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流通BMSへの移行手順:従来手順との違いと多拠点での進め方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 流通BMSへの切替は拠点単位より取引先1社ずつ日程を合わせて進むのが中心で、作業量は拠点の数より取引先の数で決まると考えられる
  • 急ぐべきかは、JCA手順などINSネットのデータ通信を使っているかで分かれ、補完策を含めて2028年末に提供終了予定。FAX・Web-EDIは取引先の要請が判断材料
  • 本部が取引先との窓口と共通ルールを持ち、拠点は日々の運用手順を切り替える分担が考えやすい(提案)。重心は取引先の対応状況・既存システム・拠点の組み合わせ・担当体制で変わる
  • 切替中は取引先×拠点の一覧で受注経路を区別し、旧手順を止める日を取引先ごとに合意して拠点へ知らせる
  • 流通BMSを導入した卸・メーカーは2025年6月時点で21,600社以上(推計)で、小売を含む普及率ではない

20代後半の日本人女性が小会議室での打ち合わせをしている場面

取引先に流通BMSを求められたら、まず何が変わるのか

取引先から流通BMSでの受発注を求められても、店舗や営業所ごとに注文の受け方が違うと、このまま移れるのか判断に迷います。
流通BMSは、発注・出荷・受領・返品・請求・支払の6業務を、インターネット上の共通メッセージでやり取りする標準です2。
実際の切替は、拠点ごとより取引先1社ずつ日程を合わせて進むことが中心になります4。
そこで、本部が取引先との窓口と共通ルールを持ち、拠点は日々の運用手順を切り替えるという分担から考えると、何を本部で決め、何を拠点で変えるかが見えてきます。

6業務・8種のメッセージ

流通BMSの基本形は、発注・出荷・受領・返品・請求・支払という6つの業務について、8種類の標準メッセージを定めています2。
ここでいうメッセージとは、注文や出荷の内容を、決められた項目と並び方で表した電子データのことです。
取引先ごとの個別の様式に頼らず、双方が同じ決まりでデータを作り、同じ決まりで読む、というのが共通メッセージの意味です。

受発注担当者の作業に置き換えると、注文を受け取るところから、出荷の連絡、受領、返品、請求、代金の支払いまで、一つの取引の流れがこの6業務に沿って並びます。
これまで、注文は専用の回線、請求は紙、というように業務ごとに経路が分かれていた会社でも、流通BMSでは同じ標準の中で扱われます。
ただし、取引先がどの業務を流通BMSでやり取りしたいのかは、相手との確認で決まります。

仕様には版があります。
基本形の最新版はVer2.2.2で、2025年に訂正版が公開されています1。
百貨店向けのように業界別に定められた版もあるため、取引先がどの版を前提にしているかは、最初の打ち合わせで確かめておきたい点です。

従来手順との違い

何が変わるかは、いまの受発注の手順によって違います。
JCA手順(電話回線を使う従来型のEDI=企業間で受発注などのデータを電子的にやり取りする仕組みの通信手順)の場合、通信速度は2400bpsまたは9600bpsで、送信と受信を同時に行えない半二重通信のため、発注データの送信に1〜2時間かかることもあると、システム会社のコラムは説明しています3。
この時間はその会社の説明による目安で、規格が保証する値ではありません。

流通BMSでは通信回線がインターネットに変わります。
協議会は、これにより旧来の公衆回線や専用回線に比べて通信コストが下がり、通信の取り決め(プロトコル)の集約によってもコスト削減が実現すると説明しています2。
取引先ごとに異なる通信の方式を個別に維持する状態から、共通の方式へ寄せていく変化だと読むと分かりやすいでしょう。

一方、注文をFAXや取引先のWeb画面(Web-EDI)で受けている場合、通信速度の比較はあまり当てはまりません。
この場合に考えたいのは、受け取った注文を誰がどの画面へ移しているかです。
たとえば、拠点の担当者がFAXの注文書を見ながら自社の受注システムへ入力しているなら、流通BMSで届くデータを受注システムへ取り込めるかどうかで、その転記が残るかが変わります。
取り込むには自社システム側の対応が要るため、通信の手段が変わるだけで入力作業がなくなるとは限りません。

観点 JCA手順 流通BMS(基本形)
通信回線 電話回線(2400bps/9600bps) インターネット回線
通信の特徴 半二重通信で発注データの送信に1〜2時間かかることもある 通信コストの低減とプロトコルの集約が図られる
INSネット終了の影響 従来どおりには使えなくなる INSネットを使わない
受発注の手順別に見た、移行で変わる点
JCA手順、FAX・Web-EDI、自社システム側の三つで変化を分けた図

回線・時期の事情:急ぐべきかをどう見極めるか

期限はどこから生じるか

流通BMSへ移る時期を考えるとき、手掛かりになるのは、取引先からの要請と、いま使っている通信回線の事情の二つです。
この二つは性質が違い、回線の事情は、使っている手順によっては関係しません。

回線の事情で関わるのは、NTTのINSネット(ISDN回線のサービス)です。
NTT東日本の案内では、INSネットのディジタル通信モードは2024年1月から地域ごとに段階的に終了し、その代わりとなる補完策(メタルIP電話上のデータ通信)とINSネット64・1500も、2028年12月末に提供を終える予定です5。
通話モードは引き続き使えるため、電話がつながることと、データ通信を続けられることは別に考える必要があります。
この案内はNTT東日本のものなので、西日本エリアで回線を契約している場合は、契約先の案内を確認してください。

JCA手順などのレガシーEDI(従来型のEDI)は、INSネットの終了によって従来どおりには使えなくなると解説されています3。
「2024年1月で終了」と短くまとめた解説もありますが、実際には地域ごとの段階的な終了で、補完策を含めた最後の区切りは2028年末です5。
補完策で今は送受信できていても、それは期限付きの状態だということになります。

自社の手順で見る急ぎ度合い

JCA手順などINSネットのデータ通信を使って取引先とやり取りしている場合は、回線の終了日程そのものが期限になります。
しかも、次の節で見るように切替は取引先1社ずつ進むため、期限までの残り時間は、切り替える取引先の数との兼ね合いで考える必要があります。
取引先が多いほど、早めに着手しないと後半に調整が重なりやすくなります。

FAXやWeb-EDIで受発注している場合、INSネットの日程は直接の期限にはなりません。
この場合の判断材料は、取引先が流通BMSへの切替を、いつまでに、どの業務で求めているかです。
要請に希望の時期が書かれていれば、それが実質的な目安になります。
時期が書かれていなければ、取引先の担当者に希望時期と、従来の手順をいつまで受け付けるつもりかを尋ねておくと、社内の計画を立てやすくなります。

拠点によって使っている手順が違う会社では、同じ社内でも急ぎ度合いが分かれます。
ある拠点はJCA手順で、別の拠点はFAXで注文を受けているなら、回線の期限が関わるのは前者だけです。
まず拠点ごとに「どの取引先と、どの手順でやり取りしているか」を洗い出すと、期限のある組み合わせとそうでない組み合わせが分かれて見えてきます。

INSネットのデータ通信の終了日程(東日本エリアの案内に基づく)
2024年1月からの段階終了と、2028年12月末の提供終了予定を示した図
手順別に見た、急ぎ度合いの判断材料
INSネット利用、FAX・Web-EDI、拠点ごとに手順が違う場合の判断材料を分けた図

取引先1社ずつの調整が切替の単位になる

本部と拠点の役割分担の考え方

多拠点の会社でまず迷うのは、本部でまとめて切り替えるのか、拠点ごとに進めるのかという点です。
この問いは、切替が実際にどの単位で進むのかという事実から考えると整理しやすくなります。

日経クロステックの2016年の記事では、ピップグループのフジモトHD執行役員が、EDIの切替は小売店1社ずつとスケジュールを合わせて進める必要があり、事前調整から利用開始まで1カ月ほどかかると述べています4。
同じ記事では、残りの取引先の移行が切替の直前に集中すると、間に合わない取引先が出るという懸念も示されています4。
これは小売店から注文を受けて出荷する側の、2016年時点の1社の例で、どの会社にも当てはまる所要期間ではありません。

それでも、ここから読み取れることがあります。
流通BMSは6業務のメッセージを共通にした標準ですが2、共通の仕様があっても、相手と通信を始める日や事前の確認は取引先ごとに必要になる、ということです。
つまり作業量を決めるのは、拠点の数よりも取引先の数だと考えられます。
たとえば拠点が5つ、取引先が30社ある会社なら、日程の調整は拠点5回分ではなく、取引先30社分が発生すると見ておくほうが実態に近いでしょう。

自社が小売など注文を出す側であれば、同じ構図が逆向きになります。
仕入先1社ずつと切替日を合わせ、相手の準備が整ったところから順に流通BMSへ移していくことになります。

この事実を踏まえて編集部として提案したいのは、取引先との窓口と共通のルールを本部が持ち、拠点は日々の受注・出荷の手順を切り替える側に回る、という分担です。
本部が持つのは、取引先ごとの切替日、流通BMSでやり取りする業務の範囲、旧手順を止める時期の合意といった、取引先と一度決めれば全拠点に関わる事柄です。
拠点が持つのは、切り替わった取引先の注文をどこで確認し、どう出荷に回すかという、現場の手順の変更です。

こう分ける理由は、取引先から見た相手が一つになるからです。
同じ取引先と複数の拠点がそれぞれ調整すると、拠点ごとに伝えた切替日や条件が食い違うおそれがあり、取引先の側も誰と話を決めればよいか分からなくなります。
窓口を一つにすれば、取り決めの記録が一箇所に残り、拠点からの問い合わせにも同じ答えを返せます。

判断条件

もっとも、本部で一括するか拠点ごとに進めるかのどちらが優れているかは一律には言えず、次の四つの条件で分担の重心が変わります。

一つ目は、取引先の対応状況です。
流通BMSで送ってくる取引先がまだ数社なら、本部の担当者が1社ずつ付き添って進められます。
反対に、切替を求める取引先が一度に増えてきた場合は、本部だけで日程を抱えると後半に調整が詰まりやすく、拠点の担当者に接続確認の一部を任せる余地を考えることになります。

二つ目は、既存システムの形です。
受注システムが本部に一つあり、全拠点の注文がそこへ集まる形なら、流通BMSのデータを受け取る口も一つで済み、本部での一括対応と相性がよい形です。
拠点ごとに別の受注システムや表計算ファイルで注文を管理しているなら、データを受け取った後、各拠点の仕組みへどう渡すかを拠点ごとに決める必要があり、拠点側の作業が増えます。

三つ目は、拠点の数と、取引先と拠点の組み合わせです。
一つの取引先が全拠点と取引しているのか、特定の拠点とだけ取引しているのかで、ある取引先の切替が何拠点の手順変更につながるかが変わります。
前者なら、1社の切替日がそのまま全拠点の作業日になります。

四つ目は、担当体制です。
本部にEDIや情報システムを担当する人がいるか、拠点に取引先と直接やり取りしてきた担当者がいるかで、窓口を誰が担えるかが決まります。
拠点の担当者が長く取引先と付き合ってきた場合は、技術的な確認は本部、日々の連絡は拠点、というように窓口の中身を分ける形も考えられます。

本部と拠点の分担(編集上の提案)
本部、取引先と合意すること、拠点の三つに分けて受け持つ作業を示した図

移行前に決めること:メッセージ・取引先範囲・既存システム

取引先とそろえる事柄

切替日を決める前に、取引先と自社のあいだで、何を流通BMSに載せるかをそろえておく必要があります。
一つは、6業務のうちどの業務のメッセージを使うかです。
発注だけを先に流通BMSにするのか、出荷や請求まで含めるのかで、自社側で準備するデータの種類が変わります。
もう一つは版で、基本形か、百貨店向けなど業界別の版かによって、使うメッセージそのものが異なります2。

これに加えて、接続テストをいつ行い、利用開始をいつにするかという日程も、取引先ごとの取り決めになります。
前の節で見た分担に沿えば、こうした確認は本部の窓口が取引先と行い、決まった内容を拠点へ渡す流れになります。

社内で決める事柄

社内で先に決めておきたいのは、どの取引先から切り替えるかという範囲と順番です。
切替が直前に集中すると間に合わない取引先が出るという懸念がある以上4、要請を受けた順に受けるだけでなく、回線の期限が関わる取引先、取引量の多い取引先などを見比べ、時期を散らして並べておくと、拠点の手順変更も一度に重なりにくくなります。

最初の1社は、社内の手順を固めるための試しの意味も持ちます。
連絡が取りやすく、切替後に不具合があっても相談しやすい取引先から始めると、そこで見つかった手順の抜けを、2社目以降の準備に生かせます。

既存システムについては、流通BMSで受け取ったデータを、自社の受注・出荷・請求の仕組みへどうつなぐかを決めます。
受け取ったデータを受注システムへ取り込めるなら、拠点での転記は減らせます。
取り込めない場合は、データを画面や紙に出して入力し直すことになり、通信が変わっても拠点の作業はあまり変わりません。
標準メッセージの項目と自社システムの項目をどう対応させるかも、この段階で誰が作業するかを決めておく事柄です。

進め方を学べる場

準備の進め方を具体的に確かめたいときは、流通BMSの普及を進める協議会の支援が使えます。
流通システム開発センターの流通BMSのページでは、流通BMS講座、導入事例、小売業の取引先説明会の支援、e-learningなどの導入支援が案内されています1。
取引先と同じ資料を前提に話せば、確認の場で用語や手順の理解がずれにくくなります。

移行前に決めておく事柄の整理
取引先とそろえる事柄、社内で決める事柄、進め方を学べる場に分けた図

並行運用と拠点ごとの対応差の扱い方(編集上の提案)

取引先×拠点の切替管理

取引先ごとに切替日が異なるということは、切替を進めている間、同じ拠点の中に、流通BMSで届く注文と従来の手順で届く注文が混ざる時期があるということです。
たとえば、ある拠点で取引先甲の注文は先月から流通BMSで届き、取引先乙の注文はまだFAXで届いているとします。
担当者が切替の状況を覚えていないと、乙の注文を流通BMSの受信データの中で探して見つからない、切替済みの甲から念のため届いたFAXの注文書を別の注文として入力してしまう、といった混乱が起こり得ます。

そこで提案したいのが、取引先と拠点を掛け合わせた切替管理の一覧です。
行に取引先、列に切替の状況と拠点ごとの受注の経路、旧手順を止める日の合意状況を並べ、本部が更新して全拠点が同じものを見ます。
拠点の担当者は、注文を探す前にこの一覧で取引先の行を見れば、どちらの経路で届くはずかが分かります。

この一覧で減るのは、拠点から本部への「この取引先はもう切り替わったか」という問い合わせと、担当者の記憶に頼った経路の判断です。
一覧があれば間違いが起きないわけではなく、本部が切替日を決めた時点で更新し、拠点へ変更を知らせる運用が伴って初めて役に立ちます。
取引先も拠点も少ない会社なら、ここまでの表を作らず、切替済みの取引先名を拠点に知らせるだけで足りる場合もあります。

旧手順の停止合意

並行運用でもう一つ決めておきたいのが、旧手順をいつ止めるかです。
流通BMSでの受信が始まっても、取引先がしばらく従来の手順でも送ってくる場合、自社が先に旧手順の受付をやめると、その注文を受け取れなくなります。
反対に、いつまでも両方を受け付けていると、拠点では二つの経路を見続ける状態が続きます。

並行期間の長さは、取引先ごとに話し合って決めるものと考えておくのが安全です。
進め方としては、切替日の前に取引先と接続テストを行い、実際のデータが届いて読めることを確かめてから利用を始め、旧手順を止める日をその取引先と合意しておく、という順が考えられます。
合意した停止日は切替管理の一覧に書き込み、拠点へ知らせます。

JCA手順などINSネットのデータ通信を使っている取引先については、停止日の上限が回線の側で決まっています。
補完策を含めて2028年末に提供が終わる予定なので5、その前に停止日を置くことになります。
FAXなど回線の期限がない手順では上限がないぶん、停止日を決めないまま並行運用が長引きやすい点に注意が要ります。

取引先 切替の状況 拠点Aの受注経路 拠点Bの受注経路 旧手順の停止
取引先甲(例) 切替済み 流通BMS 流通BMS 停止日を合意済み
取引先乙(例) 日程を調整中 FAX FAX 未合意
取引先丙(例) 接続テスト中 JCA手順 取引なし 未合意
取引先1社ごとの切替の進め方(編集上の提案)
事前調整、接続テスト、利用開始、旧手順の停止の順に進む縦の流れ図

導入実態:どれくらいの企業がすでに流通BMSを使っているか

卸・メーカーの導入企業数

取引先に求められて対応を考え始めると、自社だけが遅れているのではないかと気になるものです。
流通システム開発センターの第28回推計では、流通BMSを導入した卸・メーカーは2025年6月時点で21,600社以上とされ、その前の半年間で700社以上増えています1。

この数は卸・メーカーを対象にした推計で、小売を含めた全企業の普及率ではありません。
注文を受ける卸・メーカーの立場であれば、同じ立場の多くの企業がすでに流通BMSで取引している状況を知る手掛かりになります。
小売など注文を出す側から見ると、仕入先に対応済みの企業が多いことをうかがわせる数ですが、個々の仕入先が対応しているかどうかは、その仕入先に確かめるまで分かりません。

取引先ごとの切替日、拠点ごとの受注経路、既存システムへの取り込み方が絡み合うと、自社だけでは何から手を付けるかを決めにくくなります。

自社の取引先と拠点の組み合わせを並べ、どの取引先から、どの分担で切り替えるかの見通しを整理できます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

軸 基準
切替の単位 拠点ではなく取引先1社ずつ。日程は取引先と合わせる
急ぐべきか JCA手順などINSネットのデータ通信を使うなら回線の日程が期限。FAX・Web-EDIは取引先の要請で判断
本部と拠点 本部が窓口と共通ルール、拠点は運用手順の切替(提案)。取引先の状況・既存システム・拠点の組み合わせ・担当体制で重心が変わる
使う版 取引先が使う版(基本形か百貨店向けなど)に合わせる
並行運用 取引先×拠点の一覧で受注経路を区別し、旧手順の停止日を取引先ごとに合意する

旧手順の停止日や回線の期限が取引先ごとに異なると、全体の段取りを一覧で見通すのが難しくなります。 切替管理の一覧の項目や、取引先と確認する事柄に抜けがないかを確かめられます。

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よくある質問

JCA手順以外(FAX・Web-EDI)を使っている場合も、流通BMSへ移る必要がありますか?

回線の終了日程が期限として関わるのは、JCA手順などINSネットのデータ通信を使う手順です。
FAXやWeb-EDIで受発注している場合は、その日程とは別に、取引先から流通BMSへの切替を求められているかどうかが判断の基準になります。
求められていれば、どの業務を、いつまでに切り替えたいのかを取引先に確認するところから始めます。

取引先が流通BMSに対応していない場合はどうすればよいですか?

切替は取引先1社ずつ進むため、対応していない取引先とは従来の手順でのやり取りが続きます。
社内では、切替済みの取引先と未対応の取引先が混ざる前提で、拠点がどちらの経路で注文を扱うかを切替管理の一覧などで区別しておきます。
未対応の取引先とJCA手順でやり取りしている場合は、回線の終了日程があるため、その後の手順をどうするかを早めに取引先と話し合う必要があります。

拠点の担当者にはどんな周知・教育が要りますか?

拠点で変わるのは、切り替わった取引先の注文をどこで確認し、どう出荷や請求に回すかという手順です。
そのため、取引先ごとの切替日と受注の経路、旧手順を止める日を、切替のたびに伝えることが中心になります。
流通BMSそのものの仕組みを学ぶ場としては、協議会が流通BMS講座やe-learningを用意しています1。

旧手順をいつ止めるかは、誰とどう決めますか?

旧手順の停止は、取引先ごとに、その取引先と合意して決めます。
拠点ごとにばらばらに決めると取引先との約束が食い違うおそれがあるため、取引先の窓口になる本部が合意し、決まった日を拠点へ知らせる形が考えやすいでしょう。
JCA手順などINSネットのデータ通信を使っている場合は、補完策を含めて2028年末に提供が終わる予定なので5、停止日はそれより前になります。

基本形と百貨店版など業界別の版は、どちらを選べばよいですか?

自社で自由に選ぶというより、やり取りする取引先が使う版に合わせることになります。
基本形は6業務・8種の標準メッセージを定めており2、最新版はVer2.2.2です1。
百貨店向けは2010年に公開され、2014年のVer2.1で1メッセージが追加されて合計27種になっています2。
取引先によって使う版が異なる可能性があるため、取引先ごとに確認します。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:一般財団法人流通システム開発センター(流通システム標準普及推進協議会)「流通BMS トップ(第28回 卸・メーカーの流通BMS導入企業数推計)」(2025年)
  2. 2 出典:一般財団法人流通システム開発センター(流通BMS協議会)「流通BMS標準仕様」(2025年)
  3. 3 出典:TISI株式会社「JCA手順とは?流通BMSへの移行が迫られる流通業界の実情」(公開時期不明)
  4. 4 出典:日経クロステック「ISDN移行のハードルは業界によって様々、EDIなどは早期対応が必要」(2016年)
  5. 5 出典:NTT東日本「INSネットをご利用の事業者さまへ(固定電話のIP網移行)」(2024年〜)

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

監修確認日:

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