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手書き注文書の様式移行を取引先とどう進める?統一できる範囲と保存期間の実務

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 手書きの注文書そのものに法律上の書式指定はなく、電子的な様式への移行は当事者の取り決めで進められる。
  • 取適法(旧下請法)の対象となる委託取引では、現行制度上、書面に代えて電磁的記録を提供するのに相手方の事前承諾が必要で、一方的な切り替えはできない。
  • 控えの保存は取適法の2年と法人税法の7年で期間が異なり、目的の違う別々の規定であるため長い方を基準にする。欠損金額が生じた事業年度等は10年間の特例がある。
  • 電子で授受した注文のデータは、取引年月日・取引金額・取引先の3項目を検索条件に設定でき、日付や金額の範囲指定と項目の組み合わせにも対応する形で保存する。
  • 同意を得やすい取引先から記載項目を揃えて移し、混在期間は受注一覧と締め時刻を一本化して受付経路を記録すると、経路が二つでも確認の手順は一つで済む。

Close-up of a professional handshake over a laptop during a business meeting in an office.
▽ 写真の出典元

手書き注文書の何を電子化すると、どの負担が減るのか

FAXや持参で届く手書きの注文書を見ながら、品番と数量を自社の受注画面へ打ち直す。
取引先ごとに略称も欄の並びも違うので、読み取りに迷えば電話で確認する。
この作業を減らしたくて様式の統一を考え始めた、という段階かもしれません。
手書きの注文書そのものに法律上の書式指定はなく、電子的な様式へ移すこと自体は当事者の取り決めで進められます。
ただし自社の受発注が取適法(旧下請法)の下請取引に当たる場合、現行制度では書面の交付に代えて電磁的記録を提供するのに相手方の事前承諾が必要で、一方的な切り替えはできません2。
控えの保存期間も取適法の2年と法人税法の7年で異なります。
同意を得やすい取引先から段階的に進めるのが、現実的な道筋になります。

手書きの注文書は、受け取った時点ではまだ何の処理も始まっていません。
担当者が紙面を読み取り、品番と数量を自社の受注画面へ打ち直し、略称や単位が判断できない箇所は電話やメールで取引先に確認します。
そのあとに控えを綴じ、数か月後に「あの注文はどうなっていたか」と問い合わせが来れば、綴りから該当の一枚を探します。
電子化したいと考えるときに実際に削りたいのは、この一連のうちのどれなのか。
そこを先に決めておくと、取引先へお願いする内容がぶれません。

一口に電子様式といっても、手書きをやめた先にはいくつか段階があります。
取引先が同じ内容をパソコンで作成してPDFにし、メールで送ってくる形でも、紙のやり取りは減り、文字が読み取れずに迷う場面は減ります。
ただしこの形では、受け取った内容を自社システムへ打ち直す作業はそのまま残ります。
転記そのものを減らしたいのであれば、自社が用意した入力画面や、そのまま取り込めるデータ形式で受け取る必要があり、取引先にはこれまでと違う入力操作をお願いすることになります。
同じ「電子化」という言葉でも、前者は相手の手間をほとんど変えずに済み、後者は相手の作業そのものを変える依頼になります。

移行によって新しく発生する作業もあります。
取引先への説明と操作の案内、様式を変えたときの周知、そして控えの保存方法の見直しです。
紙の綴りをやめてデータで持つなら、キャビネットに年度別で並べておけば足りていた状態とは別の要件が関わってくるため、保存の設計は移行の計画に最初から含めておく必要があります。

この説明と案内の手間は、取引先の数にそのまま比例します。
たとえば各種工業用粘着テープやテープ貼り機器を中心に約3,800品種の製品を扱い、全国約3,000社の販売店と取引しているメーカーもあります5。
数十社であれば担当者が個別に電話で説明して回れますが、数百社・数千社の規模になると、案内文と操作手順を整えたうえで順に移っていく前提になります。
裏返せば、取引先が少なく注文の型も決まっている会社ほど、説明の対象は絞られ、様式を決める合意も取りやすくなります。

どの作業を減らしたいかが決まると、取引先にお願いする内容の重さも決まります。
読み取りの迷いをなくしたいだけなら、記載項目と書き方を揃えてもらえば足ります。
転記を減らしたいなら、入力する場所そのものを変えてもらうことになります。
後者ほど相手の業務に踏み込むため、そもそもどこまで統一を求めてよいのかという問いが次に出てきます。

電子様式への移行で減る作業と、新たに生じる作業
読み取り・転記・照会・保管・検索・説明の各作業について、手書きのままの場合と電子様式へ移した場合を並べた表

取引先へ様式統一を求められる範囲は、取引の性質で変わる

取適法(旧下請法)が適用される取引とは

注文書の様式を取引先とどう決められるかは、自社の取引がどの制度の下にあるかで変わります。
取適法(旧下請法)は、製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託といった法定の委託取引を対象にした法律で、委託する側に発注時の明示義務を課しています。
発注に際しては直ちに、当事者の名称、委託をした日、給付の内容、受領期日、代金の額、支払期日などを書面または電磁的方法によって明示しなければならないとされています1。
媒体は紙に限定されていないため、電子で出すこと自体は制度が正面から認めている形です。

そのうえで、書面の交付に代えて電磁的記録を提供する場合の手続きが別に決められています。
現行制度では、事前に相手方の承諾を得ることが必要とされ、承諾を得る際には、電磁的記録の提供を受けない旨を申し出ることができる点もあわせて示さなければならないとされています2。
ここから読み取れるのは、該当する取引では発注する側が「来月から電子のみにします」と一方的に決めることはできない、ということです。
さらに、いったん承諾を得たあとも、相手が紙での交付を求める余地が残る制度設計になっています。
社内で移行計画を立てるときに「対象取引先の全社が期日までに切り替わる」という前提を置くと、この点でずれが生じます。

この承諾を得る義務を負うのは、書面を交付する側、つまり発注して注文書を出す側です。
自社が発注する側で、その取引が法定の委託取引に当たるなら、電子様式へ移すときに承諾を取り付けるのは自社の仕事になります。
反対に、自社が注文書を受け取る側で、取引先に「今後はこの様式で送ってほしい」と依頼する場合、依頼そのものは自由にできますが、手続きを踏んで切り替えるのは相手方であり、承諾する立場にあるのは自社です。
後者では、こちらの希望様式を渡すだけでは動きません。
相手が今どの仕組みで注文書を作っていて、誰が承認して発行しているのかを聞き取るところから始めると、様式の話が相手の社内で検討できる形になります。

なお、この分野の制度は名称も含めて見直しが進んでいます。
電磁的方法による提供の手続きは今後変わる可能性があるため、社内規程や取引先向けの案内文を作る際には、その時点で公正取引委員会が公表している資料で要件を確認してください。

該当しない一般的な受発注の場合

自社の受発注が法定の委託取引に当たらない、単純な商品の売買であれば、いま述べた承諾要件は法律上は及びません。
卸売で自社の商品を販売店へ売る、あるいは仕入先から商品を買うといった取引では、注文書の様式も受け渡しの方法も、当事者間の取り決めで決まります。
ただしこれは「自由に強制できる」という意味ではありません。
「法律で決まっているから」という説明が使えないぶん、相手に協力してもらう理由をこちらで用意する必要がある、ということです。

実際に断られる理由は、法律よりも相手の社内事情にあることが少なくありません。
注文書に押印して回付する承認の流れが決まっている、注文を出す担当者が現場にいてパソコンの前にいない、社内システムから出力される帳票が紙前提で作られている、といった事情です。
こうした相手に一律の期限を切っても、期限までに紙が減らないか、紙と電子の両方が届いて処理が二重になる結果になりかねません。

そこで、統一を求める対象を分けて考えます。
相手の社内でどう起票し、どう承認するかは相手の裁量ですが、自社に届く時点の記載項目と受け取りの経路は、合意さえできれば揃えられます。
品番の書き方、数量の単位、希望納期の欄、注文を識別する番号といった項目を先に決めておけば、相手が紙に手書きしていても、こちらの読み取りと転記の迷いは確実に減ります。
様式の統一を「全取引先を同じ画面に集めること」だと考えると合意までの距離は遠くなりますが、「必要な項目が同じ場所に同じ書き方で入っている状態」に絞れば、紙のままの取引先にも頼みやすくなります。

Close-up of a handshake between two professionals in a business environment.
▽ 写真の出典元

必要な項目をどう決めるか迷うときは、取適法が求める明示事項が手がかりになります。
当事者の名称、委託をした日、給付の内容、受領期日、代金の額、支払期日1という並びは、制度の対象かどうかにかかわらず、注文の内容を後から確認するために必要な情報がひととおり含まれています。
これは法定の要件を対象外の取引にまで広げるという話ではなく、自社様式の最低限を決めるときの参考として使う、という意味です。
そのうえで自社の商売に必要な項目、たとえば出荷先の指定や荷姿、分納の可否などを足していくと、項目の抜けを防ぎながら過不足のない様式になります。

自社の取引 様式と媒体の決まり方 移行の起点
取適法(旧下請法)の対象となる委託取引 発注時に明示する事項が定められ、書面に代えて電磁的記録を提供するには相手方の事前承諾が必要(現行制度) 承諾の取り付けと、提供を受けない旨の申出があった場合の扱いを含めた案内
法定の委託取引に当たらない商品の売買 様式も受け渡しの方法も当事者間の取り決めによる 記載項目と受け取り経路について取引先と合意すること

移行後に新たに必要になる確認事項:控えの保存期間と検索要件

2年(取適法)と7年(法人税法)、どちらに合わせるか

様式を移すと、控えの置き場所も紙の綴りからデータへ移ります。
このとき最初に確認したいのが、その控えを何年持ち続ける必要があるのかという点です。
注文書の保存には性格の違う二つの規定が関わっていて、しかも期間が一致していません。

取適法の対象となる取引では、取引の内容を記載した書類を2年間保存する義務があります1。
一方、法人税法では、注文書などの取引関係書類を、その事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存することとされています3。
後者は起算点が申告期限の翌日に置かれているため、注文を受けた日から数えると、実際には7年より長く手元に残す計算になります。
さらに、青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた事業年度などは、保存期間が10年間となる特例があります3。

この二つは目的の異なる別々の規定で、片方を満たせばもう片方が免除されるという関係にはありません。
そのため実務上は、期間の長い方に合わせて保存する形が安全です。
仮に下請取引に当たる注文書だけを2年で廃棄する運用にすると、同じ書類が法人税法上はまだ保存対象として残っている状態になり、どの注文書がどちらの区分かを毎年判定して廃棄の可否を決める作業が発生します。
移行を機に保存の仕組みを作り直すのであれば、注文書は一律に7年を基準とし、欠損金額が生じた事業年度に関わる分は10年を見込んでおくと、書類ごとの区分けを保存作業に持ち込まずに済みます。

保存期間を長い方に寄せるという判断は、裏返せば、廃棄の時期を決めないまま溜め続けることとは違います。
7年なり10年なりの基準を先に決めておけば、年度ごとにどこまでを残すかが機械的に決まり、保存先の容量や棚の管理も見通しが立ちます。
紙をやめる話とセットで、いつ消してよいかまで決めておくのがこの節の要点です。

電子データで保存する場合の検索要件

取引先とのやり取り自体が電子になった分、つまりメールや取引先向けの画面を通じて授受した注文のデータは、電子取引データとして保存することになります。
紙で受け取ったものの扱いには別の規定があるため、ここでは電子で授受した分に絞って考えます。
この保存で満たす必要があるのが、検索機能の確保です。

電子取引データの保存では、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の3項目を検索の条件として設定できることが求められます4。
あわせて、日付または金額に係る記録項目についてはその範囲を指定して条件設定できること、二つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件設定できることも要件に含まれます4。
「ある期間を指定して絞り込み、そこへ取引先を掛け合わせて探せる状態を作れるか」という基準だと考えると、自社の保存方法が足りているかを判断しやすくなります。

この要件をどう満たすかは、保存の置き場所によって変わります。
受け取ったデータをそのままフォルダへ落としていくだけの運用では、年月日・金額・取引先を条件に絞り込むことができません。
ファイル名に三つの項目を入れて命名規則を決める、別に一覧表を作ってファイルと対応づける、受発注の仕組みの中に注文データとして持たせる、といった形が考えられます。
どれを選ぶかは、月あたりの注文件数と、後から探す頻度で決まります。
件数が少なければ命名規則で運用できますが、件数が増えるほど命名の徹底と誤記の修正が負担になり、注文データとして持つ形に寄せる判断が出てきます。

移行を設計する段階でこの3項目を意識しておくと、後から保存の仕組みを作り直さずに済みます。
様式に注文日と金額と取引先名が入っていても、それが画像や体裁だけの形で残っていれば、検索の条件としては使えません。
受け取った時点で三つの項目がデータとして取り出せる形になっているかどうかが、様式を決めるときの判断材料になります。
そして移行期間中は、紙で届く注文と電子で届く注文の両方が並行するため、控えの保管場所も二つに分かれます。
この状態をどう運用するかが、最後の論点です。

注文書の控えに関わる保存期間と検索の要件
取適法・法人税法・電子取引データ保存について、対象と求められる期間や要件を並べた表

出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)委託事業者の義務」、国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」、国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト(電子取引データ保存)」(いずれも確認時点の現行制度)

混乱なく移行するための進め方:同意を得やすい取引先から始める

承諾を前提とする制度である以上、移行は「いつ全社を切り替えるか」ではなく「どこから順に切り替えるか」を決める作業になります。
対象外の取引についても、相手の社内事情が移行の速度を決める点は同じです。
一斉の期限を置く計画より、先行する取引先で様式と運用を固め、それを持って対象を広げる進め方のほうが、途中で起きる差し戻しが少なくて済みます。

先に声をかけやすいのは、次のような条件が重なる取引先です。

<ul><li>注文の頻度が高く、品目や数量の型がある程度決まっている</li><li>担当者が固定していて、やり取りの窓口がはっきりしている</li><li>すでにメールなどで注文内容を送ってきている</li><li>取引量が大きく、双方にとって手間を減らす動機がある</li></ul>

先行する取引先が決まったら、様式の見た目より先に記載項目を確定させます。
最初の数社で出てくる指摘は、たいてい「この欄に何を書けばよいか分からない」「うちで使っている呼び方と品番の表記が違う」といった記入の迷いで、項目名の言い換えや選択肢の用意で解消できる種類のものです。
この段階で直しておけば、対象を広げたときに同じ問い合わせを繰り返し受けずに済みます。
逆に、項目が固まらないまま対象を広げると、変更のたびに全取引先へ案内を出し直すことになります。

移行の期間中は、手書きの注文書と新しい様式が同時に届きます。
ここで起きやすいのが、同じ注文を二つの経路から受けて二重に処理することと、どちらの経路にも登録されないまま放置される注文です。
防ぐ手立ては、受け付ける経路が増えても、確認する場所は増やさないことに尽きます。
届いた経路にかかわらず一つの受注一覧へ集約し、注文ごとに受付番号を振って、どの経路で受けたかを記録しておきます。
締め時刻も経路ごとに変えず同じ時刻で区切っておくと、当日出荷の扱いで取引先との認識がずれません。

すべての取引先が新しい様式へ移るとは限りません。
該当する取引では、相手方が電磁的記録の提供を受けない旨を申し出られる制度になっている以上2、紙で受け続ける取引先が残る前提で仕組みを作るほうが現実的です。
紙が残ること自体が問題なのではなく、困るのは、紙の分だけ確認の手順と控えの置き場所が別になることです。
紙で届いた注文も同じ受注一覧に登録し、控えの保存期間は長い方の基準で揃えておけば、受け取る経路が二つでも、探し方と廃棄の判断は一つで済みます。

この進め方で減るのは、読み取りの照会にかかる往復と、綴りから該当の一枚を探す時間です。
一方で、取引先への案内と、項目を変えたときの周知は移行後も残り続けます。
移行を「紙をなくす作業」ではなく「どの確認を減らし、どの確認を残すかを決める作業」として設計しておくと、紙の取引先が残っても、途中で判断がぶれません。

自社の取引に当てはめて確かめる点を、最後に整理しておきます。

様式移行を段階的に進めるときの順序
減らしたい作業の決定から記載項目の確定、先行取引先での試行、記入の迷いの修正、混在期間の運用固めまでの五段階を示した流れ図

制度上どこまで求められるかが分かっても、自社の注文の型に合わせて記載項目と受け取り方をどう組むかは、いまの受発注の流れを見ないと決まりません。

取引先ごとの注文の出方と件数を伝えたうえで相談すると、どの取引先から移せるか、記載項目をどこまで揃えれば読み取りと転記が減るかを、自社の運用に当てはめて確かめられます。無料相談で要件を整理する

様式移行の可否と進め方を決める判断軸

取引の性質・制度上の要件・自社の運用という観点ごとに、確認すべき事柄を整理した。

  • 自社の受発注が取適法(旧下請法)の対象となる委託取引に当たるか。当たる場合、現行制度では書面に代えて電磁的記録を提供するのに相手方の事前承諾が必要で、承諾を得る際には提供を受けない旨を申し出られることも示す必要がある2
  • 注文書を出すのが自社か取引先か。承諾を得る手続きを踏むのは書面を交付する側であり、受け取る側から依頼する場合は相手の起票と承認の流れを確認するところから始まる
  • 新しい様式に、当事者の名称・委託をした日・給付の内容・受領期日・代金の額・支払期日1が漏れなく載っているか
  • 控えの保存期間を、取適法の2年1ではなく法人税法の7年3を基準に揃えているか。欠損金額が生じた事業年度等は10年間の特例がある3
  • 電子で授受する分が、取引年月日その他の日付・取引金額・取引先の3項目で検索でき、日付や金額の範囲指定と項目の組み合わせにも対応できる形で保存されるか4
  • 手書きと新様式が混在する期間、受注一覧と締め時刻を一本化し、受付番号で経路を記録できているか

要点の整理

軸 基準
様式を一方的に変えられるか 取適法の対象となる委託取引では、現行制度上、書面に代えて電磁的記録を提供するのに相手方の事前承諾が必要
承諾の手続きを踏むのは誰か 注文書を交付する側。受け取る側から依頼する場合は相手の起票と承認の流れを確認する
新様式に載せる項目 当事者の名称・委託をした日・給付の内容・受領期日・代金の額・支払期日を最低限の目安にする
控えの保存期間 取適法の2年ではなく法人税法の7年を基準にし、欠損金額が生じた事業年度等は10年を見込む
電子データの保存方法 取引年月日・取引金額・取引先の3項目で検索でき、日付や金額の範囲指定と項目の組み合わせにも対応する形にする
混在期間の運用 経路を増やしても受注一覧と締め時刻は一つに保ち、受付番号で受付経路を記録する
A detailed close-up of a fountain pen poised over graph paper, ideal for educational or business use.
▽ 写真の出典元

移行後に残るのは、紙と電子が混在した状態で注文をひとつの一覧に集めることと、保存した注文データを後から探せる形にしておくことです。 現在の注文件数と控えの保管方法を共有すれば、受注一覧の集約の仕方や、取引年月日・取引金額・取引先で探せる保存の形をどう作るかを、具体的な運用として確かめられます。

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よくある質問

取適法の対象にならない一般的な卸売の受発注でも、取引先の同意なく様式を変えてよいか

電磁的記録の提供に事前承諾を求める規定は、取適法(旧下請法)の対象となる委託取引についてのものなので2、対象外の売買には法律上は及びません。
ただし注文書を発行するのが取引先であれば、その様式は相手が決めるものなので、こちらの意向だけでは変わりません。
自社が注文書を出す側であれば様式の変更自体は自由にできますが、相手の検収や支払処理に影響するため、変更の内容と時期を事前に案内するのが実務上は必要です。
いずれの場合も、記載項目をどこまで揃えるかを合意しておくと、紙のままの取引先でも読み取りと転記の迷いは減らせます。

注文書を電子データで保存する場合、どのような検索要件を満たせばよいか

電子で授受した注文のデータについては、取引年月日その他の日付、取引金額、取引先の3項目を検索の条件として設定できることが求められます4。
加えて、日付または金額に係る記録項目は範囲を指定して条件設定できること、二つ以上の任意の記録項目を組み合わせて条件設定できることも要件に含まれます4。
フォルダへ保存するだけでは条件を指定した絞り込みができないため、ファイル名の命名規則、対応づけた一覧表、受発注の仕組み内での注文データ保持といった形のいずれかを選ぶことになります。
月あたりの件数が増えるほど命名の徹底が負担になるため、件数と検索の頻度で選び方が変わります。

取引書類は取適法の2年と法人税法の7年のどちらに合わせて保存すればよいか

二つは目的の異なる別々の規定で、片方を満たせばもう片方が免除されるという関係にはありません。
取適法の対象取引では取引書類を2年間保存する義務があり1、法人税法では注文書などの取引関係書類をその事業年度の確定申告書の提出期限の翌日から7年間保存することとされています3。
両方に対応するには、期間の長い7年を基準に運用するのが実務的です。
青色申告書を提出した事業年度で欠損金額が生じた事業年度などは10年間となる特例があるため3、該当する年度分はその期間を見込んでおきます。

手書きと電子の注文書が混在する期間、どう運用すれば取りこぼしを防げるか

受け付ける経路は増えても、確認する場所を増やさないことが基本になります。
紙で届いた注文も新しい様式で届いた注文も同じ受注一覧へ登録し、注文ごとに受付番号を振って、どの経路で受けたかを記録します。
締め時刻を経路ごとに変えないでおくと、当日出荷の可否で取引先との認識がずれません。
控えについても、経路にかかわらず保存期間を長い方の基準で揃えておけば、後から探すときの手順が一つで済みます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:公正取引委員会「中小受託取引適正化法(取適法)委託事業者の義務」(確認時点の現行制度)
  2. 2 出典:公正取引委員会「下請取引における電磁的記録の提供に関する留意事項」(令和5年12月25日改正)
  3. 3 出典:国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間(タックスアンサー)」(確認時点の現行制度)
  4. 4 出典:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト(電子取引データ保存)」(確認時点の現行制度)
  5. 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(日東電工CSシステム株式会社様)」(事例掲載時点)

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  1. Close-up of a professional handshake over a laptop during a business meeting in an office./Photo by Andrea Piacquadio on Pexels
  2. Close-up of a handshake between two professionals in a business environment./Photo by Alena Darmel on Pexels
  3. A detailed close-up of a fountain pen poised over graph paper, ideal for educational or business use./Photo by Pixabay on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
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※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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