◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 民法と取適法の範囲では、卸価格の改定通知に一律の法定期限は見当たらず、期限と適用開始日は契約の改定条項と取引先との合意で決まる
- 通知書を送っただけで新価格が効力を持つわけではなく、条項の手続か取引先の同意が要る
- 取適法は委託取引に限って、協議に応じない一方的な代金決定を禁じ、受託する側を守る。取引ごとに自社の立場を分けて見る
- 通知書には適用開始日の基準日と、受注済み・見積り中・在庫からの出荷の扱いを書く
- 合意した新価格は発注済みの注文には当然には遡らないため、合意した価格と適用開始日を書面等に残す
目次

卸価格の改定通知に、法律で決まった「何日前まで」はあるのか
原材料費や物流費が上がり、来期から卸価格を変えたいとします。
ところが、取引先に何日前までに知らせれば新価格を使えるのかがはっきりしません。
民法の契約の原則と取適法の公式資料に照らす限り、卸価格の改定通知に一律の法定期限は見当たりません。
通知の時期と新価格の適用開始日は、取引基本契約の価格改定条項と取引先との合意で決まります。
製造委託など「委託」に当たる取引では、協議に応じずに一方的に代金を決めることが禁じられます。
ただし、この規律で守られるのは受託する側です。
まず契約書の条項を読み、受注の切れ目から逆算して通知日を決めましょう。
確認できた範囲:一律の法定期限は見当たらない
値上げの準備で最初に知りたいのは、「法律上、何日前までに通知しなければならないか」という線でしょう。
民法の契約に関する原則と、取適法(下請法を改正した法律)について公正取引委員会が示している資料に照らすと、卸価格の改定通知について「何日前まで」と一律に定めた規定は見当たりません12。
ただし、この結論は民法の一般原則と取適法の範囲で見たものです。
個別の取引基本契約、業界団体の取り決め、独占禁止法の観点まで含めて「どこにも期限がない」と言い切れるものではありません。
特に、自社の契約書に通知期間が書かれていれば、それが自社にとっての期限になります。
法定の期限がないからといって、いつでも好きなときに価格を変えられるわけではありません。
期限を決める役割が、法律から契約と合意の側へ移っていると考えると分かりやすくなります。
価格は契約自由の原則のもとで決まる
民法521条は、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかも、契約の内容も、当事者が自由に決定できるとしています2。
卸価格はこの契約内容の一つです。
いくらで売り、いくらで買うかは、売り手と買い手の合意で決まります。
価格の改定とは、すでに合意している価格を変えることです。
そのため、売り手が通知書を送っただけで新価格が当然に効力を持つわけではありません。
契約に「売り手は一定の手続で価格を改定できる」と定めてあればその手続により、定めがなければ取引先の同意によって、新しい価格が取引条件になります。
通知は、新しい合意を作るための出発点だと捉えると整理しやすくなります。
では、自社の通知日と適用開始日は何で決まるのでしょうか。
関わるのは、法令の一般原則、契約の価格改定条項、取引先との合意、そして委託取引に当たる場合の取適法の四つです。
実務で最初に開くのは、表の2行目にある契約書です。
4行目の取適法は、すべての卸取引に関わるわけではありません。
取引の形と自社の立場によって、当てはまるかどうかが分かれます。
| 決めるもの | 改定で決まること | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 法令の一般原則 | 一律の通知期限は見当たらず、価格は合意で決まる | 民法521条 |
| 契約の価格改定条項 | 通知の期限・方法・手続 | 取引基本契約書・価格表 |
| 取引先との合意 | 新価格と適用開始日 | 協議の記録・合意した書面 |
| 取適法(委託取引のみ) | 協議に応じない一方的な代金決定の禁止 | 公正取引委員会の資料 |
契約に定めがある場合とない場合で、適用開始日と通知はどう変わるか
契約に改定条項がある場合
まず、取引基本契約書や取引条件書に、価格の改定について書いた条項があるかを探します。
条項の見出しは「価格」「代金」「取引条件の変更」などさまざまです。
商品ごとの単価は、本文ではなく別紙の価格表に置かれていることもあります。
条項が見つかったら、次の点を読み取ります。
- 通知の期限:何日前、何か月前までに知らせるか
- 通知の方法:書面に限るか、電子メールなどでもよいか
- 改定の決まり方:通知だけで改定できるか、相手方の同意や協議が要るか
- 適用の基準:新価格を発注日・出荷日・納品日のどれで切り替えるか
条項に通知期間が書かれていれば、それが法律に代わって自社の期限になります。
ただし、書かれた期間を守って通知しても、条項が「双方協議のうえ改定する」という形なら、通知だけで新価格が決まるわけではありません。
期限を守ることと、合意を得ることは、別の手続として扱う必要があります。
反対に、条項が売り手に改定の権限を与えている場合もあります。
それでも、取引先の事業に大きく響く値上げを説明なしに進めれば、その後の取引関係に影響します。
条項は手続の最低線と考え、説明の場を別に用意しておくと、新価格への移行を進めやすくなります。
契約に定めがない場合
契約書に価格改定の条項がない、あるいは契約書を交わさず注文書と請書だけで取引している、という場合もあります。
この場合は、新価格は取引先が同意して初めて取引条件になる、と考えるのが安全です。
同意を得た日より後の発注から新価格を適用する順にしておけば、適用開始日をめぐる食い違いが起きにくくなります。
通知日は、適用開始日から逆に数えて決めます。
たとえば、自社ブランドの調味料を製造し、問屋や小売店に卸しているメーカーが、来期の初日から新価格にしたいとします。
取引先の側では、仕入価格の変更を社内で承認し、店頭の売価や販促の計画を組み直す作業が発生します。
メーカーの側にも、受注を締める周期や請求の締め日があります。
これらが重なる時点から逆にたどると、通知書をいつ送るべきかが見えてきます。
取引先の承認や売価の変更にどれだけかかるかは、相手ごとに違います。
前回の価格改定でどれだけかかったか、取引先の担当者に社内の手続を尋ねておくと、逆算の起点が具体的になります。
図に日数を入れていないのは、法令で決まった日数がないからです。
契約に通知期間があればそれを下限に置き、協議にかかる時間と取引先の社内手続を足して通知日を決めます。
協議が長引いたときの余白も見込んでおくと、適用開始日を動かさずに済む可能性が高まります。
定型約款の変更ルールが当てはまる範囲
「相手の同意がなくても、周知すれば変更できる」という話から、民法548条の4を思い浮かべる方もいるかもしれません。
この規定は定型約款の変更についてのものです。
変更が相手方の一般の利益に適合する場合、または契約の目的に反せず、変更の必要性や内容の相当性などに照らして合理的な場合に、個別の合意なしで変更できるとしています3。
その場合でも、効力が生じる時期を定め、変更内容を周知しなければ効力を生じません3。
ただ、取引先ごとに交渉して結んだ取引基本契約は、当然には定型約款に当たりません。
多数の取引先に同じ条件を示す取引規約を使っていても、それが定型約款に当たるか、値上げが「合理的な変更」と言えるかには、それぞれ判断が要ります。
値上げを「相手方の利益に適合する変更」と説明するのは通常難しく、残るのは合理性の判断です。
この規定を頼りに一方的に新価格を適用するより、取引先の同意を得る手順を基本にしたほうが、後から有効性を争われる余地を小さくできます。
契約書の確認から適用開始日を決めるまでを並べると、次の流れになります。
自社の取引は取適法の対象か――値上げを通知する側と協議を求められる側で立場が逆になる
規格品の卸売は原則対象外
ここまでは、売り手と買い手が合意で価格を決める話でした。
取引の形によっては、この当事者間の話に法律の規律が加わります。
それが、下請法を改正し、2026年1月から施行された取適法です5。
取適法は委託取引を規律する法律です。
公正取引委員会のQ&Aでは、規格品を単に購入する取引は、原則として委託に当たらないと整理されています1。
メーカーが自社の標準品をカタログ価格で問屋や小売店に卸す取引は、この単純な売買に近い形です。
この形であれば、値上げの通知と協議は、前の節で見た契約と合意の問題として進めることになります。
仕様を指定した製造委託は対象になりうる
一方で、名入れ、ラベル貼付、一定の寸法への切断など、発注者が仕様を指定して作業をさせる場合は、製造委託に当たりうるとされています1。
卸の取引でも、取引先のプライベートブランド向けに指定のラベルを貼って納める、取引先の指定サイズに加工して納めるといった形は、単純な売買とは言い切れなくなります。
同じ商品でも、取引先によって形が違うことがあります。
ある問屋には標準品をそのまま卸し、ある小売チェーンには先方指定のラベルを貼って納めている、という場合です。
取適法との関係は商品ではなく取引ごとに分かれるため、取引先の一覧を作るときも、この区別を一行ずつ付けておくと判断が早くなります。
加えて、取適法が適用されるかは、取引の類型だけでは決まりません。
委託する側と受託する側の資本金や従業員数などによる規模の基準があります。
基準の詳細は、公正取引委員会や中小企業庁が示す判定の資料に、自社と取引先の数字を当てはめて確認してください。
協議に応じない一方的な代金決定の禁止
取適法の対象となる委託取引では、中小受託事業者から価格の協議を求められたのに、必要な説明や情報提供をせず一方的に代金を決めることは認められません1。
この義務を負うのは委託する側で、守られるのは受託する側です。
ここで立場の読み違いが起きやすくなります。
値上げを申し出るメーカーや卸は、委託取引であれば通常は受託する側にあたり、この規律に守られる側です。
協議を求めたのに取引先が説明もなく据え置きを決めたとき、規模の基準も満たしていれば、この規律が問題になりえます。
反対に、「値上げを通知する側には協議の義務がある」と読むのは向きが違います。
先ほどの調味料メーカーで考えます。
このメーカーは小売店へ卸す側ですが、自社ブランド品の容器へのラベル貼付を、外部の会社に仕様を指定して頼んでいるとします。
ラベル貼付の会社から作業代の値上げについて協議を求められたとき、このメーカーは委託する側として協議に応じ、必要な説明をする立場になりえます。
同じ会社が、売る取引では値上げを求め、作ってもらう取引では値上げを求められるのです。
取引ごとに立場を分けて見る必要があるのはこのためです。
| 取引の形 | 取適法との関係 | 自社の立場 |
|---|---|---|
| 規格品を卸す(単純な売買) | 原則として委託に当たらない | 契約と合意で改定を進める |
| 取引先の仕様で名入れ・ラベル貼付・加工をして納める | 製造委託に当たりうる(規模の基準も確認) | 受託する側として協議を求め、一方的な決定から守られる |
| 外部に仕様を指定して作業を頼む | 製造委託に当たりうる(規模の基準も確認) | 委託する側として協議に応じ、説明する |
通知書に何を書き、価格協議をどう進めるか
通知書の記載項目(提案)
価格改定の通知書に、公的に定められた書式があるわけではありません。
ここで挙げる項目は、取引先が社内で値上げを検討し、承認を得るまでに必要になる情報から逆に考えた提案です。
- 対象商品:品番と商品名を、価格表と同じ表記で
- 新旧の価格:単価、入数、価格の単位を旧価格と並べて
- 適用開始日と基準:発注日・出荷日・納品日のどれで切り替えるか
- 改定の理由:何の費用がどう変わったか
- 協議の窓口と回答の期限:担当者名、連絡先、いつまでに回答がほしいか
- 受注済み・見積り中・在庫からの出荷の扱い
このうち抜けやすいのが、適用開始日の「基準」です。
「来期の初日から新価格」とだけ書くと、取引先は、前日に発注して翌日に納品される注文をどちらの価格で処理するか迷います。
取引先の購買担当は、発注データと請求書を突き合わせるとき、どの日付で価格表を引くかを決めなければならないからです。
基準日を一語添えるだけで、この照合の迷いを減らせます。
改定の理由は、取引先の担当者が上司や経営層に説明するための材料になります。
「諸般の事情により」だけでは、相手の社内で承認を取る担当者が説明に困ります。
何の費用がどう変わったかを、自社が開示できる範囲で書いておくと、協議の論点が絞られます。
新旧の価格を並べるときは、入数や単位も揃えて書きます。
旧価格がケース単位、新価格が個単位で書かれていると、取引先は改定幅を計算し直さなければなりません。
受け手が自社の仕入価格表へ転記する作業を思い浮かべると、どの表記なら迷わないかが判断しやすくなります。
協議の進め方と記録
通知書を送ったら、説明と協議の場を設けます。
参考になるのが、公正取引委員会の「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」です4。
この指針は、発注者と受注者がそれぞれ採るべき行動をまとめています。
発注者側には、定期的に協議すること、要請があれば協議の場につくこと、説明や資料を求める場合は公表資料とすることなどが挙げられています4。
この指針は労務費の転嫁をめぐる価格交渉が中心で、原材料費や為替を理由とする改定にそのまま当てはまるとは限りません。
それでも、値上げを申し出る側から見ると、取引先に何を求められうるか、どんな説明を用意すれば協議が進むかを考える手がかりになります。
たとえば取引先から原価の詳しい内訳を求められたとき、公表されている資料で費用の変化を説明する、という進め方を提案できます。
協議の経過は、日付、出席者、提示した価格と根拠、相手の回答を残しておきます。
メールのやり取りだけで進んだ場合も、合意した内容を一つの書面や電子ファイルにまとめ、双方で確認しておくと、後日担当者が替わっても「いつから、いくらで」を追えます。
受注済み・在庫・見積り中の案件はどちらの価格か、取引先が応じないときはどうするか
受注済みは旧価格・新規発注から新価格
切替日をまたぐ注文は、実務でいちばん迷いやすい部分です。
取適法の公式Q&Aからは、合意した新価格は発注済みの注文には当然には遡らず、これからの発注に適用するという整理が読み取れます1。
これは委託取引についての整理ですが、発注した時点の価格で処理されることは、取引先にとっても予測しやすい線です。
受注済みの注文は旧価格、新規発注から新価格と通知書に明記しておくのを基本線にするとよいでしょう。
受注済みの注文にも新価格を適用したい場合は、その注文について取引先と個別に合意する必要があります。
たとえば、納期が先の大口注文で原材料の手配がこれからになる場合、その注文だけを取り出して説明し、合意できた分に限って新価格で請求する、という進め方です。
見積り中の案件と自社在庫からの出荷については、法令や公的資料で一律に示された扱いは見当たりません。
取引条件として通知書に書き、合意しておくのが確実です。
見積書に有効期限を書いているなら、期限内の発注を見積額で受けるのか、適用開始日以降の発注は新価格に切り替えるのかを決めます。
旧い原価で作った在庫から出荷する場合も、基準日で一斉に切り替えるのか、在庫が尽きるまで旧価格とするのかを決めておきます。
合意に至らないときの選択肢(提案)
回答の期限までに同意が得られない、あるいは取引先から据え置きを求められることもあります。
契約に改定条項がなく、同意もないまま新価格で請求すると、請求額をめぐって争いになり、相手の支払処理も止まりかねません。
適用開始日を守ることにこだわるより、協議を続けて合意を得ることを優先したほうが、結果的に新価格へ早く移れる場合もあります。
合意に至らないときに考えられる選択肢には、次のようなものがあります。
- 適用開始日を後ろへずらし、協議を続ける
- 改定幅を分け、段階的に適用する
- 入数、最低発注単位、配送の頻度など、価格以外の取引条件を見直す
- 対象商品を絞り、費用の上昇が大きい商品から改定する
どの選択肢を取る場合も、協議でどんな説明をし、相手がどう回答したかを記録しておきます。
次の改定や再協議のとき、前回どこで合意し、どこが残ったかが分かるからです。
取引の形が委託に当たり、自社が受託する側で規模の基準も満たすなら、協議を求めたのに取引先が説明なく価格を一方的に決めることは、取適法上問題になりえます1。
その判断にも、協議の記録が土台になります。
取引そのものを見直すかどうかは、契約の解除や更新についての定めにも関わります。
価格改定条項だけでなく、契約期間や解除の条項も合わせて読み、どの時点でどんな選択ができるかを把握しておくと、協議の場で無理な約束をせずに済みます。
| 案件 | 扱いの考え方 | 通知書への書き方 |
|---|---|---|
| 受注済みの注文 | 当然には新価格へ遡らない | 旧価格で納品すると明記 |
| 見積り中の案件 | 見積書の有効期限と照らして決める | 有効期限内の発注の扱いを明記 |
| 自社在庫からの出荷 | 基準日で切り替えるか在庫分を旧価格とするかを決める | 基準日と例外の有無を明記 |
| 適用開始後の新規発注 | 合意した新価格を適用 | 新価格と基準日を明記 |
自社の取引が単純な売買か委託に当たるか、契約の改定条項をどう読むかは、取引先ごとに判断が分かれ、担当者だけでは決めにくい部分です。
契約書と取引の実態をもとに、通知日と適用開始日の決め方や、取適法との関係を確認すべき取引がどれかを整理できます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 通知の期限 | 一律の法定期限は見当たらない。契約の改定条項があれば、それが自社の期限になる |
| 新価格の効力 | 条項の手続か取引先の同意による。通知書を送っただけでは決まらない |
| 定型約款の変更 | 定型約款に限る。個別に交渉した契約には当然には及ばない |
| 取適法 | 委託取引のみ。協議に応じない一方的な代金決定を禁じ、受託する側を守る |
| 切替日 | 発注済みの注文には当然には遡らない。基準日と例外を通知書に書く |
通知書の基準日や切替日をまたぐ案件の扱いは、受注と請求の運用に合わせて決めないと、送った後に照合の手間が残ります。 自社の受注締めや価格表の管理に合わせて、通知書に書く基準日と例外の扱いを一緒に確認できます。
よくある質問
契約書に価格改定の条項がないとき、取引先が同意しなければ新価格を適用できないのですか。
契約内容は当事者の合意で決まるため、条項がない場合は、取引先の同意を得てから新価格を適用するのが安全です。
定型約款であれば、民法548条の4により、合理的な変更について効力発生時期を定めて周知することで変更できる余地があります。
ただし、個別に交渉した取引基本契約には当然には当てはまりません。
取適法の対象かどうかは、何を見て判断するのですか。
見るのは二つです。
一つは取引の形で、規格品を単に卸す取引は原則として委託に当たらず、名入れ・ラベル貼付・切断など仕様を指定して作業をさせる取引は製造委託に当たりえます。
もう一つは、資本金や従業員数などの規模の基準です。
規模の基準は、公正取引委員会や中小企業庁の判定資料に自社と取引先の数字を当てはめて確認してください。
受注済みの注文に新価格を適用したいときは、どうすればよいですか。
合意した新価格は、発注済みの注文には当然には遡りません。
受注済みの注文にも新価格を適用したい場合は、その注文を特定して取引先に説明し、個別に合意を得る必要があります。
合意できた注文と内容は、書面や電子ファイルに残しておきます。
値上げの通知は、メールだけで足りますか。
まず契約書に通知の方法が定められていないかを確認します。
書面に限ると定めていれば、それに従います。
定めがない場合でも、合意した価格と適用開始日は、メールのやり取りに散らばったままにせず、一つの書面や電子ファイルにまとめて双方で確認しておくと、後日の認識違いを防げます。
仕入先や外注先から価格協議を求められたとき、応じないとどうなりますか。
自社が仕様を指定して作業を頼んでいて、取適法の取引類型と規模の基準に当てはまる場合、自社は委託する側です。
中小受託事業者から協議を求められたのに、必要な説明や情報提供をせず一方的に代金を決めることは認められません。
協議の場につき、判断の理由を説明できるよう準備しておきます。
- 1 出典:公正取引委員会「よくある質問コーナー(取適法)」(2026年)
- 2 出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「民法 第521条(契約の締結及び内容の自由)」(2026年)
- 3 出典:デジタル庁(e-Gov法令検索)「民法 第548条の4(定型約款の変更)」(2026年)
- 4 出典:公正取引委員会「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」
- 5 出典:公正取引委員会「2026年1月から「下請法」は「取適法」へ」(2026年)
画像の出典元
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