◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 発注アプリの「無料」は、取引先の数や月の回数で区切る型、累計回数で区切る型、30日などの期間で区切る型に分かれる
- まず自分の発注先の数と発注の頻度を無料の上限と照らし、次に仕入先が会員登録なしで注文を受け取れるかを確かめる
- 同じ受発注の料金でも、発注担当者向けの月額1,480円(税別)と受注側の仕組みの月額88,000円(税抜)では、賄う業務も払う側も違う
- 超えた後の料金、有料オプション、在庫・会計との連携はページに書かれていないことがあり、見積もりや問い合わせで確かめる
- EDIの平均51.4%削減は双方が対応した実証の結果で、発注側だけがアプリを入れた場合の効果ではない
目次

発注アプリで何が変わるのか:発注の手間が生まれる場所
仕入先ごとに電話・FAX・メールを使い分け、手書きの発注書を書き直しては送っていると、アプリに替えたくなります。
ただ、「無料」と書かれていても中身は同じではありません。
取引先の数や月の送信回数に上限がある型、FAX送信が累計の回数で決まる型、30日間だけ全機能を試せる型があります。
まず、自分の発注先の数と発注の頻度が、無料の上限に収まるかを見ます。
次に、仕入先が会員登録をしなくても注文を受け取れるかを確かめます。
この2点で、無料のまま使う・有料にする・今はアプリを見送る、のどれかに絞れます。
注文を出す側と受ける側、外注依頼を分ける
「発注アプリ」で調べると、注文を出す側の道具と、注文を受ける側の道具が混ざって出てきます。
ここで考えるのは、仕入先や卸へ商品・資材の注文を出す側です。
毎週の食材や消耗品、部材を、決まった仕入先に品番と数量を指定して頼む仕事を思い浮かべてください。
同じ「発注」でも、デザインや工事、システム開発を外注先へ頼む場合は、決めることが違います。
やり取りの中心は品番と数量ではなく、依頼の内容や納期、仕上がりの確認のしかたです。
商品の注文書を送るためのアプリをそのまま当てはめても、必要な管理が足りないことがあります。
外注の依頼を管理したい場合は、これから見る比較とは別の観点で道具を選ぶことになります。
受ける側の道具との区別は、料金を読むときにも効いてきます。
受発注システムと呼ばれるものの中には、注文を受ける卸やメーカーが、取引先向けの窓口として用意する仕組みがあります。
その料金ページに載っている月額は、注文を受ける会社が払う金額です。
自分が払う費用かどうかは、そのプランが発注側向けか受注側向けかで変わります。
アプリが変えるのは「送り方」
電話・FAX・メールでの発注がつらいのは、注文の中身を毎回書き起こすところにあります。
商品名や規格を手で書き、仕入先ごとに違う様式へ写し、送ったかどうかを自分で覚えておく必要があります。
仕入先がFAXの会社とメールの会社に分かれていれば、使う道具も2つになります。
締め時間の直前に、どの仕入先へ何を頼んだかを紙の控えで探す場面も出てきます。
発注アプリは、この書き起こしと送信をまとめる道具です。
よく頼む商品をあらかじめ登録しておき、数量を入れて送ると、アプリが発注書の形に整えて仕入先へ届ける、という流れになります。
仕入先の受け取り方がFAXのままでも、発注側では手書きの用紙を作らずに済みます。
いつ、どの仕入先に、何を頼んだかも、紙の控えではなくアプリの中に残ります。
一方で、アプリが変えるのはあくまで「こちらからの送り方」です。
仕入先がFAXで受け取り、紙を見て出荷を準備し、在庫切れを電話で知らせてくる流れは、発注側がアプリを入れただけでは変わりません。
選ぶときは、自分の作業が減る部分と、仕入先とのやり取りとして残る部分を分けて考える必要があります。
この区別が、後で見る費用の負担や、仕入先に何をお願いするかの判断につながります。
企業間の受発注電子化で報告された削減率の読み方
受発注を電子化した効果として、中小企業庁の情報サイト「ミラサポplus」では、中小企業共通EDI規格を使った12の実証プロジェクトの結果が紹介されています。
EDIは、企業どうしが注文や請求のデータを決まった形式でやり取りする仕組みです。
この実証では、中小企業の受発注業務の時間が平均で51.4%削減されたと報告されています3。
ただし、この数字をそのまま発注アプリの効果と読むことはできません。
同じページでは、EDIは1社だけが導入しても効果は得られず、受注側と発注側の双方が対応することが前提だと説明されています3。
さらに、限られた期間でも既存の業務の流れを変えやすかった中小企業ほど、効果が出やすかったとされています3。
つまり51.4%は、取引の両側が同じ規格に対応し、社内の手順も組み替えた結果の平均です。
特定のアプリの効果でも、無料プランを使った効果でもありません。
発注側だけがアプリを入れ、仕入先は今までどおりFAXで受け取る場合に、同じ割合で時間が減るとは言えません。
この数字から読み取れるのは、手間が減る幅は「相手がどこまで対応するか」と「自社の手順をどこまで変えるか」で大きく変わる、ということです。
▼ 図の内容を文字で読む
- アプリで減る部分(こちらからの送り方)
- 商品名や規格を手で書き起こす作業
- 仕入先ごとに違う様式へ写す作業
- 手書きの用紙を作って送る作業
- アプリの中に残るもの
- いつ、どの仕入先に、何を頼んだかの記録
- よく頼む商品の登録
- 仕入先とのやり取りとして残る部分
- 仕入先がFAXを見て出荷を準備する流れ
- 在庫切れや納期変更の電話
発注アプリの「無料」で使える範囲と、有料になる境目
恒久無料型:取引先の数とFAX回数の上限
発注側の無料プランとして分かりやすいのが、ラクーンコマースが運営するCOREC(コレック)の発注側向けプランです。
無料プランは期間で区切られたお試しではなく、月額0円のプランとして用意されています1。
そのかわり、発注書に商品を登録できる取引先は1社のみで、FAX発注書の送信は月5回まで無料とされています1。
有料のビジネスプランは月額1,480円(税別)で、FAX発注書の無料送信が月200回に増えます1。
ビジネスプランへは、会員登録後の設定画面から申し込む形です1。
一方、ビジネスプランで登録できる取引先数の上限や、有料オプションの有無は、料金ページに記載がありません1。
この型で無料のまま使えるかどうかは、まず取引先の数で決まります。
たとえば、ある店舗が野菜は青果店、乾物は問屋、包材は資材業者と、3社から仕入れているとします。
無料プランで商品を登録して発注書を作れるのは、そのうち1社です。
残る2社には、これまでどおり電話やFAXで頼むことになります。
反対に、主な仕入先が1社で、FAXで送る注文が月に数回なら、無料プランの範囲に収まります。
回数制型:累計回数で決まる無料
飲食店向けの発注アプリOrder Time(オーダータイム)は、App Storeの説明で「FAXでの発注は、累計20回まで無料でご利用可能です。」と記しています5。
月が替わると回数が戻る形ではなく、使った回数が積み上がっていく形です。
累計の上限は、発注の頻度によって持つ期間が変わります。
週に1回FAXで発注するなら、20回に届くまでにおよそ5か月かかります。
毎営業日FAXで発注する店なら、ひと月ほどで上限に近づきます。
同じ「20回」でも、無料で試せる期間の長さは自分の発注頻度で決まる、ということです。
注意したいのは、20回を超えた後の料金や扱いが、この説明文には書かれていないことです5。
無料の回数を使い切った時点で何が起きるのかは、使い始める前に提供元の案内で確かめておく必要があります。
また、飲食店向けとして説明されているアプリなので、ほかの業種の資材発注にそのまま合うかどうかは、扱う商品や仕入先の顔ぶれで判断することになります。
期間制型:30日トライアルの上限
フライトソリューションズのEC-Rider Primoは、30日間の無料トライアルで全機能を使える形です4。
トライアル中に登録できるのは、商品500 SKU、取引先50件、ユーザー5名までとされています4。
SKUは、色やサイズ違いまで分けて数えた商品の単位です。
30日が過ぎるとトライアルは自動で終わり、申し込みにクレジットカードの登録も要りません4。
知らないうちに有料へ切り替わる形ではない一方で、無料のまま使い続けることもできません。
この型は「無料で運用する」ためではなく、「有料で使うかどうかを決める」ための期間と考えるのが実態に合います。
なお、Primoは注文を受ける側の仕組みを前面に出したBtoB受発注システムで、FAXや電話による受発注の電子化をうたっています4。
取引先へ注文を出すだけの担当者が、自分の発注のために使う道具とは位置づけが異なります。
ここでは、期間で区切られた無料がどう終わるかの例として見ておいてください。
無料の型を同じ軸で並べた比較表
3つの型を、無料の区切り方、上限、超えた後の扱いで並べると次のようになります。

表を見て判断が分かれるのは、「自分はどの上限に先に当たるか」です。
COREC発注側の無料プランは取引先の数で、Order Timeは累計の回数で、Primoは日数で区切られます。
仕入先が多い人は社数の上限に、仕入先は少なくてもFAXの回数が多い人は回数の上限に、先に当たります。
なお、ここに並べた数値は各製品の2026年時点のプラン条件で、発注アプリ全体の相場ではありません。
| 項目 | COREC発注側(無料プラン) | Order Time | EC-Rider Primo(トライアル) |
|---|---|---|---|
| 無料の区切り方 | 月額0円のプラン | FAX発注の累計回数 | 30日間の期間 |
| 取引先の上限 | 商品登録は1社のみ | 記載なし | 50件 |
| 回数・量の上限 | FAX発注書は月5回まで無料 | FAX発注は累計20回まで無料 | 商品500 SKU・ユーザー5名 |
| 超えた後の扱い | 記載なし(ビジネスプランは月額1480円税別でFAX月200回) | 記載なし | 30日で自動終了 |
無料・有料の違いのほかに、発生する費用と負担する側
初期費用・月額・オプションの型
無料か有料かが決まっても、有料の中身にはかなり幅があります。
COREC発注側のビジネスプランは月額1,480円(税別)で、初期費用は0円とされています1。
担当者が自分の発注のために月額を払う、比較的小さな単位の料金です。
これに対して、EC-Rider Primoのクイックビジネスプランは、月額88,000円(税抜)に加えて初期費用100,000円(税抜)がかかります4。
こちらは取引先ごとの価格設定や取引先向けのマイページ、CSV連携などをうたう受発注の仕組みで4、注文を受ける会社が、取引先とのやり取り全体を組み直すための費用です。
同じ「受発注」の名前がついていても、1,480円と88,000円は比べる対象が違います。
前者は発注担当者が自分の注文を送るための道具、後者は受注側が取引の窓口を作るための仕組みです。
料金表を見比べるときは、金額の大小より先に、その料金が誰のどの業務を賄うものかを見ると、読み違えが減ります。
発注を楽にしたいだけなのに、受注側の仕組みの料金を見て「アプリは高い」と判断してしまう、といった取り違えも避けられます。
発注側だけが払う場合と受注側も払う場合
費用を誰が払うかも、型によって分かれます。
COREC発注側の場合、仕入先はFAXやメールで発注書を受け取るだけなので、COREC への会員登録は要らず、費用もかかりません1。
この形なら、費用は発注側の判断だけで決まります。
同じCORECでも、受注側向けのプランは別に用意されています。
受注側の無料プランでは出荷伝票や請求書を20件まで作成でき、ビジネスプランは月額2,980円(税別)です2。
受注側のページでも、取引先は会員登録なしで発注でき、取引先に費用は発生しないとされています2。
仕入先が自分の受注管理のために受注側プランを使うかどうかは仕入先の判断で、その費用は仕入先が払うものです。
EDIのように双方が対応する型では、仕入先にも準備が要ります。
中小企業共通EDIの説明では、受注側企業は同じ標準に対応するプロバイダーと業務アプリを使うだけで、大きな費用はかからないとされています3。
ただ、具体的な金額は示されていないため、仕入先の負担が0円になるという意味には取れません。
仕入先に対応をお願いする型を選ぶなら、相手側にどんな契約と費用が生じるかを、相手と一緒に確かめる場面が出てきます。
見積もりで確かめる項目
料金ページの月額だけでは、実際に払う総額が見えないことがあります。
ここまでの例でも、COREC発注側の料金ページには取引先数の上限や有料オプションの記載がなく1、Order Timeの説明文には無料回数を超えた後の料金が書かれていません5。
書かれていない部分は、「かからない」とも「かかる」とも読めません。
問い合わせや見積もりで埋めておきたいのは、次の項目です。
- 初期費用の有無と金額
- 月額に含まれる取引先数・利用者数・送信回数
- 上限を超えた送信が追加料金になるのか、送れなくなるのか
- 有料オプションの有無と内容
- 仕入先側に契約や費用が発生するかどうか
- 在庫・会計・販売管理とつなぐ場合の仕様と費用
最後の連携は、特に読み違えやすい部分です。
Primoのページで確認できるのは「CSV連携」という記載までで4、どの管理ソフトとどの項目をやり取りできるかは、提供元の仕様を見ないと判断できません。
今は発注書を送った後に、同じ内容を在庫表や仕入台帳へ手で写している、という担当者も多いはずです。
その転記をなくしたいなら、無料かどうかより先に、つなげられるかどうかを確かめる順番になります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 発注側が払う費用
- 発注側向けの有料プラン 月額1,480円(税別)・初期費用0円
- 無料の上限を超えた後の料金は見積もりで確認
- 受注側が払う費用
- 受注側向けの有料プラン 月額2,980円(税別)
- 受注側の受発注システム 月額88,000円・初期費用100,000円(いずれも税抜)
- 共通EDIの受注側は大きな費用はかからないとされるが金額の記載なし
- 仕入先に費用が生じない受け取り方
- 発注書をFAX・メールで受け取るだけなら会員登録不要・費用なし
仕入先が対応していない・FAXや電話中心のときの運用
仕入先の登録なしで届く型
費用の見通しが立っても、仕入先に「アプリは使えない」と言われれば、そこで止まるように感じるかもしれません。
ただ、発注アプリの中には、仕入先にアプリを使ってもらうことを前提にしない型があります。
COREC発注側では、発注先はFAXやメールで発注書を受け取るため、会員登録は不要で、費用もかかりません1。
Order Timeも、アプリに未対応の食品卸やメーカーに対して、メールアドレスかFAX番号が分かればアプリから直接注文できると説明しています5。
仕入先から見ると、届くのはこれまでと同じFAXやメールの注文書です。
この型なら、仕入先に新しい操作を覚えてもらう必要はありません。
FAX番号とメールアドレスが分かっていれば、発注側だけで切り替えを始められます。
なお、Order Timeの説明文には仕入先側の登録の要否や費用までは書かれていないため5、その点は提供元の案内で確かめる部分として残ります。
双方の対応が要る型(EDI)
これに対して、EDIは取引の両側がそろって初めて動く仕組みです。
中小企業庁の説明では、受注側と発注側の双方が同じ標準に対応するプロバイダーと契約することが前提とされ、1社だけの導入では効果が得られないとされています3。
双方が対応すると、注文はFAXの紙ではなくデータとして相手の仕組みに入ります。
仕入先は、届いたFAXを見て受注を打ち込み直す作業がなくなります。
その反面、仕入先に契約と準備をお願いすることになり、相手が応じなければ始められません。
取引先が少なく、長く付き合う相手なら、話し合って双方対応型を選ぶ余地があります。
仕入先が多く、それぞれのやり方がばらばらなら、まずは相手を問わずに届く型で始めるほうが進めやすいでしょう。
どちらを選ぶかは、仕入先に何をお願いできるかで決まります。
仕入先側に残る手間
登録なしで届く型を選んだ場合、発注側の書き起こしや送信の手間は減ります。
一方で、仕入先が受け取ったFAXを見て在庫を確かめ、出荷を準備し、必要なら電話で欠品を伝えてくる流れは残ります。
この型で言えるのは「仕入先がそのまま受け取れる」ところまでで、受け取った後の作業まで軽くなるとは言えません。
そのため、発注アプリを入れても、仕入先からの電話がなくなるとは考えないほうが安全です。
欠品の連絡や納期の変更は、これまでどおり電話で来ることがあります。
アプリに残る注文の記録と、電話で聞いた変更を照らし合わせる作業は、発注担当者の側に残ります。
アプリで減るのは「注文を書いて送る」部分、残るのは「相手から返ってくる連絡を受けて直す」部分、と分けて見ておくと、導入後に期待と違ったと感じにくくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 発注担当者がアプリで数量を入れて送る
- 登録なしで届く型
- 双方の対応が要る型(EDI)
- 仕入先に届く
- FAX・メールの発注書を会員登録なしで受け取る
- 双方が同じ標準に対応し、注文がデータで入る(1社だけの導入では効果が得られない)
- 仕入先側に残る作業
- 出荷の準備
- 欠品や納期変更の電話
自分の状況で「無料のまま・有料・使わない」を決める
判断の順番
ここまでの上限・費用・仕入先の条件を、自分の発注に当てはめると次の順番で整理できます。
これは各製品の条件をもとにした編集部の整理で、導入後の効果を測ったものではありません。
無料のままで足りる条件
無料のまま使えるのは、上限に当たらず、仕入先にも新しい対応を求めない場合です。
COREC発注側の無料プランなら、商品を登録して発注する仕入先が1社で、FAXで送る発注書が月5回以内に収まるときがこれに当たります1。
たとえば、主な資材を1社からまとめて仕入れ、注文は週に1回程度という事業者なら、無料プランの範囲で手書きの発注書をやめられます。
このとき、ほかの仕入先への注文はこれまでどおり電話やFAXで出すことになります。
1社だけアプリに載せ、残りは従来どおりという併用でも、注文の回数が多い相手から移せば、書き起こしの作業を減らせる場面は増えます。
どの仕入先を載せるかは、金額の大きさより、注文の回数と書き間違えやすさで選ぶほうが、手作業の減り方を実感しやすくなります。
有料を検討する目安
複数の仕入先に毎月FAXで発注している場合は、無料の上限に早い段階で当たります。
COREC発注側で言えば、2社目の商品を登録しようとした時点、またはFAX発注書が月5回を超えた時点が境目です1。
ビジネスプランでは、FAX発注書の無料送信が月200回に増え、月額は1,480円(税別)です1。
有料にするかどうかは、月額と、上限のせいで残っている手作業を比べて決めます。
先ほどの3社から仕入れる店舗なら、無料プランでは1社分しかアプリに載せられず、残り2社の発注書は手書きのままです。
その2社分の書き起こしと送信を、毎月1,480円(税別)で減らす価値があるかどうかが判断の中心になります。
ただし、ビジネスプランで登録できる取引先数の上限は料金ページに書かれていないため1、仕入先が多い場合は申し込む前に確かめておく必要があります。
回数制のOrder Timeを試している場合は、累計20回に近づいたときが判断の時期です5。
超えた後の条件を使い始めの段階で確かめておけば、その時点で続けるか、別のアプリに移るかを落ち着いて決められます。
アプリに向かないケース
次のような場合は、今すぐアプリに替えるより、見送るか、条件が整うのを待つほうが合っています。
- 主な仕入先が双方対応型でしか受け付けず、相手側の準備が見込めない
- 在庫・会計・販売管理との連携が業務の前提なのに、連携の仕様が確かめられない
- 発注の回数がごく少なく、今の電話やFAXで困っていない
連携が必須なのに仕様が分からないまま始めると、アプリに入れた注文を管理ソフトへもう一度打ち込む作業が新しく生まれます。
発注書の書き起こしは減っても、別の転記が増えれば、担当者の負担は思ったほど下がりません。
この場合は、無料で始められるかどうかより、つなげられるかどうかを先に確かめるほうが、判断を誤りにくくなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 発注先の数と月の発注回数を無料の上限と照らす
- 収まる→無料のままの候補
- 超える→有料プランと比べる
- 仕入先が登録なしで受け取れるかを確かめる
- 受け取れる→発注側だけで始められる
- 双方の対応が要る→仕入先と相談し、見込めなければ見送り
- 在庫・会計・販売管理との連携が必須かを確かめる
- 必須でない→無料のまま、または有料で始める
- 必須で仕様が確かめられない→見送り、または仕様を確かめてから判断
発注アプリを試す前に確認すること、切り替え時に決めておくこと
試す前の確認項目
無料で試す前に見ておきたいのは、「何で区切られた無料か」と「区切りの後どうなるか」です。
恒久無料型なら社数と回数の上限、回数制なら残りの回数と超えた後の料金、期間制なら終了日と、本契約に進んだ場合の費用です。
前の節で整理した上限と費用を、自分が使うアプリについて一つずつ埋めておく作業になります。
期間制では、試したデータがどうなるかも確かめておきます。
EC-Rider Primoのトライアルは30日で自動終了し、トライアルで登録したデータは本契約時に引き継がれるとされています4。
引き継がれるなら、トライアル中に入れた商品や取引先の登録を、そのまま本番の準備として使えます。
COREC発注側の無料プランからビジネスプランへは設定画面から申し込む形ですが1、登録データの扱いは料金ページには書かれていないため、切り替える前に確かめておくと安心です。
30日のような短い期間は、準備に手間取ると何も確かめないまま終わります。
始める前に、どの仕入先に何回送ってみるか、何を見て続けるかを決めておくと、期間内に結論を出しやすくなります。
たとえば「よく頼む仕入先1社に普段の注文を3回送り、届いていないという連絡がないか、控えが残っているかを見る」といった程度の決め方でも、判断の材料になります。
並行運用と切り替えの決め方
切り替えで混乱しやすいのは、同じ注文がアプリとFAXの両方から届いたり、どちらからも届かなかったりする場面です。
仕入先から見ると、注文書の書式が変わっただけでも、新しい注文書が本当に自社からのものか迷うことがあります。
そこで、切り替えの前に次の3点を決めておくと、送り漏れや二重の注文を防ぎやすくなります。
- アプリに載せる仕入先と、従来どおりにする仕入先
- 紙とアプリを併せて使う期間と、その間の照合のしかた
- 仕入先へ、送り方が変わることをいつ・どう伝えるか
並行運用の期間に決まった長さはありません。
提案としては、発注の周期がひと回りし、定期の注文がひと通りアプリから届いたことを確かめられた時点を、紙の発注書をやめる目安にできます。
仕入先には、最初の数回だけでも「アプリから送った」と電話で一言添えておけば、届いたかどうかをその場で確かめられます。
紙の控えとアプリの記録が両方ある期間は、どちらを正とするかを社内で決めておくと、後で照らし合わせるときに迷いません。
注文を出すだけでなく、取引先から電話やFAXで注文を受ける業務も抱えている場合、発注アプリを入れても受ける側の書き起こしや転記は残ります。
相談では、電話・FAXで受けている注文をどこまで受発注システムへ移せるか、取引先ごとの価格やCSV連携で今の管理表とどうつなぐかを、自社の流れに沿って整理できます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 無料の区切り方 | 取引先の数・月や累計の回数・期間のどれで区切られるか |
| 上限との照合 | 自分の発注先の数と月の発注回数を、無料の上限と比べる |
| 仕入先の受け取り方 | 会員登録なしでFAX・メールで届く型か、双方の対応が要る型か |
| 費用を払う側 | 発注側だけか、仕入先にも契約や費用が生じるか |
| 書かれていない費用 | 超えた後の料金・オプション・連携費用は見積もりで埋める |
| 切り替え | 載せる仕入先・併用期間・仕入先への伝え方を先に決める |

連携の仕様や本契約後の費用は、料金ページだけでは判断しきれず、30日のトライアルも検証項目を決めずに始めると期間内に結論が出にくくなります。 自社の受発注の流れをもとに、CSV連携で減らせる転記と、トライアル期間に確かめる項目、本契約時のデータの引き継ぎを具体的に確認できます。
よくある質問
外注先に仕事を頼む「発注」でも、同じ基準でアプリを選べますか
一部しか当てはまりません。
この記事の比較は、仕入先へ品番と数量を指定して商品・資材の注文書を送ることを前提にしています。
外注の依頼では、依頼の内容や納期、仕上がりの確認のしかたのやり取りが中心になるため、注文書を送るアプリでは管理しきれない部分が出てきます。
費用の型を読み分ける考え方は使えますが、機能は外注の依頼管理という別の観点で選ぶことになります。
無料プランで上限を超えた場合、自動で課金されますか
製品によって違い、ページに書かれていないこともあります。
EC-Rider Primoのトライアルは30日で自動終了し、クレジットカードの登録も要らないため、そのまま有料になる形ではありません4。
COREC発注側のビジネスプランは設定画面から申し込む形ですが1、無料の上限を超えた送信の扱いは料金ページに書かれていません。
Order Timeも、累計20回を超えた後の料金は説明文にありません5。
書かれていない部分は、使い始める前に提供元へ確かめてください。
仕入先がFAXしか使えなくても、アプリで発注できますか
仕入先へFAXやメールで発注書を届ける型なら、発注できます。
COREC発注側は発注先が会員登録なしでFAXやメールの発注書を受け取れ1、Order TimeもFAX番号かメールアドレスが分かれば未対応の卸やメーカーへ注文できると説明しています5。
EDIのように双方の対応が前提の型は、仕入先が対応しなければ使えません3。
30日トライアルの間に決めておくことは何ですか
どの仕入先に何回送ってみるか、何を見て続けるかを、始める前に決めておくことです。
あわせて、本契約に進んだ場合の初期費用と月額、試したデータが引き継がれるかを確かめておくと、期間の終わりに迷わず判断できます。
無料プランから有料に変えるとき、登録した仕入先や商品のデータは残りますか
製品ごとに確かめる必要があります。
EC-Rider Primoは、トライアルのデータが本契約時に引き継がれるとしています4。
COREC発注側については、ビジネスプランへの申し込み方法は示されていますが1、登録データの扱いは料金ページに書かれていないため、切り替え前に提供元へ確かめておくと安心です。
- 1 出典:株式会社ラクーンコマース「COREC(コレック) 発注側(バイヤー)向け料金ページ」(2026年)
- 2 出典:株式会社ラクーンコマース「COREC(コレック) 受注側(サプライヤー)向け料金ページ」(2026年)
- 3 出典:中小企業庁(ミラサポplus)「企業間のデータ連携で、受発注の業務コストを削減する!」(2020年)
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金プラン」(2026年)
- 5 出典:App Store掲載ページ「Order Time(オーダータイム) 飲食店の発注ツール」(2026年)
画像の出典元
- Businesswoman writing in notebook at office desk with laptop and plant./Photo by RDNE Stock project on Pexels