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買掛金とは?計上のタイミングと仕訳、未払金との違い、支払管理の実務を解説

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 買掛金は発生主義に基づき、商品やサービスを受け取った時点で計上する。請求書の到着日を計上日にすると、締め日以降の仕入が翌月に流れる
  • 科目は債務の発生原因で分ける。通常の営業取引は買掛金、継続的な役務提供の未払分は未払費用、そのどちらにも当たらない単発の未払いは未払金として整理する
  • 下請法の対象となる取引では、支払期日を給付の受領日から起算して60日以内かつできる限り短い期間内に定める必要があり、遅れれば年14.6%の遅延利息が生じる
  • データでやり取りした請求書はデータのまま保存する義務があり、紙で受け取った分のデータ化までは求められていない
  • 二重計上は請求書の入口の重複から起きる。取引先別・請求書番号別の台帳と請求書データを突き合わせる消込で、重複と支払済み分の再計上に気づける

会計の金額を電卓で計算する手元
▽ 写真の出典元

買掛金とは何か、いつの時点で計上するのか

月末に届いた請求書の束を前に、この分は今月の買掛金でよいのか、納品が月をまたいだ分はどちらの月かと手が止まることがあります。
判断の起点になるのは、代金を払った日ではなく、商品やサービスを受け取った時点で費用と債務を計上するという発生主義の考え方です1。
買掛金は仕入など通常の営業取引から生じた債務で、受領・検収の時点で計上し、支払時に相殺して消し込みます。
継続的な役務提供の未払分は未払費用、そのどちらにも当たらない単発の未払いは未払金として分けます。
あとは支払期日をどこに置くか、請求書のデータをどう保存して台帳と突き合わせるかを決めれば、支払漏れと二重計上を抑える運用の形が見えてきます。

発生主義とは何か

仕入先から商品が届いたのは今月の末日、請求書が手元に来るのは翌月の初め、実際の振込は翌々月。
掛取引ではごく普通の流れですが、経理の側から見ると、この取引をどの月の帳簿に載せるのかという判断がまず必要になります。
答えは、お金が動いた月ではなく、商品やサービスを受け取った月です。

根拠は企業会計原則の損益計算書原則にあります。
そこでは「すべての費用及び収益は、その支出及び収入に基づいて計上し、その発生した期間に正しく割当てられるように処理しなければならない」と定められています1。
金額そのものは支出額や収入額を使うけれども、どの期間に載せるかは発生した期間に合わせる、という二段構えの決まりです。
これが発生主義と呼ばれる考え方で、支払った月に費用を立てる現金主義とは、月次の損益の出方がはっきり変わります。

商品を受け取った時点で、その仕入は当期の費用として確定します。
ただし代金はまだ払っていないので、支払う義務だけが会社に残ります。
この残った義務を貸借対照表に載せるための科目が買掛金です。
企業会計原則の貸借対照表原則では、買掛金は「取引先との通常の商取引によって生じた」債務として、支払手形などと並んで流動負債に分類されています1。

ここで押さえておきたいのは「通常の商取引によって生じた」という限定です。
あとで未払金や未払費用との使い分けを考えるとき、この一文が判断の入口になります。
つまり買掛金は「まだ払っていないお金全般」ではなく、本業の仕入や外注といった営業取引から生まれた債務に限られた科目だということです。

検収・受領時点での計上判断

実務で起票のきっかけになるのは、たいてい請求書です。
けれども請求書の日付や到着日をそのまま計上日にすると、発生主義からずれていきます。
請求書は代金を請求する書類であって、取引が発生した日を示す書類ではないからです。

たとえば20日締めの仕入先から、21日から末日までの間に商品を受け取ったとします。
この分の請求書が届くのは翌月20日の締め後になりますが、商品を受け取ったのは当月です。
月次をきちんと締めるなら、納品書や検収データをもとに当月分として買掛金を計上し、翌月に届いた請求書と突き合わせて金額を確認する、という順序になります。
請求書が来ていないから計上できない、と考えてしまうと、締め日以降の仕入がまるごと翌月に流れてしまいます。

では受領のどの時点を計上日とするか。
荷物が着いた日を基準にする納品基準、検収を終えて数量や品質を確認した日を基準にする検収基準など、実務ではいくつかの置き方があります。
どれを採るかは自社の会計方針や取引先との契約条件によって決まるもので、企業会計原則がひとつの時点を指定しているわけではありません。
大切なのは、社内で基準を決めて毎月同じように運用することです。
月によって納品基準と検収基準が混ざると、月末近くの取引がどちらの月に入ったのか、後から追えなくなります。

この判断がとくに効いてくるのが決算期末です。
期末の数日間に受け取った分をどう扱うかで、当期の仕入高も期末の負債残高も変わります。
期中はおおらかに運用していても、期末だけは納品書の日付を一件ずつ確認する、という会社もあります。
自社の基準を決めておけば、期末に慌てて判断を作らずに済みます。

買掛金が計上されてから消し込まれるまでの流れ
発注では計上せず、受領・検収を経て買掛金を計上し、請求書照合と支払いを経て消込に至る流れ

買掛金の仕訳の書き方(発生時・支払時)

場面ごとの借方・貸方の対応(模式図)
受領時・支払時・返品値引き時で借方と貸方に立つ科目が異なることを示す図

仕入時(発生時)の仕訳

計上する時点が決まれば、あとはそれを仕訳の形にするだけです。
買掛金の仕訳は、発生時と支払時の二回に分かれます。
この二回で一組だと考えると、途中で残高がどうなっているのかが掴みやすくなります。

商品を受け取った時点では、費用が発生し、同時に支払う義務が生まれます。
複式簿記では左右に同じ金額を書くので、借方に仕入(費用)、貸方に買掛金(負債)と記入します。
費用が増えたことと、負債が増えたことを一度に記録する形です。
金額は仕入価額、つまり請求される金額そのものを使います。

このとき現金や預金は一切動きません。
お金が動いていないのに帳簿だけ動くことに違和感を覚える方もいますが、それこそが発生主義の要点です1。
受け取った事実を先に記録し、支払いは支払ったときに別途記録する、という分業になっています。

支払時の仕訳

支払期日に振り込んだ時点では、負債が消え、預金が減ります。
借方に買掛金、貸方に普通預金と書くことで、先に立てておいた義務を打ち消します。
この打ち消しが消込です。
発生時と支払時の金額が一致していれば、その取引に関する買掛金の残高はゼロになります。

場面 借方 貸方
商品・サービスを受け取った時 仕入(費用)/仕入価額 買掛金(負債)/同額
支払期日に振り込んだ時 買掛金(負債)/支払額 普通預金(資産)/同額
返品・値引きがあった時 買掛金(負債)/減額分 仕入(費用)/同額

実務では、この形から外れる場面がいくつか出てきます。
ひとつは返品や値引きです。
いったん計上した買掛金を減らす必要があるので、借方に買掛金、貸方に仕入と、発生時と逆向きの仕訳を入れます。
請求書が届いてから返品額が反映されていないと気づいた場合も同じで、請求書の金額をそのまま信じて上書きするのではなく、差の中身を確認してから減額の処理をします。

もうひとつは振込手数料です。
自社が負担する手数料は支払手数料として別に処理し、買掛金の消込額と区別します。
取適法の対象取引では、合意があっても振込手数料を受託側に負担させて代金から差し引くことは減額に当たります。取引条件だけで控除可能と判断せず、適用法令を確認してください。公正取引委員会・取適法Q&A

なお、ここで挙げた科目名や書き方は、発生主義と複式簿記から導かれる一般的な形です。
実際に使う勘定科目の名称は、業種や自社の会計方針、使っている会計ソフトの初期設定によって表記が変わります。
消費税を税抜で処理するか税込で処理するかによっても、仕訳に仮払消費税が並ぶかどうかが変わります。
自社の処理方法に個別の税務判断が絡む場合は、顧問の税理士に確認したうえで社内のルールとして固めておくのが確実です。

買掛金と未払金・未払費用の違いと使い分け

買掛金・未払費用・未払金を分ける判断の軸(模式図)
発生原因の違いによって買掛金・未払費用・未払金に分かれることを示す図

未払費用との違い

計上の時点と仕訳の形が決まっても、目の前の取引をそもそも買掛金として起票してよいのか、という迷いは残ります。
「まだ払っていないお金」を表す科目は買掛金だけではないからです。
ここで効いてくるのが、さきほど触れた「通常の商取引によって生じた」という限定です1。

まず未払費用から見ていきます。
企業会計原則注解の注解5では、未払費用を「一定の契約に従い、継続して役務の提供を受ける場合、既に提供された役務に対していまだその対価の支払が終らないもの」と定義しています1。
事務所の家賃、保険料、借入金の利息などが典型です。
これらは商品のように一回ごとに受け渡しが区切られるのではなく、時間の経過とともに提供され続けます。

買掛金との違いは、金額の決まり方に表れます。
買掛金は一件ごとの仕入取引に対応していて、納品書や請求書の金額とそのまま結びつきます。
対して未払費用は、期末までに経過した期間の分を按分して計算する場面が多く、請求書が手元になくても計上すべき額が決まります。
月末時点で当月分の家賃が翌月払いになっているなら、その一か月分は既に提供を受けた役務の対価として未払費用に立つ、という考え方です。

未払金との違い(実務上の整理)

残るのが未払金です。
ここは少し慎重に扱う必要があります。
企業会計原則の中では、買掛金が通常の商取引による債務として位置づけられ、未払金はそれと区別される「その他の債務」として現れますが、未払金そのものを定義した独立の条文は、この原文からは確認できません1。
つまり実務上は、買掛金にも未払費用にも当たらない残りの未払い、という消去法的な整理として扱われている科目です。

この整理を踏まえると、判断の順序は自然に決まります。
その支払いが本業の仕入や外注といった通常の営業取引から生じたものなら買掛金、継続して役務の提供を受けている契約の経過分なら未払費用、そのどちらでもない単発の未払いなら未払金、という順に当てはめていく形です。
備品や車両を購入して代金が翌月払いになっているケース、単発で依頼した制作費が未払いのケースなどは、最後の未払金に落ち着くのが一般的な扱いです。

判断が割れやすいのは、その取引が自社にとって「通常の営業取引」なのかどうかが業種によって変わる点です。
家具を仕入れて売る会社が机を仕入れれば商品の仕入ですが、同じ机を事務所で使うために買ったのなら本業の仕入ではありません。
同じ品物でも、自社の営業活動の中でどういう位置を占めるかで科目が変わります。
迷ったときは、その支出が売上原価につながる流れの中にあるかを見ると整理しやすくなります。

そこまでして区別する意味はどこにあるのか、という疑問も出てきます。
ひとつは、貸借対照表に載る負債の内訳が読めるようになることです。
買掛金だけを取り出せば、仕入の規模に対して債務がどれくらい滞留しているかを取引先別に追えます。
もうひとつは、支払管理の実務そのものです。
買掛金は取引先ごとの締め日と支払サイトに沿って動くのに対し、未払金は個別の期日で動きます。
科目を混ぜてしまうと、支払予定を組むときにどの明細がどの期日に紐づくのか分からなくなり、支払漏れの温床になります。

支払漏れを防ぐ支払期日管理と取適法の60日ルール

取適法の60日ルールの内容

科目の振り分けができたら、次は支払期日の話になります。
買掛金の管理でいちばん重い失敗は、期日までに払えないことです。
そして支払期日は、自社の資金繰りの都合だけで自由に決められるとは限りません。

2026年から施行された取適法では、適用対象の委託について、検査の有無にかかわらず受領日から60日以内のできるだけ短い期間に支払期日を設定します。請求書発行日や自社の締め日から数えるものではありません。公正取引委員会の概要で対象範囲と支払義務を確認できます。

この起算点の置き方は、締め日と支払サイトの組み合わせを見直すきっかけになります。
たとえば月末締め・翌月末払いなら、締め期間の初日に受領した分は受領日から支払日まで60日前後になり、暦の日数によっては上限に接近します。
これが翌々月10日払いといった条件になると、月初に受領した分は60日を超えることになります。
対象となる取引であれば、そうした条件を設定すること自体が認められません。
自社の支払サイトを、締め日からの日数ではなく受領日からの日数で数え直してみると、どの取引先が近い位置にいるかが見えてきます。

取適法の対象取引における支払期日と遅延利息の関係
受領日を起点に60日以内の支払期日、60日経過後は年14.6%の遅延利息が生じることを示す図

自社が取適法の対象になるかの確認

この60日という制約は、すべての掛取引に一律に適用されるものではありません。取適法の対象は、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託・特定運送委託という取引内容と、資本金基準または従業員基準の組み合わせで判断します。役務提供委託には建設工事の請負を含みません。

発注者と受注者それぞれの資本金・常時使用する従業員数と、実際の委託内容を確認します。資本金基準に該当しない場合も従業員基準の確認が必要です。完成品を単に購入する取引と、仕様を指定する製造委託は同じ扱いとは限りません。資本金だけで対象外と決めず、公正取引委員会の基準に照らして判定します。

取適法の対象外でも、他の法令の適用を確認したうえで支払条件を取り決めます。
ただ、対象かどうかにかかわらず、締め日と支払サイトを取引先ごとに一覧にしておくこと自体は、支払漏れを防ぐうえで役に立ちます。
支払予定表を期日順に並べ、承認や振込データ作成にかかる日数を逆算して社内の締切を置けば、期日直前に慌てる場面が減ります。
これは義務づけられた手順ではなく、確認の回数を減らすための運用の工夫です。

自社が取適法の対象になるかを確認する軸(模式図)
委託の類型と資本金・従業員基準を確認し、対象外の場合の扱いを分けて示す図

遅延した場合の負担

取適法の対象となる取引で支払期日までに支払わなかった場合には、遅延利息の支払義務が生じます。
受領日から60日を経過した日から実際に支払をする日までの期間について、年14.6%の割合で計算した額が加わります公正取引委員会。
起算点がここでも受領日である点は、支払期日の定め方と揃っています。

金額の大小以上に重いのは、支払が遅れた事実が取引先との関係に残ることです。
資金がないから遅れるという場面ばかりではなく、請求書が経理まで回ってこなかった、承認が止まっていた、といった社内の流れが原因になることもあります。
期日の管理は、支払える資金があるかという話と、期日までに処理が完了するかという話の二つに分かれます。
後者は仕組みで詰められる部分です。

二重計上を防ぐ請求書のデータ保存と残高管理

電子帳簿保存法における請求書の保存要件

支払漏れと並んで厄介なのが、同じ仕入を二度計上してしまう二重計上です。
これを防ぐ土台になるのが、受け取った請求書がどこにあるか常に分かる状態です。
そして請求書の保存には、自社の都合とは別に制度上の要件があります。

電子帳簿等保存制度のうち電子取引データの保存は、令和6年1月から義務化が本格的に始まりました3。
対象になるのは、見積書、契約書、請求書、領収書などをデータでやり取りした場合です3。
メールにPDFが添付されて届いた請求書や、取引先のサイトからダウンロードした請求書がこれにあたります。
逆に、紙でやり取りしたものをわざわざデータ化する義務まではありません3。
紙で届いた請求書を紙のまま保存することは、この制度の範囲では引き続き可能です。

原則どおりの保存が難しい場合の扱いも用意されています。
所轄税務署長が相当の理由があると認め、かつ電子データのダウンロードと出力書面の提示・提出の求めに応じられる体制があれば、猶予措置の対象となります3。
また、基準期間の売上高が5,000万円以下の保存義務者については、ダウンロードの求めに応じられれば検索要件そのものが不要になります3。
自社がどちらに当たるかで、フォルダの命名規則をどこまで作り込むかという判断が変わってきます。
なお、紙の書類を読み取って保存するスキャナ保存は別の制度で、要件も異なります。

電子取引データの保存要件の区分(模式図)
原則の保存、猶予措置、基準期間売上高5,000万円以下の特例で扱いが異なることを示す図

台帳・消込による残高管理のポイント

保存のルールが決まったら、次はそれを買掛金の管理とつなげます。
二重計上は、たいてい入口の重複から起きます。
同じ請求書がメールのPDFと郵送の紙で二回届く、営業担当が持ち帰った控えと経理に直接届いた原本の両方から起票する、納品書で計上した分を請求書でもう一度計上する、といった経路です。
どれも悪意のない行き違いですが、帳簿の上では同じ債務が二つ並びます。

ここで効くのが、保存した請求書データと買掛金台帳を突き合わせる消込です。
取引先別・請求書番号別に台帳を持ち、支払った分に消込の印を付けていけば、同じ番号の請求書が二度出てきた時点で気づけます。
この作業で減るのは、支払予定表と通帳と請求書を三か所突き合わせる確認です。
一方で、台帳に載せる前の段階、つまり請求書を受け取って経理に渡すまでの確認は残ります。
入口を一本化しない限り、重複した請求書は台帳まで届いてしまうからです。

消込をどれくらいの頻度で行うかは、取引件数と支払回数によって決まります。
月一回の支払日にまとめて処理する会社もあれば、週次で残高を見る会社もあります。
制度で頻度が決められているわけではないので、自社の取引量に合わせて設計するところです。
目安としては、残高がずれたときにどの期間の明細を洗えばよいかが手に負える範囲に収まる頻度、と考えると決めやすくなります。

残高が合わないときの調べ方にも、ひとつ気をつけたい点があります。
差額が振込手数料と同じくらいの金額だから手数料の処理漏れだろう、というように、金額の大小だけで原因を決めてしまうやり方です。
手掛かりとしては有効ですが、偶然に近い金額が並ぶことはあります。
取引先別の残高から明細に降りて、計上した請求書と支払った金額を一件ずつ照合し、返品や値引きの反映状況、支払期日のまたぎを確認したうえで結論を出すほうが、同じずれを翌月も繰り返さずに済みます。

計上の時点と科目の使い分けは原則から判断できますが、締め日や請求書の届き方が取引先ごとにばらばらだと、どこまでを同じ手順に揃えられるかは自社の取引の形を見ないと決まりません。

現在の受注から仕入・支払までの情報の流れを一緒に見ながら、どの転記が仕組みで減らせて、どの確認が人の手に残るのかを切り分けてお伝えします。無料相談で要件を整理する

買掛金・未払費用・未払金の振り分けに使う判断の軸

その債務が何によって生じたか(通常の営業取引か、継続的な役務提供か、それ以外か)という発生原因で分けています。

  • 買掛金:仕入や外注など、通常の営業取引によって生じた債務。納品書や請求書の金額と一件ずつ対応する
  • 未払費用:一定の契約に従って継続的に役務の提供を受けている場合の、既に提供された分の未払い。家賃や利息のように期間で計算する
  • 未払金:上の二つのいずれにも当たらない単発の未払い。備品購入代金など、営業取引以外の支払いが該当する(企業会計原則に独立した定義条文は確認できず、実務上の整理)

迷ったときは、その支出が売上原価につながる流れの中にあるかをまず見て、次に契約が継続的な役務提供かどうかを確かめると振り分けが決まります。

要点の整理

軸 基準
計上のタイミング 商品・サービスを受け取った時点。請求書の到着日ではない
科目の選び方 通常の営業取引は買掛金、継続的な役務の未払分は未払費用、それ以外の単発は未払金
発生時の仕訳 借方に仕入(費用)、貸方に買掛金(負債)
支払時の仕訳 借方に買掛金(負債)、貸方に普通預金(資産)
支払期日 取適法の対象取引は受領日から起算して60日以内、かつできる限り短い期間内
遅延時の負担 受領日から60日を経過した日から支払日まで年14.6%の遅延利息
請求書の保存 データで授受した分はデータのまま保存。紙で受け取った分のデータ化は義務ではない
二重計上の防止 請求書データと買掛金台帳を取引先別・請求書番号別に突き合わせて消込

保存制度の確認資料:国税庁・電子取引データ保存の留意事項。猶予措置でも電子データ自体の保存は必要です。

請求書の保存要件と消込の運用は、書類の受け取り方と社内の承認の流れが変わると、必要な手順そのものが変わります。 取引件数や支払回数に照らして、台帳と請求書データの突き合わせをどの頻度・どの単位で回すのが自社に合うか、判断の材料を整理してお渡しします。

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よくある質問

検収前(発注時点)に買掛金を計上してもよいですか

発注しただけの段階では、まだ商品やサービスを受け取っていません。
費用は発生した期間に割り当てるという発生主義の考え方からすると、この時点では費用も債務も発生していないため、買掛金は計上しません1。
計上のきっかけは受領・検収の時点です。
発注残を把握したい場合は、会計帳簿とは別に発注管理の側で残として持つ形になります。

消込作業はどのくらいの頻度で行うのが目安ですか

制度で頻度が決められているわけではないため、自社の取引件数と支払回数に合わせて設計します。
支払日が月一回なら支払後にまとめて処理する運用も成り立ちますし、件数が多ければ週次で残高を見るほうが差異を追いやすくなります。
判断の目安は、残高がずれたときに洗う明細の量が手に負える範囲に収まるかどうかです。

下請法の対象にならない取引先との支払期日はどう決めればよいですか

下請法は、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託のうち資本金区分の要件を満たす取引に適用される法律で、一般の仕入先との掛取引すべてに一律で及ぶものではありません2。
対象外であれば、支払期日は取引先との取り決めで決まります。
その場合でも、締め日と支払サイトを取引先ごとに文書で揃えておくと、支払予定を組むときの確認が減ります。
なお、自社の取引が対象かどうかは委託の類型と双方の資本金で判定するため、取引先台帳に資本金を持たせておくと判定が早くなります。

紙で受け取った請求書も電子データ化して保存する必要がありますか

電子取引データの保存が義務づけられているのは、見積書・契約書・請求書・領収書などをデータでやり取りした場合です3。
紙でやり取りしたものをデータ化する義務まではありません3。
紙の書類を読み取って保存する場合はスキャナ保存という別の制度の話になり、要件も異なります。
社内の管理としてデータ化を選ぶことはできますが、それは制度上の義務とは別の判断です。

決算をまたぐ締め後仕入(未検収分)の買掛金はどう処理しますか

締め日以降に受け取った分は、請求書がまだ届いていなくても、受領・検収が当期であれば当期の費用と債務になります1。
納品書や検収データをもとに計上し、翌期に届いた請求書と金額を突き合わせて差があれば調整する、という順序です。
どの時点を受領とみなすかは自社の会計方針と契約条件によるため、期末だけ基準を変えないよう、期中と同じ考え方で処理することが大切です。

買掛金の残高が取引先の請求額と合いません。どこから調べればよいですか

差額の金額から原因を推測して終わりにせず、取引先別の残高から明細に降りて照合します。
計上した請求書と実際に支払った金額を一件ずつ突き合わせ、返品や値引きが反映されているか、振込手数料の負担がどちらの取り決めか、支払期日が月をまたいでいないかを確認します。
同じ請求書番号が二度計上されていないかも、このときに合わせて確認できます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:企業会計審議会「企業会計原則及び企業会計原則注解」(昭和24年・最終改正昭和57年)
  2. 2 出典:公正取引委員会「下請代金支払遅延等防止法」(現行法)
  3. 3 出典:財務省「令和6年1月スタート 令和5年度の税制改正により見直された電子帳簿等保存制度の内容と中小企業の対応策」(令和6年)

画像の出典元

  1. 会計の金額を電卓で計算する手元/rdelarosa0 on Pixabay

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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