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卸価格と支払いサイト|請求実務の要点

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 5階層までの組織階層で卸価格を切り替えられる仕組みを前提に、得意先ごとの掛け率と上書きの順序を先に決めます
  • 60日を超える支払期日で取引代金を払う企業は7.2%で、自社の得意先がこの側に入らないかを一件ずつ数えます
  • 120日という実質の支払期間は手形払いの原則禁止で前提から外れ、現金での支払いを軸に資金計画を組み替えます
  • 87.5%が現金や銀行振込に寄る卸売では、49.1%が取引先への支払期日を超過した経験を持っています
  • 58.7%がクレジットカード決済への対応に前向きで、回収の早さと与信の負担配分を並べて見直せます

Hands holding Argentine peso banknotes, showcasing currency
▽ 写真の出典元

BtoB-ECにおける卸売業の市場規模

BtoB-ECとは、企業間の商取引をインターネット上で行う電子商取引の仕組みです。卸価格は得意先の組織階層に沿って切り替え、支払サイトは60日以内を基準に置き直すのが実務の要点です。手形払いが原則禁止となった以上、120日を前提にした資金計画は組み替えが要ります。請求と決済は現金や振込に87.5%が寄るため、回収手段の幅を広げる余地があります。

月初の朝、経理の机に広がる得意先別の掛け率一覧。紙をめくる音が続くなか、担当者は付箋の行を指でたどり、請求書の宛先と単価を一件ずつ照合します。卸価格も支払条件も得意先ごとに違うため、手が止まる場所はいつも同じです。「先月と同じ掛け率でよいのか」という確認が、締め日のたびに戻ってきます。

その確認が繰り返される中、取引の量は増える方向にあります。128.9兆円という卸売業のBtoB-EC市場規模は、全産業の514.4兆円と比べると四分の一ほどに当たります3。128兆8684億円を丸めた概算がこの値で、2024年の実績として公表されています3。「電子化された取引」と言っても、卸価格の決め方まで自動で揃うわけではありません。手で当て直すか仕組みへ移すかの分かれ目は、件数が増えるほど近づきます。

全産業の電子商取引化率は43.1%まで上がっています3。金額でも比率でも紙の商流から仕組みへ移る動きが進んでいる一方、卸価格の当て方や支払条件の細部までが自動で揃うとは限りません。得意先ごとの掛け率と支払いサイトは、EC化率の数字とは別に、取引ごとに確かめる必要が残ります。

掛け率の確認と請求書の作り直しに使う時間は、「毎月の恒例」として片づけられがちですが、締め日ごとに戻ってくる人件費として積み上がります。

得意先ごとに卸価格を切り替える仕組み

卸価格を得意先ごとに変える方法は、大きく二つに分かれます。商品ごとに得意先別の単価表を持つ形か、標準価格に掛け率を当てる形かです。「新商品を登録したら、得意先の数だけ単価を入れ直した」という事態は、単価表の運用で起きやすい詰まりです。掛け率で当てておけば、標準価格の更新が全得意先へ一度に届きます。

実務では、二つを混ぜて使う場面がほとんどです。基本は掛け率で当て、特売品や協賛のある商品だけ個別の単価で上書きします。上書きの優先順位を先に決めないと、「どちらの価格が正か」という問い合わせが請求の直前に集中します。取り決めは価格表の中ではなく運用の文書として残しておくと、照合が楽になります。

128.9兆円まで伸びた卸売業のBtoB-EC市場では3、得意先の数も取引の件数も比例して増えていきます。単価表と掛け率のどちらか一方だけで支えきれる規模ではなくなりつつあり、二つを組み合わせる運用が今後さらに標準になっていくと考えられます。

組織階層による卸価格の切り替え上限

得意先が一社でも、価格を受け取る単位が一つとは限りません。「一社に一つの価格」という前提は、現場では崩れます。本部と支店で掛け率が違う、営業所ごとに配送条件が違うといった枝分かれが起きます。5階層までの組織階層に沿って卸価格を切り替えられる仕組みが、BtoB向けECの機能として案内されています1。自社の得意先が本部から売場まで何段あるかを数え、この上限に収まるかを確かめてください。

この上限は2026年の時点で示されている値です1。収まらない場合は、別の得意先として登録して運用で補う方法があります。ただし請求書の宛先と締め日は階層ごとに分かれるため、発行する通数は減りません。「一社あたり一通」という前提で経理の工数を見積もると、月末に足りなくなります。

49.1%が取引先への支払期日を超えた経験を持つ市場では、「そのうち入る」と待つ時間が毎月の固定費として積み上がります5

卸価格の決め方 仕組み 起きやすいこと
得意先別の単価表 商品ごとに得意先別の単価を持つ 新商品を登録すると得意先の数だけ単価を入れ直す
標準価格に掛け率を当てる形 標準価格に掛け率を当てて卸価格を出す 標準価格の更新が全得意先へ一度に届く
個別の単価で上書き 特売品や協賛のある商品だけ個別単価にする 上書きの優先順位を先に決めないと問い合わせが集中する

支払いサイトの相場と60日を超える企業の割合

支払サイトは、締め日から入金日までの日数で表します。月末締めの翌月末払いか翌々月末払いかで、手元に現金が戻る時期は一か月ずれます。基準になるのは業界の慣行ではなく、支払期日が実際に何日へ置かれているかという分布です。「うちは相場どおり」と言えるかは、分布と突き合わせて初めて分かります。

この分布は、2025年の価格交渉促進月間フォローアップ調査で示された結果です2。「相場」の一語で片づけず、調査の母集団と自社の得意先構成を見比べてから判断してください。

128.9兆円規模まで伸びた卸売業のBtoB-EC市場では3、7.2%が支払期日60日超という条件のまま取引を続けています2。影響を受ける取引先の数は、決して小さくありません。自社の得意先がこの側に入っていないかを、金額の規模感とあわせて確かめる価値があります。

支払期日60日超の企業割合

まず、超過の側の大きさを押さえます。60日を超える支払期日で取引代金を払っている企業は7.2%でした2。十社に一社を下回る水準で、大多数はこの日数の内側に収まっています。「長めのサイトが普通」という感覚は、自社の得意先を数えてから確かめてください。

手形サイトの上限

手形を使う取引では、支払期日に加えてサイトの長さが効いてきます。6.1%は、手形等の利用があり手形サイトが60日を超えている企業の割合です2。7.2%という支払期日の超過と並べると、手形の側も近い規模で残っていることが読み取れます。「手形はもう使っていない」と社内で言い切る前に、得意先ごとの受取手段を一覧にしてください。

取適法施行による手形払い禁止と支払期間の変化

支払手段にも、制度の側から線が引かれました。手形払いは原則として禁止となり、支払期間は現金での支払いを前提に数え直すことになります4。ただし取適法(下請取引の適正化を図る法律の略称)や下請法の規制は資本金要件などを満たす下請取引に限られ、卸取引の全般へ一律に適用されるわけではありません4。「自社の取引がこの範囲に入るか」を確かめたら、請求や決済の実務そのものを見直す番です。

120日という上限が、廃止前の実質的な支払期間でした4。手形の発行までに60日、満期までにさらに60日という積み上がりで、受け取る側は満期まで現金化を待つ形です。2026年に施行された取適法のもとでは、この積み上がりを前提にした資金計画は組み替えが要ります。「うちは手形を受け取っていない」と思っていても、一部の得意先だけ残っている例があります。

手形等の利用があり手形サイトが60日を超えている企業は6.1%でした2。この一部は、2026年1月に施行された取適法のもとで4、支払手段そのものを作り直す対象になります。自社の得意先が6.1%に重なるかどうかの確認は、請求や決済の実務全体を見直す入り口になります。

手形払い、支払期間、資金計画の順に、取適法の施行に伴う変化をたどる図です。
取適法施行による手形払い禁止と支払期間の変化

請求と決済手段の実務

請求の実務は、締め、請求書の発行、送付、入金の消し込みの順に進みます。どこで手が止まるかは、決済手段の選び方で変わります。「振込の消し込みが合わない」という詰まりは、入金名義と請求先名義がずれたときに起きます。入金名義が屋号だったり社長の個人名だったりして、照合が宝探しになる場面もあります。手段を増やすか名義の整備を先にするかは、件数の多い側から手を付けるのが現実的です。

A person holding a large bundle of paper currency with both hands.
▽ 写真の出典元

87.5%が現金や銀行振込に寄り5、58.7%がクレジットカード決済への対応に前向きという二つの数字は5、いまの手段といずれ増える手段が同じ得意先の中で併存する時期に差し掛かっていることを示しています。両方を扱う体制を整えるかどうかは、得意先の構成次第で分かれます。

現金・振込中心の決済実態

87.5%という高い割合で、卸売業の事業者は現金や銀行振込といった従来型の決済を使っています5。十社のうち九社近くが同じ手段に寄る計算で、受発注の電子化と比べると決済だけが手作業で残る形です。この値は決済事業者の自社調査によるもので、母集団の条件は出典元の記載に従って確かめてください。「振込だから確実」と考える前に、着金の確認にかかる工数を数えてみてください。

支払期日超過の経験率

49.1%が、取引先への支払期日を超過した経験があると答えています5。二社に一社の水準で、遅れは例外ではなく日常の一部として起きています。自社が受け取る側でも同じ確率だと考えるのではなく、得意先ごとの入金実績を直近一年分並べて比べてください。「たまに遅れる先」が固定していれば、与信の見直しとあわせて決済手段そのものの見直しも検討する価値があります。

締め、請求書の発行、送付、入金の消し込みの順に進む請求実務の流れを示す図です。
締めから入金の消し込みまでの請求実務の流れ

クレジットカード決済への対応意向

決済手段を増やす動きは、売る側だけの都合ではありません。58.7%の事業者が、クレジットカード決済への対応に前向きだと答えています5。半数を超える水準で、現金と振込に寄った現状とは別の希望が示されています。カードにするか振込のままにするかは、手数料の負担と回収の早さを並べて決める話です。「手数料が乗るから損」と決める前に、督促と再請求の手間を同じ表へ並べてみてください。

この値は2025年に公表された調査の結果です5。カード決済を入れると、入金の確認は締め日ではなく決済日を起点に動きます。「締め日にまとめて確認」という手順は、決済日を起点にした形へ書き直すことになります。与信の一部を決済会社が担うため、得意先ごとの与信枠を自社で抱え続けるかどうかの判断材料にもなります。

49.1%が支払期日を超過した経験を持つ市場では5、決済日が自動で確定するクレジットカード決済は、遅延そのものを減らす選択にもなり得ます。58.7%という前向きな回答の背景には5、催促や再請求にかかる手間を減らしたいという事情も含まれていそうです。

卸取引の形で変わる価格と支払いの基準

ここまでの要点は、取引の形ごとに基準が変わるという一点に収まります。価格の決め方と支払いの決め方を別々に扱うと、請求の段階で辻褄が合わなくなります。「掛け率は営業、支払条件は経理」という分け方のままでは、得意先ごとの採算が見えません。

掛け売り中心の卸取引

掛け売りが中心なら、基準は締め日と入金日の距離に置きます。請求書を一通にまとめるか納品ごとに分けるかで、消し込みの手間は大きく変わります。「うちは掛け売りだから」で止めず、期日からの乖離が大きい得意先を先に洗い出してください。

多階層の得意先取引

本部と支店で条件が分かれる得意先なら、基準は価格の切り替え単位に置きます。「本部の条件で統一」が常に正解とは限りません。階層ごとの掛け率をどこまで持たせるかを先に決めないと、請求書の宛先が増えるだけで採算は動きません。決めた内容は価格表ではなく取り決めの文書へ残すと、担当者が代わっても同じ答えが出ます。価格と支払いを一続きで決める段取りこそ、卸取引の土台。

以降では、取引の形ごとの手順と、「何から確かめるか」の順序をより細かく示します。

Detailed view of hands holding Argentine peso banknotes, sym
▽ 写真の出典元

卸価格の切り替え単位と支払期日の置き方は、得意先の構成と受注の経路によって答えが変わるため、自社の条件を並べたうえで第三者と突き合わせると判断が早まります。

請求書の通数、締め日の分岐、入金までの日数のどれが自社の負担になっているかを、実際の取引データに沿って切り分けられます。無料相談で要件を整理する

卸価格と支払条件の見直しで先に手を付けること

  • 得意先の組織階層を数え、卸価格を切り替える単位と上書きの順序を決める
  • 締め日と入金日を並べ、支払期日が60日以内に収まっているかを得意先ごとに確かめる
  • 手形での受け取りが残っていないかを、契約書と入金実績の両方で突き合わせる
  • 請求書の宛先と入金名義のずれを洗い出し、消し込みの詰まりを減らす
  • 決済手段の追加を、手数料の負担と回収までの日数の両方で比べて判断する

この並びに優劣の順序はありません。

ここから先は、取引の形ごとに基準がどう変わるかを表で並べます。

取引の形ごとに変わる卸価格と支払条件の決め方

取引の形 先に決めること 支払条件の置き方
得意先ごとに掛け率が分かれる卸売 個別単価の上書きの順序 締め日と入金日の距離
本部と支店で条件が分かれる得意先を持つメーカー 価格の切り替え単位と請求の集約単位 階層ごとの請求書と支払期日
手形での受け取りが残る取引先を抱える事業者 受取手段の棚卸し 現金化までの日数

掛け率が得意先ごとに分かれる場合の価格の決め方

同じ商品に対して、得意先ごとに別の掛け率が当たっている状態です。営業が個別に決めた条件が積み重なり、「この先だけ特別」という但し書きが増えていきます。価格表を見ても最終単価が分からず、請求の直前に担当者へ確認する運びになります。

ここで置く基準は、階層の数ではなく上書きの順序です。「土台は掛け率、例外は単価」という順序を先に決め、標準価格に当てる掛け率の上へ特売や協賛の単価を重ねます。5階層までの切り替えに対応する仕組みを使う場合でも、順序の取り決めがなければ同じ問い合わせが残ります1

まず、上書きが発生している得意先と商品を一覧にしてください。次に上書きへ有効期限を入れ、「いつまでの条件か」を必ず添えて、期限切れは標準へ戻す取り決めを置きます。最後に、請求書に当たった単価の根拠を残し、後から追える形にします。難易度は低めで、上書き条件の棚卸しと文書化が中心のため既存の担当者の範囲で着手でき、工数は上書きの件数に比例して伸びます。

確かめる項目 いまの状態 置き直す基準
卸価格の当て方 得意先ごとに個別の単価を設定 標準価格に掛け率を当てる
個別単価の上書き 期限の定めがない 期限付きで上書きし期限切れは標準へ戻す
単価の根拠 担当者の記憶に残る 請求書に根拠を残して追える形にする

個別単価の上書きが積み重なった状態は社内だけでは全体が見えにくく、価格の当て方を外から整理してもらうほうが早く片づきます。

上書きの有効期限や標準価格への戻し方を、いまの商品数と得意先数で無理なく回せるかを確かめられます。無料相談で自社の条件を持ち込む

本部と支店で条件が分かれる得意先への請求の組み方

発注は支店から入り、請求は本部へまとめる、という食い違いが起きる形です。支店ごとに納品先が違い、締め日も分かれるため、請求書の通数が読めません。「本部一括のはずが、支店から直接の問い合わせが来る」という場面が続きます。

ここで置く基準は、価格の切り替え単位と請求の集約単位を別々に決めることです。「一つの得意先に一つの条件」という前提を外すところから始まります。価格は階層の下まで分け、請求は本部で束ねるという組み合わせも取れます。両方を同じ単位へ揃えようとすると、支店の実態と本部の管理のどちらかが崩れます。

まず、得意先の階層図を作り、「誰が払うか」まで含めて発注元・納品先・請求先・支払元を段ごとに書き出してください。次に、階層ごとの支払手段と支払期日を一覧にし、条件が食い違う箇所へ印を付けます。最後に請求書の宛先と締め日を階層ごとに確定し、取り決めとして得意先の承認を取ります。難易度は中程度で、階層図を作る工程が最も時間を取るため、営業と経理の合同での確認が要ります。

得意先の段 発注と納品 請求と支払
本部 条件の取り決め 請求書の宛先と支払元
支店・営業所 発注と納品先の指定 締め日の分岐
個別の売場 数量の確定 納品書の控え
Employees interacting at a sleek office reception desk, fost
▽ 写真の出典元

階層ごとの発注と請求の食い違いは、営業と経理のどちらか一方が持つ情報だけでは全体像が組み上がりません。

価格の切り替え単位と請求の集約単位をどこで分ければ通数を抑えられるかを、階層図に沿って検討できます。無料相談で自社の条件を持ち込む

手形での受け取りが残る取引の支払条件の切り替え方

得意先からの入金が、いまも手形で届く取引です。満期まで現金化を待つため、売上は立っていても資金は動きません。「昔からの条件だから」という理由で残り続け、見直しの話が出ないまま更新されてきた形です。

ここで置く基準は、価格の条件ではなく現金化までの日数です。手形払いの原則禁止は資本金要件などを満たす下請取引を対象とする規制であり、卸取引の全般へ一律に及ぶものではありません4。「対象かどうか」を先に確かめ、対象外であっても現金化までの日数を詰める交渉は別に進められます。

まず、受取手段を得意先ごとに一覧にし、手形の残る先を洗い出してください。87.5%が現金や銀行振込を使う中で、自社だけ手形の運用が残っていないかを比べます5。最後に「いつまでに、どの手段へ」を得意先と共有し、切り替えまでの資金繰りの手当ても合わせて決めます。難易度は高めで、得意先との交渉を伴うため経理だけでは完結せず、営業と経営層の判断が要ります。

2026年1月に取適法が施行された後も4、旧来の手形払いを前提にした取引条件がすぐに消えるとは限りません。120日という実質の支払期間を前提にした資金繰りは4、現金化までの日数を短くする交渉と合わせて見直す時期に来ています。

受取手段 現金化までの日数 確かめること
現金・銀行振込 入金日に確定する 入金名義と請求先名義の一致
手形 満期まで待つ 満期日と割引の要否
クレジットカード 決済日を起点に確定する 手数料の負担と与信の扱い

手形からの切り替えは得意先との交渉と資金繰りの手当てが同時に要るため、制度の適用範囲を押さえた相談相手がいると進めやすくなります。

自社の取引が規制の対象に入るか、対象外でも現金化までの日数をどこまで詰められるかを整理できます。無料相談で自社の条件を持ち込む

要点の整理

確かめること 基準 確かめ方
卸価格の切り替え単位 得意先の組織階層に沿って分けているか 本部から売場まで何段あるかを数える
個別単価の上書き 期限付きで運用しているか 上書き中の得意先と商品を一覧にする
支払期日 60日以内に収まっているか 締め日と入金日を得意先ごとに並べる
受取手段 手形が残っていないか 契約書と入金実績を突き合わせる
入金の遅れ 期日からの乖離が特定の先で固定していないか 直近一年の入金実績を並べ替える
決済手段の追加 手数料の負担と回収日数を比べたか 得意先の側の需要を聞き取る

卸価格と請求と支払サイトは一続きの話であり、どこか一つだけを直しても月末の手戻りは残ります。 いまの運用のどこに工数が集まっているかを洗い出し、着手の順番を決めるところまで話せます。

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よくある質問

卸価格を掛け率で管理する場合、端数はどう扱えばよいでしょうか。

端数処理の規則を、掛け率とは別に一つだけ決めておくのが安全です。商品ごとに切り上げと切り捨てが混ざると、請求書の合計が得意先側の計算と合わなくなります。「単価で丸めるか、合計で丸めるか」を取り決めへ明記し、システムの設定と文書の両方を一致させてください。

支払サイトを短くしたいとき、どこから交渉すればよいでしょうか。

まず着手すべきは、遅れの多い得意先です。直近一年の入金日を得意先ごとに並べ、期日からの乖離が大きい順に並べ替えてください。交渉の場では「この期間の入金実績」という具体で示すほうが、相場の話を持ち出すよりも通りやすくなります。取引額の大きさは、その後の優先順位づけに使えば足ります。

取適法の対象になるかどうかは、何で判断すればよいでしょうか。

資本金の区分と取引の種類の組み合わせで決まるため、まず自社と相手先の資本金額を確認してください。規制は要件を満たす下請取引に限って及ぶもので、卸取引の全般へ自動的に適用されるわけではありません4。「たぶん対象外」で済ませず、条件を書き出して個別に確かめるのが確実です。

クレジットカード決済を入れると、手数料の負担はどう考えればよいでしょうか。

手数料だけを見ると不利に映りますが、回収までの日数と督促の手間を同じ表へ並べると比較ができます。58.7%がカード決済への対応に前向きという結果もあり、得意先の側に需要があるかを先に聞き取るのが順序です5。「手数料は誰が負担するか」を取り決めへ書いたうえで、一部の得意先から始めて実績を見て広げてください。

請求書の発行を月に複数回へ分けると、事務は増えるでしょうか。

通数は増えますが、消し込みは楽になる場合があります。納品ごとに請求を分けると入金の照合単位が小さくなり、差異の出た箇所を絞りやすくなります。「一括か、納品ごとか」は相手の経理がどちらの運用をしているかで決まるため、先に確認してください。

卸売業のBtoB-EC市場規模は、自社の判断にどう使えるでしょうか。

全体の大きさは、取引の電子化が進む方向を確かめる材料になります。128.9兆円という卸売業の市場規模は概算であり、この値から自社の得意先数や受注件数を割り出すことはできません3。「市場が大きいから自社も伸びる」という読み方はできないため、直近一年の受注経路の内訳を自分で数えてください。

手形をやめると、得意先の資金繰りが苦しくなるのではないでしょうか。

切り替えの時期を一斉にそろえるのではなく、得意先ごとに段階を踏むやり方が取れます。支払期日を少し延ばす代わりに現金へ移す、といった組み合わせも交渉の選択肢になります。「いつまでに、どの手段へ」を文書で共有し、双方の資金繰りの見通しを合わせてください。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:株式会社フライトソリューションズ「BtoB向けECサイトで取引先ごとに卸価格を切り替える(EC-Riderお役立ちコラム)」(2026年) 経路
  2. 2 出典:中小企業庁(経済産業省)「価格交渉促進月間(2025年9月)フォローアップ調査結果」(2025年) 経路
  3. 3 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査」(2025年) 経路
  4. 4 出典:中小企業庁「下請法は取適法へ 改正ポイント説明会資料」(2025年) 経路
  5. 5 出典:株式会社SBペイメントサービス「BtoB取引を行う事業者の決済・購買状況に関する調査」(2025年) 経路

画像の出典元

  1. Hands holding Argentine peso banknotes, showcasing currency/Photo by Alex Dos Santos on Pexels
  2. Detailed view of hands holding Argentine peso banknotes, sym/Photo by Alex Dos Santos on Pexels
  3. Employees interacting at a sleek office reception desk, fost/Photo by cottonbro studio on Pexels
  4. A person holding a large bundle of paper currency with both hands./Photo by Vika Glitter on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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