◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- クラウド型は2026年時点の公開価格で初期費用80,000円、月額9,800円から始まります。商品数30,000・会員数30,000の規模では月額79,800円です(いずれも税別)4。
- 基幹システム連携を伴う個別開発では、2026年時点で小規模カスタマイズのモデルケースが初期費用400万円・月額7万円からです。大規模カスタマイズは初期費用1,500万円からが下限として示されています5。
- デジタル化・AI導入の通常枠は、2026年時点で補助額が5万円から450万円までの範囲です3。省力化投資の一般型は補助率50%で、上限額は従業員5人以下で750万円、従業員101人以上で8,000万円です2。
- クラウドサービスを利用している企業は2024年に80.6%です1。費用の比較は、価格が公開されているクラウド型を起点に組み立てられます。
- 企業IT動向の調査に回答した981社では、2025年度にIT予算を増やす見込みと答えた企業が49.5%でした6。予算編成の時期が、稟議を出す起点になります。
目次

展示会受注システムの費用とは
展示会受注システムの費用とは、会場での受注入力から社内の受注データ確定までを支える仕組みを導入し、維持するための費用の総額です。2026年時点の公開価格では、クラウド型が初期費用80,000円・月額9,800円から、個別開発型が初期費用400万円からを下限としています(いずれも税別)45。
費用に含まれる範囲と含まれない範囲
展示会受注システムの費用は、初期費用・月額費用・連携費用の3つに分けて見ると、見積書の読み方が定まります。クラウド型では、2026年時点で初期費用80,000円・月額9,800円からの価格が公開されています(税別)4。
見積に含まれないものも先に押さえます。会場の通信回線、貸出端末、社内での商品マスタの整備工数は別勘定になりやすく、稟議書に自社負担として並べておくと差し戻しを避けられます。
紙・Excel運用を続けた場合に発生する社内工数
会場では紙のオーダーシートに書き取り、閉場後に事務所でExcelへ打ち直す流れが残っています。同じ受注を2回書くため、書き取りの読み違いと転記漏れが同時に起こります。
手戻りは会期中に判明しません。得意先から出荷予定を尋ねられた段階で発覚し、営業担当が会場控えを探し直す待ち時間が積み上がります。仕組みを入れない選択にも、この社内工数という費用がかかります。
会期という締切から逆算した費用確定の順序
費用の確定は、動かせない締切である会期から逆算します。要件の棚卸しで会場運用と社内連携の線を引き、見積の取得で価格帯を把握し、稟議と発注に進む順序です。
順序を入れ替えると、金額だけが先に動きます。連携範囲が固まらないまま見積を取れば、追加要件が出るたびに再見積となり、会期に間に合わない判断保留が生まれます。
展示会受注システムの費用の内訳
初期費用(導入設定・マスタ登録・研修)
初期費用は導入設定・マスタ登録・研修の3つで構成されます。クラウド型では上位のエンタープライズ相当のプランを除き、2026年時点で初期費用80,000円が公開価格として示されています(税別)4。
金額の差は作業量ではなく、誰が手を動かすかで生じます。商品マスタの登録を自社で担えば費用は抑えられますが、色とサイズの組み合わせを持つ商材では登録件数が増え、担当者の作業時間が費用の代わりに出ていきます。
月額費用(商品数・会員数などの課金軸)
月額費用は、商品数と会員数を課金軸とするプラン制で公開されています。2026年時点で、商品数500・会員数50のプランは月額9,800円、商品数30,000・会員数30,000のプランは月額79,800円です(いずれも税別)4。
見るべきは現在の商品数ではなく、会期に載せる予定の商品数です。得意先を会員として登録する運用では、取引先数の伸びがそのまま上位プランへの移行時期を決めます。
カスタマイズ費用と基幹システム連携費用
カスタマイズと基幹システム連携の費用は、公開価格の外側に置かれます。個別開発型では、2026年時点で小規模カスタマイズのモデルケースの下限が初期費用400万円・月額7万円です5。大規模カスタマイズでは初期費用1,500万円からが下限です5。
差が開く理由は連携の向きと本数です。受注データを基幹へ渡すだけの片方向か、在庫と与信を基幹から取り込む双方向かで、作り込む処理の本数が変わります。
自社の商流に合わせた要件整理を進めたい場合は、無料相談で要件を整理するのが近道です。
費用の目安と価格帯の見方
クラウド型の公開価格(初期80,000円・月額9,800円から)
クラウド型は価格が公開されており、社内稟議に金額をそのまま載せられます。2026年時点の水準は、初期費用80,000円、月額はライト相当のプランで9,800円からです(税別)4。
公開価格は下限であり、上限も同じ料金表で確かめられます。商品数30,000・会員数30,000を扱うプランの月額は79,800円で、規模が伸びた場合の月額も事前に読めます4。
個別開発型のモデルケース(初期400万円・月額7万円から)
個別開発型は、モデルケースという形で価格帯が示されます。小規模カスタマイズで初期費用400万円・月額7万円から、大規模カスタマイズで初期費用1,500万円からという下限です5。
モデルケースは自社の金額ではありません。色とサイズの持ち方、与信の判定、基幹システムの受け口の状態で開発の量が変わるため、要件を書いてから見積を取る順序が費用の精度を決めます。
税別・税込や年額一括などの支払条件の違い
公開価格の比較では、税別と税込の表示の違いが金額の差に見えます。クラウド型の公開価格は税別の表示です4。稟議書に税込へ換算した額を併記すると、決裁の場で計算が止まりません。
支払条件も費用の見え方を変えます。月額を年額で前払いする条件では、初年度の支出が1年分の利用料と初期費用の合計になり、単月で比べたときとは印象が変わります。

補助金で費用を抑える進め方
デジタル化・AI導入補助金の通常枠(5万円から450万円)
補助金の確認は、対象となる費用の範囲から始めます。通常枠では、2026年時点で補助額が1プロセス以上で5万円から、4プロセス以上で450万円までと示されています3。
クラウドの利用料も対象に入りますが、期間に上限があります。補助対象となるクラウド利用料は最大2年分で、3年目以降は自社負担に戻る前提で総額を組み立てます3。
省力化投資補助金の一般型(従業員規模別の上限)
省力化の投資として申請する道もあります。一般型の補助率は中小企業で50%、上限額は従業員5人以下で750万円、従業員101人以上で8,000万円です2。
上限額は自社の従業員規模で決まるため、申請前に区分を確かめます。補助率50%は自己負担が残る前提を意味し、枠として使える上限額と実際に払える額は分けて見ておきます2。
クラウド利用料が補助対象になる期間の確認
進め方は3段で足ります。補助対象の確認、公募回の確認、交付決定後の発注という順序です。
順序の入れ替えは避けます。公募回ごとに補助率・上限額・受付の期間が変わるため、制度の公式ページで対象経費と発注の時期の条件を確かめてから契約に進みます3。
クラウド利用率80.6%が示す費用の前提
クラウド型が選択肢の中心になった背景
判断軸は3つに絞れます。会場運用だけで足りるか、基幹システム連携が要るか、単年度で払える枠がいくらか、の3点です。
クラウドサービスを利用している企業は2024年に80.6%でした1。個別開発を選ぶ理由を社内で説明しきれない場合は、価格が公開されているクラウド型を起点に置くと、金額の根拠を出典付きで示せます。
IT予算の増加見込みと稟議のタイミング
3つ目の軸である単年度の枠は、予算編成の時期と重なります。企業IT動向の調査に回答した981社では、2025年度にIT予算を増やす見込みと答えた企業が49.5%でした6。この調査とクラウド利用率の調査は対象と方法が異なるため、2つの割合を並べて比べることはできません。
予算が動く年度に合わせて申請の準備を進めます。会期の日程が先に決まっている場合は、会期から逆算した発注時期と補助金の公募回の受付期間が両立するかを先に確かめます。
以降は、自社の構成が標準の進め方から外れる場合に向けた、さらに詳しい内容です。
見積が動く条件と自社負担に残る費用
- 会場運用だけに絞るか、基幹システム連携まで含めるかで価格帯が変わります。2026年時点の公開価格では、クラウド型が初期費用80,000円・月額9,800円から、個別開発型が初期費用400万円からを下限としています45。
- 商品数と会員数という課金軸が月額を決めます。商品数500・会員数50のプランは月額9,800円、商品数30,000・会員数30,000のプランは月額79,800円です(いずれも税別)4。
- 色とサイズの持ち方と与信の判定が、カスタマイズの量を左右します。大規模カスタマイズのモデルケースでは、初期費用1,500万円からが下限として示されています5。
- 補助金の枠が単年度の投資額の上限を作ります。通常枠の補助額は5万円から450万円です3。省力化投資の一般型は補助率50%で、上限額は従業員5人以下で750万円、従業員101人以上で8,000万円です2。
- クラウド利用料が補助対象になる期間は最大2年です3。3年目以降の月額は自社負担に戻るため、補助が切れた後の年間費用まで含めて稟議に載せます。
- 商品マスタの整備と会場運用の手順づくりは、見積の外側に残ります。クラウドサービスを利用する企業が2024年に80.6%を占めるなかでも、自社の商品データを揃える作業は外部に置き換えられません1。
上の並びに順位は付けておりません。順位の出典が取れていないためでございます。
会場単独・基幹連携・段階導入 — 構成別に費用が決まる3つの型
| 構成の型 | 当てはまる条件 |
|---|---|
| 会場運用に限定した単独構成 | 会期中の受注入力と受注一覧の出力までで足り、基幹システムへは手作業で取り込む場合 |
| 基幹システム連携ありの個別開発構成 | 色とサイズ別の在庫引き当てと与信の判定を、基幹システムの情報で決める場合 |
| 補助金枠に合わせた段階導入構成 | 単年度で払える額に上限があり、会期を挟んで導入範囲を分ける場合 |
会場運用に限定した単独構成
連携を前提としない場合に落とせる費用
連携を前提としない構成では、費用の大半が公開価格の中に収まります。初期費用80,000円と月額9,800円からのプラン料金で会場運用を始められ、開発費が発生しません(税別)4。
この型が成立するのは、会期後の取り込みを手作業で許容できる場合です。受注一覧を書き出して基幹システムへ登録する作業が残るため、会期の規模が大きいほど事務の負荷が戻ってきます。
課金軸(商品数・会員数)から月額を確定する手順
月額は、会期に載せる商品数と登録する得意先の数で決まります。商品数500・会員数50のプランが月額9,800円、商品数30,000・会員数30,000のプランが月額79,800円という幅です4。
この型は外部に頼まずに進められます。商品マスタの登録と得意先の登録を自社で担い、公開されている料金表からプランを選べば、稟議に必要な金額はそろいます。
難しさは低い一方で、段取りの手間は残ります。受注事務・営業企画・情報システムの3部門が、会期前に同じ商品データを見る場を1回持つ必要があります。
| 確かめる項目 | この型での扱い |
|---|---|
| 初期費用 | 80,000円から(税別・2026年時点の公開価格) |
| 月額費用 | 9,800円から79,800円(税別・課金軸は商品数と会員数) |
| 連携開発 | なし。会期後の取り込みは手作業で残る |
| 自社の作業 | 商品マスタの登録と得意先の登録 |
基幹システム連携ありの個別開発構成
色サイズ・SKU・与信の要件が費用を押し上げる理由
この型では、公開価格の外側で費用が決まります。色とサイズ別のSKU(色やサイズまで分けた最小の管理単位)ごとに在庫を引き当て、与信の残枠を基幹システムから取り込む処理を作り込むためです。
小規模カスタマイズのモデルケースの下限は初期費用400万円・月額7万円、大規模カスタマイズでは初期費用1,500万円からが下限です5。金額の幅は作り込む処理の本数で開くため、要件を先に書き出す作業が見積の精度を決めます。
カスタマイズ規模別のレンジで判断する基準
判断の軸は価格ではなく、止められない業務がどこにあるかです。会期中に在庫を確定させないと出荷が回らない商材では、連携を落とす選択が会期後の欠品対応に置き換わります。
難しさは高く、要件の確定に社内の合意が要ります。営業企画が色とサイズの持ち方を決め、情報システムが基幹システムの受け口を確かめ、受注事務が例外処理の扱いを決める3段の合意です。
発注前に、連携の向きと本数を1枚に書き出します。表に並べた2つの価格は別の提供元が公開したモデルケースであり、同じ条件での比較ではありません45。
| 構成の規模 | 初期費用の下限 | 月額費用の下限 |
|---|---|---|
| 連携なしのクラウド型 | 80,000円(税別) | 9,800円(税別) |
| 小規模カスタマイズの個別開発 | 400万円 | 7万円 |
| 大規模カスタマイズの個別開発 | 1,500万円 | モデルケースに記載なし |

補助金枠に合わせた段階導入構成
補助率と上限額から単年度の投資枠を決める
この型は、払える額が先に決まっている場合の進め方です。補助率50%と上限額から単年度の枠を出し、その枠に収まる範囲へ導入の中身を切り分けます2。
通常枠の補助額は5万円から450万円です3。省力化投資の一般型では、上限額が従業員5人以下で750万円、従業員101人以上で8,000万円です2。補助が出ても、補助率50%のもとでは同額の自社支出が残ります。
会期スケジュールと公募回のかみ合わせ
導入の中身は3段階に分けます。初年度は会場運用の先行導入として、商品マスタの登録と会場での受注入力までを範囲にします。
次に基幹連携の追加へ進み、受注データの連携と与信の確認を加えます。最後に運用の定着として、担当者の研修と次回会期の見直しを組み込みます。
注意点は、公募回の受付期間と会期の日程がかみ合うかどうかです。クラウド利用料が補助対象になる期間は最大2年で、3年目以降の月額は自社負担に戻ります3。
| 段階 | 導入の範囲 | 費用の扱い |
|---|---|---|
| 会場運用の先行導入 | 商品マスタの登録と会場での受注入力 | 初期費用と月額費用を補助の対象として申請 |
| 基幹連携の追加 | 受注データの連携と与信の確認 | カスタマイズ費用が加わる |
| 運用の定着 | 担当者の研修と次回会期の見直し | 月額費用のみ。クラウド利用料の補助は最大2年 |
要点の整理
| 判断軸 | 確定させる基準 |
|---|---|
| 連携の範囲 | 会期中に在庫と与信を確定させるかどうか。手作業の取り込みで足りれば公開価格の範囲に収まる |
| 課金軸 | 会期に載せる商品数と登録する得意先数。月額9,800円から79,800円の幅で決まる(税別) |
| カスタマイズの量 | 色とサイズ別のSKUと与信の判定の要否。小規模で初期費用400万円、大規模で1,500万円が下限 |
| 単年度の投資枠 | 補助率50%と上限額から算出。通常枠の補助額は5万円から450万円 |
| 補助の期間 | クラウド利用料の補助対象は最大2年。3年目以降の月額は自社負担 |
| 発注の時期 | 会期から逆算した順序と、公募回の受付期間のかみ合わせ |
よくある質問
見積を依頼する前に、社内で確定させておく項目はありますか。
会期に載せる商品数、会員として登録する得意先数、基幹システム連携の有無の3点を先に決めます。月額はこの商品数と会員数を課金軸とするため、数が決まらないとプランを選べません4。連携の有無は、初期費用の桁が変わる分かれ目になります5。
費用の再見積が必要になる変更はどのような場合ですか。
連携の向きと本数が変わる場合です。受注データを渡す片方向から、在庫と与信を取り込む双方向へ広げると、作り込む処理が増えます。小規模カスタマイズの下限が初期費用400万円、大規模カスタマイズが1,500万円からという幅は、この差から生じます5。
公開されている価格は税別ですか、税込ですか。
クラウド型の初期費用80,000円と月額9,800円からという価格は、税別の表示です4。稟議書では税込へ換算した額を併記します。個別開発型のモデルケースについても、税の扱いと支払条件を見積書で確かめたうえで比較します5。
補助金はクラウドの月額費用にも使えますか。
使えますが、期間に上限があります。補助対象となるクラウド利用料は最大2年分で、3年目以降の月額は自社負担に戻ります3。通常枠の補助額は1プロセス以上で5万円から、4プロセス以上で450万円までです3。
従業員規模によって補助の上限額は変わりますか。
変わります。省力化投資の一般型では、上限額が従業員5人以下で750万円、従業員101人以上で8,000万円です2。補助率は中小企業で50%のため、上限まで使う場合も同額の自己負担が残ります2。公募回ごとに条件が変わるので、制度の公式ページで最新の内容を確かめます。
クラウド型と個別開発型のどちらを選ぶか、判断の目安はありますか。
会期中に在庫と与信を確定させる必要があるかどうかが目安です。会期後の手作業での取り込みを許容できるなら、価格が公開されているクラウド型で足ります4。クラウドサービスを利用する企業は2024年に80.6%を占めており、金額の根拠を示しやすい選択でもあります1。
商品マスタの登録は自社で担ったほうが費用は下がりますか。
初期費用は下がりますが、担当者の作業時間に置き換わります。色とサイズの組み合わせを持つ商材では登録件数が増え、会期前の作業が受注事務に集中します。委託と自社作業の線引きを見積書に明記し、どちらの負担が会期に間に合うかで決めます。
- 1 出典:総務省「令和7年版 情報通信白書(クラウドサービス)」(2025年) 経路
- 2 出典:中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金(一般型)制度概要」(2026年) 経路
- 3 出典:中小企業基盤整備機構「デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠」(2026年) 経路
- 4 出典:Dai「Bカート 料金プラン」(2026年) 経路
- 5 出典:アイル「アラジンEC 料金」(2026年) 経路
- 6 出典:日本情報システム・ユーザー協会「企業IT動向調査2025 プレスリリース第1弾」(2025年) 経路
画像の出典元
- A pen pointing to a financial graph showing sales and total/Photo by Kindel Media on Pexels
- Server with electronic switches and connectors with yellow a/Photo by Brett Sayles on Pexels
- Detailed image of a circuit board featuring capacitors and i/Photo by Alexandre P. Junior on Pexels