◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 取引先からの注文をチャットや自動応答で受けて返すだけなら、LINE公式アカウントの月額はプラン固定費の0円〜15,000円(税抜)が土台になる。
- 通数を使うのは一斉配信やプッシュで、取引先数×送信回数で概算でき、無料通数を超えて送れるのはスタンダードだけである。
- 多拠点でも一つのアカウントで担当者設定・タグによる振り分けができ、外部ツールとつなぐチャネルとWebhook URLは1アカウントに1つである。
- タグ・ノート・履歴の上限は月額3,000円(税別)のチャットProで広がるが、注文の数量集計や出荷連携には別の仕組みが要る。
- 受発注システムはLINEとは別の行で見積もり、1拠点・数社で試してから足りない原因に合う費用だけを足す。
目次

LINEで注文を受けるだけなら、月額はいくらか
電話、FAX、担当者個人のLINEと、拠点ごとに違う入口から注文が届き、転記や聞き違いの確認に追われている。
LINEにまとめたいものの、拠点が増えたら月額がどう膨らむのかが分からず、上司に示せる数字もない。
そんな場面でまず押さえたいのは、取引先からのチャットを受けて返すだけなら、LINE公式アカウントの月額は0円から15,000円(税抜)のプラン固定費が土台になり、チャットでのやり取りは無料メッセージ通数を使わないことです1。
費用が動くのは、こちらから一斉に送る連絡を増やすとき、チャットの記録や整理の上限を広げるとき、受発注システムを足すときです。
3つのプランの固定費と無料通数
LINE公式アカウントの月額は、選んだ料金プランの固定費で決まります。
LINEヤフーの料金表では、コミュニケーションプランが月額0円で無料メッセージ通数200通、ライトプランが5,000円で5,000通、スタンダードプランが15,000円で30,000通です(いずれも税抜、2026年時点)1。
無料メッセージ通数とは、月額に含まれていて追加料金なしで送れるメッセージの数で、3つのプランはこの通数の大きさで分かれています。
上司に説明するとき、この表だけを見せると「取引先が増えたら上のプランに上げなければならない」と受け取られがちです。
ただ、プランを分けている通数は、こちらから送るメッセージの数です。
注文を受ける側の会社にとって先に知りたいのは、取引先が送ってくる注文や、それへの返事がどう数えられるかのほうでしょう。
チャットと応答メッセージは通数に数えない
同じ料金ページには、LINEチャット、自動応答メッセージ、あいさつメッセージ、Reply APIによる応答は通数に数えないと書かれています1。
LINEチャットは、友だちになった相手と1対1でやり取りする画面のことです。
取引先が「明日分、A品10ケース」と送ってきた注文を拠点の担当者が読み、「承知しました。明日午前に納品します」と返すやり取りは、ここに入ります。
Reply APIは、外部のツールを通じて、受け取ったメッセージへ返信する仕組みです。
LINE Developersの料金説明でも、応答メッセージは無料メッセージ通数の対象外で、通数に含まれるのはプッシュ、マルチキャスト、ブロードキャスト、ナローキャストといった、こちらから送り始めるメッセージだとされています2。
この2つの資料を合わせると、取引先から注文を受け、チャットや自動応答で返している限り、受ける側の月額は通数ではなくプランの固定費が中心になる、と整理できます。
注文を受けて返すだけなら、コミュニケーションプランの0円から始めることも料金の上では成り立ちます。
ただしこれは、こちらから一斉に送る連絡がない場合の話です。
拠点ごとの運用の手間や外部ツールの費用は、この金額には含まれていません。
月額がどこから動き出すかは、こちらから何をどう送るかで決まります。
| プラン | 月額固定費(税抜) | 無料メッセージ通数 | 無料通数を超えた送信 |
|---|---|---|---|
| コミュニケーション | 0円 | 200通 | 送れない |
| ライト | 5,000円 | 5,000通 | 送れない |
| スタンダード | 15,000円 | 30,000通 | 追加メッセージ約3円/通(送信数で変動) |
▼ 図の内容を文字で読む
- 通数に数えない
- LINEチャット
- 自動応答メッセージ
- あいさつメッセージ
- Reply APIによる応答
- 通数に数える
- プッシュ
- マルチキャスト
- ブロードキャスト
- ナローキャスト
- 月額の土台はプラン固定費
- 0円・5,000円・15,000円(税抜)
- 外部ツールや運用の手間は含まない
通数が効くのは、こちらから送る確認・案内を増やしたとき
通数は送信先の人数で数える
受注側の会社でも、こちらから送りたい連絡は出てきます。
台風で配送が遅れる、年末年始の受付締切を知らせる、欠品している品目を案内する、といった連絡を取引先全員へ一度に届けたい場面です。
こうした一斉配信や、外部ツールからのプッシュで送るメッセージが、無料メッセージ通数を使います1。
反対に、拠点の担当者がチャット画面で一社ずつ手で送る連絡は、LINEチャットの扱いなので通数に数えません1。
同じ納期連絡でも、チャットで個別に打つか、一斉配信でまとめて送るかで費用の扱いが変わります。
受ける側の会社にとって、ここが月額の分かれ目です。
数え方は、送った回数ではなく受け取った人数です。
LINE Developersの説明では、通数は送信対象となった人数で数え、1回の送信に吹き出しを何個入れても件数は増えず、ブロックしている相手も数えません2。
料金ページの表現でいえば、送信回数×受け取る友だちの数です1。
80社の取引先へ月に3回お知らせを送れば240通になり、1回の中で納期表と注意事項を2つの吹き出しに分けても240通のままです。
この数え方を当てはめると、月額の見込みは次の順で概算できます。
追加メッセージはスタンダードだけ
無料通数を超えたときの扱いは、プランによって違います。
無料通数を超えて送れる追加メッセージは、3つのプランのうちスタンダードプランだけが対象で、1通あたり約3円(税抜)です1。
この単価は送る数によって変わるため、多く送る月の金額は公式の料金表で確かめる必要があります1。
また、追加メッセージを使うには、LINE Official Account Managerで対応するプランへ変更し、月の上限目安を設定しておく必要があり、上限を超える送信はエラーになります2。
このエラーの扱いは、受注の現場では注意が要ります。
月末に締切変更の案内を送ろうとしたら上限に達していて届かなかった、という事態は、費用の問題というより連絡漏れの問題になるからです。
コミュニケーションプランやライトプランでは無料通数を超えた分を送れないので、一斉連絡を前提にするなら、月の送信予定に余裕のあるプランを選ぶか、急ぎの連絡はチャットで個別に送る手順を残しておく、といった備えが考えられます。
具体的な数字で考えてみます。
仮に取引先が60社で、月に4回一斉連絡をするなら240通になり、コミュニケーションプランの200通を超えるので、ライトプランの5,000円が目安になります。
同じ60社でも、一斉連絡を月2回の120通に抑え、それ以外の連絡はチャットで個別に返すなら、0円のままでも収まる計算です。
上司に示す月額は、このように「一斉に送る連絡を月に何回出すか」という前提と一緒に出すと、数字の根拠が伝わりやすくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 一斉に送る連絡を洗い出す:納期変更・締切案内・欠品案内など。チャットで個別に返す連絡は除く
- 取引先数×月の送信回数:吹き出しの数やブロックしている相手は数えない
- 無料通数と比べる:200通・5,000通・30,000通のどこに収まるか
- プランを決める:超える見込みならスタンダードの追加メッセージを公式の料金表で確認
多拠点になったとき、アカウントを分けるか一つにまとめるか
一つのアカウントで担当者・タグを使う
拠点が増えたときの費用は、まず「取引先にどのアカウントを友だち追加してもらうか」で変わります。
LINE公式アカウントの料金は1アカウントごとのプランとして示されているため、拠点別にアカウントを分けるなら、各アカウントでプランを選ぶ前提で見積もるのが安全です。
その前提に立つと、全拠点を0円のコミュニケーションプランで運用できれば固定費は増えませんが、一斉連絡のためにライトプランが要る拠点が出れば、その拠点の数だけ5,000円ずつ積み上がりえます。
複数のアカウントを持つ場合の契約の扱いは料金ページの文面だけでは読み切れないので、契約前にLINEヤフーの案内で確かめておく必要があります。
一方で、アカウントを一つにまとめても、拠点ごとに注文を振り分けることはできます。
LINE公式アカウントのチャットには、チャットルームごとに担当者を決める担当者設定、「要対応」「対応済み」を付けるステータス、取引先ごとのメモを残すノート、分類用のタグがあります4。
たとえば取引先のチャットルームに「北営業所」「南倉庫」といったタグを付け、担当者を各拠点の受注担当にしておけば、届いた注文を誰が処理するかが画面上で分かります。
対応が終わったルームを「対応済み」にしておけば、別の拠点の担当者が同じ注文に重ねて返事をしそうになったときにも気づきやすくなります。
この場合、取引先から見える窓口は一つで、拠点が増えても友だち追加し直してもらう必要はありません。
費用もプラン1つ分で済むので、受ける側の月額を拠点数に連動させずに済むのが、まとめる形の利点です。
ただし、無料の範囲ではタグの数に上限があり、拠点名のタグだけで上限に届くこともあります。
この上限と広げ方は、LINE単体でどこまで回せるかを考える次の節で見ていきます。
外部ツール連携のチャネル・Webhookは1つ
拠点が増えると、受けた注文を表計算や在庫管理へ自動で移したい、という要望が出てきます。
そのときに効いてくるのが、外部ツールとつなぐ仕組みの制約です。
外部ツールはMessaging APIという仕組みを通じてLINE公式アカウントとつながり、届いたメッセージをツールへ知らせる送り先をWebhook URLと呼びます。
LINE Developersの解説では、1つのLINE公式アカウントに紐づくMessaging APIチャネルは1つで、Webhook URLに設定できるURLも1つです3。
これは、届いた注文の知らせをLINEから直接受け取れる外部ツールが、1つのアカウントにつき1つに決まるということです。
受注の取り込みツールと自動応答のツールを別々に入れたいと考えても、LINEから直接通知を受けられるのはどちらか一方になります。
さらに、長期のチャネルアクセストークン(ツールがLINEへ接続するための鍵)を再発行すると既存のものは無効になります3。
新しいツールを設定するために再発行した結果、先に動いていたツールが止まる、ということが起こりえます。
拠点別にアカウントを分けた場合は、この関係が拠点の数だけ並びます。
アカウントごとにチャネルとWebhook URLがあるので、外部ツールの側でも拠点数分の接続設定とトークンの管理が要る、と考えておくと見積もりの抜けを防げます。
一つにまとめた場合は接続が1本で済む代わりに、どのツールにWebhookを受けさせるかを最初に決めることになります。
アカウントを分けるかどうかは、受ける側の固定費よりも、こうした担当の割り当てと外部ツールの接続のしかたで差が出る判断です。
▼ 図の内容を文字で読む
- 一つにまとめる
- 担当者設定とタグで拠点ごとに振り分ける
- 取引先の窓口は一つで友だち追加し直し不要
- 費用はプラン1つ分
- 外部ツールとの接続は1本
- 拠点別に分ける
- 各アカウントでプランを選ぶ前提で見積もる
- チャネルとWebhook URLが拠点の数だけ並ぶ
- 接続設定とトークンの管理が拠点数分要る
- 契約前に確かめる
- 複数アカウントを持つ場合の契約の扱いを案内で確かめる
- Webhookを受けるツールを1つに決める
LINE単体で足りるのは、どこまでか
無料のタグ・ノート・履歴の上限
ここまでの整理では、注文を受けて返すだけなら月額は固定費の範囲に収まり、拠点の振り分けもチャットの機能で始められます。
では、どこで足りなくなるのか。
最初に効いてくるのは、チャットの整理と記録の上限です。
無料の範囲では、アカウント全体で作れるタグが5個、1つのチャットルームに付けられるタグが1個、ノートが1件、チャット履歴の保存が6か月です4。
受注の現場に当てはめると、詰まる場所が具体的に見えてきます。
1つのルームにタグを1個しか付けられないので、「北営業所」という拠点のタグを付けると、「要確認の取引先」「月末締め」といった別の分類は同じルームに付けられません。
ノートが1件なら、配送先の注意や支払条件などを1枚のメモに書き足していくことになります。
履歴の保存が6か月なので、前年同月の注文内容をLINEの画面で振り返ることはできず、注文を別の場所へ記録しておく必要があります。
グループや複数人のトークで注文を受ける場合、保存期間はさらに短く、画像・ビデオは2週間、ファイルは1週間です4。
取引先が注文書を写真やPDFで送ってくる運用なら、受け取った時点で社内の保存場所へ移す手順がないと、後で数量を確かめたいときに開けないおそれがあります。
また、チャット機能の一部は1対1のチャットだけが対象なので、取引先とグループを作って注文を受ける形を考えているなら、使いたい機能がグループで使えるかも見ておく必要があります4。
チャットProオプションで広がる範囲
これらの上限は、月額3,000円(税別)のチャットProオプションで広げられます4。
タグは5個から300個へ、1ルームのタグは1個から30個へ、ノートは1件から1,000件へ、履歴の保存は6か月から最長5年へ広がり、カスタムフィルターも加わります4。
月額プランに関係なく契約できるので、コミュニケーションプランの0円に3,000円を足す、という組み合わせも選べます4。
受注の観点で効くのは、1ルームに複数のタグを付けられることと、ノートを取引先ごとに積み上げられることです。
拠点名と取引先の種別を同時に付けられれば、拠点の担当者が自分の担当分だけを絞り込んで見る使い方がしやすくなります。
ただ、チャットProで広がるのは、あくまでチャットの整理と保存の範囲です。
注文の件数や品目が増えて、どの取引先から何がいくつ入ったかを日ごとに集計したい、出荷の指示や在庫の引き当てにつなげたい、という段階になると、チャットの画面から数量を拾い出して別の表へ書き写す作業が残ります。
タグやノートは誰が対応するかを分けるのには向いていても、注文の中身を数量として扱う仕組みではないからです。
何件からチャットでは回らなくなるかは、品目数や拠点の人員で変わるため、一律の件数で線を引くことはできません。
判断の手がかりになるのは、拠点の担当者が毎日チャットの注文を表計算や社内のシステムへ打ち直している手間と、その転記で起きている数量や品番の取り違えです。
その転記が負担になってきたところが、外部のツールを検討する分かれ目になります。
▼ 図の内容を文字で読む
- グループ・複数人トークのファイル:1週間
- グループ・複数人トークの画像・ビデオ:2週間
- チャット履歴(無料の範囲):6か月
- チャット履歴(チャットProオプション):最長5年
受発注ツールや社内ツールが要るのは、どんな条件のときか
受発注システムの料金例の読み方
チャットからの転記をなくしたい場合、注文を受発注システムで受けて、そのまま集計や出荷につなげる方法が選択肢に入ります。
ここで費用の桁が変わります。
受発注システムの一例として、竹田印刷のTS-BASE受発注の料金ページに載っている料金例6件は、初期費用50万〜150万円、月額14万〜40万円です5。
これは同社の基本システム3種(受注+出荷、受注、出荷)とオプションを組み合わせた事例ごとの金額で、保証された料金ではなく、同じ組み合わせでも金額が違う理由は掲載されていません5。
同社の解説記事では、SaaS型(インターネット経由で利用するサービス型)の受発注システムについて、「導入までに50万円程度、毎月の運用に20万円程度かかる想定」と書かれています6。
同じ記事の表では初期30〜50万円、月額10〜20万円となっていて、本文と表で幅がそろっておらず、企業規模などの前提も示されていません6。
また同記事は、料金はアカウント数に応じて加算される従量制が一般的で、オプションやカスタマイズは別費用になる、と説明しています6。
いずれも一社が示した自社製品の例と目安であり、受発注システム全体の相場として読める数字ではありません。
この料金例を上司に示すときに押さえたいのは、LINEとの関係です。
TS-BASEの料金ページにはLINEとの連携についての記載がないため、この金額を「LINEで受発注を始めるときの追加費用」として読むことはできません5。
見積もりでは、「LINEで注文を受ける費用」と「受発注システムで注文を管理する費用」を別々の行に置き、両者をつなぐ場合は、接続部分の費用と、Webhookを受けるツールを1つに絞れるかどうかを候補の製品ごとに確かめる形になります。
LINE公式アカウントの月額が0円から15,000円の幅に収まるのに対し、受発注システムの例は月額だけで十万円単位なので、両者を同じ「月額」の一行にまとめると、どちらの費用が何のために要るのかが上司に伝わりません。
受発注システムを足すかどうかは、金額の大小だけでは決まりません。
転記をなくしたい理由が「数量の打ち間違いを減らしたい」のか、「拠点をまたいで在庫を見たい」のか、「出荷指示まで続けて処理したい」のかによって、必要な機能も、TS-BASEの例でいえば受注だけか受注+出荷かといった組み合わせも変わります。
チャットProで整理の上限を広げれば済む段階なのか、注文を数量として扱う仕組みが要る段階なのかを分けて考えると、検討の順番が見えてきます。
LINE WORKSはユーザー課金の別製品
名前が似ているため混同されやすいのが、LINE WORKSです。
LINE WORKSはワークスモバイルジャパンが提供する業務用のチャットで、LINE公式アカウントとは別の製品です7。
料金は1ユーザーごとの月額で、フリープランが0円(30人まで)、スタンダードが450円、アドバンストが800円、トークのアーカイブが300円です(いずれも1ユーザー・月額・年額契約・税抜)7。
多拠点の見積もりで大事なのは、費用の決まり方の違いです。
LINE公式アカウントの料金がプランの固定費と通数で示されているのに対し、LINE WORKSは使う人数で月額が増えます。
仮に10拠点で各4人がスタンダードを使えば40人分で月18,000円になり、拠点や担当者が増えるほど比例して上がります。
フリープランは30人までなので、それを超える規模では有料プランが前提になります7。
LINE WORKSで取引先のLINEとどこまでやり取りできるかは、料金ページの文面からは読み取れません7。
そのため、取引先からの注文窓口の候補としてLINE公式アカウントと並べるのではなく、拠点間の社内連絡にかかる費用として別に見積もるのが無理のない整理です。
受けた注文を拠点の担当者どうしで相談する場面が多い会社なら、社内連絡の道具を別に持つかどうかを、注文の受付とは切り分けて検討できます。
▼ 図の内容を文字で読む
- LINEで注文を受ける費用
- プラン固定費は月額0円から15,000円(税抜)
- 一斉連絡の通数とチャットProは条件に応じて加える
- 受発注システムで注文を管理する費用
- 一社の料金例は初期50万〜150万円、月額14万〜40万円
- 受発注システム全体の相場ではなく、LINE連携の記載もない
- 接続部分の費用とWebhookを受けるツールの数を製品ごとに確かめる
- 拠点間の社内連絡の費用
- LINE WORKSは1ユーザーごとの月額
- フリーは0円(30人まで)、スタンダードは450円
- 注文の受付とは切り分けて見積もる
導入前に確かめることと、一部の拠点から始める手順
取引先の個人情報の利用目的
LINEで届く注文には、取引先の担当者の氏名や連絡先などが一緒に入ってきます。
これらが個人情報にあたる場合、個人情報保護委員会のガイドラインでは、個人情報を取得したときは、あらかじめ利用目的を公表している場合を除き、速やかに本人へ利用目的を通知または公表することとされています8。
一方で、取得の状況から利用目的が明らかな場合は、通知や公表は要らないとされています8。
どちらにあたるかは、受け取った情報をどう使うかで変わります。
注文の処理だけに使うのか、受けた取引先へ後から一斉配信で新商品を案内するのかで、状況から目的が明らかと言えるかどうかの見え方が違ってくるからです。
自社のプライバシーポリシーにLINEでの受付と配信の用途が含まれているかを、導入前に法務や個人情報の担当者と確かめておくと、後から配信の用途を広げるときに慌てずに済みます。
なお、適用の判断は事案ごとに異なり、ここでの説明は個別の法的な助言ではありません。
1拠点・数社から始める確認項目
全拠点で一斉に切り替える前に、1つの拠点と数社の取引先で始め、ここまで見てきた上限が自社の注文で足りるかを確かめる進め方があります。
見るべきなのは、料金の前提として置いた数字が、実際の運用で当てはまるかどうかです。
1か月ほど運用すると、上司への説明に使える数字が手元に残ります。
一斉連絡で使った通数は、取引先数×送信回数の概算と比べられます。
タグが5個で足りたか、ノート1件に取引先の情報が収まったかも、実際の画面を見れば分かります。
受け取った注文書の画像やファイルを社内へ移す手順が回っているか、担当者設定で誰が対応したかを追えているかも、この段階で見えてきます。
足りないところが見つかったら、その原因に合う費用だけを足します。
一斉連絡の通数が足りないならプランを上げる、タグや履歴が足りないならチャットProを足す、チャットから表計算への転記が負担になっているなら外部ツールを検討する、という対応関係です。
外部ツールを入れる場合は、LINE Developersの解説にあるとおり、Webhookを受けるツールを1つに決め、送信通数やリッチメニュー数などチャネル単位の上限を事前に確かめておきます3。
この順で進めれば、全拠点に広げる前に、どの費用がなぜ必要なのかを一つずつ説明できる状態に近づきます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 1拠点・数社で始める:担当者設定とタグの付け方、一斉連絡を送る場面を決める
- 1か月の実績を見る:使った通数、タグ・ノートの上限、画像やファイルを社内へ移す手順を確かめる
- 足りない部分を足す:通数はプラン、整理と保存はチャットPro、転記の負担は外部ツール
- 拠点を広げる:アカウントを分けるか一つにするか、Webhookを受けるツールを決めてから広げる
注文の入口や一斉連絡の回数は会社ごとに違い、どのプランとオプションの組み合わせが自社の月額になるかは、料金表を見るだけでは決めにくいためです。
今の注文の届き方と送っている連絡の種類をもとに、プラン固定費・通数・チャットProのどれが発生するかを整理し、上司へ示す月額の前提を一緒に確かめられます。無料相談で要件を整理する
LINE受発注の月額を上司に示すときの4つの費用項目
費用が発生する条件ごとに、見積もりで別の行に置く項目を並べた。
- LINE公式アカウントのプラン固定費:注文を受けて返すだけなら月額の土台。0円・5,000円・15,000円(税抜)1
- 一斉連絡の通数:取引先数×月の送信回数で概算。無料通数を超えて送れるのはスタンダードだけ1
- チャットProオプション:タグ・ノート・履歴の上限を広げる月額3,000円(税別)4
- 外部の受発注システム:LINEとは別の行で製品ごとに見積もる費用5
チャットからの転記が負担になったときに、4つ目の項目の検討が始まる。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 受けて返すだけの月額 | プラン固定費0円〜15,000円(税抜)。チャット・自動応答・Reply APIは通数に数えない |
| 通数が増える条件 | 一斉配信・プッシュ。取引先数×送信回数で数え、超過分を送れるのはスタンダードだけ |
| 多拠点の分け方 | 一つなら担当者設定・タグで振り分け。分けるならアカウントごとのプランと接続設定を見込む |
| LINE単体の限界 | タグ・ノート・履歴の上限はチャットProで拡張。数量の集計・出荷連携は別の仕組みが要る |
| 外部ツールの見積もり | LINEの費用と別の行に置き、Webhookを受けるツールを1つに決める |
| 導入の進め方 | 1拠点・数社で試し、足りない原因に合う費用だけを足してから拠点を広げる |
外部ツールを足す段階では、アカウントの分け方やWebhookを受けるツールの一本化など、後から変えにくい設定が費用と同時に決まるためです。 1拠点で試した結果をもとに、拠点を広げる前にどの費用を足すべきか、接続の形で何を先に決めておくかを確かめられます。
よくある質問
1つのLINE公式アカウントに複数の拠点の担当者を入れて、誰がどの注文に対応したか分けられますか。
チャットルームごとに担当者を設定し、「要対応」「対応済み」のステータスを付けられるので、どの取引先の注文を誰が受け持ち、終わったかどうかを画面上で分けられます4。
拠点名はタグで付けられますが、無料の範囲ではアカウント全体で5個、1ルームに1個までなので、拠点名と別の分類を同じルームに付けたい場合はチャットProオプション(月額3,000円・税別)でタグを広げることになります4。
担当者として登録できる人数や権限の細かな扱いは、利用前に管理画面の案内で確かめてください。
納期連絡を取引先全員へ一斉に送ると、無料通数はどのくらいで足りなくなりますか。
一斉配信の通数は、送った回数×受け取った取引先の数で数えます1。
コミュニケーションプランの200通なら、50社へ月4回送るとちょうど上限に達し、ライトプランの5,000通なら同じ50社に月100回まで送れる計算です1。
チャット画面から一社ずつ送る連絡は通数に数えないので、急ぎの個別連絡はチャットで、全社への案内は一斉配信で、と使い分けると通数の見込みを立てやすくなります1。
LINEのチャット履歴は、取引記録として何か月保存でき、延ばすには何が必要ですか。
無料の範囲ではチャット履歴の保存は6か月で、チャットProオプション(月額3,000円・税別)を契約すると最長5年に延びます4。
グループや複数人トークで受け取った画像・ビデオは2週間、ファイルは1週間しか保存されないため、注文書を画像やファイルで受ける場合は、履歴の期間とは別に社内の保存場所へ移す手順が必要です4。
取引記録として何年残すべきかは、LINEの保存期間とは切り離して、自社の書類保存のルールに合わせて決めることになります。
外部の受発注ツールを足すとき、LINE公式アカウント側で事前に決めておく設定は何ですか。
最初に決めるのは、Webhookを受けるツールをどれにするかです。
1つのLINE公式アカウントに紐づくMessaging APIチャネルは1つで、Webhook URLも1つしか設定できません3。
長期のチャネルアクセストークンを再発行すると既存のものが無効になるので、すでに別のツールがつながっている場合は、再発行の前にそのツールへの影響を確かめます3。
送信通数やリッチメニュー数、レート制限もチャネル単位の上限なので、複数のツールで分け合う前提で見込んでおく必要があります3。
LINE WORKSで取引先の注文を受けるほうが安くなりますか。
同じ注文窓口として比べるのは難しい組み合わせです。
LINE WORKSはLINE公式アカウントとは別製品で、1ユーザーあたり月額450円(スタンダード)や800円(アドバンスト)のように使う人数で料金が決まります(年額契約・税抜)7。
取引先のLINEとのやり取りがどこまでできるかは料金ページからは読み取れないため、取引先からの注文はLINE公式アカウントで受け、拠点間の社内連絡にLINE WORKSを使うかどうかは別の費用として検討するのが分かりやすい整理です7。
- 1 出典:LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント 料金プラン」(2026年)
- 2 出典:LINEヤフー株式会社(LINE Developers)「Messaging APIの料金」(2026年)
- 3 出典:LINEヤフー株式会社(LINE Developers)「LINE公式アカウントで複数のツールからMessaging APIを利用する際に確認したいこと」(2026年)
- 4 出典:LINEヤフー株式会社「LINE公式アカウント チャットProオプション」(2026年)
- 5 出典:株式会社竹田印刷「TS-BASE 受発注 料金ページ」(2026年)
- 6 出典:株式会社竹田印刷「Webの受発注システムの選び方とコストの目安」(2026年)
- 7 出典:ワークスモバイルジャパン株式会社「LINE WORKS 利用料金」(2026年)
- 8 出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(2026年)
画像の出典元
- Close-up of hands holding a smartphone and writing in a notebook at a desk./Photo by ANTONI SHKRABA production on Pexels