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タブレット発注の台数設計|配布・費用・運用の要点

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 配布台数は得意先の数ではなく発注が起きる場所の数で数え、予備機と入れ替え分を足して調達します。
  • 費用は端末費・通信費・管理費の3つに分け、取得価額10万円・20万円・30万円の区分で会計処理が変わります。
  • 全数を一度に配らず3回ほどの段階配布にし、1回目で測った移行の件数をもとに2回目以降の台数を決めます。
  • 企業間取引の電子化率は4割を超える水準にあり、残る電話とFAXの経路を移す手段として端末を配ります。

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▽ 写真の出典元

タブレット発注とは何か

タブレット発注とは、得意先の担当者が手元の端末の画面から品目と数量を入力し、その内容がそのまま受注データとして自社に届く仕組みです。電話とFAXの受注では、聞き取りと転記という2つの工程が自社側に残ります。端末からの入力は、この2工程を省き、入力の主体を得意先側へ移す仕組みです。配布台数の設計は、入力の主体をどこまで移せるかで決まります。そのため台数の検討は、機器の選定よりも受注の経路の設計から始まります。

電話の受注では、受注担当が聞き取った内容を基幹システムへ打ち直します。FAXでも同じで、紙面の読み取りと入力の作業が残る点は変わりません。端末からの発注では、得意先による発注の入力が、そのまま受注データの取り込みにつながります。転記の工程が消えるため、品番の取り違えや数量の桁違いといった誤りの入り口が1つ減ります。

取り込まれた受注データは、基幹システムへの連携を経て在庫の引き当てへ回り、出荷指示に至ります。この経路が端から端までつながると、受注センターに残る作業は確認と例外対応に絞られます。どこかに人の転記が残る場合、端末を配っても作業時間は下がりません。台数を数える前に、経路がつながる範囲を決めておくのが要点です。

配布の形は、得意先配布型と自社利用型の二つに分かれます。得意先配布型は、得意先の売場や事務所に端末を置き、発注の入力そのものを委ねる形です。自社利用型では、営業担当が訪問先で端末を持ち、聞き取った内容をその場で入力します。前者は受注入力の件数を移し、後者は訪問後の持ち帰りの作業を減らす効果が見込めます。

配布型では、発注が起きる場所の数が台数の基準になります。自社利用型の基準は、営業担当の人数と巡回の組み方です。両方を併用する場合、品目マスタと受注データの形式をそろえるかどうかを先に決めます。形式が分かれると、後の集計と会計処理で突き合わせの作業が増えてしまいます。

企業間取引の電子化は毎年の市場調査で継続して調べられており、電子化率は4割を超える水準にあります1。裏を返せば、取引額の半分近くは電子化されていない経路に残っている計算です。端末の配布は、この残った経路を移すための手段の一つとして位置づけられます。台数の目標も、移したい経路の量から逆算するのが筋道といえます。

端末の普及を示す統計を根拠に使う場合は、対象の読み分けが要ります。世帯を母数とした端末の保有状況3と、企業を母数とした端末の利用状況2は、調査の対象も方法も異なります。そのため、両者を並べて増減を比べることはできません。自社の判断材料には、企業を母数とした調査の側を選びます。

端末からの発注は4つの段で進みます。得意先による発注の入力から始まり、受注データの取り込みで転記が消え、基幹システムへの連携で在庫の引き当てへ回り、出荷指示に至ります。
端末からの発注が受注データとして届くまでの経路

配布台数を決める前に確認する5点(順位根拠:着手順序の依存関係)

  1. 対象得意先を直近1年の発注件数と経路で並べ、配布の優先度を決めます。取引額の大きさではなく件数を主の軸に置きます。
  2. 得意先ごとに発注の起点がいくつあるかを聞き取り、拠点や売場のように担当が分かれている単位で数えます。1社で2か所になる先も出てきます。
  3. 予備機と入れ替え分を、修理や交換の往復にかかる日数から見積もります。割合を先に固定しない形にします。
  4. 配布を3回ほどに分け、1回目で測った移行の件数と問い合わせの件数で2回目以降の台数を決めます。
  5. 取得価額の区分で会計処理が変わるため、単価の見積を10万円・20万円・30万円の境目と合わせて確かめます。

配布台数が成果を左右する理由

配布台数は、費用の総額を決める数字であると同時に、効果が出るかどうかの分かれ目です。発注が起きる場所に端末が届いていなければ、その場所からの発注は電話とFAXに戻ります。受注センターは、残った経路に合わせて受付の体制を保たなければなりません。台数が過剰な場合には、使われない端末の費用と所在の管理という別の負担が生じます。効果は、配布の広さと使われ方の2つで決まります。

受注の経路が2つ以上並ぶ間は、受注センターは両方の受付を維持する必要があります。電話の受付時間、FAX機の運用、転記の担当は、件数が半分になっても残ります。人員の配置を見直せるのは、経路が一本に寄った後です。配布率が低い段階で効果を測ると、費用だけが先に出る形になってしまいます。

経路が残る影響は、作業時間だけではありません。電話とFAXの受注では、聞き取りの誤りと読み取りの誤りが混じります。誤りが出荷まで通ると、返品と再出荷という2回の物流が発生します。1件の入力の誤りが、伝票の訂正と在庫の調整まで波及することもあるでしょう。

台数が過剰な側の負担も、あわせて見ておく必要があります。配布した端末は、使われていなくても資産または賃借の対象として残ります。回線を付けていれば、その分の通信費が毎月の固定費です。所在の確認、紛失時の対応、入れ替えの手配にかかる手間は、台数に比例して増えていきます。

効果が見えるのは、対象得意先の発注件数のうち端末経由の割合が高まったときです。仮に対象の発注が月に1,000件あり、そのうち600件が端末経由へ移ったとしても、残る400件のために受付は維持されます。割合の目標は、人員の配置を変えられる水準として自社で決めます。目標に届いた得意先から順に、電話の受付の運用を切り替えるのが現実的でしょう。

台数の判断は、回収の見込みよりも先に、運用の変更点で確かめます。配布によって減る作業と、配布後も残る作業を分けて書き出します。減る作業が人員の配置の変更につながらない限り、費用の総額は下がりません。ここを詰めずに台数だけを増やすと、端末の費用が上乗せされるだけの結果になります。

配布の広さを決める段では、対象を3つの層に分けると議論が進みます。1つ目は発注件数が多く電話とFAXに偏っている層、2つ目は件数が中程度で協力が得られる層、3つ目は発注の頻度が低い層です。3つ目の層まで一律に配ると、遊休の端末が生まれやすくなります。層ごとに配るかどうかを決めれば、台数の根拠も説明しやすくなるでしょう。

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配布台数の算出手順

配布台数は、得意先の数ではなく、発注が実際に起きる場所の数で数えます。1社の中に事務所と売場が別にあれば、発注の起点は2か所です。複数の店舗を本部が一括して発注する先であれば、必要な端末は1台に収まります。この数え方で出した数に、予備機と入れ替え分を足したものが調達台数になります。手順は、対象得意先の棚卸し、発注場所の数え上げ、予備機と入れ替え分の見込み、段階配布の割り付けの4段です。

最初の段は、対象得意先の棚卸しです。直近1年の受注データから、得意先ごとの発注件数と発注の経路を並べます。件数が多く、経路が電話とFAXに偏っている先が、配布の優先度の高い先です。取引額だけで並べると、額は大きいが発注件数の少ない先が上位に来てしまいます。負荷を下げる目的であれば、件数を主の軸に置きます。

次の段は、発注場所の数え上げです。棚卸しで残した先について、発注の起点がいくつあるかを聞き取ります。拠点、店舗、売場、厨房、資材置場のように、発注を出す担当が分かれている単位が起点です。同じ建物の中でも、担当が分かれていれば端末も分かれます。仮に対象を200社に絞り、そのうち40社に起点が2か所あるとすれば、必要数は240台という計算になります。

3つ目の段は、予備機と入れ替え分の見込みです。故障と紛失に備え、配布前の在庫を手元に置きます。台数の目安は、配布台数と、修理や交換の往復にかかる日数から導きます。予備の割合を先に固定してしまうと、根拠のない台数が独り歩きしかねません。返却された端末を初期化して次の先へ回す運用にすれば、予備の必要数は抑えられるでしょう。

4つ目の段は、段階配布の割り付けです。全数を一度に配ると、費用と問い合わせが同じ月に集中します。優先度の高い先から3回ほどに分け、各回の後に利用の状況を見ます。1回目でつまずきの箇所が分かれば、2回目の説明と設定に反映できるはずです。台数の見込みも、1回目の実績で作り直せる形になります。

数え方をそろえておくと、社内の決裁でも説明しやすくなります。台数、対象得意先、想定する移行件数の3項目は、同じ表に並べたいところです。前提を書き添えておけば、条件が変わったときに差分だけを直せます。台数の根拠を後から再現できる形にしておくのが、やり直しを防ぐ近道です。

台数の前提が変わる場面もあります。得意先の統廃合や売場の改装で発注の起点が減れば、必要な台数も減ります。台帳と受注データを突き合わせる機会を年ごとに設けておけば、増減の反映も遅れません。

配布台数の算出は4段で進みます。対象得意先の棚卸しで発注件数と経路から優先度を並べ、発注場所の数え上げで起点の数を数え、予備機と入れ替え分を見込み、段階配布の割り付けで配る回を分けます。
発注場所を基準に配布台数を積み上げる4段の手順

端末の調達とキッティング・配布の進め方

調達から配布までは、端末の調達、初期設定、配布と初期サポートの3段階で進みます。端末の調達は、購入、レンタル、持ち込み端末の3つを台数の変動と会計処理の都合で選び分ける段です。初期設定を1台ずつ手作業で進めると台数に比例して時間が延びるため、一括登録の仕組みを使います。配布の段では、操作の説明と問い合わせ窓口の準備までを含めて初回の負荷を見積もります。

購入は、端末を資産として持つ形です。台数が安定し、長く使う前提であれば選びやすいでしょう。レンタルは期間を区切って使う形で、台数が動く段階配布との相性があります。持ち込み端末は、得意先が既に持つ端末に発注の画面を入れる形で、端末費は発生しませんが、管理できる範囲は狭まります。

選び分けの判断材料は、台数の増減、更新の周期、故障時の代替、会計処理の4点です。1回目の配布では数を確定させにくいため、期間を区切れる形が合います。台数が固まった段で購入へ寄せる進め方も採れるはずです。単価と月額は公表された価格表で確かめ、見積の前提として書き残しておきます。国内の出荷の統計は年度ごとに集計され、集計の対象や区分に注記が付くため、自社が買う区分と同じかを確かめます6

初期設定の負荷を下げる鍵は、端末の識別情報を購入の時点で登録しておく方式です。この方式では、初回の起動で端末が管理下に入り、必要な設定と業務用の画面が適用されます7。別の端末系でも、管理サーバを登録して購入した端末を割り当てる手順が公式の案内に示されています8。配布先に任せる作業は、開梱と電源の投入だけです。

管理設定の適用では、画面のロック、使えるアプリの範囲、紛失時の遠隔の操作を決めます。この内容を配布の後に変えると、端末を回収するか遠隔での更新に頼ることになります。配布の前に設定の版を固め、変更の手順も先に決めておきたいところです。版を記録しておけば、問い合わせが来たときに端末の状態を特定できます。

配布と初期サポートでは、操作の説明を紙の手順書だけに任せない工夫が要ります。発注の1件を実際に入力してもらう場を設けると、初回のつまずきが減るはずです。配布の直後は問い合わせ窓口を明示し、受注センターとは別の受付を用意します。窓口に来た内容を記録しておけば、2回目の配布の説明に反映できるでしょう。

内製と外部への委託の差も、この段で見ておきます。内製では、端末管理の仕組みの設定、通信回線の契約、基幹システムの受注連携、得意先への説明の4領域を同時に抱えます。委託する場合は、設定の版管理と配布の段取りを外へ出し、社内は対象得意先の選定と説明に集中できる形です。外へ出す範囲を先に決めると、内製の判断も整理しやすくなります。

調達から配布までは3段階です。端末の調達では購入、レンタル、持ち込み端末を選び分けます。初期設定では一括登録と管理設定の適用を進めます。配布と初期サポートでは操作の説明と問い合わせ窓口を用意します。
調達から配布までの3段階と各段階の作業の対応

配布後の運用と台数の管理

配布した後の管理は、貸与台帳で端末の所在を1件ずつ押さえることから始まります。どの端末がどの得意先のどの場所にあるかが分からなければ、資産の管理も紛失時の対応も進みません。台帳には、端末の識別番号、貸与先、貸与を始めた年、回線の契約、設定の版を並べます。あわせて、月ごとの利用の状況を見て、使われていない端末を回収する運用も要ります。

貸与台帳、経理の資産台帳、端末管理の仕組みが持つ一覧の3つは、同じ識別番号でつながる形にします。番号の付け方が分かれると、棚卸しのたびに突き合わせの作業が必要です。貸与の記録は、担当者の名前ではなく場所と役割で残すほうが後の更新が軽くなります。担当の交代のたびに台帳を直す運用は、台数が増えるほど続きません。

紛失の連絡を受けた後の手順は、配布の前に決めておきます。遠隔で画面をロックし、業務用の画面を停止する段取りを用意します。端末には受発注の履歴が残る前提で考えるほうが妥当です。中小企業向けの情報セキュリティの指針でも、端末の持ち出しや紛失に備えた取り決めと、事故が起きた後の対応の準備が示されています5

故障の扱いでは、代替の端末を送るまでの日数と、その間の発注の受け方を決めます。代替の到着まで電話で受けるのであれば、その手順も得意先に伝えておきます。取引が終わるときの返却の手順も、契約の中で決めておきたい事項です。返却されない端末は、資産としても回線の契約としても残り続けてしまいます。

利用の状況は、端末ごとの発注件数を月ごとに並べると見えてきます。件数が0の端末を一覧にし、使われ方を聞き取る対象にします。置き場所が変わった、担当が交代した、画面の操作でつまずいたなど、理由は端末ごとに別です。理由が分かれば、設定の変更や再説明で戻せる端末と、回収すべき端末に分かれます。

回収した端末は、初期化して再登録すれば次の配布先へ回せます。この回し方があると、予備機として持つ台数を抑えられるはずです。台数の見直しは、更新の周期に合わせて年ごとにまとめて見直します。台帳と一覧の突き合わせの結果を残しておけば、次の更新の判断材料になります。

台帳の運用は、配布の回ごとに担当を決めておくと崩れにくくなります。配布、回収、設定の変更という3つの動きは、いずれも台帳の更新を伴います。更新が遅れた台帳は、次の棚卸しで実物との差が出る原因です。差が出た件数を記録しておけば、運用の弱い箇所も見えてきます。

費用と会計・支援制度の押さえどころ

費用は、端末費、通信費、管理費の3つに分けて並べると、決裁の場で比べやすくなります。端末費は購入かレンタルかで初期と月額の配分が変わり、通信費は回線の契約数に比例します。管理費に含まれるのは、端末管理の仕組みの利用料と、配布や回収、問い合わせ対応にかかる手間です。会計処理は取得価額の区分で分かれるため、単価の見積は税務の要件と合わせて確かめます。

単価と月額の相場は、公表された価格表で確かめられる範囲にとどめて書きます。端末の型、回線の契約の形、管理の仕組みの契約数で金額が動くため、他社の金額をそのまま当てるのは危うい進め方です。見積では、台数、契約の期間、含まれる作業の範囲を並べて比べます。同じ台数でも、初期設定と配布の作業が含まれるかどうかで総額は変わります。

取得価額による会計処理の分かれ目も、台数の判断に関わる論点です。取得価額が10万円未満の資産は、その年度に全額を損金へ算入できます4。10万円以上20万円未満のものは、3年で均等に償却する扱いも選べる区分です4。青色申告の中小企業者等では、取得価額が30万円未満の資産について、年間の合計300万円までを損金に算入できる特例が置かれています4

この特例には、対象となる法人の要件と適用の期限が定められています4。常時使用する従業員の数が500人以下であることなどの要件が置かれ、電子申告が義務づけられた法人では別の数の要件があります4。期限は改正で延びることがあるため、決裁の直前に原典で確かめたい事項です。台数が多い案件では、単価が区分の境目にかかるかどうかで処理が変わります。

公的な支援制度を使うかどうかは、公募の要領に書かれた対象経費の範囲で決まります。端末そのものが対象外と定められている場合や、上限の額と補助の割合が年度ごとに変わる場合もある点に注意が必要です。制度を前提に計画を組む前に、最新の要領で対象経費、上限、申請の期間の3点を確かめます。制度の名前だけで判断すると、申請の段で対象外と分かることもあるでしょう。

効果の側も同じ表に並べておきます。受注1件あたりの入力と確認にかかる時間、訂正と再出荷の件数、電話の受付にあてている人数は、配布の前に測れる項目です。配布の後に同じ3項目を測れば、台数を増やす判断の材料になります。前提を書いた比較の表があると、決裁の議論は数字の話に進みます。

費用項目 発生の時期 確認する観点
端末費 購入は初期、レンタルは月額 取得価額の区分と更新の周期
通信費 回線ごとの月額 契約数と配布台数の一致
管理費 初期と月額の両方 設定の版管理と問い合わせ対応の手間
会計処理 決算の年度ごと 取得価額の区分と特例の要件
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導入前に確認したい論点

導入の前に確かめる論点は3つあります。得意先が使い続けられるか、受発注のデータを社内のシステムでどう保存し連携するか、小規模から広げる進め方を用意できるかです。この3つを埋めないまま台数を確定させると、使われない端末と二重の受付が後に残ります。逆に3つを先に詰めておけば、1回目の配布の結果で計画を作り直せます。台数の議論は、この3つの答えが出てからでも遅くありません。

得意先が使い続けられるかは、限られた先で先行して使ってもらう期間を置くと見えてきます。その期間には、発注の入力にかかる時間、つまずいた画面、電話に戻った件数を記録します。売場の通信の状態、端末を置く場所、担当者の交代の頻度も、同時に確かめたい項目です。ここで出た課題は、配布時の説明と設定の内容へ反映できます。

受発注のデータは、届いた形のままでは基幹システムに載りません。品目マスタ、得意先ごとの単価、発注の単位の刻みが合わないと、取り込みの段で止まります。変換の仕様と、合わなかったデータの戻し方は、先に決めておきたい部分です。取引の記録を残す年数と形式は、社内の規定と税務の要件の両方で確かめます。

小規模から広げる進め方は、費用の面でも説明しやすくなります。1回目の対象は、発注件数が多く協力が得られる先です。2回目以降の台数は、1回目で測った移行の件数と問い合わせの件数を根拠に決めます。費用も3回に分かれるため、年度をまたいだ計画にも合わせやすい形です。

内製で進める場合に要る知識は、4つの領域にまたがります。端末管理の仕組みの設定、通信回線の契約と管理、基幹システムとの受注連携、得意先への説明と運用の設計です。台数が増えるほど、設定の版管理と台帳の突き合わせに人手が要ります。配布の回ごとに、設定、配布、問い合わせ対応の担当を分ける体制も必要です。

外部に委託する場合との差は、社内に残る作業で見ると分かりやすくなります。一括登録の設定、台帳の作り込み、配布と回収の段取りは、外へ出せる範囲です。社内に残るのは、対象得意先の選定、得意先への説明、社内システムとの連携の合意の3つになります。誤った設定のまま配ってしまう事態を避けるために外へ出す範囲を決めると、内製の判断も整理できます。

最後に、台数の前提を残す作業を忘れないようにします。対象得意先の数、発注の起点の数、予備機の台数、段階配布の回数の4つは、書き添えておきたい前提です。前提が残っていれば、来年度の見直しでも差分だけを直せます。台数は一度決めて終わる数字ではなく、年ごとに更新する数字です。

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よくある質問

配布した端末を得意先が使わないまま置いている場合はどうすればよいですか

発注件数が0の端末を月ごとに一覧にし、置き場所や担当の交代など理由の聞き取りから始めます。設定の変更や再説明で戻る端末と、回収して次の配布先へ回す端末に分けると、遊休の台数を抑えられるはずです。回収した端末は初期化して再登録すれば、予備機の代わりにも使えます。

端末は購入とレンタルのどちらが向いていますか

台数が動く段階では期間を区切れるレンタル、台数と使い方が固まった後は購入という組み合わせが選びやすい形です。判断材料は台数の増減、更新の周期、故障時の代替、会計処理の4点です。取得価額が30万円未満なら中小企業者等の特例の対象になる場合もあり、税務の要件と合わせて比べます4

得意先が自前の端末を使う形でも進められますか

進められます。ただし端末費が出ない代わりに、管理できる範囲は狭くなる形です。画面のロックや紛失時の遠隔の停止といった設定を自社で押さえにくいため、扱う情報の範囲と運用の取り決めを配布型より慎重に決めます。配布型と併用する場合は、品目マスタと受注データの形式をそろえておきます。

紛失や故障のときの費用負担はどう決めますか

貸与の条件として、負担の範囲と連絡の手順を配布の前に取り決めます。あわせて、代替の端末が届くまでの日数と、その間の発注の受け方も伝えたい事項です。端末には受発注の履歴が残る前提で、遠隔での画面のロックと業務用の画面の停止の手順を用意しておく必要があります5

社内の決裁で台数の根拠をどう説明しますか

対象得意先の数、発注の起点の数、予備機の台数、段階配布の回数の4つを前提として書き出し、同じ表に費用と効果の測り方を並べます。受注1件あたりの入力と確認の時間や、訂正と再出荷の件数を配布の前に測っておくと、2回目以降の増設の判断も数字で示せます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:経済産業省「令和6年度 電子商取引に関する市場調査(報告書・公表資料)」(2025) 経路
  2. 2 出典:総務省「令和6年通信利用動向調査の結果(報道資料)」(2025) 経路
  3. 3 出典:総務省「令和7年版 情報通信白書 第11章 デジタル活用の現況(情報通信機器・端末)」(2025) 経路
  4. 4 出典:国税庁「タックスアンサー No.5408 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(2026) 経路
  5. 5 出典:独立行政法人情報処理推進機構「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版 プレス発表」(2026) 経路
  6. 6 出典:一般社団法人電子情報技術産業協会「2025年度 タブレット端末国内出荷実績(統計資料)」(2026) 経路
  7. 7 出典:Google(Android Enterprise)「ゼロタッチ登録: IT 管理者向け(公式ヘルプ)」(2026) 経路
  8. 8 出典:Apple「Apple Business Manager ユーザガイド(MDMサーバについて/デバイスの割り当て)」(2026) 経路

画像の出典元

  1. Diverse group of young adults in white suits standing in an/Photo by cottonbro studio on Pexels
  2. A close-up of a hand using a stylus on a tablet displaying b/Photo by Towfiqu barbhuiya on Pexels
  3. A hand interacting with a digital tablet on a wooden table,/Photo by Towfiqu barbhuiya on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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