◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 欠品の連絡を受けたら、いつ・どれだけ入らないか、代替品の提案、次回入荷を仕入先に聞き、記録してから決める
- 代替・差し替え・停止は、食材の役割、名称や説明が成り立つか、原価と品質の順に見て選ぶ
- 店内のメニュー表示や説明も景品表示法の表示にあたるため、変更は厨房、ホール、客の順に伝え、メニューと説明を実際の料理に合わせる
- 代替品のアレルゲンや産地は規格書などで確かめてから案内に反映し、確認できないうちは「入っていない」と案内しない
- 主な食材の代替候補と連絡ルールを先に決めておくと、欠品の日に何を確かめ、誰に伝えるかで迷う時間を減らせる
目次

欠品の連絡を受けた直後に、仕入先へ確認する4つのこと
仕入先から「明日の分が入らない」と連絡が来て、仕込みもメニューもその場で決めきれないことがあります。
欠品の連絡を受けた直後に迷うのは、代替品を探すか、メニューを差し替えるか、提供を止めるかです。
決める前に、いつ・どれだけ入らないか、代替品の提案はあるか、次回はいつ入るかを仕入先に聞き、やり取りを記録します。
その材料をもとに、食材の役割と客への影響から対応を1つ選びます。
伝えるのは厨房、ホール、客の順です。
客への案内では、店内のメニュー表示や説明も景品表示法の表示にあたる点1と、代替品のアレルゲン確認が要になります。
いつ・どれだけ入らないのか
欠品の連絡で最初に聞くのは、入らないのがいつの納品分で、どれだけ足りないのかです。
「入らない」という一言には、まったく入らない場合と、注文の一部だけ入る場合が混ざっています。
一部でも入るなら、その量で出せる食数を数え、数量限定で提供する道が残ります。
まったく入らないなら、代替品に切り替えるか、メニューを差し替えるか、提供を止めるかの3つから選ぶことになります。
仮の例で考えます。
昼の定食に「鶏もも肉の照り焼き」を出している店に、仕入先から「明日の朝の便の鶏もも肉が注文どおりに揃わない」と連絡が来たとします。
朝の便で予定の一部が届くのか、昼の営業に間に合わない時刻に遅れて届くのかで、厨房の仕込みはまったく変わります。
量と時刻の両方を聞かないと、今夜のうちに別の段取りを組むべきか、明日の朝まで判断を延ばせるかも決められません。
確認する4つは、この「いつ」と「どれだけ」に、代替品の提案の有無と次回の入荷を加えたものです。
どれも、このあと3つの対応から1つを選ぶときの材料になります。
代替品の提案はあるか
次に聞くのは、仕入先から代わりに納められる品があるかどうかです。
提案があれば、品名だけで終わらせず、規格(部位やサイズ、カットの仕方、冷凍か冷蔵か)、産地、価格、届く時刻まで聞きます。
同じ「鶏肉」でも、部位や大きさが違えば火の通り方も、一皿に使う量も変わるからです。
あわせて、規格書を出してもらえるかも聞いておきます。
規格書は、仕入れ品の原材料や規格をまとめた資料のことで、代替品に含まれるアレルゲン(食物アレルギーの原因となる原材料)や産地を確かめるときの手がかりになります。
たれや下味付きの加工品を代替する場合、元の品になかった原材料が入っていても、品名を見ただけでは分かりません。
代替品をどこまで提案してもらえるか、欠品のときにどう扱うかは、仕入先との取引条件によって違います。
提案がないときは、別の仕入先に当たるか、手持ちの食材で代わりを考えるかを、次の判断の中で検討します。
次回はいつ入るのか
もう1つ聞くのが次回の入荷です。
欠品が明日1日で終わるのか、しばらく続くのかで、選ぶ対応は変わります。
1日だけなら、数量限定や一時的な提供停止でしのぎ、メニュー表を書き換えずに済ませる判断もありえます。
しばらく続くなら、日々の口頭の案内でつなぐより、メニューを差し替えて表示と実際の料理を合わせておくほうが、毎回の説明に頼らずに済みます。
仕入先も見通しが立たず「未定」と答えることがあります。
その場合は、いつ改めて連絡をもらうかを決めておきます。
見通しの連絡日が決まっていれば、その日までは暫定の対応、その日以降は差し替えを検討する、というように判断を区切れます。
連絡と確認を記録に残す
4つを聞き終えたら、誰から、いつ、何を聞いたかを書き留めます。
電話で受けた連絡は、内容が受けた人の記憶にだけ残りがちです。
受けた人が厨房に伝え、厨房からホールに伝わるうちに「一部は入る」が「入らない」に変わってしまえば、出せたはずの食数まで止めることになります。
記録には、連絡を受けた日時、仕入先の担当者、欠品する品と数量、代替品の提案内容、次回入荷の見通し、自店で決めた対応を残します。
同じ仕入先で欠品が重なったときには、取引を見直す材料にもなります。
| 仕入先に聞くこと | その後の判断で使う場面 |
|---|---|
| いつの納品分が入らないか | 今夜のうちに段取りを変えるか、明日の朝まで判断を延ばせるか |
| どれだけ足りないか | 一部入荷なら数量限定で出せる食数 |
| 代替品の提案はあるか | 規格・産地・価格・規格書をもとにした代替の確認 |
| 次回はいつ入るか | 一時的な停止でしのぐか、メニューを差し替えるか |
▼ 図の内容を文字で読む
- 仕入先に4つ聞く:いつ・どれだけ入らないか、代替品の提案、次回の入荷
- やり取りを記録する:誰から、いつ、何を聞いたかを書き留める
- 対応を1つ選ぶ:食材の役割と客への影響から選ぶ
▼ 図の内容を文字で読む
- 1日だけ欠ける
- 数量限定や一時的な提供停止でしのぐ
- メニュー表を書き換えずに済ませる判断もある
- しばらく続く
- メニューを差し替える
- 表示と実際の料理を合わせ、毎回の説明に頼らない
- 見通しが未定
- 改めて連絡をもらう日を決める
- その日までは暫定の対応、その日以降は差し替えを検討する
代替品・メニュー差し替え・提供停止の選び方
食材の役割で分ける
対応を選ぶときに最初に見るのは、欠品した食材がその料理で何を担っているかです。
料理名に入っている食材や、その料理を目当てに来る客がいる食材は主役です。
付け合わせや薬味、彩りのように、替えても料理の性格が変わらない食材は脇役です。
照り焼き定食の例なら、鶏もも肉は主役で、付け合わせのいんげんは脇役です。
いんげんが欠品したなら、別の青菜に替えても、客が受け取る料理はほとんど変わりません。
鶏もも肉が欠品したときは、むね肉に替えただけで、料理名や説明と中身が合わなくなるおそれが出てきます。
脇役の欠品は代替で収まりやすく、主役の欠品ほど差し替えや停止まで考える必要が出てきます。
客への影響と名称の成り立ち
主役の食材を替えるときに確かめるのは、代替品を使っても今の料理名や説明が成り立つかです。
メニューに「鶏もも肉」と書いてあれば、むね肉で出した時点で、書いてあることと出てくる料理が違ってしまいます。
「国産」と産地を書いているなら、代替品の産地も確かめなければなりません。
これは見た目の問題だけではありません。
消費者庁は、プラントベース食品の表示に関するQ&Aで、店内・店頭のメニュー上の表示や陳列物、説明も景品表示法の表示にあたり、規制の対象になると答えています1。
この回答はプラントベース食品についての問いに対するもので、メニュー全般の考え方については、同庁の2014年(平成26年)の資料が参照先として挙げられています1。
個々の代替がどう扱われるかは、その資料に照らして判断することになります。
選び方の段階では、名称や説明が実態と合わなくなる代替なら、名称を変える差し替えか、提供停止のほうへ判断を寄せるのが無理のない整理です。
客への影響には、料理の中身のほかに、その日の客の事情もあります。
その料理を予約で頼んでいる客がいるか、看板として店頭に出しているか、決まって頼む常連がいるかによって、同じ欠品でも重さが違います。
予約が入っている料理を止めるなら来店前の連絡が必要になり、伝える相手が増えます。
原価と品質のどちらを優先するか
名称が成り立つ代替品が見つかっても、原価と品質のどちらかが崩れることがあります。
急いで手配した代替品が元の品より高い、あるいは価格は同じでも味や見た目が一段落ちる、という場面です。
どちらを優先するかは、食材の役割と欠品の期間を組み合わせると決めやすくなります。
看板料理の主役であれば、品質が落ちる代替で出すより、数量限定や一時的な停止を選ぶ考え方があります。
脇役で欠品が短期間なら、原価が上がっても代替で通すほうが、メニューを動かす手間をかけずに済みます。
反対に欠品が長引くなら、高い代替品を使い続けるより、別の料理に差し替える検討に入ります。
3つの対応の選択表
ここまでの軸を、3つの対応ごとにまとめると次のようになります。
どの対応を選んでも、決める前に確かめることと、客へ案内することが付いてきます。
表で迷いやすいのは、一部だけ入荷するときです。
この場合は、入った分を数量限定で出し、売り切れたら提供を止めるという、停止の手前の対応がとれます。
限定の数と、売り切れたときにホールが勧める料理を先に決めておけば、営業中に厨房とホールで何度もやり取りせずに済みます。
表は判断の目安で、看板料理の位置づけや客層によって、同じ欠品でも選ぶ対応は変わります。
迷ったときは、名称が成り立つかを先に決め、そのうえで原価と品質を比べる順にすると、表示の話と原価の話を行き来せずに結論へ近づけます。
| 対応 | 向いている状況 | 先に確かめること | 客への案内 |
|---|---|---|---|
| 代替品に切り替える | 脇役の食材、または代替しても料理名と説明が成り立つ | 味と食感、歩留まり、原価、アレルゲンと産地 | メニュー表示とホールの説明が実際の料理と合っているか |
| メニューを差し替える | 主役の食材で名称が成り立たない、または欠品が長引く | 差し替える料理の仕込みと原価、メニュー表示の書き換え | 変更した料理名と内容、予約客への連絡 |
| 提供を止める | 品質の合う代替がない、かつ欠品が短期間 | 一部入荷なら出せる食数 | 品切れの掲示と、ホールが勧める別の料理 |
▼ 図の内容を文字で読む
- 主役の食材
- 料理名に入っている食材
- その料理を目当てに来る客がいる食材
- 差し替えや停止まで考える
- 脇役の食材
- 付け合わせ・薬味・彩りなど
- 替えても料理の性格が変わらない
- 代替で収まりやすい
- 照り焼き定食の仮の例
- 鶏もも肉は主役
- いんげんは脇役で、別の青菜に替えても料理はほとんど変わらない
代替品に変えるとき確かめる味・品質・原価・仕込み
味と食感の確認
代替品で出すと決めたら、その日のうちに、いつものレシピで一度作ってみます。
代替品は、元の品と同じ名前で呼ばれていても、水分や脂の量、厚みが違うことがあります。
照り焼きなら、たれの絡み方、焼き色の付き方、冷めたときの硬さまで見ておくと、営業中に「いつもと違う」と気づいて慌てずに済みます。
試作の味を見るのは、ふだんその料理を作っている人です。
発注担当が厨房を兼ねていない店では、代替品を手配した人と、味を判断する人が分かれます。
手配した側が「同じ規格だから大丈夫」と考えても、作る側から見ると火入れの時間を変えなければならない、ということは起こりえます。
試作の結果、レシピの手直しが要るなら、その内容は厨房への指示にそのまま入ります。
歩留まりと仕込み時間
続いて、歩留まりと仕込み時間を確かめます。
歩留まりは、仕入れた量のうち、下処理を終えて料理に使える分がどれだけ残るかを表す考え方です。
同じ重さで仕入れても、大きさや形が違えば、筋や皮を除いたあとに残る量が変わり、一皿分を揃えられる数も変わります。
サイズが揃っていない代替品なら、一皿ごとに量を合わせる手間が増え、仕込みの時間が延びます。
冷凍品を冷蔵品の代わりに使うなら、解凍の時間を前日の段取りに組み込む必要があります。
手間が増えるなら、その日の人手で回るかどうかまで見て、回らないなら数量を絞る判断につなげます。
原価の確認
原価は、代替品の仕入れ値だけで比べると見誤ります。
歩留まりが下がれば、一皿分を作るのに必要な仕入れ量が増え、一皿あたりの原価は仕入れ値の差以上に上がることがあります。
仕入れ値、歩留まり、一皿に使う量の3つから、一皿あたりの原価を計算し直します。
原価が上がったときの選び方は、短期間なら店が吸収する、続くなら差し替えを検討する、価格を見直す、のいずれかです。
価格を変えるなら、それもメニュー表示の書き換えになり、次の伝達の順番に乗せることになります。
どこまでの上振れを受け入れるかは店ごとに違うので、欠品のたびに考えるより、主な料理について先に決めておくと判断が早くなります。
▼ 図の内容を文字で読む
- 味と食感:いつものレシピで試作し、火の通り方やたれの絡み方を作る人が確かめる
- 歩留まりと仕込み時間:下処理後に使える量、一皿分を揃える手間、解凍の段取りを見る
- 一皿あたりの原価:仕入れ値、歩留まり、一皿に使う量から計算し直す
代替や変更を、厨房・ホール・客へ伝える順番
決定から指示までの順番
対応が決まったら、厨房、ホール、客の順に伝えます。
この順にするのは、前の人の作業が決まらないと、次の人に伝える中身が固まらないからです。
厨房のレシピや提供数が決まる前にホールへ伝えると、客に聞かれたときの答えがあとから変わってしまいます。
厨房への指示には、変更する料理、使う代替品、レシピや量の変更、提供できる数、仕込みのタイミングを入れます。
ホールへの説明には、何がどう変わったか、品切れになる料理と代わりに勧める料理、客に聞かれたら何と答えるか、答えられない質問は誰に確認するかを入れます。
客への案内は、メニュー表や店頭の掲示の書き換え、口頭での説明、予約客への事前の連絡です。
伝える内容は口頭だけで済ませず、厨房とホールの両方が見られる場所に貼るか、店で使っている連絡手段に残しておくと、シフトの途中で入る人にも同じ内容が届きます。
営業中に数量限定の料理が売り切れたときも、厨房からホールへ同じ経路で知らせます。
メニュー表示は景品表示法の対象
客への案内でまず押さえるのは、店内のメニュー表示も、店頭の掲示も、スタッフの説明も、景品表示法の表示にあたるという点です1。
選び方の段階では名称が成り立つかを判断の軸に使いましたが、伝える段階では、書き換えたメニュー、実際に出す料理、ホールの説明の3つがそろっているかを見直します。
書き換えが漏れやすいのは、手書きの黒板、卓上のメニュー、店頭の看板、写真付きのメニューのように、同じ料理が複数の場所に書かれているときです。
どこに何と書いてあるかを欠品のたびに探すのは手間がかかります。
料理ごとに表示している場所を一覧にしておくと、書き換えの抜けを確かめやすくなります。
代替品を使ったときの具体的な書き方や、どの表現なら問題にならないかは、個別の判断になります。
迷うときは、消費者庁がメニュー全般の考え方の参照先として挙げている、メニュー・料理等の食品表示に関する同庁の資料で確かめます1。
アレルゲン情報の確認と案内
代替品に変えるときにもう1つ外せないのが、アレルゲンの確認です。
消費者庁は、外食・中食での食物アレルギーに関する情報提供の推進を目指して、事業者向けのパンフレット、動画(基礎編・実践編)、リーフレットなどを公表しています2。
ただし同庁のこのページには、外食での表示が義務かどうかや、原材料を変えたときの手順は書かれていません2。
そのうえで、店の進め方として提案したいのは、代替品の規格書で原材料を確かめ、元の品と比べてから案内に反映する、という順番です。
客向けのアレルゲン一覧を用意している店なら、代替品を使う料理の欄を、提供を始める前に直します。
規格書が届かず確認できないうちは、ホールが「入っていません」と答えないよう、確認できていないことを厨房とホールで共有しておきます。
代替品が鶏肉そのものなら原材料は単純でも、下味付きの加工品や、たれ、ソースを別の仕入先から入れる場合は、元の品になかった原材料が加わることも考えられます。
いつも食べている料理を同じつもりで頼む客にも伝わるよう、変わった料理はホールから一言添える段取りにしておきます。
原産地情報の扱い
産地をメニューに書いている店では、代替品の産地も確かめます。
外食の原産地情報について、農林水産省は旧「外食の原産地表示ガイドライン」を廃止し、2019年(平成31年)に公表した「外食・中食における原料原産地情報提供ガイドライン」を確認するよう案内しています3。
産地が変わったときにどう情報を出すかは、このガイドラインの本文で確かめることになります。
それでも、メニューに「国産」と書いたまま産地の違う代替品を出せば、書いてあることと実際が合わなくなる、という点は表示の話と同じです。
代替品の産地が違うと分かった時点で、産地を書いている場所を書き換えるか、その料理を差し替えるかを、決定の段階に戻って選び直します。
| 案内で変わりうること | 公的資料で確かめられたこと | 店で確かめること |
|---|---|---|
| 料理名・説明 | 店内のメニュー表示や説明は景品表示法の表示にあたる | メニュー表・掲示・ホールの説明が実際の料理と合っているか |
| アレルゲン | 消費者庁が外食・中食での情報提供を推進し事業者向け資料を公表 | 代替品の規格書と元の品の比較、客向け一覧の更新 |
| 原産地 | 2019年公表のガイドラインを確認するよう案内され旧ガイドラインは廃止 | 代替品の産地と、産地を書いている場所 |
▼ 図の内容を文字で読む
- 対応を決める:代替・差し替え・停止から1つを選ぶ
- 厨房へ指示する:変更する料理、代替品、レシピや量の変更、提供できる数、仕込みのタイミング
- ホールへ説明する:何がどう変わったか、勧める料理、答えられない質問の確認先
- 客へ案内する:メニュー表や掲示の書き換え、口頭の説明、予約客への連絡
欠品が起きても慌てないための備え
欠品しやすい食材を洗い出す
欠品のたびに4つを聞いて記録してきたなら、その記録が備えの出発点になります。
どの食材が、どの仕入先で、どの時期に欠品したかを並べると、繰り返し欠ける食材が見えてきます。
記録がまだない店でも、主役の食材で、1つの仕入先からしか入れていないものは、欠品したときに代わりが利きにくい候補として先に挙げられます。
洗い出した食材すべてに手を打つ必要はありません。
主役で、しかも代わりが利きにくい食材から順に、次の2つの備えを当てていきます。
代替候補を仕入先と事前に決める
欠品の日に慌てる理由の1つは、代替品の味、歩留まり、原価、アレルゲンを、その日のうちに全部確かめなければならないことです。
主な食材について欠品したときの代替候補を仕入先と話しておき、規格書を先にもらい、手が空いているときに試作しておけば、当日の確認は、届いた品が話していた規格どおりかを見ることが中心になります。
仕入先と話しておくことは、代替候補のほかに、欠品が分かったらどの時点で連絡をもらえるか、規格書をすぐ出してもらえるか、などです。
どこまで応じてもらえるかは取引条件によって違うので、決まったことは書き留めて、担当が替わっても分かるようにしておきます。
代替品を使うときのメニューの言い回しや、アレルゲン一覧の差し替え案も用意しておけば、伝える段階の書き換えも早くなります。
連絡ルールを固定する
もう1つの備えは、欠品の連絡を誰が受け、誰が決め、どう伝えるかを決めておくことです。
連絡を受けた人が4つを聞いて決める人に渡し、決めた人が厨房とホールへの伝達を指示する、という流れです。
決める人が不在のときに誰が代わりに決めるかも、あわせて決めておきます。
伝える内容も、厨房向けとホール向けの書式をそれぞれ用意しておけば、受けた人によって伝える項目が抜けることを減らせます。
ルールを決めても欠品そのものは防げませんが、誰に確認するか、何を聞くかで迷う時間は減らせます。
対応が終わったら記録をもとに代替候補やルールを見直し、次の欠品に備えます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 連絡を記録する:4つの確認内容と決めた対応を残す
- 対応を振り返る:繰り返し欠ける食材と仕入先を見る
- 備えを更新する:代替候補、規格書、連絡ルールを見直す
- 次の欠品で使う:決めておいた候補とルールで判断し、また記録に戻る
欠品への対応は、仕入先とのやり取り、厨房とホールへの伝達、メニューの書き換えが店ごとの流れの中でつながっていて、どこで情報が途切れているかは内側からは気づきにくいことがあります。
相談では、欠品の連絡を受けてから客に伝わるまでの流れを一緒にたどり、確認や伝達が抜けやすい箇所を確かめられます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 欠品連絡の直後 | いつ・どれだけ入らないか、代替品の提案、次回入荷を聞き、記録する |
| 対応の選び方 | 食材の役割、名称が成り立つか、原価と品質の順に見る |
| 代替品の確認 | 味と食感、歩留まりと仕込み時間、一皿あたりの原価 |
| 伝える順番 | 厨房、ホール、客の順。メニュー表示と説明を実際の料理に合わせる |
| アレルゲン・産地 | 規格書などで確かめてから案内に反映する |
| 備え | 代替候補の事前相談と、受ける人・決める人・伝え方の固定 |
代替候補の決め方や連絡ルールは、仕入先の数や取引条件、店の人数によって形が変わります。 相談では、自店の発注と欠品時の連絡の流れをもとに、先に決めておくことの優先順位を確かめられます。
よくある質問
仕入先が代替品を提案してきたとき、その場で受けてよいですか。
その場で決めず、規格、産地、価格、届く時刻を聞き、規格書を出してもらえるかを確かめてから決めるのが安全です。
味や歩留まり、原価、アレルゲンを確かめる前に受けると、届いてから使えないと分かることがあります。
仕入先の手配に締め切りがあるなら、いつまでに返事をすればよいかを聞き、その時刻までに試作と原価の確認を済ませます。
どこまで仮の手配に応じてもらえるかは、取引条件によって違います。
代替品に変えたことをメニューに書かず、口頭だけで案内してもよいですか。
消費者庁のQ&Aでは、店内のメニュー上の表示だけでなく、説明も景品表示法の表示にあたるとされています1。
口頭の案内も対象の外にはなりません。
メニューに元の内容が書かれたまま口頭だけで補う進め方では、説明が漏れた客には、書いてある内容と違う料理が届きます。
名称や説明が実態と合わなくなる代替なら、メニューの記載を直すか変更を書き添えるほうが、説明の漏れに頼らずに済みます。
具体的な書き方は、同庁が参照先に挙げているメニュー表示の資料で確かめてください1。
アレルゲンが変わるかどうか分からない代替品は、どう扱えばよいですか。
規格書などで原材料を確かめるまでは、アレルゲンが含まれていないと案内しないことが前提です。
確かめられないうちは、ホールが客に聞かれたときに、確認できていないことをそのまま伝えられるよう共有しておきます。
店としての情報提供の進め方を考えるときは、消費者庁が外食・中食の事業者向けに公表しているパンフレットや動画が参考になります2。
欠品で提供停止にするとき、予約客にはいつ連絡しますか。
提供を止めると決めた時点で、来店前に連絡します。
連絡が遅れるほど、客が予約を変えたり別の店を選んだりする余地が狭くなるからです。
伝えるのは、止める料理、代わりに用意できる料理、予約をそのまま続けるか変更するかの選択肢です。
次回の入荷が分かっていれば、その時期も添えておくと、予約し直す客の判断材料になります。
欠品が多い仕入先と、取引をどう見直せばよいですか。
一度の欠品で決めず、記録をもとに、どの食材が繰り返し欠けたか、連絡はいつ来たか、代替の提案はあったかを並べて見ます。
そのうえで、連絡の時期や代替候補の決め方を仕入先と話し合い、主役で代わりが利きにくい食材から、ほかの仕入先にも当たれるようにしておくかを考えます。
取引の見直しは価格や品質、配送の条件も含めた判断になるため、欠品の回数だけで決めないほうが無理がありません。
- 1 出典:消費者庁「プラントベース食品の表示に関するQ&A」(2026年確認)
- 2 出典:消費者庁「外食・中食での食物アレルギーについて」(2026年確認)
- 3 出典:農林水産省「外食の原産地表示ガイドライン(旧)」案内ページ(2026年確認)
画像の出典元
- Culinary staff wearing uniforms and masks preparing meals in a bustling restaurant kitchen setting./Photo by Ali Alcántara on Pexels