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受発注システムの初期費用はいくら?小規模事業の進め方別の目安と見積前の整理

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 受発注システムの初期費用は、既製クラウドをそのまま使うか、設定や開発を足すかという進め方で桁が変わる
  • 既製クラウドの公開料金には初期費用0円や100,000円の例があるが、いずれも提供元ごとの条件で相場ではない
  • 初期費用の低さより、月額・上限・機能・取引先側の負担が自社の条件に収まるかで選ぶ
  • 見積は同じ項目で依頼し、同じ期間の総額で比べる
  • 補助金は枠・対象経費・交付決定前の契約の扱いを公募要領で確かめてから契約する

A mature professional working on business charts at a desk with a computer in an office setting.
▽ 写真の出典元

受発注システムの初期費用の桁は「進め方」で分かれる:既製クラウド・追加開発・個別開発

FAXやメールで届いた注文をExcelへ打ち直し、数量の確認で電話をかけ、締め日には請求書づくりに追われる。
システムにしたいと考えても、初期費用がいくらかかるのか読めないままでは、社内の承認も進みません。
受発注システムの初期費用は、既製のクラウドをそのまま使うか、設定や開発を足すかという進め方で桁が変わります。
公開料金を見ると、既製クラウドには0円から数十万円の例があります。
一方、追加開発を伴う場合は、要件を伝えた見積で金額が決まります。
どちらも提供元ごとの条件で、相場ではありません。
注文量・取引先数・連携の要否・取引先の負担を先に整理し、月額を含めた総額で比べると、自社に合う進め方を選べます。

受発注の流れに沿った費目(設定・取引先展開・データ移行・連携・研修)

初期費用と聞くと一つの金額を思い浮かべがちです。
しかし中身は、いまの受発注の流れをシステムの上で動く状態にするまでの作業の集まりです。
何が含まれるかは、FAXで届いた注文がExcelに打ち込まれ、出荷され、請求されるまでの流れに沿って見ると分かりやすくなります。

<ul><li><strong>アカウントと初期設定</strong>:自社の受注ルールを画面に設定する作業です。
取引先ごとに価格が違う、一定の金額を超えたら上長が承認するといったルールは、いまは担当者の頭の中やExcelの計算式にあります。
それをシステムの設定へ移します。</li>
<li><strong>商品・得意先データの移行</strong>:Excelの商品台帳、取引先の一覧、取引先別の価格表を、システムが読み込める形にそろえて登録します。
表記ゆれや重複が多いほど、整える手間が増えます。</li>
<li><strong>連携</strong>:受けた注文を会計や在庫の仕組みへ渡す部分です。
ファイルを書き出して取り込む方法で足りるのか、自動でつなぐ必要があるのかで作業量が変わります。</li>
<li><strong>研修と社内の運用ルール</strong>:誰が注文を確認し、誰が承認し、出荷担当へどう伝えるかを決め、使う人が操作を覚えます。</li>
<li><strong>取引先への展開</strong>:取引先に新しい発注方法を案内し、ログインや操作の問い合わせに答えます。</li></ul>

このうち、どこまでを提供元が請け負い、どこを自社で担うかによって、見積書に載る金額は変わります。
データの整理や取引先への案内を自社の担当者が行えば、請求書には出てこなくても、社内の作業時間はかかります。
費目ごとの金額は提供元と作業範囲で変わります。
そのため、見積の段階で費目別に分けて出してもらうと、何に払うのかが見えるようになります。

たとえば、価格表がExcelの複数のシートに分かれ、取引先ごとに例外の書き込みがある状態を考えてみてください。
この場合、移行の作業は単にファイルを渡すだけでは終わりません。
どの価格が正しいのかを社内で確かめ直す時間が要ります。
初期費用の見積を読むときは、金額の大小だけでなく、こうした社内側の準備がどこまで含まれているかも合わせて見ると、導入後に想定外の手間が出にくくなります。

進め方ごとの初期費用の目安と、その読み方

作業の範囲がつかめたら、次は進め方の違いです。
受発注システムの導入は、既製のクラウドサービスをそのまま使う、既製の仕組みに設定や追加開発を足す、自社向けに一から開発する、の三通りで考えられます。
どれを選ぶかで、上で挙げた作業のうち「既に用意されている部分」と「新たに作る部分」の割合が変わり、それが初期費用の桁に表れます。

受発注システムを提供する竹田印刷(TS-BASE)は、同社調べの目安として、SaaS型(提供事業者がインターネット経由で提供する既製のクラウドサービス)の初期費用を30~50万円、月額費用を10~20万円としています3。
同社の説明では、SaaS型は提供事業者が管理・保守を担います。
その一方で、従量課金でアカウント数に応じて月額が加算され、オプションの追加やカスタマイズには別途費用がかかります3。

開発を伴う型について、同社は次のように整理しています。
既製の仕組みに追加開発を足す型(ハーフスクラッチ)は、追加開発の内容で最終的な費用が変動します3。
一から作る型(フルスクラッチ)は、数年に一度、PHP(システムを動かすプログラム言語)への対応やセキュリティ改善でスポットの費用がかかります3。
ドメインの維持費や、通信を暗号化するSSL証明書の費用も別にかかります3。

追加開発の費用が公開価格ではなく見積で決まる例として、EC-Rider B2B Ⅱの料金プランがあります。
カスタマイズはアドオン・シンプル・ノンの3段階です。
アドオンとシンプルは「カスタマイズレベルに応じてお見積り」とされ、具体的な金額は載っていません2。
ベースエンジンの利用料は、モデルケースで月額170,000円からと示されています(税抜・税込の表記はありません)2。

これらの数字は、いずれも提供元が自社の製品や調べにもとづいて示した値です。
TS-BASEの目安は対象とする企業の規模や機能の範囲が限定されていません。
EC-Riderの値は、その製品とモデルケースの条件です。
市場の平均や、小規模な事業の標準額として読むことはできません。

それでも読み取れることはあります。
既製のクラウドは、公開された料金で初期費用の桁がおおよそ分かります。
次の節で見るように、初期費用0円や100,000円といった公開例もあり、0円から数十万円の範囲で見当をつけられます。
一方、設定や開発を足す進め方では、初期費用は「何を足すか」を伝えた見積で初めて決まります。
つまり「初期費用はいくらか」という問いは、追加開発を伴う場合には「既製の機能で足りない部分はどこか」という問いに置き換わります。

進め方 初期費用の決まり方 初期費用のほかに見ておく費用
既製クラウド(SaaS型) 同社調べの目安で30~50万円 アカウント数に応じた月額の加算・オプション・カスタマイズ
設定・追加開発を足す(ハーフスクラッチ型) 追加開発の内容で最終費用が変動 追加する開発の範囲による
一から開発(フルスクラッチ型) 開発する範囲による 数年に一度の改修(PHP対応・セキュリティ改善)・ドメイン維持費・SSL証明書費用

初期費用0円・低額のサービスと、初期費用がかかるサービスの違い

初期費用0円でも条件になる月額・上限

既製のクラウドに絞っても、初期費用0円のサービスもあれば、初期費用を取るサービスもあります。
この差を「安いか高いか」だけで見ると判断を誤りやすくなります。
何がプランに含まれ、どこに上限があるかを並べて初めて、差の意味が分かります。

ラクーンホールディングスのCOREC(コレック)は、卸売向けのBtoBクラウド受注システムです。
注文を受ける側の初期費用を0円、ビジネスプランの月額を2,980円(税別)としています4。
取引先(注文を出す買い手)は会員登録なしで発注でき、費用もかからないと案内されています4。
取引先に登録や費用の負担を求めずに始められる形は、取引先に新しいやり方を頼みにくい事業にとって判断材料になります。

EC-Rider Primoのクイックビジネスプランは、初期費用100,000円、月額88,000円(税抜)です1。
上限は商品30,000SKU(SKUは色やサイズ違いまで区別した商品の単位)、取引先10,000件、ユーザー5名と公開されています1。
機能としては、取引先別の価格設定、取引先だけが見られるクローズドサイト、取引先のマイページ、注残(受けたがまだ出荷していない注文)や欠品への対応、CSV連携、受注通知と承認ワークフローが挙げられています1。
一方、取引先側の登録や費用の負担については、ページに記載がありません。

ここで比べるべきなのは、初期費用の有無より、自社の受発注に必要なものがそのプランの範囲に入っているかどうかです。
たとえば取引先ごとに掛け率が違い、いまはExcelの価格表を見ながら単価を打ち直しているとします。
この場合、取引先別の価格設定がプランに含まれるかどうかで、その転記の手間が減るかどうかが決まります。

ユーザー数の上限は、社内でログインして注文を扱う人の数と照らします。
受注担当、出荷担当、承認する経営者がそれぞれ画面を使うなら、その人数がプランの範囲に収まるかを数えておきます。
ユーザー数は同時に処理できる注文の量を表すものではないので、注文が多いか少ないかとは分けて考えます。

もう一つ、両社のこれらのプランは、いずれも注文を受ける側が使う受注の仕組みです。
仕入先へ発注を出す側の手間を減らしたい場合は、発注の機能を備えたサービスかどうかを別に確かめる必要があります。
また、税抜・税別の表記は提供元によって違い、表記のない料金もあります。
比べる前に表記をそろえておくと、読み違いを防げます。

公開料金の比較表(初期費用・月額・上限・取引先の負担)

2026年時点で各社の公式料金ページに載っている条件を、同じ項目で並べると次のようになります。
ページに記載がない欄は「記載なし」としています。
並び順に優劣の意味はありません。

表で判断が分かれるのは、月額と上限の欄です。
CORECは初期費用も月額も低く抑えられていますが、公式料金ページの記載からは、商品数や取引先数の上限、試用の条件までは分かりません。
Primoは初期費用がかかる代わりに、上限と試用の条件が数字で示されているため、自社の商品数と取引先数をそのまま照らせます。
B2B Ⅱは月額の出発点だけが示され、初期費用は見積です。

月額だけで済む選択肢が自社に合うかどうかは、この表の上限と機能の欄に、自社の商品数、取引先数、必要な機能が収まるかどうかで決まります。
収まらない部分があれば、上位のプランやオプション、あるいはカスタマイズを伴う進め方を見積で確かめることになります。
反対に、すべてが収まるのであれば、初期費用の低い選択肢を候補から外す理由はありません。

サービス・プラン 初期費用 月額 上限(商品・取引先・ユーザー) 取引先側の負担 契約前のお試し
COREC ビジネスプラン(卸売向け受注) 0円 2980円(税別) 記載なし 会員登録なしで発注でき費用なし 記載なし
EC-Rider Primo クイックビジネスプラン 10万円 8.8万円(税抜) 3万SKU・1万件・5名 記載なし 30日間の無料トライアル
EC-Rider B2B Ⅱ カスタマイズレベルに応じて見積 17万円~(モデルケース・税表記なし) 記載なし 記載なし 記載なし
初期費用に含まれる作業の分け方(模式図)
初期設定とデータ移行、連携、研修と取引先への展開の三つに作業を分けた図

自社の条件から進め方を選ぶ:注文量・取引先数・連携の要否

4つの条件で見る向き・不向き

料金の条件が見えてきたら、それを自社の業務に当てはめます。
ここで使うのは、注文の量、取引先の数、取引先に新しいやり方を求められるか、会計や在庫など既存の仕組みとの連携が要るか、の4つです。
これは提供元の資料をもとにした編集部の整理で、何件以上ならこの進め方、という決まった線引きがあるわけではありません。
それぞれの条件が、どの費用や上限に響くかを見ていきます。

<ul><li><strong>注文の量と商品の数</strong>:注文が多いほど転記が減る効果は大きく見えますが、プランの上限に直接響くのは、登録する商品の数(SKU)や使う人の数です。
前の節のように、上限を商品数・取引先数・ユーザー数で示すプランもあるため、注文の件数とは別に、商品と使う人の数を数えておきます。</li>
<li><strong>取引先の数</strong>:プランの上限との照合に加え、取引先へ案内する手間の大きさにも関わります。
一社ずつ電話で説明するのか、案内文を送れば済むのかで、展開にかかる社内の時間が変わります。</li>
<li><strong>取引先に新しいやり方を求められるか</strong>:取引先がFAXやメールに慣れていて、登録や操作をお願いしにくい関係なら、取引先側の負担が小さい形が向きます。
取引先がシステムを使わなければ、その分の注文は従来どおり手で入力することになり、効果は届いた注文の一部にとどまります。</li>
<li><strong>会計・在庫との連携の要否</strong>:受けた注文を会計や在庫の仕組みへ打ち直しているなら、その転記をどうなくすかが論点です。
CSV(表形式のデータファイル)で書き出して取り込む方法なら打ち直しはなくなりますが、ファイルを出して取り込む作業と、取り込んだ結果の確認は残ります。
自動でつなぐ必要があるなら、既製の機能の範囲を越える可能性があり、その部分は追加開発として見積で確かめることになります。</li></ul>

4つの条件をまとめると、次のように考えられます。
既製の機能(取引先別の価格、注残の管理、CSVでの受け渡しなど)でいまの業務ルールが表せ、上限に自社の商品数と取引先数が収まるなら、既製クラウドの公開料金の範囲で進められる見込みが立ちます。
独自の価格計算や、既存システムとの自動接続が欠かせない業務なら、設定や追加開発を足す進め方の見積を取ります。
追加開発の内容によって最終的な費用は変わるため3、どこまでを既製の機能に合わせ、どこからを開発で補うかの線引きが、そのまま初期費用を左右します。

業務を既製の機能に合わせることも、費用を抑える一つの方法です。
たとえば、いま一部の取引先にだけ例外的な値引き計算をしているなら、それを取引先別の価格表に置き換えられないかを先に検討すると、開発しなくて済む部分が見つかることがあります。
ただし、取引先との約束事を一方的に変えられない場合もあります。
どこまで合わせられるかは、取引先との関係を踏まえて自社で判断します。

取引先側の負担は、提供元によって扱いが違います。
CORECのように取引先が会員登録なしで費用もかからずに発注できると明記しているサービスもあれば4、料金ページに記載のないサービスもあります。
取引先に何をお願いすることになるのか、登録、ログイン、費用の有無を候補ごとに尋ねておくと、取引先数の多い事業ほど展開の手間を見積もりやすくなります。

無料トライアルで実データを試す

条件を整理しても、実際の商品や取引先を登録してみないと分からないことは残ります。
取引先別の価格が自社の決め方どおりに設定できるか、注文の画面が取引先にとって分かりやすいか、書き出したデータを会計側でそのまま取り込めるか、といった点です。

EC-Rider Primoの無料トライアルは30日間、全機能を無料で使え、上限は商品500SKU、取引先50件、ユーザー5名です1。
自動課金や営業電話、クレジットカードの登録はなく、試したデータは本契約時に引き継がれます1。
上限があるため、全商品を入れるのではなく、よく注文される商品と、価格条件の異なる取引先を選んで登録するのが現実的です。
データを引き継げる分、トライアルで登録する商品や取引先の表記を本番と同じルールでそろえておくと、後で入れ直す手間を減らせます。

試すときは、次の順で進めると、本契約後に「思っていたのと違った」と気づく場面を減らせます。
<ol><li>試す範囲を決める:よく出る商品、価格条件の違う取引先、注文を扱う担当者を選びます。</li>
<li>実データを登録する:Excelの商品台帳と価格表から選んだ分を取り込み、表記ゆれをそろえます。</li>
<li>注文から出力まで流す:過去の実際の注文をいくつか入力し、承認、注残の扱い、CSVの書き出しまで通します。</li>
<li>残った手作業を書き出す:どの転記がなくなり、どの確認が残ったかを記録し、見積で伝える要件にします。</li></ol>

協力してくれる取引先がいれば、一社にだけ実際に発注画面を使ってもらうと、取引先側の手間が具体的に見えます。
トライアルで分かるのは操作と設定の範囲です。
全商品・全取引先で運用したときの負担までは測れない点を、結果を読むときに差し引いておきます。

低額プランを比べる前に確かめる四つの点
プランの範囲、上限、取引先側の負担、料金の表記に分けた確認事項

見積を取る前に整理する項目と、受発注システムの総額の比べ方

見積依頼に書く項目

既製のプランで足りない部分が見えたら、見積を依頼します。
EC-Rider B2B Ⅱのように、カスタマイズの度合いに応じて見積で金額が決まる製品では2、伝えた要件がそのまま見積の前提になります。
提供元ごとに伝える内容が違うと、出てきた金額を並べても何の差なのか分からなくなります。
同じ項目を同じ言葉で書いて渡すことが、比較の出発点です。

<ul><li>いまの受発注の流れ:注文がどこから届き(FAX・メール・電話)、誰がどこへ転記し、出荷と請求へどう渡しているか</li><li>商品数(SKU)と取引先数、ログインして使う人数と役割</li><li>価格の決め方:取引先別の価格や掛け率、例外的な値引きの有無</li><li>移行するデータ:商品台帳、得意先一覧、価格表の形式と、整理が必要な点</li><li>連携先と受け渡し方:会計・在庫の仕組みの名前と、CSVでの受け渡しで足りるか、自動接続が要るか</li><li>取引先への展開:案内や問い合わせ対応を、提供元と自社のどちらが担うか</li><li>研修とサポート:操作説明の範囲と、導入後の問い合わせ窓口</li><li>上限を超えたときの扱い:商品や取引先が増えたときに、プラン変更や追加料金がどうなるか</li></ul>

このうち流れの説明は、図や箇条書きで十分です。
大事なのは、どの作業に時間がかかり、どの転記をなくしたいのかを書き添えることです。
「締め後の請求書づくりに時間がかかる」と書けば、提供元は請求に関わる機能や連携を見積に含めるかどうかを判断できます。
反対に、要件を書かずに「一式」で見積を取ると、初期費用は低く見えても運用を始めてから追加の費用が必要になることがあり、比べる意味が薄れます。

トライアルで書き出した「残った手作業」は、ここでそのまま使えます。
たとえば「CSVを書き出したが、会計側の取り込み形式に合わず列を並べ替えた」という記録があれば、それは連携の要件として見積に書けます。
試した結果を要件の言葉に置き換えておくと、提供元とのやり取りの往復も少なくなります。

月額・運用負担を含めた総額の比べ方

見積がそろったら、初期費用だけでなく総額で比べます。
初期費用が低いサービスは、月額や上限、追加料金のところで差が出ることがあるためです。
TS-BASEの説明でも、SaaS型はアカウント数に応じて月額が加算され、オプションやカスタマイズは別途の費用とされています3。

比べ方の基本は、同じ期間で次の費用を足し合わせることです。
<strong>総額=初期費用+月額×比べる月数+アカウントやオプションの追加分+期間中に見込まれるスポットの費用</strong>
比べる月数は、契約の最低利用期間があればその期間、なければ次にシステムを見直すまでの見込み期間など、どの候補にも同じ期間を当てます。
この期間をどう置くかは社内の判断です。
ただ、候補ごとに期間を変えてしまうと、初期費用の低い候補が有利にも不利にも見えてしまいます。

たとえば、初期費用0円で月額のかかるサービスと、初期費用がかかり月額も高いが上限の大きいプランを比べる場合を考えます。
期間が短いうちは、前者の総額が小さく見えます。
ただ、使ううちに必要な機能がオプションになっていたり、ユーザーを増やすたびに月額が上がったりすれば、差は縮まるか逆転することもあります。
どちらが安いかは、自社が必要とする機能と人数でそれぞれのプランを実際に見積もった明細を照らして判断します。

金額に表れない負担も、同じ表に一行加えておくと稟議で説明しやすくなります。
SaaS型では提供事業者が管理・保守を担います3。
一方、一から開発した仕組みでは、数年に一度のPHP対応やセキュリティ改善、ドメインの維持やSSL証明書の費用がかかると整理されています3。
その時期や内容を誰が判断するのかは、社内にシステムの担当者がいない場合は特に、進め方の選択に響きます。

社内の承認を得るときは、候補ごとに初期費用、月額、追加分、期間中の総額、運用で残る作業を同じ表に並べます。
なぜその期間で比べたのかを一言添えておくと、判断の根拠が伝わります。
税抜・税別・表記なしの違いも、この表をつくる段階でそろえておきます。

条件から見る進め方の分かれ目(編集部の整理・模式図)
既製の機能と上限に収まる場合と、独自の計算や自動接続が要る場合で進め方が分かれる図

補助金で受発注システムの初期費用を抑えられる場合の条件確認

対象事業者と申請枠の確認

初期費用を抑える手段として、補助金を検討する場合もあるでしょう。
中小企業基盤整備機構の事務局が案内するデジタル化・AI導入補助金2026では、申請枠として通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠が示されています5。
補助の対象になる経費や補助率、対象となる事業者は、枠ごとの資料で確かめる構成です5。

ここで分けて考えたいのは、自社が「小規模」であることと、制度の対象事業者に当たることは別の話だという点です。
普段の感覚で小さな会社だと思っていても、制度の定義でどう扱われるかは公募要領で確かめるまで分かりません。

どの枠に当たるかも、名称だけでは決められません。
受発注の仕組みを入れる目的が注文処理の手間を減らすことなのか、取引の電子化への対応なのかによって、見るべき枠の資料が変わる可能性があります。
枠ごとに対象となる経費が違えば、初期費用のどこまで、月額の何か月分までが補助の対象になるかも変わります。
そのため、見積の内訳を枠の資料と照らして確かめます。
検討しているサービスがその制度で申請できるものかどうかは、提供元にも尋ねておくと話が早く進みます。

交付決定前の契約など、先に確かめる手続き条件

補助金を使うときに見落としやすいのが、契約や発注のタイミングです。
補助金には、申請してから交付が決まるまでの手続きがあります。
その前に契約した費用をどう扱うかは、公募要領で確かめるべき手続き条件です。
見積を取って社内の承認が下りるとすぐ契約したくなりますが、扱いを確かめないまま契約すると、その費用が補助の対象になるかどうか分からないまま進むことになります。

公募要領で確かめる項目は、次のとおりです。
<ul><li>自社が対象事業者に当たるか</li><li>受発注の仕組みを入れる目的に合う枠と、その枠で対象になる経費</li><li>補助率と上限額</li><li>受付期間と、申請から交付決定までの流れ</li><li>交付決定の前に契約・発注・支払いをした費用の扱い</li></ul>

補助率や上限額、受付期間は、この記事では示していません。
枠ごとに資料が分かれている条件なので、申請を考える時点の公募要領が判断のよりどころになります。

手続きの条件を確かめている間も、契約を伴わない準備は進められます。
EC-Rider Primoのトライアルは自動課金がなく、クレジットカードの登録も求めない試用です1。
試用の申し込みが手続き上どう扱われるかも含めて確かめたうえで、実データでの確認や見積依頼の準備を並行させ、条件が分かってから契約へ進むという順序が取れます。

無料トライアルで実データを試す手順
試す範囲を決める、実データを登録する、注文から出力まで流す、残った手作業を書き出す、の四段階

自社の商品数や取引先別の価格の決め方が、既製プランの上限と機能に収まるのか、カスタマイズの見積が必要なのかは、料金表だけでは判断しにくいためです。

いまの注文の流れ、商品数、取引先数、連携したい仕組みを伝えると、上限と機能が公開された既製プランの範囲で足りるか、カスタマイズの度合いに応じた見積が必要かを確かめられます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

軸 基準
初期費用の決まり方 既製クラウドは公開料金、設定や開発を足す場合は要件を伝えた見積
低額プランの見方 月額・上限・機能・取引先側の負担を同じ表に並べる
進め方の選び方 注文量と商品数・取引先数・取引先の負担・連携の要否に当てはめる
契約前の確かめ方 実データの一部でトライアルし、残った手作業を書き出す
比べ方 同じ項目で見積を依頼し、同じ期間の総額で比べる。税表記をそろえる
補助金 対象事業者・枠・対象経費・交付決定前の契約の扱いを公募要領で確かめる
総額に含まれる費用が発生する時期(模式図)
契約時、毎月、使いながら、数年ごとの四つの時期に発生する費用を並べた図
補助金を使う場合に契約前に確かめる順序
対象事業者、枠と対象経費、補助率・上限額・受付期間、交付決定前の契約の扱い、見積と照らして申請・契約へ進む順の流れ図

トライアルで試すデータの選び方や、見積に書く要件の言葉への置き換えは、初めて導入する担当者だけでは迷いやすいためです。 課金のない試用でどの商品と取引先を登録すれば本契約時にそのまま引き継げるか、残った手作業を見積の要件としてどう伝えるかを確かめられます。

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よくある質問

初期費用0円のサービスでは、あとから何の費用を確認すればよいですか。

月額、上限、オプションの3点です。
CORECは初期費用0円ですが、ビジネスプランの月額は2,980円(税別)です4。
SaaS型はアカウント数に応じて月額が加算され、オプションやカスタマイズは別途費用とされています3。
使いたい機能がプランに含まれるか、商品数・取引先数・ユーザー数の上限を超えたときにどうなるかを、料金ページか見積で確かめます。

取引先がFAXやメールのままでも使えるサービスはありますか。

取引先側の負担はサービスによって違います。
CORECは、取引先が会員登録なしで費用もかからずに発注できると案内しています4。
ただし、FAXでの注文を併用できるかどうかは料金ページの記載からは分かりません。
取引先の一部がFAXを続ける場合は、その注文を誰がどう入力するのか、システムの注文と同じ画面で管理できるのかを提供元に尋ねます。
FAXで届く注文が残る分は転記も残るため、効果はシステム経由の注文の割合で見込みます。

無料トライアルでは何を試せば、本契約後の失敗を減らせますか。

よく注文される商品と価格条件の違う取引先を選び、過去の実際の注文を入力して、承認、注残の扱い、CSVの書き出しまで通します。
EC-Rider Primoのトライアルは30日間・全機能無料で、データは本契約時に引き継がれます1。
なくなった転記と残った確認を記録しておくと、そのまま見積の要件として使えます。

既存の会計・在庫システムと連携する場合、見積で何を伝えるべきですか。

連携先の仕組みの名前、受け渡すデータ(注文、得意先、商品、金額など)、受け渡しの頻度、CSVで取り込む運用で足りるか自動接続が必要かを伝えます。
EC-Rider Primoのプランの機能にはCSV連携が挙げられていますが1、連携先がどの形式を受け付けるかは連携先側の仕様によります。
取り込み用のファイル形式の見本を添えると、提供元が追加開発の要否を判断しやすくなります。

補助金を使う場合、契約や発注はいつまで待つべきですか。

公募要領で、交付決定の前に契約・発注・支払いをした費用の扱いを確かめるまでは、契約を待つのが安全です。
デジタル化・AI導入補助金2026では、対象経費や補助率などは枠ごとの資料で確かめる構成になっています5。
確認の間は、課金を伴わない試用や見積依頼の準備を進めておけます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

> プロフィールの詳細を見る

  1. 1 出典:株式会社フライトソリューションズ(EC-Rider)「EC-Rider Primo サービス紹介ページ・料金」(2026年)
  2. 2 出典:株式会社フライトソリューションズ(EC-Rider)「EC-Rider B2B Ⅱ 料金プラン」(2026年)
  3. 3 出典:株式会社竹田印刷(TS-BASE運営)「Webの受発注システムの選び方とコストの目安」(2026年)
  4. 4 出典:ラクーンホールディングス株式会社「COREC(コレック)卸売向けBtoBクラウド受注システム 料金」(2026年)
  5. 5 出典:独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小企業デジタル化・AI導入支援事業事務局)「デジタル化・AI導入補助金2026 ポータルサイト」(2026年)

画像の出典元

  1. A mature professional working on business charts at a desk with a computer in an office setting./Photo by RDNE Stock project on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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