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仕入先の品質評価、一人担当でも属人化させずに回す基準と記録の作り方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 仕入先の品質は単独では評価せず、品質・コスト・納期を満たす調達という枠のなかで見る
  • 評価基準は商品力・納品体制・経営姿勢の観点に分けて言葉にすると、一人でも見落としと偏りを減らせる
  • 発注時に取り決めた納期や数量の条件が、そのまま評価の物差しになる
  • 記録が変えるのは不具合の発生ではなく、思い出す時間と探す時間であり、残るのは判断の時間
  • 取り決めからの逸脱は優先して確認する合図として使い、見直しは発注配分の調整も含めて考える

Two professionals examining business documents during a meeting indoors.
▽ 写真の出典元

経験と勘に頼った仕入先評価を、一人担当のままでどう変えるか

納入されたロットの品質にばらつきが出て、仕入先を見直すべきか考えたとき、手元にあるのが自分の記憶と印象だけだった——一人で仕入先の品質評価を担当していると、こうした場面で判断の根拠が示せなくなります。
人を増やさずに変えられるのは二つです。
評価の基準を「商品力」「納品体制」「経営姿勢」といった観点に分けて言葉にすること、そして発注時に取り決めた納期や数量の条件と、実際どうだったかを記録として残すことです。
基準と記録がそろえば、一人でも見落としや偏りを減らせますし、後任にも同じ材料を渡せます。
さらに、取り決めた条件から外れた仕入先を優先して確認すれば、取引を続けるか見直すかの判断材料になります。

評価が自分の頭のなかにしかない状態で、何が起きるか

現場から「今回入ってきた分は、前回より仕上がりがそろっていない」と連絡が入ったとします。
受け取った担当者がまず思い出すのは、その仕入先との過去のやり取りです。
たしか前にも似た話があった、あのときは繁忙期で増産をお願いしていた、先方から事前の連絡はなかった——記憶をたどれば、だいたいの経緯は出てきます。
問題は、その「だいたい」を根拠にして、取引条件の見直しまで踏み込めるかどうかです。

記憶で足りているうちは、評価が自分の頭のなかにしかないことは不便になりません。
不便になるのは、判断の理由を自分以外に説明する必要が出たときです。
仕入先に改善を求めるとき、社内で取引の見直しを提案するとき、そして後任に引き継ぐとき、必要になるのは「いつ、どの取り決めに対して、どれだけ外れたか」という形の情報です。
印象は、そのままではこの形に変換できません。

一人で担当していると、もう一つ別の事情が重なります。
複数人で評価していれば、片方の見方が偏っているときに、もう片方が別の材料を持ち込みます。
一人だと、その照合の相手がいません。
直近に問題が起きた仕入先ほど厳しく見え、長く付き合っている仕入先ほど大目に見える、といった傾向が、そのまま評価結果として固定されます。
これは注意力が足りないという話ではなく、比べる相手がいない状態で判断を続けている構造の話です。

人を増やさずに変えられるのは、基準と記録の二つ

では体制を厚くする以外に手はないのかというと、そうではありません。
中小機構のJ-Net21では、事業承継に向けた現状分析の確認項目として「組織体制(属人化の度合いなど)」が挙げられ、属人化している業務についてはマニュアル化やIT活用を進めて「誰が経営者になっても回る組織体制」を構築すべきだとされています4。
これは経営者の交代を想定して書かれたもので、品質評価という個別の業務を対象にした記述ではありません。
ただ、属人化を「人を増やして解く」のではなく「業務の中身を人の外に出して解く」という筋道は、評価業務にも当てはめて考えられます。

外に出すものは、大きく二つに分かれます。
一つは、何を良しとし、何を問題とするかという基準です。
もう一つは、その基準に対して実際どうだったかという記録です。
基準がないまま記録だけ増やしても、後から見た人はその日付や件数をどう読めばよいのか分かりません。
記録がないまま基準だけ決めても、基準どおりだったのかを確かめる材料が残りません。
片方だけでは働かないという意味で、この二つは対になっています。

基準づくりのほうが難しく聞こえますが、実際には評価の物差しになる材料はすでに社内にあることが多く、まったくの白紙から考える必要はありません。
まずは基準として何を見るのかから整理していきます。

一人担当のまま評価を変えるときの進み方
経験と印象での判断から、基準の言語化、条件と結果の記録、逸脱の優先確認を経て取引判断に至る流れ図

仕入先の品質評価で見るべき基本項目とは

商品力(品質・供給の安定性)

品質評価というと、納品されたものの出来だけを見る話に聞こえます。
ただ、購買の管理としては、品質は単独では扱われていません。
J-Net21の食品製造業向けの解説では、購買管理を「生産活動に当たって、要求されたQCD(品質・コスト・納期)を満足する資材を必要量だけ、必要な時期までに経済的に調達するための管理」と定義しています3。
品質・コスト・納期の三つがそろって初めて要求を満たした調達になる、という整理です。
食品製造業を題材にした解説ですが、この定義自体は購買管理一般の考え方として書かれています。

この整理が評価の出発点になるのは、良い品が届いていても、必要な時期に必要な量が届かなければ調達としては成立していないからです。
反対に、納期は守られていても品質のばらつきが大きければ、受け入れ後の選別や手直しが発生し、その手間はどこかの工程が負担することになります。
品質だけを切り出して良し悪しを付けると、こうした振れがどこから来ているのかが見えなくなります。

では具体的に何を見るのか。
J-Net21の起業マニュアルでは、仕入先の評価基準を「商品力」「販売・納品状況」「経営姿勢」の三つの観点に分類し、商品力については品質・デザイン・価格バランス・供給の安定性を確認するとされています1。
小売業の仕入先選定を想定した記述なので、扱う商材や取引条件によって、どの項目を重く見るかは変わります。
自社で加工する部材なのか、そのまま販売する商品なのかでも、見るべき細かさは違ってきます。

商品力のなかで、一人担当のときに意識して分けておきたいのが、品質そのものと供給の安定性です。
今回届いたものが基準を満たしているかという話と、同じものが次も同じ水準で届くかという話は別です。
前者は受け入れのたびに分かりますが、後者は何回分かの記録が並んで初めて見えてきます。
一度の不良で評価を下げ、その後は問題なく続いているのに最初の印象だけが残る、という取り違えは、この二つを分けずに扱っているときに起きがちです。
逆に、小さな不具合が少しずつ増えているのに、一件ずつでは許容範囲に見えて見過ごす、という向きの取り違えもあります。

納品体制とリードタイム

同じ起業マニュアルでは、納品の面については、確実かつ迅速な供給体制が整っているか、注文から納品までのリードタイムがどれくらいかを確認するとされています1。
リードタイムとは、発注してから手元に届くまでにかかる期間のことです。

納品体制を評価の項目に入れておくと、品質のばらつきを読むときの精度が上がります。
たとえば、急ぎの追加発注をかけた回だけ仕上がりが揃っていない、という記録が残っていたとします。
このとき、問題は仕入先の技術ではなく、こちらの発注の出し方と相手の生産体制の噛み合わせにあるのかもしれません。
結果だけを記録していると、どちらの話なのかを後から判別できず、相手に伝える内容も「品質が不安定です」という曖昧なものになります。
その回が通常の発注だったのか、短納期の依頼だったのか、数量は普段どおりだったのかを一緒に残しておくと、同じ記録が原因の切り分けにも使えます。

迅速さについては、速ければ速いほど良いと単純には言えません。
短いリードタイムを引き受けてもらっている分、どこかに無理が出て品質側に表れているのであれば、納期と品質を合わせて評価する必要があります。
この判断は、自社がどれくらい短納期の依頼を出しているかという、こちら側の記録がなければできません。

経営姿勢・取引先としての信頼性

三つ目の観点として挙げられているのが経営姿勢です1。
品質や納期と違って、これは納品されたものを見ても分かりません。
不具合を伝えたときにどう返ってくるか、条件の変更をどのように相談してくるか、といったやり取りの積み重ねから判断することになります。

一人担当の場合、この観点がいちばん引き継ぎで失われます。
納品日や不具合の件数は伝票や検収の記録に残りますが、「この会社は問題が起きたときに原因の説明まで出してくる」「この会社は連絡が遅いので、こちらから期日の前に一度確認を入れている」といった運用上の勘所は、書き残さなければどこにも残りません。
後任が同じ仕入先に同じ条件で発注しても、前任のときと同じようには回らない理由の多くは、このあたりにあります。

書き方を難しく考える必要はありません。
やり取りが発生した回に、何を伝え、いつどんな返答があったかを一行残しておく程度でも、後から見返せば傾向は読めます。
この観点を点数として評価に組み込むのは、記録がある程度たまってからでも遅くありません。
先に点数の付け方を作り込むより、判断のもとになる事実が残っている状態を先につくるほうが、一人で回すには続けやすい形です。

購買管理の目的と、仕入先評価の観点の関係
QCDを満たす調達という目的の下に三つの評価観点と記録が並ぶ階層図

出典:中小機構 J-Net21「第1回 食品製造での購買管理とは?」(食品製造業の購買管理を題材にした解説。QCDの定義は購買管理一般の考え方として記載)

三つの観点と、観点ごとに確認する項目
商品力・納品体制・経営姿勢の三つの観点それぞれに確認項目を並べた区分図

一人担当でも評価を回すための記録とチェックの付け方

発注時に取り決めた条件を基準として書面化する

基準を一から作ろうとすると、どこから手を付けるか迷います。
ただ、多くの場合、材料はすでに手元にあります。
J-Net21の起業マニュアルでは、仕入先との取引条件として、仕入形態・価格条件・発注数量・納品場所や期限・運賃や保険の負担・支払条件などを、取引を始める段階であらかじめ取り決めておくべきだとされています2。
これは契約や発注の話として書かれていますが、取り決めた条件はそのまま評価の物差しになります。

物差しになる、というのはこういうことです。
「あの会社は納品が遅い」という評価は、遅いと感じる水準が人によって違うため、そのままでは引き継げません。
「取り決めた納品期限に対して、直近の数回で期限を過ぎた回があり、そのうち事前連絡があったのは一部だった」という書き方であれば、読んだ人は同じ事実を受け取れます。
違いは、評価を下す前に、比べる相手である取り決めた条件が置かれているかどうかだけです。

この形にすると、基準づくりの作業は「新しい基準を考える」ことではなく、「すでに決めている条件を、毎回確認できる形に並べ直す」ことになります。
発注のたびに全項目を見るのが重いようであれば、納品期限と数量のように、外れたときの影響が大きい項目から並べていくのが現実的です。
なお、どの項目をどれくらいの頻度で確認するかについて、公的な資料に標準の様式や目安が示されているわけではありません。
自社の発注件数と、条件から外れたときに困る度合いを見ながら決めていく部分になります。

属人化を避けるための記録の残し方

記録で迷いやすいのは、どこに残すかです。
評価専用のファイルを新しく作ると、発注のたびに別の場所を開くことになり、忙しい時期からまず書かれなくなります。
先ほどの属人化解消の考え方でも、マニュアル化と並んでIT活用が挙げられていました4。
経営者交代を前提にした文脈からの応用ではありますが、要は、人の記憶や個人のメモに依存している情報を、決まった場所に決まった形で置き直すという話です。
発注や検収の記録をすでにどこかで管理しているのであれば、評価に使う項目はその隣に足すのが、いちばん続きやすい形になります。

残す項目は、後から判断するときに必要になるものに絞ります。
取り決めた条件(納期、数量、その回が通常発注か短納期の依頼か)、実際の結果(納品日、数量、受け入れ時に見つかった不具合)、条件から外れた場合はその事実と、そのあとのやり取りの経緯。
この並びであれば、後任が見たときに「何を約束していて、実際どうで、どう対応したか」を順に追えます。
逆に、この三つのうちどれかが欠けると、記録は残っているのに判断には使えない、という状態になります。

記録を残すと何が変わるのかも、正確に見ておいたほうがよいと思います。
記録があれば不具合やトラブルが起きなくなるわけではありません。
変わるのは、判断の前に置かれている「思い出す作業」と「探す作業」です。
前回いつ同じことがあったか、そのときどう伝えたか、改善すると言われた時期は過ぎているのか——これらを記憶と過去のメールから再構成する時間がなくなります。
残るのは、記録された事実をどう読むかという判断のほうです。
一人で担当しているときに足りないのは、たいていその判断に充てる時間です。

引き継ぎの場面で考えると、違いははっきりします。
記録がない状態で引き継ぐと、後任は前任に聞ける期間だけ何とかなり、聞けなくなった時点で評価が白紙に戻ります。
記録がある状態であれば、後任は最初から取り決めと実績の差を見る側に立てます。
評価の目が前任とまったく同じになるわけではありませんが、少なくとも同じ材料を見て考えることはできます。
属人化を防ぐというのは、判断まで同じにすることではなく、判断のもとになる材料を共有できる状態にしておくことだと考えると、進め方は決めやすくなります。

取り決めた条件を物差しにした一回分の記録の流れ
条件の取り決めから発注、検収、逸脱の記録、次の判断材料へと進む流れ図

出典:中小機構 J-Net21 起業マニュアル「仕入れるときに決めること」(取引開始時に取り決める条件項目に関する記述)

引き継いだ直後に残るものの違い
記録がない引き継ぎと記録がある引き継ぎで、後任に残る材料の違いを並べた対比図

評価結果を取引継続・見直しの判断につなげる基準

納期逸脱など基準から外れた仕入先の見分け方

記録がたまると、次に出てくるのが「どこまでなら続けて、どこからが見直しか」という問いです。
J-Net21の起業マニュアルでは、納品期限が異常に長い場合や、期限を守らない場合には取引を止めることが無難だとされています2。
ここで「異常に長い」がどれくらいかという具体的な日数は示されていません。
目安になるのは業界の相場ではなく、自社が契約や発注の段階で取り決めた期限です。
取り決めがあいまいなままだと、そもそもこの判断ができない、という順番になります。

実務では、期限を過ぎたという事実だけで線を引けない場面のほうが多いはずです。
そこで、記録を見るときに分けておきたい点があります。
一回きりの遅れなのか、同じことが繰り返されているのか。
事前に連絡があったのか、納品予定日を過ぎてからこちらが催促して初めて分かったのか。
原因の説明と、次回以降の対応まで出てきたのか。
同じ「納期遅れ一件」でも、この違いによって意味はまったく変わります。

この分け方は、続けるか止めるかを機械的に決めるためのものではありません。
限られた時間のなかで、どの仕入先を先に確認するかを決める合図として使う、という位置づけです。
取り決めた条件から外れた記録が残っている先、外れ方が繰り返されている先から順に手を付ければ、全社を等しく見る余力がなくても、見落としが起きやすいところから確認できます。
反対に、取り決めどおりの納品が続いている先については、確認の間隔を空けても大きな問題になりにくい、という判断がしやすくなります。
一人で担当している以上、どこかで確認の濃淡は付けることになります。
その濃淡を勘ではなく記録で決められるようにする、というのがここでの狙いです。

発注の集中によるリスクとのバランス

評価が悪い仕入先ほど、すぐには切れないという事情もあります。
その仕入先しか扱っていない品目があれば、取引を止めた瞬間に自社側の供給が止まります。
この点について、同じ起業マニュアルでは、仕入を特定の新規取引先一社に集中させることはリスクを伴うため、発注数量のバランスを検討すべきだとされています2。
新規取引先を想定した注意点として書かれていますが、一社への集中が評価結果を使いにくくするという構図は、長く続いている取引でも変わりません。

見直しを「続ける」か「止める」かの二択で考えると、代替先がない品目では判断が止まります。
あいだに、発注量の配分を変えるという選択肢を置いておくと、評価結果を反映できる範囲が広がります。
逸脱が続いている先の発注を一部だけ別の先に移す、新しい取引先を並行して探し始める、といった手は、取引を止める判断より前に取れます。
評価の目的は仕入先を選別することではなく、必要なものが必要な時期に必要な水準で入り続ける状態を保つことなので、判断の幅は広いほうが扱いやすくなります。

一人で担当していると、この「並行して探す」部分がいちばん後回しになります。
だからこそ、記録の使いどころは、問題が起きた先を見つけることだけではありません。
どの品目がどの仕入先に寄っているかを記録から見られるようにしておくと、評価が悪化してから慌てて代替先を探す状況を減らせます。
評価の記録と発注の実績が別々の場所にあると、この二つを突き合わせるたびに集計の手間がかかり、結果として見なくなります。
同じ場所に置いておくことが、実際には続けられるかどうかを分けます。

取引の見直しを相手に伝える場面でも、記録の形は効いてきます。
「品質が不安定なので」と伝えると、受け取った側は何をどう直せばよいのか分かりません。
取り決めた納品期限と実際の納品日、事前連絡の有無、受け入れ時に見つかった不具合といった事実で伝えれば、話は改善の相談として進めやすくなります。
相手に原因の心当たりがあれば、こちらの発注の出し方を調整するという解決に向かうこともあります。
それでも取り決めた条件からの逸脱が続くのであれば、そのときは積み上がった記録そのものが、見直しを判断する理由になります。

逸脱を見つけてから判断するまでの確認の順番
逸脱の記録から繰り返しや連絡の有無の確認、改善の相談を経て取引の判断に至る流れ図

出典:中小機構 J-Net21 起業マニュアル「仕入れるときに決めること」(納期を守らない場合の取引判断に関する記述)

評価に使う項目そのものは資料から整理できても、それを既存の発注・検収の記録のどこに足せば続けられるかは、いま使っている仕組みと発注件数によって変わります。

現在どこに何を残しているかを一緒に見ながら、評価の判断に必要な項目のうち何がすでに取れていて、どこに追記すれば手間が増えないかを確認できます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

軸 基準
評価の観点 商品力・納品体制・経営姿勢の三つに分けて言葉にする
品質の見方 一回の出来と、同じ水準が続くかを分けて記録する
基準の作り方 発注時に取り決めた納期・数量などの条件をそのまま物差しにする
記録する項目 取り決めた条件/実際の結果/逸脱の事実とやり取りの経緯
記録の置き場所 発注・検収の記録と同じ場所に寄せ、別ファイルを増やさない
先に確認する先 条件からの逸脱が記録されている先、逸脱が繰り返されている先
見直しの選択肢 止める前に、発注配分の調整と代替先の並行検討を置く

逸脱した仕入先の記録と、どの品目がどの仕入先に寄っているかを別々に集計している状態では、判断のたびに突き合わせの作業が残ります。 取り決めた条件と実績、発注の偏りを同じ場所で見られるようにするための項目の持ち方と、引き継ぎに耐える最低限の記録の形を確認できます。

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よくある質問

評価基準に、品質担当者以外の意見(現場のクレーム情報など)も反映させたいときはどうすればよいですか

担当者が一人であっても、評価に使う情報源まで一人に限る必要はありません。
現場から届く「このロットは揃っていない」「開梱時に破損があった」といった連絡は、評価の材料としてはむしろ一次情報に近いものです。
問題になりやすいのは、その連絡が口頭やチャットで流れて、発注の記録とつながらないまま消えてしまうことです。
受け取った連絡を、その回の発注・納品の記録と同じ場所に寄せておくと、後から「どの発注のときに何が起きたか」として読めるようになります。
寄せる形式に公的な標準があるわけではないので、いつ・誰から・どの納品分についての連絡かが分かる程度の項目を決めて、そこに集める運用から始めるのが現実的です。

評価結果が悪化した仕入先には、取引見直しの前にどう伝えればよいですか

伝える内容を、評価の結論ではなく事実に寄せるのが基本です。
取引条件としては、納品場所や期限、発注数量、支払条件などを取引開始時に取り決めておくべきだとされています2。
この取り決めがあるということは、伝えるときも「取り決めた期限に対して、実際の納品がどうだったか」という形にできるということです。
評価が下がったという言い方だと相手は動きようがありませんが、条件との差であれば、原因の確認と対応の相談に進めます。
そのうえで、こちらの発注の出し方に原因の一端がある場合もあるため、短納期の依頼が続いていなかったかなど、自社側の記録も合わせて見ておくと話が噛み合いやすくなります。

後任が引き継いだ直後にすぐ使える、最低限の記録項目は何ですか

後任にとって必要なのは、評価の点数よりも、点数の根拠になった事実です。
最低限そろえておきたいのは、取り決めた条件(納期、数量、その回の発注形態)、実際の結果(納品日、数量、受け入れ時に見つかった不具合)、そして条件から外れた場合の事実とやり取りの経緯の三つです。
この並びがあれば、後任は「何を約束していて、実際どうで、どう対応したか」を自分で追えます。
属人化した業務はマニュアル化やIT活用を進めるべきだという考え方は事業承継の文脈で示されたものですが4、評価業務に当てはめるなら、まずこの三つが決まった場所に残っている状態をつくることが出発点になります。
なお、評価表の標準様式や見直しの頻度について公的な目安が示されているわけではないため、そこは自社の発注量に合わせて決める部分です。

複数の仕入先を同時に見直す必要があるとき、どこから手をつければよいですか

順番を付ける手掛かりは二つあります。
一つは、取り決めた条件からの逸脱が記録されている先です。
納品期限が異常に長い場合や期限を守らない場合には取引を止めることが無難だとされており2、逸脱の記録は確認の優先順位を決める合図として使えます。
もう一つは、発注が集中している先です。
仕入を特定の新規取引先一社に集中させることはリスクを伴うため、発注数量のバランスを検討すべきだとされています2。
逸脱が起きていて、かつ発注も寄っている先は、問題が起きたときに代わりが利かないため、先に手を付ける価値があります。
逆に、条件どおりの納品が続いていて発注も分散している先は、後回しにしても影響が小さいと判断できます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:中小企業基盤整備機構「J-Net21 起業マニュアル『仕入先の探し方』」(公開年不明)
  2. 2 出典:中小企業基盤整備機構「J-Net21 起業マニュアル『仕入れるときに決めること』」(公開年不明)
  3. 3 出典:中小企業基盤整備機構「J-Net21『第1回 食品製造での購買管理とは?』」(公開年不明)
  4. 4 出典:中小企業基盤整備機構「J-Net21『事業承継の一般的な手続きと内容』」(公開年不明)

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  1. Two professionals examining business documents during a meeting indoors./Photo by Mikhail Nilov on Pexels

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◆この記事について

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