◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 受発注にFAXが残る現場は多く、モバイル端末の世帯保有率も高いため、まず確かめるのは端末の有無ではなく、手元の端末が製品の条件に合うかどうか。
- 発注アプリは端末を限定しない型、対象OSを列挙する型、特定のOSに限定する型に分かれ、公式の動作環境ページの書き方で見分けられる。
- 「iOS・Android対応」でもバージョンの限定や対応ブラウザ、画面解像度の条件が付くことがあり、古い端末は対象外になる場合がある。
- 受注側と発注側で対応端末が分かれる製品があるため、動作環境ページでは自分が使う側の欄を読む。
- インターネット接続を前提とする製品があり、電波の弱い場所で使うなら通信条件と、通信が切れたときに何ができるかを個別に確かめる。
目次

紙・電話・FAXからの切り替えは、今の端末のままで進められるか
毎日の発注をまだ紙とFAXで回していて、そろそろアプリにしたい。
ただ店舗にあるのは店長のスマートフォンが一台と、事務所の古いパソコンだけ——この状態で端末を買い足す必要があるのかどうかは、製品ごとの動作環境の書き方でほぼ決まります。
中小企業の受発注はいまもFAXが7〜8割を占め1、一方でモバイル端末の世帯保有率は97.0%です2。
手元の端末で始められる可能性は低くありません。
ただし実際に使えるかは、対応OSとバージョン、対応ブラウザ、通信条件で決まります。
発注アプリは端末を限定しない型、対象OSを列挙する型、特定のOSに限る型に分かれるため、公式の動作環境ページでその書き方を読み、自社の端末構成に合う型を選ぶのが無駄のない選び方です。
紙・電話・FAXの発注が残っている現場の実情
発注業務の見直しを考え始めた時点で、紙の発注書やFAXがまだ現役という現場は珍しくありません。
経済産業省の委託調査を引いた報道では、日本の中小企業の7〜8割が受発注をファクスでやり取りしているとされています1。
これは2019年に公開された全国の中小企業を対象とした調査の数字で、業種別や企業規模別の内訳まで示されたものではありません。
それでも、紙と電話とFAXの組み合わせが一部の現場だけの話ではないことは読み取れます。
この割合が示すのは、切り替えを検討している人が少数派ではないということだけではありません。
取引先の側もFAXで受けている可能性がある、ということでもあります。
発注アプリを入れても相手が対応していなければ、アプリで入力した内容をFAXで送り直す運用が残ることになります。
端末の話に入る前に、どの取引先をアプリに乗せるのかという範囲におおよその見当をつけておくと、この後で必要になる端末の台数も現実的に絞り込めます。
手元のスマホ・タブレット・PCは今のままで発注アプリに使えるのか
では端末の側はどうでしょうか。
総務省の令和7年版情報通信白書によると、モバイル端末の世帯保有率はモバイルフォン全体で97.0%です2。
2024年の調査時点の値で、世帯単位の保有状況を示したものですから、業務で使える端末が各店舗に何台あるかを表す数字ではありません。
ただ、スマートフォンという入力手段が事実上どこにでもある前提で製品が作られている背景は、この普及率から読み取れます。
つまり、発注アプリの導入で最初に立ちはだかるのは「端末が無い」ことではなく、「手元の端末がその製品の条件に合っているか」です。
ここを確かめないまま検討を進めると、契約直前になって店舗のタブレットが対象外だと分かる、といった手戻りが起きます。
逆に言えば、読むべき欄はそれほど多くありません。
スマホ・タブレット・専用端末・PCで発注業務のどこが変わるか
対応端末を絞り込む三つの型(汎用Web型・OS指定型・特定OS限定型)
端末の種類によって発注業務のどこが変わるのか。
画面の大きさや打ちやすさを思い浮かべがちですが、選び方を左右するのはそこではなく、製品が対応端末をどこまで広げているかです。
公開されている動作環境の書き方を並べると、大きく三つの型に分かれます。
一つ目は、端末をほとんど選ばない型です。
受発注システムのCO-NECTは発注側の公式ページで、スマートフォンやタブレット、パソコンなどインターネットが使えるデバイス全てで利用できるとしています3。
このページには特定のOSやバージョンの指定は示されていません。
店舗ごとに持っている端末がばらばらでも、そのまま使い始められる可能性が高い書き方です。
二つ目は、対応するOSを明示する型です。
BtoBモバイルWeb受発注システムのMOSは動作環境ページで、発注環境としてWindowsのPCとiOS・Androidのモバイル端末を挙げています4。
対応の幅そのものは広いのですが、対象が列挙されている分、そこに載っていない環境は対象外という読み方になります。
三つ目は、特定のOSに絞られる型です。
タブレットを前提にしたサービスではこの傾向が出やすく、スマレジは自社の解説記事で、タブレットレジは基本的にiPadに対応しており、Androidに対応していないサービスがほとんどだと説明しています5。
これはタブレットレジという分野全体の傾向についての説明で、個々の発注アプリの対応端末表ではありません。
ただ、タブレットでの運用を前提にした製品を検討するなら、Androidタブレットが使えるかどうかを早い段階で確かめる理由にはなります。
この三つは公開情報の書き方を整理したもので、ここで挙げた各社の記載もそれぞれの製品・ページ時点の条件です。
他の発注アプリが同じ型に当てはまる保証はありません。
見るべきは型の名前ではなく、検討している製品の動作環境が「端末を限定していない」のか「対象OSを列挙している」のか「特定のOSしか挙げていない」のか、という違いのほうです。
発注側と受注側で対応端末が分かれる例
もう一つ見落とされやすいのが、同じ製品でも立場によって使える端末が変わる場合があることです。
MOSの動作環境ページでは、受注環境はWindowsのPCのみ、発注環境はWindowsのPCとiOS・Androidのモバイル端末とされています4。
発注する側はスマートフォンで完結できても、注文を受ける側はPCの前に座る必要がある、という分かれ方です。
これはMOSの仕様として書かれていることで、受発注システム全般がこう分かれているわけではありません。
ただ、自社が発注側なのか受注側なのか、それとも仕入れも販売も行っていて両方の画面を使うのかによって、読むべき欄が変わるのは確かです。
本部で受注も扱っているようなケースでは、発注側の対応端末だけを見て決めたあとに、本部用のPCが別途必要だと分かることになります。
動作環境ページに受注・発注の区分があるときは、自分が使う側の欄を読む。
区分が書かれていない製品なら、問い合わせの段階でどちらの利用を想定した記載なのかを確かめておくと確実です。
対応OS・ブラウザの範囲をどう確認するか
公式の動作環境ページで確認すべき項目
型の見分けがついたら、次は同じ「対応」でも中身がどこまでなのかを読む作業になります。
動作環境ページは短い表で済まされていることが多く、流し読みすると肝心の条件を飛ばします。
MOSの記載を例にすると、どこを見ればよいのかが具体的に見えてきます。
同社のページでは、対応ブラウザとしてモバイルはSafariとChrome、PCはChromeとFirefoxとEdgeが挙げられています4。
OSが対応していても、使っているブラウザが対象外なら動きません。
会社支給の端末で既定のブラウザが別のものに固定されている場合や、店舗のタブレットに古いブラウザしか入っていない場合は、ここで引っかかります。
表示の条件も書かれています。
MOSは画面解像度320×568ピクセル以上を必要としています4。
いま売られているスマートフォンであれば満たす水準ですが、裏を返せば、表示が保証される画面の下限が定められているということです。
手元に残っている古い小型端末や、業務用の小さなハンディ端末を流用しようと考えているなら、解像度の欄まで目を通す価値があります。
OSやブラウザは「最新版のみ」に注意
対応OSの欄で特に注意したいのが、バージョンの書き方です。
MOSはiOS・Androidについて、公式サポート対象の最新OSでの動作のみを対象としています4。
「iOS対応」「Android対応」とだけ覚えていると見落としますが、この書き方の場合、提供元がサポートを終えた古いバージョンの端末は対象から外れることになります。
この条件は端末の買い替え計画に直結します。
紹介記事や一覧表で「iOS・Android対応」とだけ書かれていた製品でも、公式の動作環境ページを開くとバージョンの限定が付いていることがあります。
店舗に残っている数年前の端末をそのまま使うつもりなら、その端末のOSがいまもサポート対象かどうかを先に調べ、更新できるのか、できないなら買い替えを見込むのかを、導入費用の検討と一緒に考えることになります。
ここで挙げた条件はMOSの動作環境ページに書かれている内容であり、他社が同じ制約を置いているとは限りません。
「最新版のみ」という限定があるかどうかは製品ごとに違います。
だからこそ、比較表にある「対応」という一語ではなく、検討している製品の公式ページで同じ項目を一つずつ読む必要があります。
通信が不安定な現場・オフライン利用の注意点
インターネット接続を前提として書かれている例
倉庫の奥、地下の厨房、電波の入りにくいバックヤード。
発注作業をする場所は、必ずしも通信環境の良いところではありません。
ここで効いてくるのが、動作環境ページの通信に関する記載です。
MOSはモバイル・PCともにインターネット接続が必要としており、オフラインでの利用は前提とされていません4。
ブラウザから使う仕組みである以上、これ自体は不自然な条件ではありません。
ただし現場の動きに置き換えると、電波の届かない場所で入力だけ済ませておき、後でまとめて送信するという使い方は想定されていない、ということになります。
確認できるのはこの製品の記載であって、発注アプリがすべて常時接続を前提にしているとは言えません。
それでも、棚を見ながら在庫を数え、そのまま発注数を入れていく使い方をしているなら、通信が切れたときに入力中の内容がどうなるかは、契約前に聞いておきたいところです。
発注のたびに電波の届く場所まで戻るのであれば、紙のメモを一度挟むことになり、置き換えたかった転記がそのまま残ります。
オフライン対応をうたう製品は個別に確認する
オフラインでも使えると書かれている製品に出会ったときに迷うのは、その言葉がどこまでを指すのかです。
入力した発注内容を端末に保存して電波の届く場所で送信できるのか、保存済みの商品一覧を見るところまでなのか、過去の発注履歴を参照できるだけなのか。
同じ「オフライン対応」でも、現場でできることはかなり違います。
この違いは、動作環境ページの一行だけでは判断できません。
問い合わせや試用のときに、実際の場面に沿って尋ねると答えが具体的になります。
電波の入らない冷蔵庫の前で発注数を入力し、事務所に戻ってから送信する——このやり方が成立するかを聞けば、一時保存の有無も送信のタイミングも一度で分かります。
通信の話は、端末の選び方にも跳ね返ります。
Wi-Fiしか使えないタブレットを店舗に置くなら、発注作業をする場所までアクセスポイントの電波が届いていることが前提条件になります。
SIMを入れられる端末やスマートフォンを使えばその制約は緩みますが、通信費が台数分かかります。
どの端末にするかという話と、どこで発注作業をするかという話は、切り離さずに考えたほうが後の手戻りが減ります。

拠点数・利用人数に応じた端末の揃え方
対応端末の型で揃え方の選択肢が変わる
ここまでは、一台の端末で使えるかどうかという話でした。
拠点が増え、使う人が増えると、判断の軸が変わります。
1店舗なら「いまある端末で動くか」で済みますが、5店舗あれば「5店舗ぶんの条件を揃えられるか」が問題になるからです。

端末を限定しない型を選んだ場合、揃え方の自由度は高くなります。
A店は店長のスマートフォン、B店は事務所のPC、新しく開けたC店はタブレット、という混在のまま運用できる可能性があります3。
ただ、自由度が高いことと管理が楽なことは別です。
画面の大きさが違えば表示される行数も操作の手順も変わり、店舗ごとに説明をやり直すことになります。
操作を統一したいなら、製品が許していても機種はある程度揃えたほうが結果的に早く定着します。
対応OSが指定されている型では、拠点を増やすたびにその端末が対象に入るかを確認する手間が発生します4。
最新OSのみという条件が付いていれば、OSの更新を止めている拠点が一つあるだけで、そこだけ使えないという状態になります。
複数拠点で使うなら、更新を誰がいつ行うのかを運用のルールとして決めておく必要が出てきます。
特定のOSに限定される型は、端末が揃っている会社ほど扱いやすくなります5。
すでにiPadで統一している、あるいはこれから統一して導入するなら、設定も操作説明も一度作れば横展開できます。
反対に、各店が自前で用意した端末を使っている状態から始めると、対象外の端末を持つ拠点の分だけ買い足しが必要になります。
台数・費用は個別見積もりで確認する
何台必要かは、拠点の数だけでは決まりません。
同じ3店舗でも、発注するのが店長一人ずつなら3台ですが、シフトに入る誰でも発注できる運用にしたいなら、共用の1台を置くのか、人数分のアカウントを配るのかで話が変わります。
アカウント単位の課金なのか端末単位なのかも製品によって違うため、台数の見積もりは料金体系とセットで考えることになります。
端末台数や拠点数に応じた費用は、製品ごとの料金体系と契約条件で変わるため、一般的な相場として示せるものではありません。
金額の目安を先に決めるより、拠点数、1拠点あたりの発注担当者の人数、いまある端末の内訳、その端末が対象OSに入るかどうかを一覧にして、候補の製品に見積もりを依頼したほうが精度が上がります。
この一覧は、別の製品を比べるときにもそのまま使い回せます。
ここまでで、自社の端末が対象に入るかどうかを読む手順は揃いました。
残るのは、三つの型のうちどれを軸に候補を絞るかという判断です。
動作環境ページを読み比べても、自社の端末構成のままどこまで使えるのかは、拠点の数や発注作業をする場所の条件と合わせないと判断がつきません。
いま使っている端末の内訳と発注の流れをお聞かせいただければ、そのまま使える範囲と、買い替えや追加が必要になる箇所の切り分けから一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する
発注アプリの動作環境で確認しておきたい項目
検討している製品の公式な動作環境ページを開いたときに、自社の端末が対象に入るかを判断するために読む欄を並べています。
- 発注側・受注側の区分(自分が使う側の欄はどれか)
- 対応OSの種類とバージョンの限定(「最新版のみ」という記載があるか)
- 対応ブラウザ(モバイルとPCで別々に書かれていることがある)
- インターネット接続の要否と、通信が切れたときの扱い
- 画面解像度などの表示要件
このうち一つでも自社の端末が外れるなら、端末を買い替えるか、対応範囲の広い製品に候補を移すかの判断に進みます。
対応端末の絞り込み方針で選ぶ三つの型
| 型 | 動作環境ページでの書かれ方 | 向いている端末の状況 | 導入前に確かめること |
|---|---|---|---|
| 汎用Web型 | インターネットが使えるデバイス全てで利用できるとする | 端末を統一する予定がなく、機種がばらばら | 古い端末のOSとブラウザで動くかを個別に問い合わせる |
| OS指定型 | Windows・iOS・Androidなど対象OSを明示し、受注と発注で欄が分かれることがある | 複数OSが混在し、一つずつ照合して揃えたい | バージョンの限定と、自分が使う側の欄 |
| 特定OS限定型 | タブレットはiPad中心で、Androidタブレットは対象外の例がある | すでに機種を統一している、これから統一して揃える | Androidタブレットを使う予定がないか |
汎用Web型|いまある端末をそのまま使いたい場合
端末がばらばらの現場ほど効いてくる
複数の店舗をまわってみると、端末の状況は思ったより揃っていないものです。
本部は数年前のWindows機、直営店は新しいタブレット、小さな店舗は店長のスマートフォン。
この状態から端末を統一しようとすると、アプリの検討より先に調達と配布の話になり、導入そのものが止まります。
端末を限定しない型は、その順番を逆にできる型です。
CO-NECTは発注側のページで、スマートフォンやタブレット、パソコンなどインターネットが使えるデバイス全てで利用できるとしています3。
この書き方であれば、まずいまある端末で発注の流れを回し、運用が落ち着いてから必要なところだけ端末を入れ替える、という進め方が取れます。
紙とFAXの置き換えを先に済ませたい場合には、この順番が現実的です。
向いているのは、端末を統一する予定がない、あるいは当面は端末への投資をせずに発注の手段だけを変えたい場合です。
反対に、一度に数十行の明細を見比べながら発注するような業務では、画面の大きさの違いがそのまま作業のばらつきになります。
製品が許していても、その業務については端末を揃えるという判断が別に必要になります。
書かれていない条件は問い合わせで埋める
端末を限定しない書き方には、裏側もあります。
対応OSやバージョンが明示されていないということは、公式ページを読んだだけでは手元の古い端末が動くかどうかを判断できない、ということでもあります3。
「インターネットが使えるデバイス全て」は、どれほど古い端末でも動くという意味とは限りません。
埋め方はそれほど難しくありません。
手元の端末のOSとバージョン、普段使っているブラウザを控えたうえで、その組み合わせで問題なく使えるかを問い合わせる。
試用ができるなら、実際に使う店舗の端末で、実際に発注する場所に立って動かしてみる。
これで、動作環境ページに書かれていない部分は確かめられます。
OS指定型|複数OSの端末が混在している場合
対象が書かれているほど、照合は速くなる
対応OSが列挙されている製品は、一見すると制約が多く見えます。
ただ、自社の端末が対象に入るかを判断する速さでは、こちらのほうが上です。
MOSは発注環境としてWindowsのPCとiOS・Androidのモバイル端末を挙げており4、手元の端末がこの範囲に入るかどうかはその場で照合できます。
照合の前に用意しておきたいのが、自社の端末の一覧です。
拠点名、端末の種類、OSとそのバージョン、使っているブラウザ。
この四つが並んだ表があれば、候補製品の動作環境ページと突き合わせる作業は短時間で終わります。
製品を比べるたびに各店舗へ問い合わせ直す手間もなくなります。
バージョンと更新の運用まで決めておく
この型で注意が要るのは、対象に入っているかどうかが時間とともに変わる点です。
MOSはiOS・Androidについて、公式サポート対象の最新OSでの動作のみを対象としています4。
導入した時点では対象だった端末も、OSの世代が進めば対象から外れることがあります。
複数拠点で使うなら、OSの更新を誰がいつ行うのかを先に決めておいたほうがいい。
店舗任せにすると、更新を後回しにした拠点だけが突然使えなくなり、その日の発注が電話に戻ります。
更新を止めている端末があるなら、その理由——他の業務アプリが古いOSでしか動かない、といった事情——も合わせて確認しておくと、後から板挟みになりません。
対象外の端末が見つかったときは、端末を買い替えるか、対応範囲の広い製品に候補を移すかの二択になります。
分かれ目は、その端末を発注以外の業務でも使っているかどうかです。
レジや勤怠など他の用途で動いている端末なら、発注アプリのために入れ替える影響は大きく、製品側を変えたほうが早いことがあります。
発注専用に置いている端末なら、買い替えのほうが話は単純です。
特定OS限定型|端末を統一して揃える場合
統一されている会社ほど負担が小さい
タブレットを前提にしたサービスでは、対応がiPadに寄る傾向があります。
スマレジは解説記事で、タブレットレジは基本的にiPadに対応しており、Androidに対応していないサービスがほとんどだと説明しています5。
これはタブレットレジという分野についての説明であって、すべての発注アプリに当てはまる話ではありません。
それでも、タブレットでの運用を前提にした製品を見るときの出発点にはなります。
この型が向くのは、すでに端末が揃っている会社です。
全店が同じ機種、同じ画面サイズであれば、操作説明の資料は一つで済み、店舗どうしで手順を教え合うこともできます。
初期設定の作業も、一台ぶんの手順を横展開するだけです。
対応範囲が狭いという特徴は、端末が揃っている会社にとっては利点として働きます。
Androidタブレットを使う予定なら最初に確かめる
問題になるのは、これから端末を用意する場合と、Androidタブレットがすでに現場に入っている場合です。
価格や調達のしやすさからAndroidタブレットを選んでいる現場もありますが、タブレット前提の製品では対象外になることがあります5。
候補を絞り込む前にこの一点を確かめておけば、比較にかけた時間が無駄になりません。

端末をこれから統一するなら、発注アプリの対応だけで機種を決めないほうが安全です。
同じ端末でレジや在庫確認、シフトの管理まで動かす予定があるなら、それぞれの対応OSを重ね合わせたうえで機種を決める。
発注アプリに合わせて買った端末が、後から入れる別のシステムでは対象外だった——この食い違いは避けたいところです。
要点の整理
| 切り替え前に決めること | アプリに乗せる取引先の範囲と、発注作業を行う場所 |
|---|---|
| 対応端末の型 | 端末を限定しない/対象OSを列挙する/特定OSに限定する、のどれに当たるか |
| OSの読み方 | 「対応」の一語ではなく、バージョンの限定と対応ブラウザまで読む |
| 表示と通信 | 画面解像度の下限と、インターネット接続の要否・切れたときの扱い |
| 複数拠点 | 拠点ごとの端末内訳とOS更新の担当を決めてから見積もりを依頼する |
端末の型が絞れても、複数拠点での更新の運用や、取引先をどこまで巻き込むかまで含めると、製品の比較だけでは決めきれない部分が残ります。 拠点数と発注担当者の人数、現在の発注手段を整理してご相談いただければ、候補の製品に何を確認すべきかを洗い出したうえで、見積もり依頼の材料までまとめられます。
よくある質問
発注アプリはAndroidタブレットでも使えますか
製品によって分かれます。
端末を限定していない製品なら、インターネットが使える端末の一つとして使える可能性があります3。
一方、タブレットでの利用を前提にした分野では、iPadに対応しAndroidに対応していないサービスがほとんどだという説明もあります5。
モバイル端末としてAndroidを対象に挙げている製品でも、タブレットでの動作まで明記しているとは限りません。
使う予定の機種名とOSのバージョンを控えたうえで、候補ごとに確認するのが確実です。
発注アプリと受注アプリで対応端末は同じですか
同じとは限りません。
MOSの動作環境ページでは、受注環境はWindowsのPCのみ、発注環境はWindowsのPCとiOS・Androidのモバイル端末とされています4。
これはこの製品の仕様で、受発注システム全般がこう分かれているわけではありませんが、動作環境ページに受注・発注の区分があるときは自分が使う側の欄を読む必要があります。
仕入れと販売の両方を扱っていて双方の画面を使うなら、両方の欄を満たす端末構成が必要になります。
古いスマホやタブレットでも発注アプリは使えますか
OSのバージョンと表示の条件で決まります。
MOSはiOS・Androidについて公式サポート対象の最新OSでの動作のみを対象としており4、古いバージョンのまま使っている端末は対象から外れます。
表示についても画面解像度320×568ピクセル以上が必要とされています4。
これはこの製品の条件で、他社が同じ制約を置いているとは限りませんが、手元の端末のOSバージョンを調べ、更新できるかどうかを先に確かめておくと判断が速くなります。
電波が届きにくい倉庫や店舗でも発注アプリは使えますか
通信条件の記載を先に見てください。
MOSはモバイル・PCともにインターネット接続が必要で、オフライン利用は前提とされていません4。
ブラウザで動く製品では同様の条件になることがあります。
倉庫やバックヤードで作業するなら、その場所まで電波やWi-Fiが届いているかを確かめ、届かないなら、通信のある場所まで移動して入力する運用にするか、入力内容を一時保存できるかを製品に問い合わせることになります。
PCとスマホを併用して発注業務をすることはできますか
併用を想定している製品はあります。
MOSは発注環境としてWindowsのPCとiOS・Androidのモバイル端末の両方を挙げていますし4、端末を限定しない製品では、パソコンとスマートフォンのどちらからでも使えるとしています3。
店頭ではスマートフォンで数量を入れ、事務所のPCで履歴を確認するといった使い分けもできます。
ただし、同じアカウントを複数端末で使えるのか、端末ごとに契約が要るのかは料金体系に関わるため、契約前に確かめておくところです。
- 1 出典:日経BP(日経クロステック)「中小企業の8割が「ファクスで受発注」の現実、DX時代に日本の競争力が失われる」(2019年)
- 2 出典:総務省「令和7年版 情報通信白書 情報通信機器・端末」(2025年)
- 3 出典:CO-NECT株式会社「受発注システムCO-NECT|発注側」(2026年)
- 4 出典:MOSJAPAN「BtoBモバイルWeb受発注システム MOS 動作環境」(2026年)
- 5 出典:株式会社スマレジ「タブレットでレジ業務を効率化!iPadなら簡単にできる?」(2026年)
画像の出典元
- Close-up of a smartphone displaying a blurred image, placed/Photo by Gantas Vaičiulėnas on Pexels
- A freelancer working at home with a tablet and laptop, highl/Photo by Thirdman on Pexels