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納品書の会計処理|請求書との違い、計上時期、突合、保存まで経理担当者向けに整理

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 納品書は品物やサービスが届いた事実を示し、請求書は支払の請求を示す。両者の差はどの行がずれたかを探す作業として扱う。
  • 計上時期は取引の形ごとに納品・検収などの基準を決めて毎期続ける。仕入側については売上側の通達の考え方を参考にした運用の提案である。
  • 不一致は数量・単価・日付・税区分の順に明細を照らし、訂正は仕入先から修正した書類を受け取って経緯を残す。
  • 法人の帳簿書類は申告期限の翌日から7年保存し、メールやWebで受け取った納品書はデータのまま保存する。
  • 請求書に納品書番号を書くなど関連が明確なら、納品書と請求書を合わせてインボイスの記載事項を満たせる。

30代前半の日本人男性が書庫でのファイル探しをしている場面

納品書の数字と請求書の数字が合わない。まず納品書は会計でどんな書類かを決める

月末に仕入先の請求書を開いたら、手元の納品書の合計と合わない。
どちらの金額で仕入を計上し、どの月に入れるのかで手が止まる場面です。
納品書は品物やサービスが届いた事実を示す書類、請求書は支払う金額を求める書類と分けて考えると、突き合わせの基準が決まります。
計上時期は、納品・検収・請求のうち自社が取引の形ごとに決めた基準を続けて使い、ずれは数量・単価・日付・税区分の順にたどります。
保存は法人税の帳簿書類として7年を軸にし、メールやWebで受け取ったものはデータのまま残します。
インボイスは、請求書と納品書を関連づけて記載事項を満たせる場合があります。

納品書は取引事実の記録、請求書は支払の請求

仕入先から届く書類は、名前が似ていても役割が違います。
納品書は、何を・いくつ・いつ届けたかを売り手が示す書類です。
受け取った側から見ると、品物が届いた事実と、届いた中身を確かめるための記録になります。
請求書は、一定の期間や取引について、いくら支払ってほしいかを求める書類です。
支払額の根拠であり、振込や買掛金の消し込みのよりどころになります。

この二つが合わないとき、どちらか一方を「正しい書類」と決めてしまうと処理を誤りやすくなります。
たとえば、ある月に同じ仕入先から何度か納品があり、月末に一枚の請求書が届いたとします。
納品書の合計と請求額が違えば、届いた事実の記録と支払の請求のどこかで食い違いが起きているということです。
納品書は「届いたもの」の側から、請求書は「払うもの」の側から見た記録だと分けておけば、差額はどちらかの誤りを決めつける話ではなく、両者のどの行がずれたかを探す作業になります。

納品書は仕訳の証憑として使えるか

納品書を仕訳の証憑として使えるかは、保存すべき書類に当たるかという問いと重なります。
法人税法施行規則第59条は、青色申告法人が保存する書類として、取引に関して相手方から受け取った注文書、契約書、送り状、領収書、見積書その他これらに準ずる書類を挙げています1。
国税庁のタックスアンサーも、帳簿と取引に関して作成・受領した書類の保存を求め、注文書・契約書・領収書などを例に挙げています2。
どちらにも納品書という名前は出てきません。

ただ、納品書は品物の送付に伴って届き、取引の内容を示す書類です。
送り状に準ずる書類、つまり取引に関して受け取った書類として、ほかの証憑と同じく保存しておくのが実務上の安全な整理だと考えます。
これは条文の名指しに基づく結論ではなく、書類の性質から考えた整理です。
税務調査で個別にどう見られるかまで、この整理だけで言い切れるものではありません。

仕訳の証憑としての納品書は、「いつ、何が届いたか」を示す根拠になります。
一方で、最終的にいくらを支払うかは請求書で示されます。
そのため、納品書だけで仕訳を起こすのか、請求書が届くまで待つのかは、書類の性質ではなく、どの時点で計上するかという基準で決まります。

観点 納品書 請求書
示す内容 品物やサービスが届いた事実と中身 支払ってほしい金額
主な照合の相手 発注書・検収や入庫の記録 納品書・支払の予定
経理での使いどころ 計上の根拠となる取引の事実 支払と買掛金の消し込み
届く単位 納品ごとに届く場合がある 一定期間をまとめて届く場合がある
納品書と請求書の役割の違い(模式図)
納品書は届いた事実の記録、請求書は支払の請求として役割を分けた図納品書は届いた事実の記録、請求書は支払の請求として役割を分けた図納品書何を・いくつ・いつ届けたかを示す届いた中身を確かめる記録請求書いくら支払ってほしいかを求める振込や買掛金の消し込みのよりどころ

▼ 図の内容を文字で読む
  • 納品書
    • 何を・いくつ・いつ届けたかを示す
    • 届いた中身を確かめる記録
  • 請求書
    • いくら支払ってほしいかを求める
    • 振込や買掛金の消し込みのよりどころ

いつ仕入・経費に計上するか:納品・検収・請求を取引の形で選ぶ

都度納品の場合

計上時期の候補になるのは、品物が届いた日(納品基準)、中身を確かめて受け入れた日(検収基準)、請求を受けた日の三つです。
迷いが生まれるのは、同じ取引でも書類ごとに日付が違うからです。
取引の形によって、どの日付が取引の事実に近いかが変わります。

品物が届くたびに納品書が添付され、請求書も取引ごとに届く形では、納品書の日付と内容で仕入を計上しやすくなります。
届いた時点で数量と品目を確かめられ、請求書は後から金額の確認に使えます。
請求書が届く前に月末を迎えても、納品書があれば、その月に届いた分を当月の仕入として計上する運用にできます。
請求書が届いたら、計上した金額と照らし、差があれば原因を探します。

月次で合算して請求される場合

月の途中に何度か納品があり、月末締めの請求書が一枚で届く形では、納品書と請求書の役割がはっきり分かれます。
納品書は一件ずつの事実、請求書はその合計です。
納品基準を採るなら、納品書ごとに計上し、月末に請求書の合計と照らします。

請求書の到着を待って一括で計上する方法もあります。
その場合でも、請求書がどの納品分をまとめたものかを納品書で確かめないと、別の月の納品が混ざっていても気づけません。
締め日が月末でない仕入先では、請求書の対象期間と自社の会計月がずれることも起こります。
そのずれをどちらの月に入れるかは、請求書の日付ではなく、採用した基準で判断します。

検収がある場合

届いた品物をすぐ使わず、数量や品質を確かめてから受け入れる取引では、納品日と検収日が分かれます。
機械や部品、外注した作業の成果物のように、受け入れの判断に時間がかかるものです。
この場合、納品書は「届いた」記録にとどまり、取引の事実として重いのは検収の記録になります。

検収基準を採るなら、検収書や社内の受け入れ記録を計上の根拠にし、納品書はその前段の記録として一緒に残します。
検収で不良や数量不足が見つかれば、その時点で返品や値引きの話になるため、請求書の金額とも差が出やすい取引です。
検収の記録に、何をいくつ受け入れ、何を受け入れなかったかまで残しておくと、請求書との照合で同じ確認を繰り返さずに済みます。

決めた基準を継続して使う

基準の決め方には、参考になる考え方があります。
国税庁の法人税基本通達2-1-2は、売り手側が棚卸資産を販売したときの収益について、出荷した日・着荷した日・検収した日などのうち、合理的であり法人が継続して収益計上を行う日によるとしています5。
これは売上を計上する側の定めで、仕入側に同じ文言がそのまま当てはまると示すものではありません。
ここからは、その考え方を借りた運用の提案です。

仕入側でも、取引の形ごとに納品基準か検収基準かを決め、毎期同じ基準で処理しておくと、月ごとの計上の判断がぶれにくくなります。
ある月は納品書の日付、別の月は請求書の日付で計上していると、期末に仕入が前後の期へずれた理由を説明できません。
基準を決めて書き残しておけば、担当者が替わっても同じ判断をたどれますし、月末に「この請求書はどちらの月か」と迷う場面も減ります。

会計基準の適用や監査を受けている会社では、顧問税理士や監査人の方針が優先します。
社内で決める前に、その方針と食い違わないかを確かめておくと、後から基準を変える手間を避けられます。

取引の形ごとの計上の根拠(模式図)
都度納品、月次で合算して請求、検収がある取引の三つについて、計上の根拠と請求書との照合を分けた図都度納品、月次で合算して請求、検収がある取引の三つについて、計上の根拠と請求書との照合を分けた図都度納品納品書の日付と内容で計上請求書は届いてから金額を照らす月次で合算して請求納品書ごとに計上月末に請求書の合計と照らす検収がある検収の記録を計上の根拠にする納品書は前段の記録として残す

▼ 図の内容を文字で読む
  • 都度納品
    • 納品書の日付と内容で計上
    • 請求書は届いてから金額を照らす
  • 月次で合算して請求
    • 納品書ごとに計上
    • 月末に請求書の合計と照らす
  • 検収がある
    • 検収の記録を計上の根拠にする
    • 納品書は前段の記録として残す

納品書と請求書の金額・日付・数量が合わないときの突き合わせ方

確認する項目の順番

計上の基準が決まっていれば、納品書と請求書の差は「どちらを信じるか」ではなく「どの項目がずれたか」の問題になります。
ずれを探す順番を決めておくと、毎回あちこちを見比べる手間が減ります。
ここで示す順番は公的な決まりではなく、原因の見つけやすさから考えた実務上の提案です。

<ol><li>数量:納品書の数量と、検収や入庫の記録の数量を照らします。
届いていない品が請求に入っていないか、返品分が差し引かれているかを見ます。</li>
<li>単価:見積書や発注書の単価と、請求書の単価を照らします。
値上げや値引きの反映漏れが見つかるのはここです。</li>
<li>日付:納品日と、請求書の対象期間を照らします。
締め日の違いで別の月の納品が入っていないかを見ます。</li>
<li>税区分:税率ごとの区分と、消費税額の計算を照らします。</li></ol>

数量を最初に見るのは、物の動きは検収や入庫という自社側の記録と照らせるからです。
単価や税区分は仕入先の計算に関わるため、数量が合っていることを確かめてから見るほうが、原因を一つに絞りやすくなります。
差額が小さいと端数の処理だと考えがちですが、金額の大小だけで原因を決めず、明細の行を照らして確かめます。
差額が大きくても、一件の納品が丸ごと抜けているだけのこともあります。

相手方への照会と訂正の依頼

原因が自社側にあるのか、仕入先側にあるのかで、直し方が変わります。
検収の記録漏れや社内の転記ミスなら、自社の記録を直せば済みます。
納品書や請求書の記載が違う場合は、仕入先に照会し、どの行がどう違うかを具体的に伝えます。
「合わない」とだけ伝えると、仕入先も同じ確認を一からすることになるため、納品書番号と該当する品目、自社で確かめた数量を添えると話が早く進みます。

訂正は、仕入先から修正した納品書や再発行した請求書を受け取る形にしておくと、証憑の上でも経緯が残ります。
電話で合意して自社の帳簿だけを直すと、後から見たときに、なぜ請求書と帳簿の金額が違うのかを書類で示せません。
照会した日、回答の内容、受け取った訂正の書類を一緒に保管しておけば、差額の理由を後から説明できます。

決算をまたぐときの仮計上

期末に差額の原因が分からないまま締めを迎えることもあります。
品物が届き、検収も済んでいるのに請求額が確定しない場合、採用した基準に沿って、届いた事実に基づく金額で当期に仮に計上し、翌期に請求が確定した時点で差額を精算する流れが考えられます。

このとき、仮に計上した根拠として納品書と検収の記録を残し、どの差額が未確定なのかを一覧にしておくと、翌期の精算で迷いません。
仮計上をどの金額でどう処理するかは、会社の承認ルールや会計方針、使っている会計システムによって変わります。
期末の扱いは、顧問税理士と相談したうえで決めておきます。

合わないときに確かめる項目の順番
数量、単価、日付、税区分の順に明細を照らす手順の図1数量納品書と検収・入庫の記録を照らす2単価見積書や発注書と請求書を照らす3日付納品日と請求書の対象期間を照らす4税区分税率ごとの区分と消費税額の計算を照らす

▼ 図の内容を文字で読む
  1. 数量:納品書と検収・入庫の記録を照らす
  2. 単価:見積書や発注書と請求書を照らす
  3. 日付:納品日と請求書の対象期間を照らす
  4. 税区分:税率ごとの区分と消費税額の計算を照らす

納品書がない・後から届いた場合の処理と残す記録

代わりに残す記録

ここまでの突き合わせは、納品書が手元にあることを前提にしています。
ところが、仕入先が納品書を出さない取引や、品物だけ先に届いて書類が遅れる取引もあります。
ネット通販で備品を買い、注文確認メールと出荷通知だけが届く場合などです。

このとき大事なのは、納品書という名前の書類がそろうことより、取引の事実を何で示すかです。
法人税の保存の考え方は、取引に関して作成・受領した書類を残すというものです2。
発注書、注文確認メール、出荷通知、検収や入庫の記録、仕入先からの確認メールなど、何が・いつ・いくつ届いたかが分かる記録を組み合わせれば、納品書の役割を補えます。
この組み合わせは運用の提案で、特定の記録を納品書と同じものとみなすという意味ではありません。

注意したいのは、消費税の仕入税額控除です。
控除を受けるには帳簿と請求書等の保存が必要です3。
代わりの記録で取引の事実を示せても、それで請求書等の要件まで満たせるとは限りません。
納品書がない取引ほど、請求書や領収書がインボイスの記載事項を満たしているかを別に確かめておく必要があります。
メールやWebで受け取った注文確認などは電子で受け取った取引の情報にあたるため、保存の方法は電子取引の考え方に沿います。

後から届いたときの差し替え

納品書が遅れて届いたら、先に計上に使った代わりの記録と突き合わせます。
数量や日付が一致すれば、納品書を同じ取引の証憑として加え、どの取引の分かが分かるように紐づけて保管します。
差し替えといっても、先に使った記録を捨てる必要はありません。
計上した時点で何を根拠にしたかが残っていれば、後から届いた納品書との関係も説明できます。

内容が食い違っていた場合は、前の節と同じ順番で原因を探し、必要なら計上を直します。
遅れて届いた納品書が月をまたいでいても、計上する月は書類の到着日ではなく、採用した基準の日付で考えます。
届くはずの納品書がいつまでも来ない場合は、仕入先に発行の有無を確かめます。
出ない取引だと分かれば、その取引先の分は代わりの記録で処理すると決めておくと、毎月同じ確認をせずに済みます。

納品書が届かない取引の処理の流れ
代わりの記録で計上し、後から届いた納品書と突き合わせて紐づけて保管するまでの流れ1納品書が届かない仕入先に発行の有無を確かめる2代わりの記録で計上発注書・注文確認メール・検収や入庫の記録を組み合わせる3納品書と突き合わせ後から届いた納品書と数量や日付を照らす4紐づけて保管先に使った記録も残す

▼ 図の内容を文字で読む
  1. 納品書が届かない:仕入先に発行の有無を確かめる
  2. 代わりの記録で計上:発注書・注文確認メール・検収や入庫の記録を組み合わせる
  3. 納品書と突き合わせ:後から届いた納品書と数量や日付を照らす
  4. 紐づけて保管:先に使った記録も残す

納品書の保存期間と、紙・PDF・電子データで受け取った場合の扱い

法人税と消費税の保存期間

保存期間は、法人税と消費税の二つの面から考えます。
法人税では、帳簿と取引に関して作成・受領した書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存します2。
青色申告で欠損金が生じた事業年度などは10年です2。
消費税では、仕入税額控除を受けるために帳簿と請求書等を保存し、請求書等は受領した日の属する課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日から7年間保存します3。

同じ7年でも、数え始める日が違います。
法人税は事業年度の申告期限が起点、消費税は課税期間の末日の翌日から2か月を経過した日が起点です。
納品書を請求書と同じ綴りやフォルダで保存していると、どちらの期限で廃棄してよいかを書類ごとに判断しなくて済みます。
欠損金の繰越がある期は長く残す必要があるため、廃棄する前に、その期が該当するかを確かめます。
ここでの期間は法人の場合で、個人事業者は所得税の保存期間が別に定められています。

紙で受け取った場合

紙で受け取った納品書は、紙のまま保存するのが基本の形です。
請求書や検収の記録と取引ごとにまとめるか、仕入先と月ごとに綴じておけば、突き合わせのときにも探しやすくなります。

紙をスキャンしてPDFにし、原本を捨てる運用に切り替える場合は、電子で受け取った取引データとは扱いが別になります。
スキャンしたデータを原本の代わりにするための要件を国税庁の資料で確かめ、満たせると分かるまでは紙の原本を残しておくほうが安全です。
社内で閲覧しやすくするためにスキャンし、原本も保管する使い方なら、この心配はありません。

メールやWebで受け取った場合

メールに添付されたPDFの納品書や、仕入先のWebサイトからダウンロードした納品書は、電子取引のデータにあたります。
令和6年1月からは、こうしたデータを紙に印刷して残すのではなく、データのまま保存する扱いです6。
保存には、改ざんを防ぐ措置、日付・金額・取引先で検索できること、画面に表示できる機器の備付けなどが求められます6。
一定の条件を満たす場合は検索の要件が不要になりますが、その条件となる売上高の基準は改正されることがあるため、国税庁の最新の資料で自社が当てはまるかを確かめてください。

同じ仕入先から、紙の納品書とメールの納品書が混在して届くこともあります。
保存先が紙の綴りとフォルダに分かれると、月末の突き合わせで片方を見落としやすくなります。
ファイル名に取引日・金額・取引先を入れる、一覧表にまとめるなど、検索の要件と同じ項目で整理しておくと、突き合わせのときにも同じ手掛かりで探せます。

受け取り方 扱い 保存のしかた
紙の納品書 紙で受け取った書類 原本を取引ごとや月ごとにまとめて保存
紙をスキャンしたPDF 原本の代わりにするには別の要件がある 要件を確かめるまで原本も残す
メール添付・Webからのダウンロード 電子取引のデータ データのまま保存し日付・金額・取引先で探せるように整理
受け取り方ごとの保存のしかた(模式図)
紙、スキャンしたPDF、メールやWebで受け取ったデータの三つについて保存のしかたを分けた図紙、スキャンしたPDF、メールやWebで受け取ったデータの三つについて保存のしかたを分けた図紙で受け取った紙のまま保存するのが基本取引ごとか仕入先と月ごとにまとめるスキャンしてPDFにした原本の代わりにするには別の要件がある要件を確かめるまで紙の原本を残すメールやWebで受け取った電子取引のデータとしてデータのまま保存日付・金額・取引先で検索できるよう整理

▼ 図の内容を文字で読む
  • 紙で受け取った
    • 紙のまま保存するのが基本
    • 取引ごとか仕入先と月ごとにまとめる
  • スキャンしてPDFにした
    • 原本の代わりにするには別の要件がある
    • 要件を確かめるまで紙の原本を残す
  • メールやWebで受け取った
    • 電子取引のデータとしてデータのまま保存
    • 日付・金額・取引先で検索できるよう整理

納品書はインボイスの保存書類として使えるか

納品書だけで満たせる場合

インボイス(適格請求書)は、売り手が買い手に取引の内容と消費税額を正確に伝えるための書類で、仕入税額控除の根拠になります。
名前に「請求書」と付いていますが、請求書だけでなく納品書なども適格請求書になりえます4。
売り手の登録番号、取引年月日、取引の内容、税率ごとに区分した合計額と適用税率、税率ごとの消費税額等といった記載事項が納品書にそろっていれば、その納品書だけで足ります。

受け取る側の前提として、仕入先が適格請求書発行事業者であることが必要です。
登録しているかどうかは、国税庁の公表サイトで確かめられます。

請求書と合わせて満たす場合

一枚の書類ですべての記載事項を満たす必要はありません。
国税庁のQ&Aは、請求書に納品書番号を書くなど、書類相互の関連が明確で、取引の内容を正確に認識できる方法で交付されていれば、複数の書類で記載事項を満たせるとしています4。
たとえば、納品書に税率ごとの合計額と適用税率、消費税額等を記載し、請求書に登録番号を記載する組み合わせも、両方を合わせて記載事項を満たす形として示されています4。

受け取る側にとっての意味は、納品書と請求書をばらばらに保存すると、記載事項がそろっていることを示しにくくなるという点です。
請求書に記された納品書番号と、手元の納品書の番号が対応しているかを突き合わせのときに一緒に確かめておけば、どの納品書がどの請求書の一部なのかが後から分かります。
この形では、納品書は請求書等の一部として保存する書類にもなるため、消費税の保存期間で考えることになります3。
ただし、納品書が常に請求書等に当たるわけではなく、仕入先が登録事業者かどうかや、書類の組み合わせ方によって結論が変わります。

不足するときの依頼

手元の納品書と請求書を合わせても、登録番号がどこにもない、税率ごとの消費税額が書かれていないといった不足が見つかることがあります。
その場合は、仕入先に記載事項を満たす請求書の発行や補完を依頼します。
依頼するときは、どの書類のどの事項が欠けているかを具体的に伝えると、仕入先も対応を決めやすくなります。

端数処理の方法など、書類を作る側の細かな決まりは発行する仕入先の側で扱う事柄です。
受け取る側としては、必要な事項がそろっているかに絞って確かめれば判断できます。
毎月同じ仕入先で同じ不足が起きるなら、一度依頼して書式を直してもらうほうが、月ごとの確認と依頼を繰り返すより負担が小さくなります。

納品書でインボイスの記載事項を満たす場合と不足するとき(模式図)
納品書だけで満たす場合、請求書と合わせて満たす場合、不足するときの対応を分けた図納品書だけで満たす場合、請求書と合わせて満たす場合、不足するときの対応を分けた図納品書だけで満たす場合登録番号・取引年月日・取引の内容などが納品書にそろう仕入先が適格請求書発行事業者であることが前提請求書と合わせて満たす場合請求書に納品書番号を書くなど書類相互の関連が明確納品書も請求書等の一部として保存する不足するとき登録番号や税率ごとの消費税額などの欠けを確かめる仕入先に記載事項を満たす請求書の発行や補完を依頼

▼ 図の内容を文字で読む
  • 納品書だけで満たす場合
    • 登録番号・取引年月日・取引の内容などが納品書にそろう
    • 仕入先が適格請求書発行事業者であることが前提
  • 請求書と合わせて満たす場合
    • 請求書に納品書番号を書くなど書類相互の関連が明確
    • 納品書も請求書等の一部として保存する
  • 不足するとき
    • 登録番号や税率ごとの消費税額などの欠けを確かめる
    • 仕入先に記載事項を満たす請求書の発行や補完を依頼

計上の基準を取引の形ごとに決める作業は、仕入先との締め日や検収の有無、社内の承認の流れによって当てはめ方が変わり、一般的な整理だけでは決めきれない部分が残ります。

相談では、自社の仕入取引をどの形に分け、どの書類を計上の根拠にするかを、手元の納品書と請求書の流れに沿って整理できます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

軸 基準
書類の役割 納品書は届いた事実、請求書は支払の請求
計上時期 取引の形ごとに納品・検収などの基準を決め、毎期続ける
不一致の確認 数量・単価・日付・税区分の順に明細を照らす
納品書がない取引 発注・注文確認・検収の記録で取引の事実を示す
保存期間(法人) 法人税は申告期限の翌日から7年、欠損金が生じた期などは10年
電子で受け取った納品書 データのまま保存し、検索要件の条件は国税庁の最新資料で確認
インボイス 請求書と納品書の関連を明確にし、記載事項がそろうかを確認

電子で受け取る納品書の保存やインボイスの記載事項は、受け取り方や仕入先の書式によって確かめる点が変わり、月末の突き合わせと一緒に見直す必要があります。 相談では、紙・PDF・Webで届く納品書の保存先と、請求書との紐づけ方を、自社の受け取り方に合わせて確かめられます。

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よくある質問

納品書だけで仕訳してよいのか、請求書が届くまで待つべきか

納品基準を採っている取引なら、納品書の日付と内容で仕訳し、請求書が届いたら金額を照らす運用ができます。
請求書を待つかどうかは書類の種類ではなく、自社が取引の形ごとに決めた基準で決まります。
なお、消費税の仕入税額控除には、帳簿とは別に請求書等の保存が必要です3。

納品書を紙でもらいスキャンしたPDFは、そのまま保存してよいか

閲覧用にスキャンし、紙の原本も保管するのであれば問題はありません。
原本を廃棄してスキャンしたデータだけを残す場合は、メールなどで受け取った電子取引のデータとは扱いが別になります。
国税庁の資料で原本の代わりにするための要件を確かめ、満たせると分かるまでは原本を残しておくほうが安全です。

仕入先から納品書が出ない取引(ECの注文確認メールなど)は何を証憑にするか

注文確認メール、出荷通知、検収や入庫の記録など、何が・いつ・いくつ届いたかが分かる記録を組み合わせて取引の事実を示します。
メールやWebで受け取ったものは電子取引のデータとして、データのまま保存します6。
仕入税額控除については、領収書や請求書等がインボイスの記載事項を満たしているかを別に確かめます。

納品書と請求書の日付が月をまたぐとき、どちらの月に計上するか

書類の日付ではなく、採用している基準の日付で決めます。
納品基準なら品物が届いた月、検収基準なら検収した月です。
月末締めでない仕入先の請求書は、対象期間に複数の月の納品が含まれることがあるため、納品書ごとにどの月の分かを分けて照らします。

納品書に登録番号がない場合、請求書だけで仕入税額控除を受けられるか

請求書だけで記載事項がすべてそろっていれば、その請求書で足ります。
そろっていない場合でも、請求書に納品書番号を書くなど書類相互の関連が明確であれば、請求書の登録番号と納品書の税率ごとの合計額・消費税額等を合わせて記載事項を満たす形が国税庁のQ&Aに示されています4。
どちらの書類にも登録番号がない場合は、仕入先に補完を依頼します。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:e-Gov法令検索「法人税法施行規則 第59条」(現行)
  2. 2 出典:国税庁「タックスアンサー No.5930 帳簿書類の保存期間」(現行)
  3. 3 出典:国税庁「タックスアンサー No.6496 仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」(現行)
  4. 4 出典:国税庁「消費税の仕入税額控除制度における適格請求書等保存方式に関するQ&A」(令和8年5月改訂版)
  5. 5 出典:国税庁「法人税基本通達 2-1-2 棚卸資産の引渡しの日の判定」(現行)
  6. 6 出典:国税庁「電子帳簿保存法 電子取引関係」(令和6年1月以降)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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