◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 指値注文の誤りに気づいたら、まず注文約定照会で状態を見て、訂正・取消の画面に出るかで操作できるかを判断する
- 未約定なら価格は訂正できるが、数量はkabu.comでは減らす訂正のみ、SBI証券では取消と再発注になる
- 取消して出し直すときは、取消済を確かめてから再発注し、更新停止時間帯の予約は処理を待つ
- 約定した注文は証券会社の案内上は取消の対象ではなく、反対売買は損益を確定させる行為として条件を確かめて判断する
- 証券会社の対応に納得できなければFINMACに相談できるが、投資相談や税務相談は対象外である
目次

指値注文の誤りに気づいたら、最初に注文約定照会で状態を確かめる
売るつもりが買いを押していた。
指値の桁をひとつ多く入れていた。
発注した直後にそう気づくと、まず「取り消せるのか」が気になるはずです。
取り消せるかどうかは、その注文がもう約定(売買が成立すること)したかどうかで決まります。
最初に注文約定照会を開いて、注文の状態を見てください。
未約定なら取消や価格の訂正ができます1。
数量は、減らす訂正だけできる会社と、取消して出し直す会社があります12。
約定した注文は、証券会社の案内では取消の対象になっていません。
その場合は反対売買などで損失をどう抑えるかを考えます。
対応に納得できなければ、証券会社の窓口やFINMACに相談できます3。
注文状態の呼び名と意味
誤りに気づいた直後は、どこをどう間違えたのかを思い出そうとしがちです。
ただ、取消や訂正ができるかどうかは、間違いの中身ではなく、注文がどこまで進んだかで決まります。
auカブコム証券(kabu.com)の国内現物株式の案内では、訂正・取消は約定または失効の前であれば原則としてできる、とされています1。
ですから最初の一手は、注文約定照会の画面を開いて、その注文がまだ市場で成立を待っているのかを見ることです。
kabu.comの注文約定照会では、注文の状態が全約定・一部約定・注文依頼中・訂正後依頼中・取消済・失効に分けて表示されます1。
名前だけでは分かりにくいので、誤発注に気づいた人の立場で読み替えると次のようになります。
- 注文依頼中:注文は出ているが、まだ売買は成立していない。
取消・訂正の対象になる段階 - 訂正後依頼中:訂正を出したあとの注文で、まだ成立していない段階
- 一部約定:注文した数量の一部だけが成立し、残りがまだ待っている段階
- 全約定:注文した数量がすべて成立した段階
- 取消済・失効:注文がすでに生きていない段階
この並びを、まだ手を打てるかどうかで分けると、判断はさらに単純になります。
注文依頼中と訂正後依頼中は、まだ動かせる側です。
全約定は、もう取消で止めることができない側です。
取消済と失効は、その注文自体が終わっているので、追加で損が広がる心配はありません。
一部約定だけは、成立した分と残っている分が一つの注文の中に混ざっているため、次の小見出しで分けて考えます。
取消済や失効と表示されていた場合も、確認はそこで終わりにしないほうが安心です。
慌てて同じ銘柄の注文を出し直していると、正しい注文と間違った注文が別々に並んでいることがあります。
照会画面に同じ銘柄の注文が複数ないかを一度見ておけば、知らないうちに残っていた注文が成立する事態を避けられます。
訂正・取消の画面に出ない注文とは
状態の呼び名を一つずつ解釈するより確実な判定基準もあります。
kabu.comの案内では、訂正・取消の画面に表示されない注文は操作できない、とされています1。
照会画面の状態表示をどう読むかで迷ったら、訂正・取消の画面にその注文が出てくるかどうかを見れば、操作できるかどうかははっきりします。
画面に出てこない理由は、多くの場合、すでに全約定しているか、失効や取消でその注文が終わっていることです。
ただ、状態表示を見ても画面に出ない理由が読み取れない場合は、自分で推測して出し直すより、証券会社に問い合わせるほうが確かです。
理由が分からないまま新しい注文を重ねると、問題の注文と新しい注文の両方が成立するおそれがあるからです。
一部約定の注文は、気持ちのうえでは一つの注文でも、扱いとしては二つに分かれます。
たとえば買いの数量を桁ひとつ多く入れてしまい、気づいたときには一部だけ成立していたとします。
このとき、成立した分はもう約定しているため、取消で元に戻ることはありません。
一方、まだ成立していない残りの分は、約定や失効の前の状態にあるので、取消や数量を減らす訂正の対象になりえます1。
残りを止めて被害が広がるのを防ぎ、成立した分は約定後の対応として別に考える、という順に進めると、やることが整理されます。
ここまでの状態名や操作条件は、kabu.comの国内現物株式の注文約定照会の仕様です1。
他の証券会社では、状態の呼び名や表示の場所が違うことがあります。
それでも、いまの注文が成立前か成立後かを最初に見分ける、という考え方は、どの画面を使っていても判断の出発点になります。
| 注文の中の部分 | 状態 | 考えること |
|---|---|---|
| 成立した分 | 約定済み | 取消では戻らない。反対売買などを検討する |
| 残りの分 | 約定・失効の前 | 訂正・取消の画面に出れば取消や減らす訂正ができる |
▼ 図の内容を文字で読む
- 動かせる側
- 注文依頼中
- 訂正後依頼中
- 止められない側
- 全約定
- 終わっている
- 取消済
- 失効
- 分けて考える
- 一部約定
未約定の指値注文でできる訂正と取消、数量だけ扱いが違う
価格の訂正でできること
照会画面で、注文がまだ成立していないと分かったとします。
次に迷うのは、注文を生かしたまま直すのか、いったん取り消して出し直すのか、という点です。
訂正は注文を残したまま中身の一部を変えること、取消は注文そのものを止めることです。
どちらを選べるかは、何を直したいかで変わります。
価格は、比べた二社のどちらでも未約定のうちなら訂正できます。
kabu.comでは、訂正できる内容として執行条件の価格が挙げられています1。
SBI証券のFAQも、未約定であれば注文の訂正ができると案内しています2。
指値注文は、買いなら「この価格以下で」、売りなら「この価格以上で」と売買する価格の限度を決めて出す注文です。
指値の桁を間違えただけで、売買の向きや数量は合っているなら、価格の訂正で済む可能性が高い場面です。
ただし、間違えた方向によって、訂正に使える時間の余裕は違います。
買いの指値を安すぎる方向へ誤った場合や、売りの指値を高すぎる方向へ誤った場合は、その価格では相手が見つかりにくく、注文は成立しないまま残りやすくなります。
反対に、買いの指値を高すぎる方向へ、売りの指値を安すぎる方向へ誤った場合は、指定した限度の内側で売買できる相手がいればすぐ成立しうるため、気づいたときには約定していることがあります。
照会を開いてまだ注文依頼中なら、その時点で手を打てる状態だということです。
正しい価格がその場ですぐに決められないときは、訂正にこだわらず取消を選ぶ考え方もあります。
焦って別の価格へ訂正すると、二度目の入力でまた桁を誤ることがあるからです。
いったん取り消して注文を止め、落ち着いて価格を決め直してから新しく出す方が、訂正より手間は増えますが、誤りを重ねにくくなります。
数量・執行条件は取消と再発注になる場合
価格と違って、数量の扱いは会社によって分かれます。
kabu.comでは、株数については減らす訂正だけができ、増やす訂正はできません1。
SBI証券では、株数の訂正そのものができず、取消して再発注することになります2。
同じ「数量を多く入れすぎた」という誤りでも、kabu.comなら訂正で減らせますが、SBI証券では取消と出し直しが必要です。
どの証券会社でも数量を減らす訂正ができる、とは言えないということです。
表で判断が分かれるのは、数量を減らす場面です。
数量を増やしたい場面は、どちらの会社でも訂正では対応できません。
少なすぎた数量を補いたいなら、元の注文を取り消して正しい数量で出し直すか、元の注文を残したまま足りない分を別の注文として出すか、のどちらかになります。
後者を選ぶ場合は、照会画面に同じ銘柄の注文が二つ並ぶことになるので、それぞれの価格と数量を見比べてから出してください。
取消して再発注するときには、訂正にはない注意点が一つあります。
取消を押してから、照会画面で取消済になったのを確かめる前に新しい注文を出すと、元の注文がまだ生きている間に新しい注文が並ぶことになります。
その間に両方が成立すると、正しい注文に加えて誤った注文まで約定してしまいます。
取消済の表示を見てから出し直す、という順番を守るだけで、この重なりは避けられます。
また、取消と再発注の間にも相場は動くため、出し直した注文が元の注文と同じように成立するとは限りません。
執行条件は、注文をいつ、どの方法で成立させるかの条件です。
指値か成行か、寄付き(取引の始まり)で売買するか引け(取引の終わり)で売買するか、といった選択がこれにあたります。
SBI証券のFAQでは、執行条件を変える訂正は認められず、取消して再発注が必要とされています2。
例として、引けの指値から引けの成行への変更はできる一方、寄付きの指値から引けの指値への変更はできない、と示されています2。
つまり、寄付きで出すつもりを引けで出してしまったような、条件そのものの選び間違いは、原則として取消と再発注で直すことになります。
kabu.comで訂正できる内容として挙がっているのは、価格と株数を減らすことだけです1。
売買の向きや執行条件の種類は、この中に含まれていません。
買いと売りを取り違えた注文や、指値のつもりで逆指値(指定した価格に達したら発注される注文)を選んでいた注文は、訂正の画面で直せる項目に見当たらなければ、取消して正しい内容で出し直す前提で考えてください。
ここで比べたのは、二社の国内株式の公開された案内です。
信用取引、FX、電話での注文、海外株式は、それぞれ別の取り決めになっている可能性があり、この比較はそのまま当てはまりません。
同じ会社でも商品によって訂正できる範囲が違うことがあるので、使っている商品のヘルプで訂正の項目を見ておくと、いざというときに迷いが減ります。
更新停止時間帯に出した訂正・取消
取消を押したのに、注文がすぐ取消済にならないこともあります。
kabu.comでは、更新停止時間帯に受け付けた訂正・取消は「予約」となり、その時間帯が過ぎてから処理されます1。
対象の時間帯は同社のページに記載されています。
予約になったということは、訂正や取消がまだ済んでいないということです。
画面の操作は受け付けられても、時間帯が明けて処理されるまでは、元の注文は取り消されたことになりません。
この間に、先に触れた再発注の重なりが起きやすくなります。
予約の状態で出し直しを急がず、時間帯が明けたあとに照会画面で取消済や訂正後の状態になったのを見てから、次の操作に進んでください。
| 直したい項目 | kabu.com(国内現物株式) | SBI証券(国内株式) |
|---|---|---|
| 価格 | 訂正できる | 訂正できる |
| 数量を減らす | 訂正できる | 訂正できない。取消して再発注 |
| 数量を増やす | 訂正できない | 訂正できない。取消して再発注 |
| 執行条件の種類を変える | 訂正できる内容に含まれない | 原則として訂正できない。取消して再発注 |
▼ 図の内容を文字で読む
- 価格
- 未約定なら二社とも訂正できる
- 数量を減らす
- 減らす訂正ができる会社
- 取消して再発注になる会社
- 数量を増やす・執行条件・売買の向き
- 数量を増やす訂正はどちらもできない
- 訂正の画面で直せる項目に見当たらなければ取消して出し直す
▼ 図の内容を文字で読む
- 取消を押す
- 取消済になったのを確かめる
- 正しい内容で出し直す
約定してしまった指値注文の誤りは取り消せない。その後に取れる選択肢
約定後の取消が前提にならない理由
照会画面で全約定と表示されていた場合、あるいは一部約定の成立した分については、話が変わります。
kabu.comの案内では、訂正・取消ができるのは約定または失効の前までです1。
SBI証券の国内株式のFAQも、訂正について述べているのは未約定の注文に限られています2。
どちらの案内でも、成立した注文は取消の対象として扱われていません。
約定は、自分の注文と、市場にいる別の誰かの注文が組み合わさって成立したことを意味します。
自分の側の入力ミスだけを理由に取引を消すことは、相手の取引も消すことになります。
そのため、ふつうの個人の誤発注について、成立した売買を後から取り消してもらえる根拠は、少なくとも証券会社の案内からは見えてきません。
ここで、自分の入力ミスについて誰がどこまで責任を負うのかを断定することはできません。
取引の約款がどう定めているかは、口座を持っている証券会社の取り決めによるからです。
ただ、実際の判断としては、連絡すれば取引が元に戻るのを待つより、成立した取引を前提にこれからどうするかを考えたほうが、選択肢を広く持てます。
待っている間にも相場は動き続けるからです。
一方で、取消を押したのに約定した、画面の表示がおかしかったなど、自分の入力以外に原因があると思える場合は、次の節の相談の流れに進んでください。
反対売買を考えるときの確認事項
成立した取引の影響を小さくする手段として、まず思い浮かぶのが反対売買です。
反対売買とは、買ったものを売る、売ったものを買い戻すというように、成立した取引と逆の売買を新しく行うことです。
取消とは違い、元の取引は残ったまま、もう一つの取引で持ち高を元に近づけます。
そのため反対売買は、その時点での損益を確定させる行為でもあります。
誤りの種類によって、反対売買の意味合いは少しずつ違います。
売るつもりで買ってしまった場合は、買った株を売ることで、持ち高を発注前の状態に近づけられます。
売るつもりのなかった株を売ってしまった場合は、買い戻すことになりますが、買い戻せる価格が売った価格と同じとは限りません。
数量を多く入れすぎて買った場合は、余分な分だけを売れば、本来持ちたかった数量に近づけられます。
どの場合も、元の取引と反対売買の価格の差や、それぞれにかかる費用が、誤発注の実質的な負担になります。
反対売買を検討するときは、次の順に確かめると判断の材料がそろいます。
- 注文約定照会で、成立した価格、数量、売買の向きを正確に確かめる
- 現物取引か信用取引かなど、その取引の区分を確かめる
- 証券会社の取引ルールで、反対売買ができるか、手数料などの費用がどうなるかを確かめる
- すぐに反対売買するか、しばらく持つかを決める
最後の段階で、反対売買が唯一の正解というわけではありません。
本来の計画とは違う取引でも、その銘柄をそのまま持つことに納得できるなら、持ち続ける選択もあります。
一方で、もともと持つつもりのなかった取引を値動きに期待して持ち続けると、損が広がったときに判断が遅れやすくなります。
どちらを選ぶにしても、成立した内容を数字で正確に把握したうえで決めることが、気持ちの揺れで判断を誤らないための支えになります。
現物取引と信用取引では、反対売買の手続きや費用のかかり方が異なりえます。
損益が税金にどう影響するかも、口座の種類などで変わります。
ここで確かめる順番を示したのはそのためで、具体的な条件は、取引している証券会社のルールや、必要に応じて税の専門家に確かめてください。
▼ 図の内容を文字で読む
- 約定の価格・数量・向きを確かめる
- 取引の区分を確かめる
- 反対売買の可否と費用を確かめる
- すぐ反対売買するか持つかを決める
指値注文の誤りで揉めたときの相談先と、納得できない場合のあっせん
まず証券会社へ申し出る
誤発注の多くは、自分の入力を見直すことで原因がはっきりします。
ただ、取消を押したのに約定してしまった、訂正・取消の画面に出るはずの注文が出なかった、予約になった取消が処理されたのかどうか分からない、といった場面では、原因が自分の入力だけにあるとは限りません。
このように証券会社の処理や画面に疑問があるときは、まず口座を持っている証券会社の窓口へ申し出るのが最初の段階です。
申し出の前に、手元の記録をそろえておくと話が早く進みます。
注文約定照会の画面、注文と取消を操作したおおよその時刻、どの画面からどう操作したか、表示された状態の移り変わりが、問い合わせの材料になります。
画面は時間がたつと状態が変わってしまうので、気づいた時点で画面を保存しておくと、あとから説明しやすくなります。
証券会社の説明を聞いても、どちらの責任と考えるかで折り合わないことがあります。
この記事では責任の分担を断定しません。
それを判断するには、個別の操作の記録と、その会社の取り決めを照らし合わせる必要があるからです。
話し合いが行き詰まったときに頼れる外部の窓口が、次に説明するFINMACです。
FINMACの対象と対象外
証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)は、金融商品取引法に基づく指定紛争解決機関です3。
指定紛争解決機関とは、金融機関と利用者の間の争いを、裁判とは別の手続きで解決するために国が指定した機関のことです。
FINMACは株式、投資信託、債券、FXなどのトラブルを扱い、相談、苦情、あっせんの窓口を設けています3。
ただし、FINMACで扱わない相談もあります。
投資相談、税務相談、株価の照会は対象外です3。
誤発注の場面に置き換えると、「この損をどう取り返せばよいか」「この銘柄は売るべきか持つべきか」は投資相談にあたり、FINMACが答える問いではありません。
反対売買で出た損失の税の扱いも対象外です。
一方で、「取消したはずの注文が約定した件で、証券会社の対応に納得できない」という相談は、証券会社との間のトラブルとして、FINMACが扱う範囲に入ってきます。
対象となるのは、FINMACに加入している金融商品取引業者などとの間のトラブルです3。
取引している会社が対象に含まれるかは、相談の際に確かめられます。
連絡は電話と相談フォームで受け付けていて、電話の受付は平日の日中、祝日と年末年始は休みです3。
相談するときは、証券会社の名前、口座と取引の種類、注文の内容、照会画面の記録、証券会社とのやり取りの経過をまとめておくと、どの手続きに進むべきかを早く見極めてもらえます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 証券会社の窓口
- 照会画面の保存と操作の時刻をそろえて申し出る
- 相談・苦情
- 証券会社の対応に納得できないとき
- 投資相談と税務相談は対象外
- あっせん
- 話し合いで解決しないときの手続き
次の指値注文で同じ誤りを防ぐ確認の順番
桁と売買の向き
ここまで見てきたとおり、発注した後に直せる範囲は限られています。
未約定なら価格の訂正はできても、数量や執行条件は取消と再発注になることがあり、約定してしまえば取消は前提になりません。
後から直す手間と負担を考えると、発注ボタンを押す前の数秒の確認がいちばん効きます。
以下は確認の順番の一つの提案です。
最初に見たいのは売買の向きです。
二社の案内で訂正できる項目として挙がっていたのは価格と数量で、売買の向きを訂正で直す方法は示されていませんでした。
向きを誤ると、成立した場合の影響も、持ちたかった株を手放す、持つつもりのない株を抱えるという形で大きくなります。
買い注文の画面にいるのか売り注文の画面にいるのかを、最初に確かめてください。
次に、価格と数量の桁です。
入力した指値を、画面に表示されている現在の値段と並べて見比べると、桁がひとつずれていればすぐに気づけます。
数量も同じで、自分が想定していた金額の規模と、価格に数量を掛けた規模が合っているかを見ると、入力の誤りが目につきやすくなります。
執行条件と有効期限
三つ目は執行条件です。
SBI証券のFAQにあるとおり、執行条件を変える訂正は原則としてできず、選び間違えたときは取消と再発注になります2。
指値・成行・寄付き・引けなどの選択が意図どおりかを、発注前に見ておく価値があるのはそのためです。
前回の注文の設定が残る画面では、前の条件のまま出してしまうこともあるので、毎回目で追うと安心です。
四つ目は有効期限です。
当日限りのつもりで期間を指定していれば、その日に成立しなかった注文が翌日以降も生きたまま残ります。
忘れていた注文が後で成立すると、気づいたときにはもう約定後の対応しか残っていません。
期限の設定は、出したあとに注文をどれだけ見守る必要があるかを左右する項目だと考えると、見落としにくくなります。
発注直後の照会
発注したら、すぐに注文約定照会を開く習慣をつけておくと、最初の節で説明した状態確認がそのまま予防になります。
注文依頼中として表示されている内容を、売買の向き、価格、数量、執行条件、有効期限の順で読み返せば、誤りに気づいたその場で、まだ取消や訂正ができる段階にいられます。
発注前の確認で見落としても、成立する前に気づく機会がもう一度できるわけです。
この確認の順番は、誤発注が起きないことを保証するものではありません。
それでも、直しにくい項目から先に見ること、発注した直後に一度読み返すことで、取消や訂正が間に合う段階で誤りに気づく機会が増えます。
確認画面や警告の出し方は証券会社ごとに違うので、自分が使っている画面のどこに各項目が表示されるかを一度見ておくと、この順番を毎回たどりやすくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 売買の向き:買いの画面か売りの画面かを最初に見る
- 価格と数量の桁:指値を現在の値段と見比べる
- 執行条件:指値・成行・寄付き・引けの選択を見る
- 有効期限:当日限りか期間指定かを見る
- 発注直後の照会:注文依頼中の内容を同じ順で読み返す
約定したあとの対応は、取引の区分や証券会社の取引ルールによって変わり、画面の表示だけでは判断しきれないことがあります。
注文約定照会の記録を手元に置いて相談すれば、いまの注文で取れる手段と、確かめるべき条件を整理できます。無料相談で要件を整理する
注文状態ごとに残っている操作
kabu.comの注文約定照会に表示される状態を、訂正・取消の余地が残っているかで並べた
- 注文依頼中・訂正後依頼中:訂正・取消の画面に出れば、取消や価格の訂正ができる
- 一部約定:残りの分は取消や減らす訂正の対象になりうる。成立した分は取消で戻らない
- 全約定:取消は前提にならない。反対売買などを検討する
- 取消済・失効:注文は終わっている。同じ銘柄の別注文が残っていないかを見る
状態名で迷ったら、訂正・取消の画面にその注文が出るかどうかで判断する
要点の整理
| 最初に見るもの | 注文約定照会の状態と、訂正・取消の画面に出るかどうか |
|---|---|
| 未約定の注文 | 価格は訂正できる。数量や執行条件は会社によって取消と再発注になる |
| 取消と再発注 | 取消済を見てから出し直す。予約中は処理を待つ |
| 約定済みの注文 | 取消は前提にならない。反対売買は損益を確定させる行為として判断する |
| 相談の順番 | 証券会社の窓口からFINMACへ。投資相談と税務相談は対象外 |
| 次の発注 | 売買の向き、桁、執行条件、有効期限を見て、発注直後に照会を開く |
証券会社とのやり取りで納得できない点が残ると、どの窓口にどの記録を持って行けばよいかで迷いやすくなります。 操作の記録と経過をもとに、申し出の順番と、相談先で扱ってもらえる範囲を確かめられます。
よくある質問
更新停止時間帯に取消を押した注文はどうなりますか。
kabu.comでは、更新停止時間帯に受け付けた訂正・取消は「予約」となり、時間帯が過ぎてから処理されます1。
予約の段階では取消はまだ済んでいません。
時間帯が明けたあとに照会画面で取消済になったのを見てから、出し直しなどの次の操作に進んでください。
他社の扱いは各社の案内で確かめる必要があります。
一部だけ約定した注文の残りは取り消せますか。
kabu.comでは、約定または失効の前なら原則として訂正・取消ができます1。
一部約定の注文のうち、まだ成立していない残りの分は、訂正・取消の画面に表示されていれば取消や数量を減らす訂正の対象になりえます。
すでに成立した分は取消では戻らないため、反対売買などを別に検討します。
数量を増やしたいときは訂正できますか。
kabu.comでは株数を増やす訂正はできず1、SBI証券では株数の訂正そのものができません2。
数量を増やしたい場合は、元の注文を取り消して正しい数量で出し直すか、足りない分を別の注文として出すことになります。
どちらの場合も、照会画面で同じ銘柄の注文の並び方を確かめてから出すと、重複を防げます。
取消して出し直すとき、注文が二重に約定することはありますか。
元の注文が取消済になる前に新しい注文を出すと、両方が市場に並び、どちらも成立するおそれがあります。
照会画面で元の注文が取消済になったことを見てから再発注すれば、この重なりは避けられます。
更新停止時間帯の取消が予約になっている場合は、とくに処理が済むのを待ってください。
FINMACに相談すると何ができて、何ができませんか。
FINMACは金融商品取引法に基づく指定紛争解決機関で、株式・投資信託・債券・FXなどについて、加入している証券会社などとの間のトラブルの相談、苦情、あっせんを扱います3。
証券会社の処理や対応に納得できない件は相談できます。
一方、投資相談、税務相談、株価の照会は対象外です3。
誤発注の損をどう取り戻すか、売るべきか持つべきかといった判断は扱いません。
- 1 出典:auカブコム証券「国内現物株式 注文約定照会」(2026)
- 2 出典:SBI証券「FAQ 国内株式の注文の訂正」(2026)
- 3 出典:証券・金融商品あっせん相談センター(FINMAC)「相談・苦情・あっせんの案内」(2026)
画像の出典元
- Close-up of hands using smartphone stock market app with notebook and pencil on desk./Photo by StockRadars Co., on Pexels