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展示会受注システムの効果とは|会期中の受注額把握と紙・Excel管理との違い

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 紙の受注伝票とExcelでは記録・転記・入力が別々の作業に分かれ、集計の起点が会期後になるため、会期中に受注額の全体像がつかめない。
  • 受注システムの効果の中心は、会場の端末で入力した受注がその場でクラウドに保存され、得意先別・品番別の集計として会期中に確認できることにある。
  • 主催者が提供する出展者管理の機能は出展申込から提出物の管理までが中心で、バイヤーからの受注受付に関する記述は確認できないため、受注システムは出展社が自社で用意する対象になる。
  • 自社の受注伝票の項目を入力欄として再現できるか、入力したデータが既存の営業システムへ渡るかを確かめないと、会期中の数字が実際の受注とずれたり、会期後に打ち直しが残ったりする。
  • 会期中の受注額から翌日の配置や声かけを変える使い方は確認できた機能から導いた提案であり、受注額への効果を実測した資料はないため、見る単位とタイミングを会期前に決めて自社の会期で確かめる。

An adult's hand reaches for office file folders, capturing a thoughtful moment. Indoors setting.
▽ 写真の出典元

会期中に受注額がつかめない状態は何が原因か

初日が終わってブースの片付けをしながら本社から進捗を聞かれ、手元にあるのは複写伝票の束だけ——という出展を重ねていると、会期中に打てる手がどうしても限られます。
ここで変えられるのは集計の速さそのものではなく、注文を記録する場所です。
会場のタブレットなどから入力した受注がその場でクラウドに保存され、得意先別・品番別の集計として会期中に確認できるようになる点が、受注システムの効果の中心になります12。
なお主催者が用意する出展者向けの仕組みは出展申込や提出物の管理が中心で、バイヤーからの受注受付は含まれないため、受注システムは出展社が自社で用意する対象になります4。

紙の受注伝票で起きやすいミス

受注伝票を書くのは、たいてい商談の終わり際です。
バイヤーが次のブースへ向かう時間を気にしている前で、品番、色、サイズ、数量、納期、掛け率を複写式の用紙に書き込み、控えを切り離して渡す。
この数分の間に記録されたことが、そのまま後の集計の精度を決めます。

ベンダーの解説では、紙とExcelによる受注管理は記録ミスや転記ミス、データ入力エラーが起きやすいと説明されています1。
ここで厄介なのは、ミスそのものよりも、ミスに気づく時点が遅れることです。
品番の桁が一つ違っていても、数量欄の位置が一段ずれていても、会場では誰も検算しません。
検算する時間がないからで、商談の列が途切れないブースほどその傾向は強くなります。

気づくのは伝票を営業所に持ち帰って入力したあと、早くても会期の終盤です。
そのころには、バイヤー側の控えとこちらの記録が食い違っていても、どちらが正しいかを会場で確かめる相手がもういません。
結局は先方へ連絡して確認することになり、会期中に片付くはずだった話が会期後の作業として残ります。

そしてもう一つ、紙の伝票は足し合わせにくい形で情報を持っています。
一枚ずつには正しい金額が書かれていても、束になった状態では合計が出ません。
合計を出すには、誰かが全部を読み取って別の場所へ写す作業が必要になります。
会期中に受注額の全体像がつかめないのは、担当者の手際が悪いからではなく、記録の形が集計に向いていないからです。

回収の抜けも起きます。
複数の担当が同時に商談していると、伝票の綴りも担当ごとに分かれ、鞄の中や商談テーブルの引き出しに残ったまま一日が終わることがあります。
束が全部そろっているかどうかを会期中に確かめる方法がないため、集計の途中で「これで全部か」という不安が残ったまま数字を扱うことになります。

紙の受注伝票では、集計の起点が会期後に置かれます(模式図)
会場での手書きから会期後の集計までの流れ

Excel集計にかかる時間と遅れ

会期が終わると、各担当が持ち帰った伝票を手分けしてExcelに入力します。
担当ごとにブックが分かれ、得意先名の書き方が揃わず、品番の並び順も違う。
合算する前に、まず形をそろえる作業が挟まります。

ある受注システムの導入事例では、導入前はExcelでの記録・集計・転記に業務時間がかかり、展示会の営業フローの管理が手作業で行われていたと紹介されています2。
この事例は原文に企業名や事業内容の記載がなく、どの業種のどの規模の出展だったかまでは確認できません。
ただ、記録と集計と転記が別々の作業として積み上がる形は、会場で紙の伝票を使う出展であれば起こり得るものです。

そもそもExcelは、会期中に更新し続けるのに向いていません。
ファイルは会場ではなく社内にあり、同じブックを複数の担当が同時に触ると上書きの問題が出ます。
会場で開けたとしても、一日分の伝票を打ち込むだけで営業時間が終わってしまい、商談の合間に入力できる分量ではありません。
だから多くの場合、入力は会期後にまとめて行う運用に落ち着きます。

問題は、この一連の作業が終わるのが会期後だということです。
初日の受注額が分かるのが会期後なら、その数字で変えられることはもう残っていません。
本社から途中経過を聞かれても手応えを言葉で伝えるしかなく、残りの会期で何を優先するかも、その場にいる人の感覚で決めることになります。
会期中の判断材料がないという悩みは、集計が不正確だという話ではなく、集計が間に合わないという時間の話です。

受注システムを導入すると会期中の受注額はどう把握できるのか

入力から集計までの流れ

受注システムを入れて変わるのは、注文を記録する場所です。
ベンダーの説明では、PCやタブレット、スマートフォンから受注を入力でき、手書きの伝票を後から転記する作業が不要になるとされています1。
紙に書いてから写すのではなく、会場で直接入力する形に変わります。

導入事例では、タブレットの導入によって会場での入力が可能になり、入力された受注データがリアルタイムでクラウドに保存されて営業システムと連携するようになったと説明されています2。
ここで起きている変化を一言でいえば、集計の起点が会期後から入力の瞬間へ移ったということです。
紙のときは伝票を集め、写し、合計して初めて金額になりましたが、入力した時点で金額として積み上がっていれば、合計を見るために待つ必要がありません。

現場としては、誰がいつ入力するかを決めておく必要が出ます。
商談しながら担当者本人が打ち込むのか、商談が終わった直後に手元のメモを見ながら打つのか、入力を担当する人をブースに置くのか。
商談中の入力は転記が挟まらない代わりに、端末の操作に気を取られるとバイヤーとの会話が途切れます。
商談直後の入力は会話に集中できますが、次の来場者が続くと入力が後ろに溜まっていきます。
どちらが合うかはブースの人数と来場の波によって変わるので、会期前に決めて設営日に一度通してみるのが現実的です。

もう一つ、前提の確認が要ります。
この話は会場に入力端末とネットワークが用意できることが土台になっています。
また、入力からどれくらいの間隔で集計に反映されるのか、数分単位で見えるのか一定時間ごとの更新なのかまでは、確認した資料には書かれていません。
会期中に見たい頻度があるなら、そこは製品ごとに確かめる部分になります。

入力した時点が集計の起点になります(模式図)
会場入力からクラウド保存・集計・会期中の確認までの流れ

得意先別・商品別に確認できる範囲

会期中に見たいのは、合計金額だけではありません。
どの得意先がどれだけ書いてくれたのか、どの品番が動いているのか。
これが分からないと、翌日に何を変えればよいかが決まらないからです。

アパレル向けの受注管理では、得意先別の受注入力と、品番別に受注を配分する入力の両方に対応しているとされます3。
集計についても、数量、金額、製造工場、納期といった複数の角度から行い、売上予測に用いると説明されています3。
別のベンダーも、受注データの集計・分析によって、どの商品がどのバイヤーにどの程度販売されたかを可視化できると述べています1。
いずれもベンダー自身による機能の説明であり、導入した出展社が実際にどの程度の速さと精度で把握できたかを測った調査ではありません。

この単位の話は、実務では機能一覧以上の意味を持ちます。
紙の伝票でも、束を一枚ずつめくれば同じ情報は読み取れるからです。
違うのは、めくらずに切り替えられるかどうかです。
得意先別で見て気になる取引先を見つけ、そのまま品番別に切り替えて何が売れているかを確かめる。
この往復が会場の空き時間にできるかどうかが、会期中の判断につながります。

もう一つ、紙の運用をそのまま持ち込めるかという観点があります。
先のアパレル向けの受注管理では、受注伝票ナンバーの入力や納期指定、特値への対応が挙げられ、自動警告機能を備えると説明されています3。
特値とは、定番の掛け率とは別に得意先ごとに個別で決める価格のことです。
紙の伝票で当たり前に書いていた項目が入力欄にないと、その分をメモや口頭で補うことになり、せっかくの集計が実際の受注額とずれます。

入力できる項目が自社の伝票と噛み合うかは、会期中の数字が使える数字になるかどうかを左右します。
たとえば納期の指定が入力できなければ、金額は積み上がっても、その注文が今シーズン分なのか次シーズン分なのかが会期中には分かりません。
合計だけを追いかけて後から仕分けし直すことになれば、紙のときと同じ手間が形を変えて戻ってきます。
自社の伝票の項目を一枚書き出して、入力画面と突き合わせてみるのが、確認としては早い方法です。

得意先別と品番別で確認できる集計単位の違い(模式図)
二つの確認単位を分けた図

受注システムは自社で用意すべきか、主催者提供のツールで足りるのか

主催者提供の仕組みと出展社が用意する受注システムの役割分担(模式図)
二つの仕組みが扱う範囲を分けた図

主催者提供ツールが担う範囲

出展の準備を進めていると、主催者から出展者向けのシステムの案内が届きます。
小間の申込、必要書類の提出、来場者向けの招待の管理などをそこで行うため、受注もこれで管理できるのではないかと考えるのは自然です。
別に費用をかけずに済むなら、それに越したことはありません。

確認した範囲では、そうはなっていませんでした。
展示会・イベント管理のプラットフォームが主催者に提供する出展者管理の機能は、出展申込の受付から提出物の管理までが中心で、バイヤーからの受注の受付や受注額の集計に関する記述は見当たりません4。
出展社から見ると、会場に立つまでの手続きは主催者側の仕組みに乗せられるものの、商談の結果として発生する注文は、その仕組みの外側にあることになります。

役割を考えれば説明はつきます。
主催者が扱うのは会場と来場者の運営であり、出展社すべてに共通する情報です。
一方、受注に必要なのは自社の品番と得意先、掛け率や納期といった、各社の取引条件に属する情報です。
出展社ごとに中身の違うマスタを主催者側が抱える形にはなりにくく、仮に受け皿があっても、自社の商品コードをそのまま使えるとは限りません。

ここで境目をはっきりさせておくと、準備の段取りが立てやすくなります。
来場者の登録や名刺の読み取り、招待の管理までは主催者側の仕組みで足りることが多い一方、注文が発生した瞬間から先は自社の仕組みの話になる、という分かれ方です。
受注システムの検討を始めるのは、この境目より先の部分です。

確認した仕組み 主に扱う内容 会期中の受注額の集計
主催者が提供する出展者管理機能 出展申込の受付から提出物の管理まで 記述は確認できず
出展社が用意する受注システム 会場での受注入力と得意先別・品番別の集計 会期中に確認できるとベンダーが説明

出展社が自社で用意すべき理由

この確認には範囲があります。
見たのは一般的な展示会運営プラットフォームが主催者に提供する出展者管理機能であって、個別の主催者が独自に受注の受付を用意している可能性までを否定するものではありません。
業界特化の見本市では、主催者が共通の受発注の仕組みを持っている場合もあり得ます。
出展要項や主催者への問い合わせで、来場者データの提供までなのか、受注の受付まで含むのかを一度確かめておくと、同じものを二重に用意せずに済みます。

そのうえで、受注システムは出展社が自社で用意する前提で検討することになります。
費用がかかる方向の話ではありますが、実務上は都合のよい面もあります。
自社の商品マスタと得意先マスタ、掛け率をそのまま持ち込めること。
会期が終わってもデータが自社に残り、営業システムへ渡せること2。
そして、同じ仕組みを次の展示会でも使えることです。

検討の入口は、新しい仕組みを一から選ぶというより、いま社内にあるものとの関係を整理するところにあります。
受注の情報は最終的に見積や出荷、請求へつながっていくので、会場で入力したデータがどの画面へ渡るのかが決まらないと、会期後に結局手で打ち直すことになります。
先の事例で営業システムとの連携が挙げられているのも、この打ち直しをなくす部分です2。
会場での把握だけを見て選ぶと、会期後の手間が残る形になりかねません。

複数の展示会やブランドをまたいだ集計まで前提にするなら、それが製品側でどう扱われるかは別に確かめる必要があります。
確認できた説明は、得意先別・品番別や、数量・金額・製造工場・納期といった角度での集計まで3であり、展示会単位で束ねた横断の集計については書かれていません。
春と秋で別々に集計できれば足りるのか、年間で通して見たいのか。
この違いは、受注データにどの識別項目を持たせるかという設計の話に直結するので、導入の前に決めておいたほうが後戻りが少なくなります。

会期中に受注額を把握できると、どんな判断がしやすくなるのか

確認できる情報でできる判断の例

ここまでで確認できたのは、会場で入力した受注が得意先別・品番別に見えるという機能の部分です13。
その先、つまり見えたことで受注額が伸びたかどうかを測った資料は、今回確認した中にはありませんでした。
ですので以下は、確認できた機能から論理的に導ける使い方の提案として読んでください。

初日が終わった時点で品番別の受注額を見られるなら、翌日のブースの組み立て方が変わります。
想定していたより動いていない品番があれば、サンプルの置き場所を通路側へ移す、説明の順序を入れ替える、といった調整ができます。
逆に注文が集中している品番があれば、在庫と生産の確認を会期中に始められます。
納期を聞かれてその場で答えられるかどうかは、後半に来場するバイヤーへの提案のしやすさに直接効いてきます。

得意先別で見る場合は、書いてくれた取引先よりも、まだ入っていない取引先のほうが判断材料になります。
来場予定だった担当者がまだブースに来ていないのか、来たけれど商談が途中で終わっているのか。
この区別が会期中につけば、最終日までに連絡を入れる先を絞れます。
紙の運用では、この確認をするために誰かが記憶をたどるか伝票をめくるかになり、混み合う時間帯には手が回りません。

本社への報告も変わります。
手応えを言葉で伝えるのではなく、現時点の受注額とその内訳を示せれば、追加の在庫や応援の人員をその場で相談できます。
会期後の報告なら判断は次回に持ち越しですが、会期中の報告なら今回の残りに反映できる可能性が出てきます。

ただし、こうした使い方がどれだけ受注額に効くかは、会期の長さ、来場するバイヤーの数、ブースの体制によって変わるはずで、それを示す調査は確認できていません。
ベンダーの説明で裏づけられているのはあくまで、集計と分析によって商品別・バイヤー別の状況が見える1という機能の範囲までです。
ここから先は提案として受け取り、自社の条件で確かめる前提で考えるのが妥当なところです。

効果を確かめる際に見るべき点

効果を確かめるなら、会期前に決めておくことがあります。
会期中に何を見るか、その情報で何を決めるかです。
これが決まっていないと、画面は開けるのに結局は最後まで見ないまま会期が終わります。
導入したのに紙のときと判断が変わらなかった、という結果はここから生まれます。

見る単位は、得意先別と品番別のどちらを主に使うかで、決められることが変わります。
品番別を主に見るなら、サンプルの配置や在庫・納期の判断につながります。
得意先別を主に見るなら、誰に声をかけるかという営業の動きにつながります。
両方見られるとしても、会期中に画面を開ける時間は限られますから、どちらを先に見るかを決めておいたほうが実際に使われます。

見るタイミングも決めておきます。
初日の終了後、昼の来場が落ち着いた時間、最終日の朝。
それぞれで打てる手が違い、初日の終了後なら翌日の配置や声かけを変えられますが、最終日の朝に見ても変えられることは多くありません。
逆にいえば、最終日の朝に見る数字は次回の出展に向けた記録として扱えばよく、会期中の判断とは分けて考えられます。

そして、比べる相手を残しておくことです。
前回の出展で、受注額の全体像が分かったのはいつだったか。
それを記録しておけば、今回どれだけ早く判断材料が手に入ったかが分かります。
効果はシステムを導入したかどうかではなく、会期中に判断を変えられたかどうかで確かめるものです。

導入の翌年に受注額が増えたかどうかだけを見るのは、評価としては難しい方法です。
出品内容も来場者の顔ぶれも毎回変わるため、金額の増減にはシステム以外の要因が混ざります。
それよりも、初日の受注額が分かるまでにかかった時間、会期中に変更した打ち手の有無、会期後の入力作業に残った時間といった、手元で観察できる部分を見たほうが判断がつきます。
これらは自社で記録を取れば確かめられる範囲で、外部の調査を待つ必要がありません。

効果を確かめる際に見るべき観察項目(模式図)
三つの観察項目を分けた図

紙の伝票とExcelで何が起きているかは整理できても、自社の商品マスタや掛け率、すでに使っている営業システムとの関係まで含めると、どこから入力に置き換えるのが無理のない順かは出展の体制ごとに変わります。

いま使っている受注伝票の項目と会期後の集計の流れをお持ちいただければ、どの項目を入力に移すと会期中に金額が見える形になるか、当面は紙のまま残したほうがよい部分はどこかを一緒に切り分けられます。無料相談で要件を整理する

自社で受注システムを用意するときに確かめる点

会場での入力から会期中の集計、会期後のデータの引き渡しまで、受注が流れる順に並べています。

  • 会場で使う入力端末は何か(PC・タブレット・スマートフォンのどれで入力するか)
  • 紙の伝票で使っていた項目を入力欄として再現できるか(受注伝票ナンバー、納期指定、特値など)
  • 会期中に見たい集計の単位はどれか(得意先別か、品番別か、その両方か)
  • 入力した受注データが既存の営業システムへどう渡るか
  • 会場のネットワークが不安定なときに入力をどう続けるか

すでに使っている基幹システムがある場合は、最後の引き渡しの部分から逆にたどると、入力に必要な項目が決まりやすくなります。

受注が流れる順に並べた確認事項(模式図)
確認事項を流れの順に並べた図

要点の整理

軸 基準
会期中に受注額がつかめない理由 記録・転記・集計が別々の作業に分かれ、集計の起点が会期後に置かれるため
受注システムで変わる点 会場の端末で入力した時点からクラウド上の集計に反映され、得意先別・品番別に確認できる
主催者提供ツールとの関係 出展者管理機能は出展申込から提出物の管理までが中心で、受注受付の記述は確認できない
選ぶときに見る点 自社の受注伝票の項目(受注伝票ナンバー・納期指定・特値など)を入力欄として再現できるか
効果の確かめ方 会期前に見る単位とタイミングを決め、会期中に判断を変えられたかどうかで見る

会期中に何を見て何を決めるかは、展示会の規模やブースの人数、既存システムとの連携の有無で変わり、公開されている機能説明だけでは自社の条件に当てはめきれない部分が残ります。 前回の出展で受注額の全体像がつかめたのがいつだったか、今回どこまで早めたいかを伺えれば、必要な入力項目と集計の単位、併用から移行までの進め方をどこから決めるべきかを整理できます。

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よくある質問

会場の通信環境が不安定な場合でも受注システムは使えますか。

今回確認した資料には、通信が不安定なときの動作についての記述はありませんでした。
そのため、通信が切れている間も入力を続けられるかどうかは、製品ごとに確認する事項になります。
確認するときは、切断中の入力を端末側に保持して復旧後に送れるか、同じ受注が二重に登録されないか、という二点を具体的に聞くと差が見えます。
また、会場の回線は主催者が用意するものと自社で持ち込むものがあり、小間の位置によっても電波の入り方が変わります。
設営日に実際に立つ場所で一度入力を通してみるのが、いちばん確実な確認です。

複数の展示会や複数ブランドをまたいで受注データを横断集計できますか。

確認できたのは、得意先別・品番別の入力と、数量・金額・製造工場・納期といった角度での集計ができるという説明3までで、展示会単位で束ねた横断の集計については資料に記述がありません。
実務上の見きわめ方としては、受注データに展示会名やシーズン、ブランドを識別する項目を持たせられるかを確認するのが早い方法です。
入力の段階でその項目が入っていれば、後から絞り込んで比べられる余地が残ります。
逆に識別項目がないまま運用を始めると、会期後にデータを分ける作業が発生します。

紙の受注伝票と受注システムを併用しながら段階的に移行できますか。

紙の伝票で使っていた項目については、受注伝票ナンバーの入力や納期指定、特値に対応する製品があると説明されています3ので、項目を引き継ぐ形で入力に移すことは考えられます。
併用する場合に決めておきたいのは、どちらを正とするか、紙で受けた分を誰がいつ入力するか、という運用のほうです。
ここが曖昧だと、会期中の集計が実際の受注より少なく見えます。
少なく見えている数字をもとに翌日の判断をすると、かえって紙だけのときより誤りやすくなります。
移行の初回は、ブースの一部の担当だけシステム入力にして、紙の分は昼と終業後にまとめて入力する、といった形で入力の締めを決めておくと数字の意味がぶれません。

導入前に社内でどんな運用ルールを決めておく必要がありますか。

入力する人、入力するタイミング、確定した注文と仮の注文の区別、特値や値引きの扱い、修正と取消の手順。
このあたりが決まっていないと、同じ画面を見ても金額の意味が人によって変わります。
特に会期中は、商談の途中で数量が動くことが多く、仮の状態をどう記録するかで合計が大きく変わります。
仮の分を含めた金額と確定分だけの金額のどちらを見て判断するのかを先に決めておくと、会期中の報告で数字の説明に時間を取られずに済みます。
あわせて、会期後に営業システムへ渡すまでの担当と締めのタイミングも決めておくと、入力がその場で終わる形になります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:株式会社イーシービーイング「展示会受注業務はシステム化すべき?システム導入のメリットについて導入事例を交えて解説」(公開年の記載なし)
  2. 2 出典:株式会社イーシービーイング「展示会受注 課題解決例」(公開年の記載なし)
  3. 3 出典:東光オーエーシステム株式会社「アパレル業界向け 展示会受注 NBS受注管理」(公開年の記載なし)
  4. 4 出典:株式会社フレッシュタウン「展示会・イベント管理システム EXPOLINE 出展者管理機能」(公開年の記載なし)

画像の出典元

  1. An adult’s hand reaches for office file folders, capturing a thoughtful moment. Indoors setting./Photo by cottonbro studio on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

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