◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 資材の掛け売りで生じる売掛金の費用は、取引ごとに債権額へ率でかかる資金化の手数料と、毎月かかる請求書の発行・管理の月額という、性質の違う二系統に分かれる。
- 下請法の対象となる下請取引では手形等のサイトを60日以内とすることが求められており、入金までに数十日単位の空白が生じることが前提になっている。ただしすべての掛け売りに適用される規制ではない。
- ファクタリングの手数料はある事業者の公表で2社間4%〜、3社間2%〜だが、いずれも下限であり、債権額が大きい資材取引では同じ率でも差し引かれる実額が膨らむ。
- 料金より先に、売掛先が個人事業主である売掛金や不良債権などが買取対象外となる条件に自社の債権が当たらないかを確かめる必要がある。
- 請求書発行システムの月額は、楽楽明細が発行件数やオプションで変動する25,000円〜(税抜)、マネーフォワード クラウド請求書が利用者数の規模で2,480円/4,480円/6,480円(年払い時・税抜)と、費用が変わる要素そのものが異なる。
目次

資材を掛けで売った後、資金繰りが苦しくなるのはなぜか
資材を納品し、請求書も出した。
それでも入金は翌月末、取引先によっては翌々月。
その間にも仕入代金と運賃、人件費は先に出ていきます。
この空白期間をどう埋めるかで、売掛金にかかる費用の見方は変わります。
売掛金の費用は性質の違う二系統に分かれます。
ひとつは入金を待たずに債権を現金化するときに差し引かれる手数料率型で、ある事業者の公表では2社間4%〜、3社間2%〜です2。
もうひとつは請求書の発行や管理を続けるための月額型で、月額25,000円〜(税抜)という料金体系4や、月額2,480円〜(年払い時・税抜)というプラン制5があります。
前者は取引のたびに、後者は毎月かかります。
足りないのが資金なのか、手なのか。
そこを分けると、見るべき費用が決まります。
納品から入金までに何が起きているか
資材の掛け売りでは、代金を受け取る前に支出が先行します。
仕入や在庫の確保、運搬、現場への納品まで済ませてから請求書を出し、そこからさらに締め日と支払期日を待つためです。
月末締め・翌月末払いのような取引先ごとの慣行が決まっていると、たとえば4月に納めた資材の代金は5月末まで入りません。
その間、4月に支払った仕入代金は自社が立て替えている状態が続きます。
この立て替えは、取引が増えるほど重くなります。
1件あたりの金額が大きい資材取引では、数件の納品が重なっただけで立て替え額が月商に近づくこともあります。
売上が伸びているのに手元の現金が薄くなる、という感覚はここから生まれます。
帳簿の上では売掛金という資産が積み上がっていても、その資産では仕入先への支払いはできないためです。
支払いまでの期間に置かれている上限
この空白期間には、制度上の目安があります。
下請法の対象となる下請取引について、下請代金の支払に係る手形等のサイトは60日以内とすることが求められています1。
この通達は2021年に発出され、おおむね3年以内を目途に可能な限り速やかに実施することが求められました1。
ただし、これはすべての掛け売りに一律で適用されるものではありません。
対象は資本金区分などの要件に該当する親事業者と下請事業者の間の下請取引で1、それ以外の取引では支払いまでの期間は契約や取引慣行で決まります。
自社の掛け売りがどちらに当たるかは、取引先との資本金の関係と取引の内容で変わるため、一律の日数として当てにはできません。
それでも、この上限が教えてくれることがあります。
入金までに数十日単位の間が空くことは、制度の側でも前提として扱われているということです。
つまり、資材を掛けで売る限り、その期間の資金をどう回すかという問題は避けられません。
売掛金に費用をかけてでも何かを変えるとしたら、変えられるのはこの期間そのものか、この期間に生じる請求と入金の管理作業のどちらかです。
売掛金にかかる費用にはどんな種類があるか
取引ごとに差し引かれる費用と、毎月出ていく費用
「売掛金の費用」と一口に言っても、支払う理由がまったく違う二種類が混ざっています。
ひとつは、入金を待たずに売掛債権を現金化するときに売掛金額から差し引かれる手数料です。
資金が入る時期を前倒しする代価で、売掛金額に対する率で決まります。
もうひとつは、請求書の発行や送付、控えの保管といった業務を続けるための月額費用です。
こちらは毎月の作業を軽くする代価で、売掛金の額そのものとは連動しません。
この二つは、発生の仕方が逆向きです。
手数料型は、資金化した取引にだけ、その都度かかります。
使わない月はゼロですが、大口の債権を回せば一度で数万円から数十万円が差し引かれます。
月額型は、資金繰りが楽な月でも同じように毎月かかります。
その代わり、請求書を何十件出そうと料金の増え方は件数やプランの区切りに沿って緩やかです。
検索結果に「月額◯円」と「手数料◯%」が並んで表示されると、どちらが安いのかを比べたくなります。
ですが、比べるべきは金額ではなく、自社で何が詰まっているかです。
入金日までの現金が足りないのか、それとも請求書を作って送って消し込む手が足りないのか。
困っている場所が違えば、払う費用の種類も変わります。
混同したままだと選び間違えること
性質を分けずに検討すると、判断がずれます。
たとえば、入金までの現金が足りない月があるのに、月額の請求管理システムを導入しても、入金日そのものは動きません。
請求書を出す速さは上がっても、取引先の支払期日は契約で決まっているためです。
逆に、資金には余裕があり、担当者が毎月の請求書作成に追われているだけなら、債権を割り引いて現金化しても作業は減りません。
どちらも「売掛金に関わる費用」ではありますが、解いている問題が別だということです。
そしてこの二つは、どちらか一方を選ばなければならない関係でもありません。
資金化は特定の月の特定の債権に対して、請求管理は毎月の業務に対して働くため、併用しても目的はぶつかりません。
以降では、それぞれの費用が実際にいくらで、どんな条件がつくのかを、公表されている料金で確かめていきます。
資金化を急ぐ場合:ファクタリングの手数料相場
2社間・3社間ファクタリングの手数料の違い
ファクタリングは、支払期日前の売掛債権を事業者へ売却して現金化する方法です。
契約の形は大きく二つで、自社と事業者の二者で契約する方式(2社間)と、売掛先を含めた三者で契約する方式(3社間)に分かれます。
手数料率は事業者ごとに設定されており、ファクタリング事業を手掛ける株式会社ビートレーディングの場合、2社間は4%〜、3社間は2%〜と公表されています2。
この「〜」が意味するところは重要です。
公表されているのは下限であり、実際の率は個別の審査で決まります。
ファクタリングで事業者が回収するのは売掛先からの入金ですから、売掛先がどこか、支払いの実績がどうかによって条件が変わります。
下限の率でそのまま計算した金額は、最も軽い場合の目安と考えるのが安全です。
金額に置き換えてみます。
200万円の資材代金を下限の4%で2社間の契約により資金化したとすると、差し引かれるのは8万円で、手元に入るのは192万円です。
3社間の下限2%なら4万円です。
ここで効いてくるのは、率そのものよりも債権の大きさです。
資材取引のように1件が大きいと、同じ率でも差し引かれる実額は大きくなります。
手数料率だけを見て安いと判断せず、自社が実際に回そうとしている債権の金額を掛け合わせて確かめる必要があります。
対象外となる売掛金・利用できる事業者の条件
率の比較より先に確かめたいのが、自社の売掛金がそもそも買取の対象になるかです。
同社は、給与債権、不良債権、売掛先が個人事業主である売掛金の買取は行っていないとしています3。
資材の掛け売りでは、ここが実務上の分かれ目になることがあります。
取引先が法人の工務店や建設会社であれば通常の売掛金ですが、個人事業として営む職人や一人親方に掛けで納めている分は、同社の条件では対象から外れます。
相手先ごとに扱いが変わるということです。
金額と申込者の区分にも条件があります。
対象となる買取金額は1万円から30億円で、法人・個人事業主・フリーランスで条件が異なり、300万円以上の調達を希望する個人事業主・フリーランスは別窓口となるとされています3。
なお、自社が個人事業主であることと、売掛先が個人事業主であることは別の話です。
前者は条件が異なるという扱い、後者は買取対象外という扱いで、混同すると見込みを誤ります。
時間についても記載があります。
同社は審査が最短2時間で完了するとしています3。
ここで読み分けたいのは、公表されているのが審査にかかる時間だということです。
書類をそろえる時間や契約の手続きを含めた、入金までの全体の日数がそれと同じとは限りません。
支払いに間に合わせたい期日があるなら、審査時間ではなく「いつ振り込まれるか」を基準に確認したほうが確実です。
以上はいずれも同社1社が公表している条件であり、他の事業者では手数料率も対象条件も異なります23。
ここで押さえたいのは個別の数値ではなく、ファクタリングの費用が「率×債権額」で決まり、その前に対象になるかどうかの関門があるという構造のほうです。
| 契約の方式 | 手数料率(同社の公表) |
|---|---|
| 2社間 | 4%〜 |
| 3社間 | 2%〜 |
| 確認する項目 | 同社が公表している内容 |
|---|---|
| 買取の対象金額 | 1万円〜30億円 |
| 買取の対象外 | 給与債権・不良債権・売掛先が個人事業主の売掛金 |
| 申込者の区分 | 法人・個人事業主・フリーランスで条件が異なる(300万円以上の調達を希望する個人事業主・フリーランスは別窓口) |
| 審査の時間 | 最短2時間で完了するとしている |
継続的な管理を重視する場合:請求書発行・売掛金管理システムの月額費用
楽楽明細の料金体系
掛け売り先が増えると、詰まるのは資金だけではありません。
締め日ごとに取引先別の納品を集計し、請求書を作り、印刷して封入し、郵送する。
この作業が月末に集中します。
ここを軽くする側の費用が、請求書の発行・管理を行うシステムの月額費用です。
株式会社ラクスの楽楽明細は、月額費用25,000円〜(税抜)と公表されています4。
料金は帳票の発行件数やオプションに応じて変動する、固定と従量を組み合わせた体系です4。
つまり、25,000円は下限であって、自社の請求書発行件数が決まらないと月額は確定しません。
見積もりを取るときには、月あたり何件の帳票を出しているかを先に数えておくと話が早く進みます。
この料金体系は、件数が読める事業者にとっては見通しが立てやすい形です。
資材の掛け売りでは、取引先数と納品の回数から月の発行件数がおおよそ決まります。
逆に、繁忙期と閑散期で発行件数が大きく振れる場合は、どの件数帯で料金が変わるのかを確認しないと、月によって費用が想定を超えることがあります。
マネーフォワード クラウド請求書のプラン
株式会社マネーフォワードのマネーフォワード クラウド請求書は、利用者数の規模に応じて三つのプランに分かれています5。
年払い時・税抜で、ひとり法人が月額2,480円5、スモールビジネスが月額4,480円5、ビジネスが月額6,480円です5。
初期費用は0円で、1ヶ月間の無料トライアルが用意されています5。
楽楽明細と並べると、費用が変わる要素が違うことが見えます。
一方は発行件数やオプションで、もう一方は使う人数の規模です45。
経理担当が一人で、取引先ごとの請求書を毎月まとまった数だけ出しているのか。
複数の担当者が拠点ごとに請求を立てているのか。
自社の体制がどちらに近いかで、同じ「月額費用」でも効いてくる条件が変わります。
なお、今回確認したのはいずれも請求書など帳票の発行・管理にかかる料金ページです45。
入金の消し込みや取引先の与信管理まで同じ費用の範囲で賄えるかは、この料金の情報だけでは判断できません。
売掛金の管理として何をどこまで任せたいのかを先に書き出し、各社の案内で対応範囲を確かめてください。
| サービス | 月額費用 | 費用が変わる要素 |
|---|---|---|
| 楽楽明細 | 25,000円〜(税抜) | 帳票の発行件数・オプション |
| マネーフォワード クラウド請求書 | ひとり法人2,480円/スモールビジネス4,480円/ビジネス6,480円(年払い時・税抜) | 利用者数の規模によるプラン区分 |
資金化を急ぐか、継続管理を重視するかの選び方
どちらの費用が自社で大きくなるかを計算で確かめる
ここまでで、二系統の費用の中身は具体的な金額として出そろいました。
残るのは、自社でどちらを先に手当てするかという判断です。
これは編集部として、確認できた価格例を並べたうえでの整理になります。
個別の事情で答えは変わるため、決め方の道筋として読んでください。
まず、金額の効き方が違います。
手数料率型は債権額に比例するため、1件が大きい資材取引では実額が膨らみます。
先の例のように200万円の債権を下限4%で回せば8万円です2。
これを毎月続ければ、年間では相当な額になります。
一方、月額型は件数や人数の区切りで決まるため、取引額が増えても料金は同じ区分にとどまります45。
そこから導けるのは、単純な高い安いではなく、頻度と目的の違いです。
資金化の手数料は、必要な月に必要な債権だけ使えば一度で済みます。
資金繰りの山を越えるための一時的な費用として使うなら、月額型と比べる相手ではありません。
逆に、請求書の発行が毎月確実に発生する固定業務であるなら、そこにかかる月額は毎月の作業時間と交換している費用です。
なお、ここで並べた金額はいずれも各社1社の公表例であり、業界の相場を示すものではありません245。
対象とする業種や企業規模も各社で異なるため、資材業界全体の水準として読むことはできません。
自社が実際に見積もりを取る際の、桁の感覚として使うにとどめてください。
困っている場所から順に切り分ける
判断を具体的に進めるなら、費用の資料を並べる前に、自社の予定表を並べるほうが早く決まります。
向こう数ヶ月の入金予定日と、仕入先への支払予定日を月ごとに書き出します。
不足する月があるなら、その月に充てられる債権はどれかを特定し、その債権額に手数料率を掛けて実額を見ます。
不足がないなら、毎月の請求書発行に何時間かかっているかを数えて、月額費用と見比べます。
二つが同時に苦しいという場合もあります。
掛け売り先が増えた局面では、立て替え額と請求作業が一緒に膨らむためです。
その場合でも、片方を選ぶ必要はありません。
資金化は特定の月の資金不足に、請求管理は毎月の作業に効くもので、解いている問題が違うためです。
優先順位を決めるとすれば、期日に間に合わないという事態を先に回避し、そのうえで毎月の業務を整えるという順になります。
契約前に確認すべき利用条件・注意点
自社の売掛金が条件に当てはまるかを先に見る
料金の比較は、自社の売掛金がその対象になって初めて意味を持ちます。
先に見たように、給与債権や不良債権、売掛先が個人事業主である売掛金を買取の対象外としている事業者があります3。
資材の掛け売り先に法人と個人事業が混在しているなら、売掛金の一覧を取引先の形態で分けてから相談すると、実際に資金化できる金額が最初に分かります。
総額では足りていても、対象になる分だけでは不足する、という取り違えを防げます。
金額の下限と上限も同じです。
対象となる買取金額を1万円から30億円とする例がありますが3、これは1社の条件です。
他社では扱う金額帯が違います。
少額の売掛金を数多く抱えている場合と、大口が数件という場合では、相談先の向き不向きが変わる可能性があります。
月額型のシステムを検討する場合も、確認の順番は同じです。
公表されている25,000円〜や2,480円〜という金額は、それぞれ発行件数や利用者数の条件に紐づいた下限やプランの区切りです45。
自社の月あたり発行件数と、実際に操作する人数を数えたうえで見積もりを依頼すると、比較できる金額が返ってきます。
逆に、この二つが決まらないまま料金表だけを見比べても、差は判断できません。
公表情報では確認できない項目は直接聞く
今回確認できた範囲では分からない項目もあります。
ファクタリングの契約期間や解約の条件、審査で何をどこまで見るのかという基準は、公表資料からは確かめられませんでした。
これらは費用と同じくらい実務に効く条件です。
継続して利用するつもりがあるなら、1回限りの取引として扱われるのか、枠のような形で継続するのかを、契約前に事業者へ直接確認してください。
確認の仕方としては、公表されている項目と、聞かないと分からない項目を分けて質問すると噛み合いやすくなります。
手数料率の下限や対象金額、対象外の債権は公表されているので、こちらから自社の条件を示して当てはまるかを問う形になります23。
契約期間、解約時の扱い、振込までの実際の日数、必要書類は、自社の取引内容を前提に答えてもらう項目です。
月額型でも、料金ページに出ている金額のほかに、初期費用やオプション、最低契約期間の有無を確かめておくと見積もりの差が読めます。
初期費用0円、1ヶ月間の無料トライアルを案内している例もあり5、実際の運用に載せてから判断できる場合もあります。
掛け売り先へ請求書がどの形式で届くのか、取引先側で受け取りに支障がないかも、切り替え前に確認しておきたい点です。
請求書の届き方が変わると、支払いが遅れる原因にもなり得ます。
費用の性質と、金額より先に見るべき条件の並びはここまでで整理できました。
残るのは、自社の取引がそれぞれの条件に当てはまるかという個別の確認です。
取引ごとに差し引かれる手数料と毎月かかる月額のどちらを先に見直すべきかは、掛け売り先の数、1件あたりの金額、入金までの日数を並べてみないと決まらず、公表されている料金表だけでは自社の答えが出ないためです。
手元の売掛金一覧と入金・支払の予定を持ち込んでいただければ、見積もりを依頼する前の段階で、資金化の手数料と請求管理の月額のどちらが自社で大きくなるか、どの数字を先に数えるべきかを一緒に整理できます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 費用の性質 | 取引ごとに債権額へ率で差し引かれるのが資金化の手数料、毎月かかるのが請求書の発行・管理の月額 |
| 資金化の手数料 | ある事業者の公表で2社間4%〜、3社間2%〜。いずれも下限で、実際は個別の審査で決まる |
| 資金化の可否 | 料金より先に、売掛先の形態や債権の種類が買取の対象になるかを確認する |
| 月額費用 | 楽楽明細は25,000円〜(税抜)で発行件数・オプション変動、マネーフォワード クラウド請求書は利用者数の規模で2,480円/4,480円/6,480円(年払い時・税抜) |
| 支払いまでの期間 | 下請法の対象となる下請取引では手形等のサイト60日以内が求められる。対象外の取引は契約と取引慣行による |
| 選ぶ順番 | 入金予定と支払予定を並べ、不足月があれば債権額×手数料率、なければ月の発行件数と人数を数える |
| 契約前 | 契約期間・解約条件・振込までの実日数・必要書類は公表情報では分からないため直接確認する |
対象外となる債権や金額の範囲、契約の条件は事業者ごとに違い、自社の売掛金が当てはまるかどうかは公表情報を読むだけでは判断しきれない部分が残るためです。 売掛先の形態や債権の内訳を当てはめながら、公表情報で確認できる項目と、事業者へ直接聞かなければ分からない項目を仕分けし、問い合わせの際に何を質問すべきかを明確にできます。
よくある質問
下請法の「支払サイト60日以内」のルールは、資材の掛け売りにすべて当てはまりますか
いいえ、すべての掛け売りに一律で適用されるものではありません。
手形等のサイトを60日以内とすることが求められているのは、下請法の対象となる下請取引、つまり資本金区分などの要件に該当する親事業者と下請事業者の間の取引です1。
これに当たらない取引では、支払いまでの期間は契約や取引慣行で決まります。
自社の取引先との関係がどちらに当たるかは、資本金の関係と取引の内容から個別に判断する必要があります。
個人事業主として資材を掛け売りしている場合でも、ファクタリングは利用できますか
事業者によって条件が異なります。
ある事業者では、買取金額を1万円から30億円とし、法人・個人事業主・フリーランスで条件が異なるとしたうえで、300万円以上の調達を希望する個人事業主・フリーランスは別窓口としています3。
注意したいのは、自社が個人事業主であることと、売掛先が個人事業主であることは別だという点です。
同社では売掛先が個人事業主である売掛金を買取の対象外としています3。
自社の立場と、売掛先の形態の両方を伝えて確認してください。
2社間と3社間で、手数料率はどのくらい違いますか
一例として、ある事業者は2社間を4%〜、3社間を2%〜と公表しています2。
これは同社1社の設定で、いずれも下限の値です。
実際の率は売掛先の状況などを含む個別の審査で決まるため、下限のまま確定するとは限りません。
また業界共通の相場でもありませんので、複数の事業者から自社の債権を前提とした条件を取り寄せて比べるのが確実です。
請求書発行システムの月額費用は、なぜプランによって変わるのですか
費用が変わる要素がサービスごとに違うためです。
楽楽明細は月額25,000円〜(税抜)で、帳票の発行件数やオプションに応じて変動する固定と従量の組み合わせです4。
マネーフォワード クラウド請求書は利用者数の規模でプランが分かれ、年払い時・税抜でひとり法人2,480円、スモールビジネス4,480円、ビジネス6,480円です5。
つまり、月あたりの発行件数と、実際に使う人数を先に数えておかないと、自社にとっての月額は決まりません。
資金化と請求管理のシステムは、どちらか一方に絞るべきですか
絞る必要はありません。
売掛債権の資金化は特定の月の資金不足に対して働き、請求書の発行・管理は毎月発生する業務に対して働くもので、解いている問題が違うためです。
ただし費用のかかり方は違います。
手数料は使った取引にだけ債権額に応じてかかり、月額は使わない月も同じようにかかります。
まず期日に間に合わないという事態を避け、そのうえで毎月の業務を整えるという順で検討すると、判断が混ざりません。
- 1 出典:中小企業庁・公正取引委員会「下請代金の支払手段(手形等のサイト)に関する通達」(2021年)
- 2 出典:株式会社ビートレーディング「ファクタリング手数料に関する自社解説記事および公式サイト」(2026年確認時点)
- 3 出典:株式会社ビートレーディング「公式サイト(サービス条件・会社概要)」(2026年確認時点)
- 4 出典:株式会社ラクス「楽楽明細 料金プラン(公式サイト)」(2026年)
- 5 出典:株式会社マネーフォワード「マネーフォワード クラウド請求書 料金プラン(公式サイト)」(2026年)
画像の出典元
- Close-up shot of a hand marking a date on a calendar with a pen, emphasizing planning and scheduling./Photo by Towfiqu barbhuiya on Pexels