◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 受発注の属人化を「注文解釈・価格判断・納期回答・例外処理・取引先対応」の5つに分解して捉えます。
- BtoB ECの導入だけでは属人化が残ることを、中小企業庁の一次資料をもとに整理します。
- 解消の手順を、棚卸から担当者不在テストまでの5ステップとして具体的に示します。
目次
属人化解消の5ステップの要点です。①棚卸→②データ化・ルール化・人に残すの3分類→③BtoB ECの設定移行→④例外の受け皿整備→⑤担当者不在テスト、の順で進めます。
受発注の属人化とは何か、電子化だけでは解消しない理由
受発注の属人化とは、注文の読み替え・単価の適用・納期の回答といった判断とその根拠が、特定の担当者の記憶と手元の書類にしか存在しない状態です*1。中小企業庁の調査でも、電材卸の事業者について次の指摘があります。「営業担当の属人のスキルに依存する傾向があり、デジタル化により業務の標準化、効率化を進める必要がある」という内容です*1。なお、BtoB-ECの市場規模は514兆4,069億円、EC化率は43.1%です(2024年・前年比3.1ポイント増)*4。取引の電子化そのものは着実に進んでいます。それでも属人化が残るのはなぜか、が本稿の論点です。
属人化とは「判断とその根拠が担当者の記憶と手元にしかない状態」
この状態で厄介なのは、判断の根拠が外から見えないことです。何を根拠に決めているかを本人以外が説明できないため、改善すべき対象を特定できず、担当者が不在になった時点で同じ結論に到達できる人がいなくなります。品番の読み替えのように作業そのものは短時間で終わる判断でも、根拠が共有されていなければ他の担当者は代われません。
解消とは「担当者が不在でも同じ結論に到達できる状態にすること」
解消とは、その判断をマスタ(データ)と業務ルールに移し替え、担当者が不在でも同じ結論に到達できる状態にすることです。属人化をゼロにする話ではなく、判断の置き場所を変える設計の話といえます。
受注の入口を電子化するだけでは解消しない
BtoB ECを導入して受注の入口を電子化しても、属人化がそのまま残るケースがあります。中小企業庁の報告書は、基幹システムとEDIを併用している電材卸事業者について、自社のオリジナル品番とメーカー品番の差異が残ると指摘します。「手作業での打ち換えにより、システムやWeb-EDIに登録している属人的な面があり、マニュアル対応している業務も存在します」と記されています*1。
画面が新しくなっても、単価や納期の最終判断が担当者の頭の中にあれば、属人化は解消していません。この点はチャネルを電話・FAX受注から脱却する実務とは別の論点です。
属人化を5つに分解する ― 注文解釈・価格判断・納期回答・例外処理・取引先対応
受発注の属人化とは何かを一括りに語ると、対策も抽象的になります。中小企業庁の調査記述を手がかりに、対象を5つに分解します*1。
①注文の解釈 ― 品番・数量・単位の読み替え
取引先ごとに品番の表記や単位が異なる場合、その読み替えは担当者の経験に依存しがちです。中小企業庁の調査でも、取引先ごとのデータ項目を理解している担当者ごとの属人的な入力業務が確認されています*1。
②価格の判断 ― 取引先別単価・掛率・特価の適用
取引先別の単価や掛率、特価の適用条件は、担当者の記憶に依存しやすい領域です。この判断をどこまでマスタ化できるかが、後述するステップ2の分かれ目になります。設定の実現方法は取引先別価格をECで実現する方法で扱っています。
③納期・在庫の回答 ― 「あの人なら答えられる」の中身
納期や在庫の即答は、システムのデータと担当者の経験則が組み合わさって成立していることが多く見られます。データ側の整備が遅れているほど、経験則への依存度が高くなります。
④例外処理 ― 特急・分納・締め後の変更・キャンセル
特急対応や分納、締め後の変更・キャンセルといった例外は、標準の業務フローから外れやすく、担当者の裁量で処理されがちです。例外をなくすのではなく、記録される形にすることが後述するステップ4の要点です。
⑤取引先との関係 ― 連絡先と、言わなくても通じている前提
担当者が持つ取引先ごとの連絡先や商習慣の理解も、属人化の一部です。ここは業務設計だけで完結せず、社内の情報共有と引き継ぎの仕組みが必要になります。
| 属人化の対象 | 担当者の頭の中にある判断 | 移す先 |
|---|---|---|
| ①注文の解釈 | 品番・数量・単位の読み替えルール | マスタ(品番対応表) |
| ②価格の判断 | 取引先別単価・掛率・特価の適用条件 | マスタ(価格テーブル) |
| ③納期・在庫の回答 | 在庫状況と納期の経験則 | マスタ(在庫・リードタイム情報) |
| ④例外処理 | 特急・分納・キャンセルの可否判断 | 業務ルール+履歴データ |
| ⑤取引先との関係 | 連絡先・商習慣の理解 | 履歴データ(取引先カルテ) |
放置による影響 ― 属人的入力に一日の6割を割く事業者も
属人化を放置すると、業務の継続性そのものが揺らぎます。ここでは公的な調査結果から、具体的な影響を確認します。
入力業務が人に固定される
中小企業庁の報告書では、取引先ごとのデータ項目を理解している担当者ごとに属人的な入力業務となっていると記録されています*1。ある事業者では、5人体制で一日の6割の時間をこの対応に割いています*1。特定の担当者に業務時間の大半が固定される状態です。
人手不足で持続不能になる
同報告書は、専門性を持った人材が見積・受注処理等する体制について課題を挙げています。「属人的な業務のため、人手不足が想定される将来、対応できなくなる」という点です*1。2026年版中小企業白書によれば、卸売業・小売業の労働者過不足判断DIは-38です(2025年11月調査、厚生労働省「労働経済動向調査」より中小企業庁作成。値が小さいほど人手不足感が強いことを示す指標)*3。生産年齢人口(15〜64歳)は2015年から2040年までに約1,200万人減少する見込みです*3。推計は国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」の出生中位・死亡中位推計によります。属人化した業務ほど、この担い手不足の影響を直接受けます。
平準化された業務手順を作れない
中小企業庁の報告書は「入力担当者でしかわかり得ないことも多く、業務が属人化している」実態を指摘します*1。平準化された業務手順を作ることができないという課題もあわせて挙げられており*1、手順が言語化されないため改善そのものが始まりにくい状態です。
自社の受発注業務でどれだけの時間が属人的な入力に割かれているかを確かめるには、無料相談で要件を整理するのが近道です。
制度対応が担当者依存になる
属人化した状態では、制度対応も特定の担当者に依存しがちです。取適法は対象取引の記録を2年間保存することを委託事業者に義務づけています*5。電子帳簿保存法は電子取引の取引情報を電磁的記録で保存することを求めています*6。記録の作成と保存が担当者個人の運用に委ねられていると、義務を履行できているかを組織として確認できません。制度ごとの要件は後述の制度リスクの節で扱います。
属人化を解消する5ステップ ― 棚卸から担当者不在テストまで
ここからは、属人化を解消する具体的な手順を5ステップで示します。各ステップには成果物を1つ明記しているため、進捗を確認しながら進められます。
ステップ1 属人化の棚卸 ― 誰が何を決めているかを書き出す
まず、工程×判断のマトリクスを作り、どの工程で誰が何を決めているかを書き出します。前述の5分類(注文解釈・価格判断・納期回答・例外処理・取引先対応)を軸にすると、抜け漏れが少なくなります。成果物は棚卸表です。
ステップ2 判断をマスタとルールに分ける ― データ化・ルール化・人に残すの3分類
棚卸した判断を、データ化する項目・業務ルールにする項目・当面は人に残す項目の3つに分けます。すべてを一度にデータ化しようとすると、例外処理が回らなくなる点に注意が必要です。成果物は3分類表です。
ステップ3 BtoB ECの設定に移す ― 取引先別価格・在庫表示・承認フロー
データ化・ルール化と判断した項目を、BtoB ECの設定値として反映します。取引先別価格や在庫表示、承認フローの設定がここに含まれます。商品マスタ整備の手順の進み方も影響するため、マスタが未整備の場合は先に整えておくと手戻りが減ります。成果物は設定値一覧です。
ステップ4 例外の受け皿を決める ― 例外をゼロにせず、記録される形にする
特急・分納・締め後の変更といった例外を無理にゼロにしようとすると、現場が対応しきれなくなります。例外を残しつつ、誰が承認し、どこに記録するかを決めておくことが実務上の要点です。成果物は例外台帳です。
ステップ5 担当者不在テストで検証する ― 引き継げる状態になったかの判定
最後に、対象の担当者が一定期間不在という想定で、他の担当者が同じ結論に到達できるかを検証します。到達できない箇所があれば、ステップ2に戻って判断の移し先を見直します。成果物は不在テストの結果記録です。
属人化を解消する5つのステップ(順位根拠:実施順序)
- 棚卸:誰が何を決めているかを工程×判断のマトリクスで洗い出します。
- 3分類:データ化・ルール化・人に残すの3つに判断を仕分けます。
- 設定移行:データ化・ルール化した項目をBtoB ECの設定値に反映します。
- 例外整備:例外をゼロにせず、承認と記録の受け皿を決めます。
- 不在テスト:担当者不在を想定し、同じ結論に到達できるかを検証します。
データ化・ルール化・人に残す ― 判断軸と受発注データ再利用率
ステップ2の3分類をどう判断するかについて、指標となるデータと着手順の考え方を整理します。
マスタ化に向くもの・ルール化に向くもの・人の判断に残すもの
頻度が高く条件が明確な判断(単価・品番の対応関係など)はマスタ化に向いています。頻度は低いが条件を言語化できる判断(承認の要否など)はルール化に向いています。条件を言語化しにくい関係性の判断は、当面は人に残す領域です。
「再利用率」という指標 ― 一度入力すれば後工程で再入力が不要になる項目の割合
中小企業庁の実証調査事業では、受発注データの再利用率(一度入力すれば後工程で再入力が不要になる項目の割合)を業界ごとに測定しています*2。電気工事・電材卸で78.4%、鉄鋼で64.6%、流通で45.7%という結果です*2。ただし、この数値は業界ごとに項目定義と母数が異なります。鉄鋼は共通項目480÷全項目743、電材卸は電設業共通EDI辞書項目内での算出であり、単純に3つの数値を比較することはできません*2。
全部を一度に標準化しない ― 着手順の決め方
再利用率の考え方を自社に当てはめる場合も、対象範囲をすべて一度に標準化する必要はありません。取引件数が多い取引先や、判断条件が明確な項目から着手すると、効果を早く確認できます。
| 業界 | 受発注データ再利用率 | 算出方法・母数の注記 |
|---|---|---|
| 電気工事・電材卸 | 78.4% | 各プロセス共通項目313÷全電設業共通EDI辞書項目399(電設業共通EDI辞書項目内)*2 |
| 鉄鋼 | 64.6% | 各プロセス共通項目480÷受発注に必要な全項目743*2 |
| 流通 | 45.7% | 全プロセスで使用される項目16÷受発注に最低限必要な取引項目35*2 |
※上記3業界は項目定義と母数が異なるため、数値を単純に比較することはできません。自社の状況を測る際は、自社の項目定義に沿って改めて算出する必要があります*2。
属人化解消に効いた取組 ― 手順書整備39.1%、効果は業務継続43.6%
属人化への対応は、公的統計でも実態が示されています。2026年版中小企業白書・小規模企業白書の概要から確認します*3。
有効だった取組の最多は「マニュアルや手順書の整備」39.1%
ノウハウの蓄積・共有に取り組んでいると回答した小規模事業者に限って有効だった取組を尋ねた結果では、最も多いのは「マニュアルや手順書の整備」で39.1%でした(n=3,537・複数回答)*3。次いで社員同士の交流機会の提供35.9%、社内勉強会・研修の実施28.7%が続きます*3。
得られた効果の最多は「担当者不在時でも業務が滞りなく遂行できるようになった」43.6%
同じ回答者に取組で得られた効果を尋ねた結果では、最も多いのは「担当者不在時でも業務が滞りなく遂行できるようになった」で43.6%でした(n=3,499・複数回答)*3。次いで「業務の引継ぎが円滑に行えるようになった」31.9%が続きます*3。
取り組んでいる小規模事業者は48.8%、取り組んでいないが51.2% ― 半数が未着手
同概要では、ノウハウの蓄積・共有に取り組んでいる小規模事業者が48.8%、取り組んでいない小規模事業者が51.2%という結果が示されています(n=7,424)*3。半数が未着手という状況です。この数値は(同)デロイト トーマツ「令和7年度小規模事業者の経営課題と事業活動に関する調査」の集計です*3。対象は小規模事業者で、受発注業務に限定した数値ではない点に注意が必要です。
事例 ― 図面等の情報が紙・Excelで属人化していたケース
同概要は、図面などの膨大な情報が紙・Excelで管理され属人化していたケースを紹介しています。石川県金沢市の岡田研磨株式会社(従業員数85名)は、生成AIを活用して自社独自の情報統合管理システムと作業手順書の管理システムを開発しました*3。情報の一元管理とノウハウ共有を実現し、多能工化と業務の平準化を進めています*3。
制度リスクとしての属人化 ― 取適法の2年保存義務と電子帳簿保存法
属人化は業務効率だけでなく、制度対応の観点からもリスクになります。2026年に施行された制度を確認します。
取適法(2026年1月1日施行)― 発注内容の明示義務と、取引記録の2年間保存
下請法の改正法が2026年1月1日に施行され、法律名も「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(新通称:取適法)へ変更されました*5*8。適用対象は製造委託・修理委託・特定運送委託・情報成果物作成委託・役務提供委託の5類型です*5。加えて、委託事業者と中小受託事業者が資本金基準または従業員基準(300人・100人)のいずれかに該当する取引に限られます*5。対象となる委託事業者には、発注に当たって発注内容を明示する義務が課されます*5。給付の内容・代金の額・支払期日・支払方法等を、書面または電子メールなどの電磁的方法により明示します*5。取引が完了した場合には、給付内容・代金の額などの取引に関する記録を書類または電磁的記録として作成し、2年間保存する義務もあります*5。支払期日は発注した物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間内で定める必要があり、支払遅延や減額等した場合の遅延利息は年率14.6%です*5。
電子帳簿保存法 ― 注文書を含む電子取引の取引情報は電磁的記録での保存が必須
電子帳簿保存法(正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」)は、電子取引の取引情報の保存義務を定めています*7。義務の対象は、所得税(源泉徴収に係る所得税を除く)および法人税の保存義務者です*6。注文書・領収書等に通常記載される事項を電磁的方式により授受した場合、その取引情報を電磁的記録により保存しなければなりません*6。メールやクラウドサービスで受発注をやり取りしている場合、この保存義務の対象になります*6。
記録が担当者のメール・FAX・手元Excelに散っている状態の危うさ
属人化した業務では、発注内容や取引記録が担当者個人のメールやExcelファイルに散在しがちです。取適法・電子帳簿保存法のいずれも記録の作成・保存を義務づけているため、記録の所在が担当者に依存する状態は制度対応の観点でも見直しの対象になります。
| 制度 | 求められること | 属人化状態での問題 | 確認すべき自社の状態 |
|---|---|---|---|
| 取適法*5 | 発注内容の明示。取引記録を2年間保存 | 記録が担当者の手元にのみ存在しやすい | 発注内容の明示・記録保存の実施箇所と保存先 |
| 電子帳簿保存法*6 | 注文書等の電子取引データを電磁的記録で保存 | メールやクラウドの個人アカウントに記録が残る | 電子取引データの保存ルールと保存場所の一元化状況 |
よくある失敗5パターンと回避策 ― 画面化・マスタ未整備・棚卸の省略
属人化解消の取組でよく見られる失敗を整理します。
現行業務をそのまま画面化し、例外処理が回らなくなる
現行の業務フローをそのままBtoB ECの画面に置き換えると、例外処理の受け皿がないまま運用が始まってしまいます。ステップ4で述べた例外の受け皿を、設定と同時に用意しておく必要があります。
商品マスタ・取引先別価格を整えないまま導入する
商品マスタや取引先別価格が未整備のまま導入すると、結局は担当者が手作業で単価や品番を確認する運用に戻りがちです。マスタ整備を先行させることが、属人化解消の前提になります。
ベテランの判断を暗黙のままシステムの外に残す
棚卸を行わずに導入を進めると、ベテラン担当者の判断が言語化されないままシステムの外に残ります。ステップ1の棚卸を省略しないことが、この失敗を防ぐ対策です。
標準化を人事評価と結びつけ、現場の反発を招く
標準化の取組を人事評価に直結させると、現場が防衛的になり、判断の言語化に協力を得にくくなります。標準化は業務を引き継げる状態にするための設計であり、個人の評価とは切り離して進めることが望ましいといえます。進め方はBtoB EC定着に向けた現場の巻き込みも参考になります。
解消の判定基準を決めず、「なんとなく良くなった」で終わる
解消できたかどうかの判定基準を決めないまま進めると、取組が途中で止まってしまいます。ステップ5の担当者不在テストのように、検証できる基準をあらかじめ設定しておくことが欠かせません。
まとめ ― 属人化解消の3つの判断軸
本稿では、受発注の属人化を5つの判断に分解し、解消までの5ステップを整理しました。要点を3つに集約すると次の通りです。第一に、属人化とは判断とその根拠が担当者の記憶にしかない状態であり、BtoB ECの導入だけでは解消しません*1。第二に、解消の設計はデータ化・ルール化・人に残すという3つの判断軸で進めます。第三に、解消できたかどうかは担当者不在テストのような具体的な基準で検証する必要があります。
ご不明な点はお問い合わせフォームからもご連絡いただけます。
よくある質問
受発注の属人化はBtoB ECを導入すれば解消しますか。
導入だけでは解消しません。中小企業庁の報告書でも、電子受発注システムを導入した事業者で品番の差異による手作業の打ち換えが残っていることが確認されています*1。単価・納期・例外処理の判断をマスタとルールに移す設計が別途必要です。
属人化の解消にはどのくらいの期間がかかりますか。
対象となる業務範囲や取引先数によって異なるため、一律の目安を示す公表データはありません。まず棚卸し、着手する範囲を絞ってから進めるのが現実的です。
ベテラン担当者の判断は、どこまでシステムに移すべきですか。
頻度が高く条件が明確な判断はマスタ化に向き、条件を言語化できる判断はルール化に向きます。条件を言語化しにくい取引先との関係性などは、当面は人に残す判断として扱います。
マニュアルを作れば属人化は解消しますか。
マニュアルや手順書の整備は、ノウハウの蓄積・共有に取り組む小規模事業者が挙げた有効だった取組の最多で39.1%です(n=3,537・複数回答)*3。ただし単独で十分とは限らず、判断をマスタとルールに移す設計とあわせて進める必要があります。
属人化が解消できたと判断する基準はありますか。
対象の担当者が一定期間不在という想定で、他の担当者が同じ結論に到達できるかを確認する担当者不在テストが基準になります。到達できない箇所があれば、判断の移し先を見直します。
- *1 出典:中小企業庁(委託先:EYストラテジー・アンド・コンサルティング株式会社)「受発注のデジタル化に関する推進方策 報告書」(2022年3月)
- *2 出典:中小企業庁(委託先:同上)「電子受発注システム普及促進に向けた実証調査事業 報告書」(2023年3月)
- *3 出典:中小企業庁「2026年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要」(2026年4月)
- *4 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年8月26日公表)
- *5 出典:公正取引委員会「取適法リーフレットNo.01」(令和7年8月)
- *6 出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【電子取引関係】」(令和7年6月)
- *7 出典:e-Gov法令検索「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」(平成十年法律第二十五号)
- *8 出典:e-Gov法令検索「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(昭和三十一年法律第百二十号)
画像の出典元
- 掲示板に貼られた色とりどりの付箋。個人の手控えで業務が回っている状態を表す/Photo by Patrick Perkins on Unsplash
- 受発注のイメージ/Photo by 2H Media on Unsplash
- 取引先のイメージ/Photo by Ambre Estève on Unsplash
- テストのイメージ/Photo by Joshua Woroniecki on Unsplash
- 手順のイメージ/Photo by Erik Mclean on Unsplash