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手書き注文書を電子化したら紙は捨てられる?保存期間と原本破棄の確かめ方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 受け取った注文書は、確定申告書の提出期限の翌日から原則7年、欠損金額などが生じた事業年度は10年保存する
  • メールやEDIで届いた注文書は電子取引データとして電子のまま保存し、紙の注文書とは分けて扱う
  • 紙の原本を捨てるかは、国税庁の一問一答でスキャナ保存の要件を自社の作業と突き合わせてから決める
  • 判読に不安がある注文書や追記・訂正のある注文書は、紙のまま残す側に入れると判断がぶれにくい
  • 廃棄は事業年度ごとの台帳と、確認者・確認日・廃棄日の記録をそろえてから行う

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▽ 写真の出典元

山積みの注文書は、まず「何年残す書類か」から決める

手書きの注文書をスキャンしたものの、紙を捨ててよいか分からず、棚や箱にたまったままになっていませんか。
受け取った注文書は取引に関する書類として、法人税法上は確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間、欠損金額が生じた事業年度などは10年間の保存が必要です1。
紙の原本を手放せるかは、スキャンした画像の保存が国税庁のスキャナ保存の要件にかなうかを照らし合わせて判断します。
その前に保存期間と受け取り方の違いを押さえておくと、捨てる注文書と残す注文書の線が引きやすくなります。

注文書は取引関係書類にあたる

取引先がFAXや郵送で送ってきた注文書は、受注側にとっては「取引に関して受け取った書類」です。
国税庁は、帳簿とあわせて、取引に関して作成または受領した注文書・契約書・領収書などを保存の対象として挙げています1。
手書きで書かれた注文書も、取引先から受け取った注文の書類である点は、印字された注文書と変わりません。

紙を捨てるかどうかで迷うと、話はすぐにスキャナの設定や保存ソフトの選び方へ向かいがちです。
ただ、その前に「この紙はいつまで手元に置く必要があるのか」が分かっていないと、電子化でどれだけ保管の負担が減るのかを見積もれません。
保存期間が見えると、電子化しなかった場合に何年分の紙を抱え続けるのかが具体的になり、手間をかけて要件を整える価値があるかどうかも比べられるようになります。

受注事務の担当者が毎日扱っているのは、注文の内容を受注システムに入力するための紙です。
入力が終われば役目を終えたように見えますが、保存の面では、入力した後からが長い期間の始まりです。
入力の済んだ注文書を「処理済み」として積んでおくのではなく、「何年後まで残す書類」として置き場所を決めることが、山を減らす最初の一歩になります。

保存期間は原則7年、欠損金が出た事業年度は10年

法人税法上の保存期間は、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間です1。
欠損金額が生じた事業年度や、災害損失金額が生じた事業年度については、10年間になります1。

ここで間違えやすいのが、数え始める日です。
注文書を受け取った日や、取引のあった日から7年ではありません。
その注文が属する事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から数えるため、受け取った日がいつであっても、同じ事業年度に属する注文書は同じ日に保存期限を迎えます。
たとえば期首に受け取った注文書と期末近くに受け取った注文書は、受け取った日が1年近く離れていても、廃棄してよくなる時期は同じです。

10年になるかどうかは、注文書を見ても分かりません。
その事業年度に欠損金額が生じたかは決算の結果で決まるため、受注事務の側だけで判断せず、経理担当者に事業年度ごとの保存年数を確かめておくと、誤って早く捨てる心配が減ります。
なお、ここでの年数は法人税法上の保存期間です。
会社法など他の法令による保存の定めや、個人事業主の所得税での扱いはこの記事では確かめていないため、該当する場合は別に確認してください。

注文書の保存期間は確定申告書の提出期限の翌日から数える(模式図)
事業年度中に注文書を受け取り、確定申告書の提出期限の翌日から原則7年間、欠損金額などが生じた事業年度は10年間保存することを示した図

メールやEDIで届いた注文書と、紙・FAXの注文書でルールが違う点

電子データで受けた注文書の保存義務化

保存期間が分かったら、次は手元の注文書がどんな形で届いたかを分けてみます。
同じ取引先でも、普段は手書きの注文書をFAXで送ってきて、急ぎのときだけPDFをメールに添付してくる、ということもあります。
この二つは、書かれている内容が同じでも、保存のルールが別になります。

メールの添付ファイルやEDI(企業間で受発注のデータをやり取りする仕組み)など、電子データで受け取った取引の情報は電子取引データと呼ばれ、令和6年(2024年)1月から電子データのまま保存することが義務になりました2。
メールで届いた注文書のPDFを印刷して紙の束に加え、データは消してしまう、という扱いはこの義務と合いません。
紙の山を片付けようとして、印刷したメールの注文書まで一緒にスキャンし直していたなら、その注文書はもともと電子データのまま残す側にあったことになります。

一方、紙で受け取った注文書をスキャンして画像で残すのは、受け取った後に自社で紙を電子化する話です。
こちらは電子取引データの保存とは別の、スキャナ保存という制度の枠組みで考えることになります。
両方が混ざった山を一度に処理しようとすると、どちらの要件で見ればよいかが分からなくなるため、まず受け取り方で分けておくと後の照合が楽になります。

検索要件と売上5,000万円以下の場合の条件

電子取引データを保存するときには、後から探し出せることが求められます。
財務省の解説では、日付・金額・取引先で検索できること、日付と金額は範囲を指定して検索できること、複数の項目を組み合わせて検索できることが検索要件として示されています2。
受注側の実務に置き換えると、「ある月の、ある取引先からの、一定金額以上の注文」を絞り込めるように保存しておく、ということです。

ただし、基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下の保存義務者は、こうした検索要件などが不要となる場合があります2。
不要になるのは要件の一部であり、電子データのまま保存する義務そのものがなくなるわけではありません。
売上高の判定は2課税年度前の数字で行うため、今期の見込みではなく、経理が把握している過去の数字で確かめることになります。
また、この売上基準は電子取引データの話で、紙の注文書をスキャンする場合の要件を緩めるものではありません。

迷いやすいのがFAXで届く注文書です。
紙に印刷されて出てくる場合と、複合機などで画像データのまま受信して紙に出さない場合とでは、手元に残るものが違います。
紙に出しているなら、保存期間の管理は紙の注文書と同じ山で考えられます。
一方、データのまま受信している場合にそれが電子取引データに当たるかどうかは、この記事では原典で確かめられていません。
この受け方をしているなら、国税庁の一問一答や顧問の税理士に確認してから、どちらのルールで保存するかを決めてください。

受け取り方 手元に残るもの 保存の考え方
紙の注文書(郵送・手渡し) 紙の原本 紙のまま保存するか、スキャナ保存の要件に照らして電子化する
メール添付・EDIの注文書 電子データ 電子取引データとして電子データのまま保存する
FAX(紙に印刷して受信) 紙 紙として保存期間を管理し、電子化する場合は要件を照合する
FAX(データのまま受信) 画像データ 電子取引データに当たるかを確認してから保存方法を決める
受け取り方で保存の考え方が分かれる(模式図)
メール・EDIの注文書、紙の注文書、データのまま受信したFAXの三つについて、保存の考え方を分けて示した図

スキャン保存で紙を捨てるための条件は、国税庁の一問一答で要件を照合する

一問一答のどこを見るか

紙で受け取った注文書を画像にして原本を手放すには、スキャナ保存の要件を満たしているかどうかを一つずつ確かめることになります。
その照合先になるのが、国税庁の「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」です。
この一問一答は、基本的事項、適用要件、承認・届出手続などの区分に分けて整理されています4。
国税庁の電子帳簿等保存制度特設サイトからも、この一問一答や制度のパンフレットへ進めます3。

見る順番は、区分の並びに沿うと迷いにくくなります。
基本的事項では、どんな書類がスキャナ保存の対象になるのか、受け取った注文書がどう位置づけられるのかを確かめます。
適用要件では、読み取りの細かさ、受け取ってからいつまでに取り込むか、取り込んだ記録が後から書き換えられていないことをどう示すか、どう検索できるようにするか、といった実務の条件がどう定められているかを見ます。
承認・届出手続の区分では、自社が事前に何かの手続を取る必要があるかどうかを確かめます。

インターネット上の解説には、解像度や取り込みの期限について具体的な数字を挙げたものもあります。
ただ、書かれた時点が古い解説では、現行の内容と食い違っている可能性があります。
数字は一問一答の該当する問の本文で、現行の内容として確かめてから運用に取り入れてください。
この記事では、要件の具体的な数値や、スキャンした後すぐに原本を捨ててよいかどうかについては断定していません。

自社の運用と要件を突き合わせる手順

一問一答を読むだけでは、自社が要件を満たしているかは見えてきません。
要件を自社の作業に引き寄せて読むには、注文書が届いてから保存されるまでの流れを書き出し、その横に要件を並べるのが近道です。

まず、受け取りからファイル保存までの作業を順に書き出します。
FAXが届く、担当者が内容を受注システムに入力する、紙を箱に入れる、といった今の流れをそのまま書けば十分です。
次に、一問一答の適用要件の問を一つずつ読み、それぞれが流れのどの工程にかかわるかを書き込みます。
取り込みの時期にかかわる要件なら「いつスキャンするか」の工程に、検索にかかわる要件なら「ファイル名や保存先をどう決めるか」の工程に、という具合です。

書き込んでみると、要件に対応する工程がない箇所が見つかります。
たとえば、入力が終わった注文書を月末にまとめてスキャンしている場合、取り込みの時期が要件と合うかどうかを確かめる必要が出てきます。
保存先が共有フォルダで誰でもファイルを上書きできる状態なら、要件の中に記録の書き換えにかかわるものがあったとき、そこが空白になります。
空白が見つかったら、運用を変えて埋めるか、その部分を満たせない注文書は紙を残すかを決めます。
決めないまま紙を捨ててしまうと、後から要件を満たしていたことを説明できなくなります。

承認・届出手続の区分を確かめた結果、自社で何かの手続が必要だと分かった場合は、手続が済むまでは紙を捨てない、という順番を守ります。
手続の要否は会社の状況によって変わる可能性があるため、迷うときは経理担当者や顧問の税理士と一緒に一問一答を読み合わせると、見落としが減ります。

一問一答の要件を自社の作業と突き合わせる手順
作業の書き出し、一問一答の確認、要件と工程の対応づけ、空白への対処の決定という4段階の手順図

手書き・追記・FAXの注文書は、判読できるかと追記の有無で扱いを分ける

読みにくい注文書の試し取り込み

要件を一覧にして運用と突き合わせても、手書きの注文書にはもう一段の迷いが残ります。
印字された書類なら、スキャンした画像が紙と同じように読めるかはあまり気にならないかもしれません。
手書きの場合は、薄い鉛筆の数字、かすれたボールペン、何度もコピーされた用紙にFAXで送られてきた文字など、紙の状態でもすでに読みにくいものが混ざります。

そこで、手元の山から特に読みにくいものを何枚か選び、実際に取り込んで画面で確かめてみることをおすすめします。
見るのは、品番・数量・単価・納期・取引先名といった、受注入力に使う項目が紙と同じように読めるかどうかです。
数字の「1」と「7」、「0」と「6」が区別できない、細い線の訂正が消えている、といった違いは、試してみないと気付きません。
読めないものが出たら、スキャナの設定を変えてもう一度試すか、その種類の注文書は紙を残す側に回すかを決めます。

このとき、要件に合っているかと、業務で読めるかは別の確認です。
要件に定められた読み取りの条件を満たしていても、自社の入力担当者が数字を読み違えるなら、紙を捨てた後で取引先に問い合わせる手間が増えます。
逆に、業務上は読めても、要件に照らして足りなければ原本を手放す根拠になりません。
両方を満たすことを紙を捨てる側に入れる条件にしておくと、一枚ごとの判断がぶれにくくなります。

追記・訂正のある注文書は紙を残す条件にする

手書きの注文書では、受け取った後に紙へ書き込みが加わることがあります。
取引先から電話で数量の変更を受けて、担当者が赤ペンで書き直す。
納期の確認が取れたことを示すために、余白にチェックと日付を書く。
こうした追記は、どの時点で誰が書いたのかが、紙の上でしか分からないことがあります。

追記のある注文書を、追記の前に取り込んだのか後に取り込んだのかが曖昧なまま原本を捨てると、画像と紙のどちらが正しい状態だったのかを後から説明できなくなります。
取り込み後の訂正や追記がスキャナ保存の要件の中でどう扱われるかは、一問一答で個別に確かめる必要がある点です。
確かめられるまでは、社内のルールとして「追記・訂正のある注文書は原本を残す」と決めておくと、迷う一枚ごとに判断する手間が省けます。

FAXで届いた注文書も、同じ考え方で振り分けられます。
感熱紙で受け取ったものは時間がたつと文字が薄れることがあるため、紙で残すと決めた場合でも、読めるうちに内容を確かめておくと安心です。
FAXをデータのまま受信している場合は、電子取引データに当たるかの確認が先になります。

手書き・FAXの注文書を、紙を残すものと電子化の候補に振り分ける
試し取り込みで入力項目が読めるか、追記・訂正があるかを順に確かめ、該当すれば紙を残し、問題なければ要件と照合して電子化の候補にする流れ

要件を満たせない注文書は、紙のまま7年(10年)保管して負担を減らす

紙と電子を分ける線引き

ここまでの確認で、すべての注文書を電子化できるとは限らないことが見えてきます。
要件を満たせない、あるいは満たすための手間が見合わない注文書は、紙のまま保存期間いっぱい保管するのも一つの選択です。
電子化はあくまで手段であり、保存期間のあいだ注文書を確かな状態で残せていれば、紙で残すこと自体に引け目を感じる必要はありません。

線を引くときは、ここまで見てきた三つの区分を重ねて考えます。
一つ目は受け取り方で、メールやEDIで届いた電子データは紙の山とは分けて電子のまま保存します。
二つ目は注文書の状態で、判読に不安があるもの、追記・訂正があるものは紙を残す側に入れます。
三つ目は事業年度で、欠損金額などが生じて10年保存になる年度の注文書は、ほかの年度より長く残ることになります1。
この三つで分けると、電子化の候補になるのは「紙で受け取り、読みやすく、追記のない注文書」に絞られます。

全部を一度に電子化しようとせず、候補に絞ってから要件を整えるほうが、照合の作業も小さく済みます。
たとえば、件数の多い定期の取引先の注文書から始め、残りは紙で保管を続けるという分け方もできます。

電子化するか紙で残すかを比べるときは、保管場所の広さだけでなく、注文書を探す場面も思い浮かべてください。
取引先から「以前送った注文の数量を確認したい」と問い合わせがあったとき、紙なら該当年度の箱を開けて探すことになります。
電子化していれば画面で探せる一方、取り込みのたびに要件に沿った作業が加わります。
問い合わせが少なく件数も限られる取引先なら、紙のまま年度ごとに整理しておくだけで足りる場合もあります。

保管場所を減らすための期間管理

紙で残すと決めても、保管の負担を減らす余地はあります。
紙が山積みになりやすいのは、いつ捨ててよいかが分からないまま、すべてを同じ場所に積んでいるときです。

注文書を事業年度ごとに分けて箱やファイルに入れ、表に保存期限を書いておくと、期限が来た箱から順に廃棄の対象にできます。
保存期限は、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年、欠損金額などが生じた年度は10年として計算します1。
受け取った日付ごとに並べるより、事業年度で区切ったほうが、期限が同じ注文書がまとまり、確認する箱の数が減ります。

毎年、決算と申告が終わった時期に、保存期限を迎えた箱がないかを見直すと決めておくと、保管場所が増え続けるのを抑えられます。
新しい年度の箱が一つ増える一方で、期限を迎えた古い年度の箱が一つ減るため、注文の件数が大きく変わらなければ、保管量は一定の範囲に収まりやすくなります。

紙で残す注文書を事業年度ごとの箱で期限管理する手順
事業年度ごとに箱へ分け、表に保存期限を書き、申告後に期限を迎えた箱を見直して廃棄する4段階の手順図

廃棄の前に決めておく社内規程と確認の手順

確認者・確認日・廃棄日の記録

紙の原本を捨てるときは、スキャンした後に捨てる場合でも、保存期限を迎えて捨てる場合でも、後から「なぜこの日に捨てたのか」を説明できるようにしておきたいところです。
税務調査で過去の注文書について尋ねられたとき、あるいは取引先から以前の注文内容を照会されたとき、紙がないこと自体より、捨てた理由と日付が分からないことのほうが説明に困ります。

そこで、廃棄の前に誰が何を確認したのかを残す手順を、社内のルールとして決めておきます。
残しておきたいのは、廃棄する注文書の範囲(事業年度や取引先)、廃棄してよいと確認した人、確認した日、実際に廃棄した日、廃棄の方法です。
スキャン後に原本を捨てる場合は、これに加えて、画像が要件に照らして保存されていることを誰が確かめたかも残します。
確認する人と廃棄する人を分けておくと、一人の思い込みで期限前の箱を捨ててしまうことを防ぎやすくなります。

これらの項目をどう社内規程に書くべきかについて、国税庁の資料で定められた様式はこの記事では確かめていません。
ここで挙げた項目は、後から説明できるようにするための編集部の提案です。
スキャナ保存の要件の中に社内の規程や体制にかかわるものがあれば、一問一答の該当する問に合わせて項目を足してください。

保存期間の台帳管理

記録とあわせて作っておきたいのが、保存期間の台帳です。
事業年度ごとに、確定申告書の提出期限、保存期間の起算日(提出期限の翌日)、保存年数(7年か10年か)、保存期限、保存の形(紙・スキャン画像・電子取引データ)を一行にまとめます1。
起算日を台帳に書いておけば、担当者が替わっても、いつ廃棄してよいかを後から追えます。

保存の形を同じ行に書くのは、一つの事業年度の中に、紙で残した注文書と電子データで受けた注文書が混ざるからです。
紙の箱は期限が来たら廃棄しても、同じ年度の電子データをどうするかは別に決める必要がある、ということが台帳を見れば分かります。

保存期限が来ても、取引先との間で話し合いが続いている注文や、まだ照会が続いている取引の注文書は、すぐに捨てずに残しておくほうが安全です。
台帳に「保留」の欄を設けておくと、期限だけを見て機械的に捨ててしまうことを避けられます。
取引先との契約で注文書の保存について取り決めがある場合は、その期間も台帳の保存期限に反映させます。

記録する項目 後から説明できること
廃棄する範囲(事業年度・取引先) どの注文書を捨てたか
保存期間の起算日と保存年数 保存期限が来ていたこと
確認者と確認日 誰が廃棄してよいと判断したか
廃棄日と廃棄方法 いつ、どのように処分したか
保存の形(紙・スキャン画像・電子取引データ) 同じ年度の残りの記録がどこにあるか
廃棄の前に整える記録・台帳・保留の扱い(編集部の提案を含む)
廃棄の記録、保存期間の台帳、期限後も残す注文書の三つについて、本文の項目を分けて示した図

紙・FAX・メールで届く注文書が混ざっていると、どの注文がどの保存ルールにかかわり、どこで転記が起きているかを自社だけで洗い出すのは手間がかかります。

注文の受け方と入力の流れを整理するところから相談でき、紙で届く注文を減らせる余地があるかを確かめられます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

軸 基準
保存期間 確定申告書の提出期限の翌日から原則7年、欠損金額などが生じた事業年度は10年
メール・EDIの注文書 電子データのまま保存し、日付・金額・取引先で検索できるようにする
紙の原本を捨てる判断 一問一答のスキャナ保存の要件を自社の作業と突き合わせてから
紙を残す注文書 判読に不安があるもの、追記・訂正があるもの
廃棄の記録 範囲・確認者・確認日・廃棄日・方法と、事業年度ごとの台帳

保存のルールを整えても、手書きやFAXの注文が届くたびに入力と保管の作業は続きます。 取引先からの注文の受け方を見直す場合に、何を変えると転記や紙の保管が減るのかを確かめられます。

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よくある質問

メールで届いた注文書と紙の注文書は、同じ方法で保存できますか。

同じ方法にはなりません。
メールやEDIで受け取った注文書は電子取引データとして、令和6年1月から電子データのまま保存することが義務になっており、日付・金額・取引先で検索できることなどが求められます2。
紙の注文書は、紙のまま保存するか、スキャナ保存の要件に照らして電子化するかを選びます。

スキャン後に原本を一定期間だけ残してから破棄してもよいですか。

画像が正しく読めるかを確かめる期間として、原本をしばらく手元に置くのは社内の運用として選べます。
ただし、その期間が過ぎた後に原本を捨ててよいかどうかは、スキャナ保存の要件を満たしているかで判断することに変わりはありません。
国税庁の一問一答で要件を確かめ、満たしていることを確認した記録を残してから廃棄してください4。

追記や訂正のある手書き注文書は、スキャンして原本を捨ててよいですか。

取り込み後の訂正や追記がスキャナ保存の要件の中でどう扱われるかは、一問一答の該当する問で個別に確かめる必要があります4。
確かめられるまでは、追記・訂正のある注文書は原本を残すと社内で決めておくと、画像と紙のどちらが正しい状態かを後から説明できなくなる事態を避けられます。

保存期間が終わった注文書は、いつ・どう廃棄すればよいですか。

その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年、欠損金額などが生じた事業年度は10年が過ぎた後が目安です1。
注文書には取引先名や金額が書かれているため、内容が外に漏れない方法で処分します。
廃棄の前には、範囲・確認者・確認日・廃棄日・方法を記録し、取引先との契約で別の取り決めがないかも確かめておくと安心です。

売上5,000万円以下の事業者は、電子データで受けた注文書の保存で何が変わりますか。

基準期間(2課税年度前)の売上高が5,000万円以下の保存義務者は、電子取引データの検索要件などが不要となる場合があります2。
電子データのまま保存する義務そのものがなくなるわけではありません。
また、紙の注文書をスキャンする場合の要件には関係しない点に注意してください。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:国税庁「タックスアンサー No.5930 帳簿書類等の保存期間」(現行制度)
  2. 2 出典:財務省「広報誌『ファイナンス』令和6年8月号 特集 電子帳簿等保存制度の内容と中小企業の対応策」(2024年)
  3. 3 出典:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」(現行制度)
  4. 4 出典:国税庁「電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】」(現行制度)

画像の出典元

  1. Business professional printing a document in an office environment./Photo by Mikhail Nilov on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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