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送り状の作り直しを減らす確かめ方|出荷前の照合手順と項目設計

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 送り状の作り直しは、住所と郵便番号、品名と荷造り、個数と重量、運賃区分、支払区分の5項目に集まります。
  • 確かめを受注確定の前・発行の直前・引き渡しの時の3段へ分けると、前段ほど直す範囲が狭く済みます。
  • 出荷梱包シリアル番号は18桁で採番でき、事前の出荷データと現物を機械で突き合わせられます。
  • 貨物自動車運送の標準約款は2025年に最終改正され、運送状の記載対象となる事項が示されています。
  • 指標は日次の記録から四半期の共有まで4段で回し、再発行と誤出荷を分けて数えます。

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▽ 写真の出典元

送り状の作り直しが生じる仕組みと影響範囲

送り状の作り直しは、記載事項が受注データと運送の取り決めの両方に紐づくために生じます。宛先・品名・個数・運賃区分のうち1つでもずれれば、貼り替えか再発行が必要になります。作り直しは出荷締めの時刻を圧迫し、請求金額の訂正や再集荷の手配にも波及します。発行後に直す運用から発行前に確かめる運用へ切り替えると、差し戻しの発生点を出荷の前段へ移せます。起点は担当者の注意力ではなく、受注から発行までの引き継ぎの設計にあります。

送り状に何を書くかは、事業者ごとの慣習ではなく、公表された取り決めに沿って決まります。貨物自動車運送の標準約款は2025年に最終改正され、令和7年国土交通省告示第193号として示されています*2。約款では、荷送人が申し出る品名や荷造りの種類、個数、重量といった事項が運送状の記載対象として位置づけられています。記載事項が定まっているからこそ、1項目の食い違いが書類の作り直しに直結します。

作り直しの費用と責任がどちらに残るかは、記載内容を誰が申し出たかで変わります。標準約款では、品名や荷造りの種類、個数、重量といった事項は荷送人の申し出に基づいて運送状へ記載される位置づけです*2。申し出た内容が現物と食い違えば、訂正の手配は荷主側の作業として残ります。発行前の確かめを運送事業者任せにできないのは、この位置づけによります。

作り直しの影響は、伝票1枚の刷り直しにとどまりません。発行をやり直せば、貨物の積み込み順が崩れ、締め時刻に間に合わない荷物が翌日出荷へ回ります。運賃区分や着払いの指定を誤れば、請求の訂正処理が後日発生し、経理部門の締め作業まで巻き込みます。1件あたりの作業は小さくとも、波及先は倉庫・配車・請求の3領域に及びます。

見えにくいのは、作り直しに要した時間が記録として残らないことです。刷り直した伝票は破棄され、原因も口頭で共有されて終わります。件数と原因が残らなければ、どの項目でどれだけ躓いているかを比べられません。改善の第一歩は、作り直しを偶発の事故ではなく計測の対象として扱う点にあります。

後追いの訂正から事前の確かめへ切り替える足がかりとして、項目名と意味をそろえる考え方が使えます。物流情報の標準ガイドラインは2025年にver3.00へ改訂され、企業間でやり取りする情報項目の共通化が示されています*1。自社の受注項目を標準の項目名に対応づけておくと、送り状の必須項目が受注の時点で埋まっているかを判定できます。判定の基準が文書として残るため、担当者が交代しても同じ確かめ方を続けられます。

担当者の二重確認だけに頼る運用には限界があります。目視の確かめは、出荷件数が伸びるほど1件あたりの時間を削られ、見落としの入り込む余地が広がります。内製で仕組み化するには、受注システムの項目定義、住所データの整備、発行システムの入力仕様という3領域の知識が要ります。3領域のいずれかが欠けると、確かめの手順が現場の実態と噛み合わなくなります。

住所・品名・個数・運賃区分・支払区分の5項目を列挙した図
作り直しの引き金になりやすい記載項目

作り直しを減らす取り組みは、伝票の書式を整える作業と混同されがちです。書式の整備は読み違いを防ぐ土台ですが、宛先データそのものの誤りは書式では吸収できません。データの正しさと帳票の読みやすさは、別の課題として扱う必要があります。本稿では前者を中心に置き、後者は照合の取り入れ方の節で触れます。

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▽ 写真の出典元

発行前に確かめる項目の優先順5点(順位の根拠:誤りが表面化するまでの遅さと、直す範囲の広さ)

  1. 宛先の郵便番号と住所の組み合わせが照合できるかを、受注確定の前に判定します。7桁の番号と住所の対応は更新されるため、配布データを反映した時点も併せて確かめます。
  2. 支払区分と運賃区分が受注時の指定と一致しているかを、発行の直前に照合します。誤りが請求の段階まで表面化せず、訂正の範囲が広がるためです。
  3. 個数と重量が梱包の確定後の値であるかを確かめます。分納や同梱の判断が入った時点でずれるため、発行を梱包確定の後に置きます。
  4. 品名と荷造りの種類が、社内の略称ではなく引き渡しの場で説明できる表記になっているかを確かめます。約款で運送状の記載対象に位置づけられた事項です。
  5. 伝票の枚数と箱数の対応を、引き渡しの時に突き合わせます。集荷の後に判明すると、追跡と回収の手間が加わります。

作り直しの引き金になりやすい記載項目

作り直しの引き金は、住所と郵便番号、品名と荷造り、個数と重量、運賃区分、支払区分の5つの記載項目に集まります。いずれも受注データから転記される項目で、転記の途中で欠落や上書きが起きやすい点が共通します。項目ごとに誤りの生まれる場面が違うため、確かめ方も項目ごとに変える必要があります。共通する手立ては、入力の自由度を下げ、照合できる形に値をそろえることです。

5つの項目は、確定する時点が同じではありません。住所と支払区分は受注の入力時点で決まりますが、個数と重量は梱包が終わるまで確定しません。確定していない値を1つの画面でまとめて確かめると、仮の値のまま発行へ進む余地が残ります。項目ごとに、確定する工程と確かめる工程を対にして並べておくと、仮の値の混入を抑えられます。

住所と郵便番号の不一致は、受注時の自由入力と住所データの更新遅れの2つから生まれます。郵便番号は7桁で管理され、区画の新設や町名の変更に応じて更新されます。公式に配布される郵便番号データはCSV形式で提供され、更新の時点が示された形になっています*8。手元の変換辞書が古いままだと、正しい住所を入力しても番号側が旧番号のまま残ります。

番地の表記ゆれも見落とされがちです。丁目・番・号をハイフンで詰めた表記と漢数字の表記が混在すると、同一の宛先が別の宛先として住所録に蓄積します。ビル名や階数が建物欄からあふれると、配達店での判読に時間がかかり、持ち戻りにつながります。宛先の欄をどこで区切るかは、発行システムの入力仕様に合わせて先に決めておくと安全です。

表記をそろえる作業は、住所録へ登録する時点で効きます。全角と半角、ハイフンの有無、漢数字と算用数字が混ざったまま蓄積すると、同じ宛先が重複して増えます。重複した宛先は、片方だけが更新されて古い情報が残る温床になります。登録の入口で形をそろえておけば、後からの名寄せに要する手間を抑えられます。

受注確定の前・発行の直前・引き渡しの時の3段を順に並べた図
出荷前の確かめを3つの段に分けた流れ

品名と荷造りの種類、個数は、約款で運送状の記載対象に位置づけられた事項です*2。品名が社内の略称のままだと、引き渡しの場で内容物を説明できず、危険品の該否も判断できません。荷造りの種類は、外装が段ボールか通い箱かで扱いが変わるため、受注データの梱包指定と現物を突き合わせる必要があります。個数と重量は、分納や同梱の判断が入った瞬間にずれます。倉庫側で箱数が確定してから発行する順序にしておくと、個数違いは減らせます。

運賃区分と支払区分の指定違いは、金額の訂正を伴うため影響が長引きます。元払いと着払いの取り違えは、荷受人への請求誤りとして先方の経理にも波及します。時間帯の指定や温度帯の区分も、受注時の要望欄に書かれたまま発行画面へ引き継がれない例があります。要望欄の自由記述を区分コードへ変換する対応表を持てば、転記の判断が担当者ごとに分かれません。

5項目を並べると、誤りの重さは金額に及ぶかどうかで分かれます。宛先の誤りは配達不能として当日中に判明しますが、支払区分の誤りは請求の段階まで表面化しません。表面化が遅い項目ほど、発行前の確かめに組み込む価値が高いといえます。確かめの順番を設計するときは、この表面化の遅さを基準の1つに置いてください。

項目ごとの誤りは、担当者の不注意として片づけられがちです。発生の場面をたどると、受注の入力欄、倉庫の梱包確定、発行画面への転記という決まった箇所に集まります。箇所が決まっているなら、そこへ確かめの手順を差し込めば再現性のある手立てになります。次の節では、その差し込み先を3つの段に分けて整理します。

自社の商流に合わせた要件整理を進めたい場合は、無料相談で要件を整理するのが近道です。

出荷前に確かめる順番の設計

確かめは1回にまとめず、受注確定の前、発行の直前、引き渡しの時という3つの段に分けると効きます。段ごとに直せる範囲が違うためです。受注確定の前なら宛先そのものを顧客へ確かめられますが、発行の直前では書式の整合しか直せません。引き渡しの時に見つかる誤りは、貼り替えと積み替えを伴うため、費用と時間の負担が大きくなります。前段で捕まえるほど、後段の作り直しは減ります。

受注確定の前に確かめるのは、宛先と条件の妥当性です。郵便番号と住所の組み合わせが照合できるか、建物名の欄が桁あふれしていないかを、受注登録の時点で判定します。納品先が複数拠点にまたがる注文では、どの拠点へ何個送るかを確定させてから受注を締めます。この段で捕まえた誤りは、顧客への確認1本で解決でき、倉庫作業には影響しません。

受注確定の前・発行の直前・引き渡しの時の3段を順に並べた図
出荷前の確かめを3つの段に分けた流れ

発行の直前に確かめるのは、受注データと現物の一致です。梱包が終わって箱数が確定した後に発行へ進む順序にすると、個数違いの発行を避けられます。運賃区分・支払区分・時間帯の指定は、受注時の指定と発行画面の値を並べて照合します。照合を人の記憶に委ねず、画面上で並べて見える形にする点が、確かめの速さを保つ条件になります。

引き渡しの時に確かめるのは、貨物と伝票の対応です。伝票の枚数と箱数、伝票番号と梱包の紐づけを、運送事業者へ渡す前に突き合わせます。ここでの誤りは、集荷後に判明すると追跡と回収の手間が加わります。引き渡しの記録を残しておくと、後から原因を追う際に、どの段で誤りが混入したかを切り分けられます。

3つの段へ配分するときは、確かめる項目の総数を増やさない形にすると続きます。受注確定の前に宛先と条件、発行の直前に個数と区分、引き渡しの時に枚数と紐づけと割り振れば、1つの段で扱う項目は2つ前後に収まります。1段あたりの作業が短いほど、出荷が立て込む時期でも手順が省かれにくくなります。省かれた段があったかどうかは、記録の有無で後から判定できます。

3つの段は、担当する部署が異なる点にも注意が要ります。受注確定の前は営業事務、発行の直前は倉庫、引き渡しの時は出荷担当という具合に、責任の持ち手が変わります。段の境目で情報が落ちると、前段の確かめ結果が後段へ伝わりません。段をまたぐ引き継ぎ項目を決め、記録として残す形にしておけば、境目での欠落を抑えられます。

この3段を仕組みとして組むには、受注システムの項目定義を読み解く力、住所データの整備、発行システムの取り込み仕様の理解が要ります。加えて、倉庫の作業動線を崩さない形で確かめの手順を差し込む設計も欠かせません。内製で進める場合は、受注・倉庫・情報システムの3部門から担当者を出し、現行フローの棚卸しから着手することになります。棚卸しを省いて画面だけ作ると、現場で使われない手順が積み上がります。

確かめの順番を設計しないまま件数だけを追うと、負担が現場に偏ります。全件を目視で二重確認する運用は、出荷が伸びた時期に崩れやすくなります。段ごとに確かめる項目を絞り、機械で照合できるものは機械へ任せる切り分けが要ります。運用を始めると、想定していなかった例外が段の隙間から現れます。隙間が見つかるたびに、どの段で捕まえるべきだったかを決め直すと、手順が実態へ寄っていきます。

受注データから送り状までの引き継ぎを検証する方法

住所・品名・個数・運賃区分・支払区分の5項目を列挙した図
作り直しの引き金になりやすい記載項目

引き継ぎの検証は、取込レイアウトの点検、住所データの照合、差し戻しの判断基準という3点で組み立てます。送り状の発行システムには、CSVなどのファイル取り込みや住所録の利用に対応した案内が公開されています67。取り込む側の仕様へ自社の受注データを合わせられているかを確かめれば、発行の段階での手直しは減らせます。仕様は改定されるため、公式の案内を都度確かめる運用が前提になります。

取込レイアウトの点検では、項目の並び順ではなく、項目の意味の対応を確かめます。自社の「届け先名1」が発行システムのどの欄へ入るか、桁数の上限を超えたときに切り捨てられるのか弾かれるのかを、仕様の記載で確かめます。桁あふれが黙って切り捨てられる設定は、誤りが表に出ないまま出荷まで進むため注意が要ります。取り込み形式や住所録の扱いは各社の公式案内に記載があり、本稿では2026年9月に確認できた範囲を前提にしています67。

取込の仕様が改定されると、対応表の一部だけが古くなります。送り状の発行システムの公式案内には、取り込むファイルの形式や住所録の扱いが示されており、改定への追随は利用する側の作業として残ります67。改定の告知を受け取る窓口を社内で1つに決め、確認した日付を対応表へ書き添えてください。日付が残っていれば、どの時点の仕様に合わせた対応表かを後から判定できます。

項目対応の土台には、公表された標準の項目定義を使えます。物流情報の標準ガイドラインは2025年にver3.00へ改訂され、企業間で交換する情報項目の名称と意味が整理されています*1。自社項目を標準の項目名へ対応づけておけば、取引先や事業者が変わっても、対応表の作り直しは差分だけで済みます。個社ごとに一から対応を作る運用に比べ、変更時の負担を抑えられます。

住所データの照合は、更新の反映と表記の正規化の2つで構成します。郵便番号データは公式にCSV形式で配布され、更新の時点が示された形で提供されています*8。取り込みの周期を決め、反映の記録を残しておけば、旧番号のまま残っている宛先を特定できます。正規化では、全角と半角、ハイフンの有無、漢数字と算用数字を1つの形へそろえます。

照合には限界もあります。郵便番号と住所の組み合わせが成立していても、宛先の部署名や担当窓口が古いままなら、荷物は先方で滞留します。機械で照合できるのは形式の整合までで、宛先の実在は取引の中でしか確かめられません。取引先へ届け先情報の更新を定期的に依頼する運用を、照合と併せて持つ必要があります。

取込エラーが出たときの判断のよりどころは、あらかじめ決めておきます。その場で修正して進めてよいのは、表記の正規化で解決する誤りに限られます。宛先そのものや個数に関わる誤りは、受注データ側を直してから取り込み直す扱いにします。発行システム側だけを直すと、受注データと送り状の内容が食い違い、次回以降も同じ誤りが再現します。

White industrial building, loading docks b9 and b10
▽ 写真の出典元

再発行の判断でも、直す場所の原則は変わりません。誤りを見つけた段が後になるほど、直す範囲は伝票だけでなく積み付けや請求へ広がります。再発行に至った案件は、受注データの修正と原因の記録をひと組で扱ってください。検証の作業は一度きりではなく、受注システムの改修、事業者の案内の改定、取引先の追加という3つの契機で対応表は古くなります。契機ごとに棚卸しの時期を紐づけておけば、気づかないうちに古くなる事態を避けられます。

標準コードと物流ラベルによる照合の取り入れ方

照合の精度を上げる手立てとして、輸送梱包単位を一意に識別する番号と物流ラベルの読み取りがあります。出荷梱包シリアル番号は18桁で構成され、拡張用の1桁、事業者コード、シリアル番号、末尾の検査用の数字を組み合わせて採番します*4。番号を梱包ごとに付けておけば、事前に送った出荷データと現物を機械で突き合わせられます。目視の読み合わせを置き換える取り組みとして、段階を踏んで導入できます。

出荷梱包シリアル番号は、応用識別子(00)を先頭に付けてバーコードへ格納します*4。同じ番号を再び使わない運用が前提で、梱包を1つずつ区別できる点に価値があります。桁の構成が定まっているため、読み取った値の妥当性を末尾の数字で判定できます。読み取りの時点で誤りを弾ければ、伝票の貼り間違いは引き渡しの前に見つかります。

18桁の内訳のうち、事業者コードとシリアル番号の桁の配分は、事業者コードの桁数に応じて変わります*4。採番できる梱包の総数はこの配分で決まるため、出荷量の見通しを踏まえて桁を決める必要があります。番号を使い切ってから配分を変えると、過去に使った番号との重複を避ける管理が加わります。最初の設計で余裕を見ておく方が、後の負担は小さく収まります。

突き合わせの流れは、出荷側が梱包の内容を事前にデータで送り、受け取り側が現物のラベルを読み取って照合する形です。梱包単位の番号が鍵になるため、番号と中身の対応をデータ側で確定させてから出荷します。照合の結果が合わなければ、荷受けの時点で差異が判明し、後日の調査を省けます。取引先との間で、送るデータの項目と送信の時点を先に取り決めておく必要があります。

梱包単位の識別と情報の連携は、業界横断の取り組みとしても位置づけられています。関係省庁が2022年にとりまとめた行程表では、2040年を目標年次として物流資源の共有化に向けた道筋が示されました*3。個社の効率化にとどまらず、荷主と事業者の間で情報の形をそろえる方向が明示されている点が要点です。自社の照合の仕組みを設計するときも、外部と接続できる形を選んでおけば後の手戻りを抑えられます。

日次から四半期までの4段階の運用周期を時系列で並べた図
件数と原因を回す4つの周期

読み取りの仕組みを入れても、人が見る帳票としての設計は残ります。帳票の設計基準を定めた日本産業規格は1953年に制定され、2008年に改正されています*5。欄の区切り、記入の位置、文字の大きさといった基本を規格の考え方へ沿わせると、現場での読み違いを抑えられます。自社で様式を作る場面では、規格の適用範囲の記載を確かめたうえで欄の配置を決めてください。

導入は、全社一斉ではなく取引先1社と1品目から始める順序が現実的です。採番の規則、ラベルの印字、読み取りの機器、データ送信の4点を同時に決める必要があり、いずれか1つが欠けると照合は成立しません。4点のうち採番の規則は後から変えにくいため、最初に取り決めておく項目になります。取引先の受け入れ体制も要件になるため、社内の準備だけでは完結しません。

内製で組む場合と外部の支援を受ける場合では、詰まる箇所が変わります。内製では、標準の仕様書を読み解く工数と、既存システムの改修範囲の見極めに時間がかかります。外部へ委ねる場合は、仕様の解釈と接続の実装を任せられる一方、自社の運用要件を言語化して渡す作業が残ります。どちらを選ぶにせよ、採番の規則と項目対応の決定は自社に残る判断です。

作り直しの件数を測る指標と改善の回し方

改善を続けるには、件数を数える指標と、原因を分類する記録が要ります。指標は再発行の件数と出荷件数の比で置き、原因は記載項目ごとに分類します。運用の周期は、日次の記録、週次の分類、月次の見直し、四半期の共有という4段で回すと定着します。物流の指標は公表資料でも検討の段階にとどまる記述があるため、自社の定義を文書化し、算出の範囲を明示したうえで用いてください。

指標は、母数と対象を先に決めます。再発行の件数を分子に置くなら、分母は同じ期間の出荷件数か伝票の発行枚数のどちらかへそろえます。分母が揺れると、月ごとの比較ができません。貼り替えだけで済んだ件と、集荷後に回収した件を分けて数えると、負担の重さの違いが指標に表れます。

指標の定義には、算出の範囲と除外の条件を書き添えます。天候や事故による再集荷のように、記載事項と関係のない事由は別枠へ寄せると、確かめの効き目が読み取りやすくなります。除外した件数も総数としては残し、比較の際に併記してください。除外の条件を途中で変えると、過去の月との比較が成り立たなくなります。

日次から四半期までの4段階の運用周期を時系列で並べた図
件数と原因を回す4つの周期

再発行と誤出荷は、別の指標として扱います。再発行は出荷の前に気づいた件で、誤出荷は先方へ届いてから判明した件です。前者が増えて後者が減っている状態は、確かめが働いている経過と読めます。2つを合算すると、この変化が見えなくなります。

原因の分類は、記載項目の区分をそのまま使うと迷いが減ります。住所と郵便番号、品名と荷造り、個数と重量、運賃区分、支払区分の5区分に、取込エラーと機器の不具合を加えた形が扱いやすい単位です。記録する項目は、発生の日、区分、気づいた段、直した内容の4つに絞ります。項目を増やすほど記入が滞るため、日次の記録では絞り込みが効きます。

4段の周期は、段が上がるほど記録の粒度を粗くする点が要点です。日次では4項目の記入にとどめ、週次は区分ごとの件数、月次は打ち手の決定、四半期は推移の共有へと扱う単位を大きくします。同じ粒度で4回繰り返すと、似た集計を4度作る手間だけが増えます。粒度を段ごとに変える形にすれば、記録の負担が日次へ集中せずに済みます。

週次の分類では、日次の記録を区分ごとに集計し、件数の多い区分を2つまで選びます。月次の見直しでは、選んだ区分に対して確かめの段を変えるか、対応表を直すかを決めます。打ち手を1か月に2件までへ絞れば、効果の帰属を判定できます。同時に5件を変えると、何が効いたのかを後から切り分けられません。

四半期の共有では、倉庫・受注・情報システムの3部門で件数の推移と打ち手を並べます。共有の目的は担当部門の評価ではなく、次の投資判断の材料をそろえることです。件数の推移と作業の時間を並べて示せば、仕組みへの投資が費用に見合うかを議論できます。数値がそろっていない段階では、条件を付けた見込みとして示し、断定は避けてください。

回し方が続かない原因は、記録の負担が現場へ片寄ることに集まります。記録の欄を絞り、発行システムの操作履歴から拾えるものは自動で拾う軽量化を先に組み込んでください。指標の定義と記録の様式を文書として残せば、担当者の交代でも継続できます。どの段で誤りを捕まえられているかが見える形になれば、確かめの順番そのものを検証できます。件数が下がらない時期でも、捕まえる段が前へ移っていれば改善は進んでいます。

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よくある質問

送り状の作り直しを減らす取り組みは、どこから着手すると効果が出やすいですか。

原因の記録から着手する形が現実的です。件数と原因が残っていない段階で手順だけ増やすと、現場の負担が先に増えます。1〜2週間ほど記載項目の区分で記録を取り、件数の多い区分から確かめの段を差し込む順序にしてください。記録の様式は、発生の日・区分・気づいた段・直した内容の4項目で足ります。

手書きの送り状を残したまま、照合の仕組みを取り入れられますか。

併存は可能ですが、手書きの分は機械での照合の対象外になります。梱包単位の番号と事前の出荷データで突き合わせる方式は、印字したラベルを前提にしています*4。急な追加出荷など手書きが残る場面は、対象を限って件数を数え、別の手順で確かめる扱いにしてください。

発行システムの取り込み仕様は、どのくらいの頻度で確かめるとよいですか。

自社の受注システムを改修する時、事業者の案内が改定された時、取引先を追加する時の3つの契機ごとに確かめる運用が向いています。取り込める形式や住所録の扱いは各社の公式案内に記載があり、内容は改定されます*6*7。確かめた時点を対応表へ書き添えておくと、次の見直しで差分をたどれます。

郵便番号のデータは、どのように取り込めばよいですか。

公式に配布されるCSV形式のデータを取り込み、反映した時点を記録へ残す形が基本になります*8。7桁の番号と住所の対応は更新されるため、取り込みの周期を決めておかないと旧番号が残ります。取り込みの後は既存の住所録との差分を出し、変更のあった宛先だけを確かめる進め方が負担を抑えます。

送り状の様式を自社で作る場合、何を基準にすればよいですか。

帳票の設計基準を定めた日本産業規格の考え方が土台になります。1953年に制定され2008年に改正された規格で、欄の区切りや記入の位置に関する考え方が示されています*5。運送事業者が指定する様式がある場合はそちらが優先されるため、指定の有無を先に確かめてください。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. *1 出典:国土交通省「報道発表資料『物流情報標準ガイドライン』をver3.00に改訂しました」(2025年) 経路
  2. *2 出典:国土交通省「標準運送約款(標準貨物自動車運送約款・最終改正 令和7年国土交通省告示第193号)」(2025年) 経路
  3. *3 出典:経済産業省・国土交通省「報道発表資料 フィジカルインターネット・ロードマップをとりまとめました!」(2022年) 経路
  4. *4 出典:GS1 Japan(一般財団法人流通システム開発センター)「識別コード解説 SSCC(出荷梱包シリアル番号)」(2026年9月に内容を確認) 経路
  5. *5 出典:一般財団法人日本規格協会「JIS Z 8303:2008 帳票の設計基準(規格情報)」(2008年改正・1953年制定) 経路
  6. *6 出典:ヤマト運輸株式会社「送り状発行システムB2クラウド サービス案内」(2026年9月に内容を確認) 経路
  7. *7 出典:佐川急便株式会社「送り状発行サポート e飛伝Ⅲ サービス案内」(2026年9月に内容を確認) 経路
  8. *8 出典:日本郵便株式会社「郵便番号データダウンロード(郵便番号・デジタルアドレスAPI、CSV形式データ)」(2026年9月に内容を確認) 経路

画像の出典元

  1. Stacks of wooden pallets in an outdoor storage area/Photo by Sergej ***** on Unsplash
  2. White industrial building, loading docks b9 and b10/Photo by Yuri Krupenin on Unsplash
  3. standing man in orange t-shirt holding white box/Photo by Reproductive Health Supplies Coalition on Unsplash

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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