている水準です6。100社までを想定したプランは49,800円(税別)で、二つの差はそのまま取引先が30社から100社へ増える分の差になります6。「社数が増えるほど一社あたりは軽くなる」のが、既製のクラウド型の値付けです。

作り込む形では、月額の意味合いが変わります。70,000円が、小規模カスタマイズのモデルケースで示された月額費用の下限です4。88,000円(税抜)という月額を提示するプランもあり、初期費用10万円と組み合わせて早く立ち上げる構成になっています8。帳票の発行に絞るなら25,000円(税抜)からで、受発注そのものではなく「出口の紙」を減らす投資になります7。いずれも2026年に公開されている料金です。

51.4%が、共通EDIの実証で示された受発注業務時間の削減率であり、裏を返せばいまの形はその分の人件費を毎月払い続ける選択になります2

費用相場の三つの段
費用相場の三つの段

月額費用を見極める手順

最初に数えるのは、取引先の数と注文の本数です。書式の違う注文書が何種類あるかを、棚から一年分を出して数えます。30社までか100社までかで、既製プランの月額は29,800円と49,800円に分かれます6。この段階では「うちは特殊だから」と結論を出さず、例外の件数だけを数えておきたいところですね。

次に、例外の中身を分類します。単価が取引先ごとに違うのか、納品の条件まで違うのかで、必要な作り込みの範囲は変わります。単価表を画面に持たせるだけなら既製の範囲で収まり、出荷指示まで連動させるなら70,000円からの月額帯へ移ります4。「全部入り」を最初から狙わないほうが、初期費用は軽くなります。

最後に、補助金の枠を当てます。150万円が、通常枠で1プロセス以上を対象にしたときの補助上限額です5。受発注から請求までまとめて4プロセス以上にすると、上限は450万円まで広がります5。400万円からの小規模カスタマイズは、この枠を前提に「いつ、いくら払うか」を組むと現実味が出ます。2026年の制度内容にもとづく上限額です。

月額費用を見極める三手順
月額費用を見極める三手順

価格帯を選ぶときの基準

価格帯を選ぶ基準は、ここまでの手順とは別に三つに絞れます。第一に、取引先ごとの単価差を画面で持つか、受注後に人が直すか。第二に、基幹システムへ自動で流すか、CSVの取り込みで足りるか。第三に、初期費用を一度で払うか、月額へ寄せて平らにするか。「安いほう」ではなく「直しが減るほう」を選ぶと、月額の差は数か月で吸収されます。

判断を誤りやすいのは、月額だけを横に並べたときです。25,000円(税抜)からの帳票発行と、70,000円からの受発注の作り込みでは、そもそも「解く問題」が違います74。前者は紙の出口を減らし、後者は注文の入口を整えます。月額の高低ではなく、どちらの手戻りが自社で大きいかで決まりますね。

初期費用を一度で払うか、月額へ寄せて平らにするかを決めるとき、補助金の枠も判断材料になります。通常枠は1プロセス以上で150万円、4プロセス以上なら450万円まで広がるため5、対象プロセスをどこまで広げるかで自己負担の重さが変わります。基準を決めてから金額を当てはめるのではなく、金額の当たり方を先に確かめておくと、選択の順序を誤りません。

ここから先は、規模ごとの費用の内訳と、自社の条件に合う選び方を詳しく見ていきます。

電子受発注の月額費用は取引先ごとの例外をどこまで仕組みへ持たせるかで決まるため、相場表だけを見比べても自社の金額は固まりません。

見積もりを依頼する前に、例外の件数と必要な連携の範囲を一度整理してもらうのが近道です。無料相談で要件を整理する

電子化をためらう理由と、費用への跳ね返り

  • 取引先ごとに単価が違い、既製の画面では自社の条件を表せないという不安
  • 相手先が紙を望んでおり、こちらだけ電子にしても二重作業が残るという心配
  • 初期費用の桁が読めず、10万円で済むのか400万円からなのか判断がつかないこと
  • 月額が増えた分をいつ回収できるのか、社内へ説明できないこと
  • 担当者一人に運用が寄り、休んだ日に受注が止まること

この並びに優劣の順序はありません。

同じ不安でも、取引先の数と例外の中身で答えが変わるため、次の表で型ごとに見比べます。

50代前半の日本人女性が名刺交換をしている場面
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規模別に見る電子受発注の費用と選び方

導入の型 月額費用の目安 初期費用の目安 向いている条件
取引先数十社規模のクラウド型 29,800円〜49,800円(税別) 10万円(税抜)〜 書式の例外が少なく、まず紙と電話を減らしたい
商習慣に合わせた小規模カスタマイズ型 70,000円〜 400万円〜 取引先ごとに単価や納品条件が異なる
基幹システム連携の大規模カスタマイズ型 要件により変動 1,500万円〜 在庫引き当てと出荷指示まで連動させたい

取引先数十社規模のクラウド型

取引先が数十社で、注文書の書式もおおむねそろっている会社の話です。ここでは作り込みの議論より先に、止めるべき転記があります。29,800円(税別)から始まる既製プランは、取引先30社までという枠で値付けされています6。「まず紙を減らす」ことに目的を絞れば、月額は担当者の残業数時間ほどの重さで収まりますね。

相場全体では初期費用の桁が判断軸でしたが、この規模では月額の刻みが軸になります。49,800円(税別)のプランは100社までを想定しており、取引先の増え方が読めるなら先に上の段を選ぶ手もあります6。判断するのは機能の多さではなく、「来期に何社になるか」です。2026年に公開されている料金にもとづく比較になります。

行動は二つです。書式の違う注文書を一年分数え、30社の枠に収まるかを確かめます。次に、条件が特殊な取引先だけを「紙のまま残す」運用を先に決めておきます。難易度は低く、商品マスタの整備を含めて一、二か月の工数を見ておくと安全です。

85.8%という数字が示すように、受注方法の主流はいまもアナログ側にあります3。取引先数十社規模の会社がクラウド型へ切り替えることは、業界全体で見ればまだ少数派の14.2%に加わる選択です3。先に動いた分だけ、取引先からの信頼や発注の集まりやすさで差がつく余地が残っています。

確認する項目 目安
取引先の数 30社までか、100社までか
月額費用 29,800円か、49,800円か(税別)
立ち上げの期間 一〜二か月

月額29,800円の枠に自社が収まるかどうかは、取引先数と注文書の書式の種類を数えて初めて判断できます。

いまの注文書をそのまま見せて、最小構成で足りる範囲を切り分けてもらうのが近道です。無料相談で自社の条件を持ち込む

商習慣に合わせた小規模カスタマイズ型

取引先ごとに単価表が違い、納品の締め時間も相手に合わせている会社の話です。既製の画面へ無理に流し込むと、結局は受注後に人が直す工程が残ります。70,000円が、商習慣に合わせて構築するモデルケースで示された月額費用の下限です4。「例外こそが商売の中身」という会社ほど、この帯に落ち着きます。

相場の話では月額の刻みを見ましたが、この型では初期費用をどう賄うかが軸になります。400万円からの初期費用に対し、補助金の通常枠は4プロセス以上で上限450万円が当たる範囲です45。値引きを探すのではなく、対象になるプロセスを増やして「枠を大きくする」ほうが効きます。2026年の制度を前提にした考え方です。

行動は、取引先を三つに分けることから始めます。単価だけ違う先、納品条件も違う先、「毎回条件が変わる」先の三つです。最後の一群だけを人の手で残せば、作り込みの範囲は小さく保てます。難易度は中程度で、要件を固めるまでに二、三か月、構築を含めると半年前後の工数が目安になります。

取引先の分け方 作り込みの範囲
単価だけ異なる 単価表を画面に持たせる
納品条件も異なる 出荷指示の連動まで広げる
毎回条件が変わる 人の確認を残す
A multi-ethnic group working together at a desk with laptops
▽ 写真の出典元

初期費用400万円からの投資は、どの商習慣を仕組み側へ寄せるかの線引きで総額も月額も大きく動きます。

補助金の対象プロセスを含めた資金計画ごと、要件の線引きを詰めてもらうのが近道です。無料相談で自社の条件を持ち込む

基幹システム連携の大規模カスタマイズ型

在庫と出荷を基幹システムで動かし、受注の遅れがそのまま生産計画へ響く会社の話です。ここでは月額よりも、止まらない仕組みへ払う初期費用が主役になります。1,500万円が、大規模カスタマイズのモデルケースで示された初期費用の下限です4。「つながっていること」自体が、日々の手戻りを消す設計だからです。

小さく始める判断とは逆に、この型では取引の総量が軸になります。514.4兆円という企業間電子商取引の市場規模は、前年から10.6%増えました1。電子での取引が「当たり前」になった市場では、連携の遅れが受注の機会そのものを削ります。2024年の市場規模として公表された値です。

行動は、連携の順番を決めることです。受注データの取り込みを先に通し、在庫引き当てと出荷指示を後から足します。51.4%という受発注業務時間の削減率は、データが「一度で流れる形」にしてこそ近づきます2。難易度は高く、基幹側の改修を含めて一年規模の工数と、専任の担当者を見込む必要があります。

大規模カスタマイズの初期費用1,500万円は、通常枠の上限450万円だけでは大部分を賄いきれません45。それでも4プロセス以上を対象にする設計にしておけば、自己負担を1,500万円から一段軽くする余地は残ります。ここまで見てきた三つの型の違いを、次に判断の軸として一覧にします。

連携する範囲 確認する点
受注データの取り込み 品番と単価の突き合わせ
在庫引き当て 欠品時の連絡経路
出荷指示 納品書と請求の締め
基幹システム連携の順番
基幹システム連携の順番

基幹システムとの連携は既存側の改修範囲まで含めて費用が決まるため、製品の料金表からは月額も初期費用も読み取れません。

現行システムの構成を共有したうえで、連携の順番から組み立て直してもらうのが近道です。無料相談で自社の条件を持ち込む

要点の整理

判断の軸 選び方の基準
取引先の数 30社までか、100社を超えるか
例外の中身 単価だけか、納品条件まで違うか
初期費用の許容 10万円台か、400万円以上か
基幹システムとの関係 CSVの取り込みか、自動連携か
補助金の枠 1プロセスで150万円か、4プロセスで450万円か

電子受発注の費用は、掲示された月額の数字よりも、自社が抱える例外の数と種類で決まります。 相場の幅を自社の取引条件へ落とし込む作業から着手するのが近道です。

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よくある質問

月額費用のほかに、毎月かかる費用はありますか

帳票の郵送や取引先への案内が残る分の費用は、別に見ておく必要があります。帳票発行に絞る構成でも月額25,000円(税抜)からで、初期費用10万円が別に立ちます7。加えて、商品マスタの更新を誰が担うかで社内の人件費が実質の固定費として乗ります。「月額表の数字=総額」とは考えないほうが安全です。

取引先が紙のままでも、導入する意味はありますか

意味はあります。受注の入口を一本化すると、紙で届いた分も同じ画面へ集約でき、転記の往復が減ります。51.4%という受発注業務時間の削減率が、共通EDIの実証で示されています2。紙をゼロにするのではなく「紙の処理を一か所に集める」発想で始めると、相手に無理を強いずに進められますね。

補助金はどこまで当てにできますか

上限額だけは決まっています。150万円が通常枠で1プロセス以上の場合の上限、450万円が4プロセス以上の場合の上限です5。補助率や対象経費は要件によって変わるため、申請前に対象範囲の確認が欠かせません。400万円からの作り込みでは、「枠の大きさ」がそのまま資金計画を左右します。

安いプランから始めて、後から作り込めますか

移行の手間は前提になります。29,800円(税別)のプランで運用を覚え、例外の件数を把握してから作り込む進め方は現実的です6。ただし商品マスタと単価表の持ち方が変わると、データの移し替えが発生します。最初に「どの例外は人が持つか」を決めておくと、乗り換えが軽くなります。

導入までどのくらいの期間がかかりますか

既製のクラウド型なら一、二か月、作り込みを伴えば半年前後が目安です。期間を延ばす原因は機能の追加ではなく、取引先ごとの例外の洗い出しにあります。ここへ時間をかけた会社ほど、公開後の問い合わせが減ります。棚に積まれた注文書の束は、数えてみると意外なほど多くを「語り」ます。

月額88,000円のプランと、70,000円からの作り込みは何が違いますか

前者は用意された枠組みへ自社を合わせる形で、初期費用10万円ですぐ立ち上がります8。後者は自社の商習慣へ仕組みを合わせる形で、初期費用は400万円から必要になります4。「速さを買うか、例外への適合を買うか」の違いだと考えると整理しやすくなります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
  2. 2 出典:中小企業庁「中小企業共通EDI(次世代企業間データ連携調査事業・ミラサポplus解説)」(2018年) 経路
  3. 3 出典:株式会社アイル「受注業務の実態に関するアンケート調査(アラジンEC)」(2020年) 経路
  4. 4 出典:株式会社アイル(アラジンEC)「Web受発注システム・BtoB EC『アラジンEC』料金」(2026年) 経路
  5. 5 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠」(2026年) 経路
  6. 6 出典:株式会社Dai「Bカート 料金プラン」(2026年) 経路
  7. 7 出典:株式会社ラクス「楽楽明細 料金プラン」(2026年) 経路
  8. 8 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo 料金・プラン条件」(2026年) 経路

画像の出典元

  1. Spacious modern open office with workstations and natural li/Photo by DOAN THANH BINH on Pexels
  2. 50代前半の日本人女性が名刺交換をしている場面/画像:生成AI(自社)
  3. A multi-ethnic group working together at a desk with laptops/Photo by Thirdman on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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