◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 会場で一度入力した名刺情報が見込み客・商談・受注の金額入力まで引き継がれれば、事務所での打ち直しは減らせるが、読み取り結果の確認や重複の整理、接客メモの書き起こしは残る
- 削減できる範囲は、会場での入力方式(手動入力・CSVインポート・名刺スキャン)と、既存システムとの連携タイミング・突合せキー項目が揃っているかで変わり、揃わなければCSV出力後の再入力が一部残る
- 名刺登録の時点で全件に展示会名を付けておかないと、あとから一件ずつ遡って紐づけ直すことになる
- 導入事例で示された4〜5営業日の短縮や2ヶ月弱での受注は個別企業の数値であり、自社では現在のデータ化日数と初回接触までの日数を測って比較の基準にする
- 即時受注が中心なら連携のタイミングと突合せキーの整備を、見積後受注が中心なら見込み客・商談への情報の引き継ぎ精度を先に確認する
目次

展示会後の「二度手間」はどこで起きているのか
展示会の会期が終わり、持ち帰った名刺の束と走り書きの記入票を前に、帰社後に基幹システムへ一件ずつ打ち直す。
この二度手間をなくせないかというのが、展示会受注システムを調べ始める理由として多いところだと思います。
会場で入力した名刺情報が見込み客・商談・受注まで同じ記録として引き継がれれば、事務所での再入力そのものは減らせます。
ただし減る範囲は、会場での入力方式(手動入力・CSVインポート・スマートフォンでの名刺スキャンなど)と、既存の受注管理システムとの連携タイミングや突合せキー項目が揃っているかで変わります。
条件が整っていなければ、CSV出力後の再入力が一部残ります。
どこまでを一度の入力で済ませたいのかを先に決めることが、効果の見積もりにそのままつながります。
打ち直し・照合・付け直しが重なっている
会期中にブースで受け取った名刺には、その場で聞いた数量や納期の希望が走り書きで添えられていることがあります。
会期が終われば、名刺をめくりながら会社名と担当者名を基幹システムへ打ち込み、記入票に残したメモを注文の画面へ入れ直していく作業が始まります。
打ち直しそのものは新しい情報を生む作業ではありませんが、件数が多いほど日数を取ります。
この作業を「入力が速くなれば解決する」と捉えると、見落とす部分があります。
帰社後に重なっているのは、同じ内容を別の器へ入れ直す打ち直し、入れ直したものが元と合っているかの照合、そしてあとからどの展示会の来場者だったかを判断して付け直す紐づけの三つだからです。
入力速度が上がっても、照合と付け直しは同じだけ残ります。
Excelの一覧を挟むと器が三つになる
会場では紙の記入票に書き、帰社後にExcelの一覧へまとめ、そこから基幹システムへ入れる。
この流れをとっている場合、同じ情報が通る器は紙・Excel・基幹の三つになり、写し間違いが起きうる箇所もその分増えます。
Excelの一覧は、並べ替えも集計も自由にできる反面、記録としては壊れやすい面があります。
シートやセルを保護していなければ、見込み客の行そのものを削除できてしまいます1。
絞り込みや並べ替えの途中で一行消えても、消えたという事実は画面に残りません。
受注額を集計するときには更新を一度止めてその時点の一覧を確定させる必要もあり、会期直後のように情報がまだ動いている時期ほど締めにくくなります。
食い違いが見つかるのが請求や出荷の段階になると、元の記入票まで遡って確かめ直すことになります。
同じ会社が別の取引先として二件登録されていた、数量の桁が一つ違っていた、といった話は、入力した本人ではなく後工程の担当者が気づくことが多い種類の問題です。
打ち直しを減らしたいという動機の裏には、この後戻りをなくしたいという事情も含まれています。
受注額を追いたいから紐づけが要る
もう一つ、記録を整えたい理由として、出展の成果を数字で確かめたいという事情があります。
過去3年以内に展示会へ出展したBtoB企業の担当者392人のうち、「新規契約・受注につながった」と回答した割合は26.79%でした1。
出展すれば必ず受注になるわけではないからこそ、どの名刺がどの商談になり、どの受注につながったのかを一件ずつ追えるかどうかが、次の出展を判断する材料になります。
費用と成果の比較として、1小間出展の試算例では受注額ベースで出展費用の約4.4倍、粗利ベースで約2倍という数字が示されています1。
これは特定企業の実績ではなく試算の例であり、相場として読むものではありません。
ただ、自社で同じ計算をしようとすれば、結局は受注一件ごとの出どころが記録に残っているかという話に戻ります。
転記を減らす話と、成果を把握する話は、同じ「記録のつながり」を入口にしています。
展示会受注システムは転記のどの工程を減らすのか
名刺登録から受注までをつなぐ5段階の記録
展示会受注システムが減らすのは、同じ情報を打ち込む回数そのものです。
記録は名刺登録、見込み客、商談、受注時の金額入力、キャンペーンへの紐づけという五つの段階で構成され、登録の時点で全件に展示会名を付けることが重要とされています1。
会場で一度入力した名刺の情報が、そのまま見込み客の記録になり、商談の記録になり、受注の金額入力までつながっていく形です。
名刺登録は、相手の会社名・氏名・部署が入る最初の器です。
見込み客はその相手をこれから追いかける対象として扱う段階、商談は具体的な案件として金額や時期を見込む段階にあたります。
受注時の金額入力で実際に決まった額が入り、キャンペーンへの紐づけによって、その受注が「どの展示会から出たものか」という束にまとまります。
後ろの段階は前の段階の情報を引き継ぐので、商談を作るときに会社名を打ち直す、受注を作るときに担当者名を入れ直す、という工程が要りません。
このつながりの起点になるのが、名刺登録の時点で付ける展示会名です1。
あとから付けようとすると、どの名刺がどの会期のものだったかを記憶や登録日時から判断することになり、結局は一件ずつの確認作業に戻ってしまいます。
会期が近い時期に重なる場合や、同じ展示会に複数のブースで出展する場合は、名前の付け方自体を会期前に決めておかないと、集計の段階で同じ展示会が二つに割れます。
一方で、なくならない作業もあります。
読み取った文字が正しいかの確認、同じ会社の名刺が複数入ったときの重複の整理、ブースでの会話を商談メモとして残す作業は、記録が引き継がれても人の判断が要る部分です。
減るのは「すでにある情報をもう一度打つ」工程であり、「情報を確かめて意味づける」工程ではありません。
この線引きをしておくと、導入後に残る作業量を見積もりやすくなります。
会場での入力方式(手動・CSVインポート・スマホスキャン)の違い
では、その「最初の一回」を会場でどう入力するのか。
ここが方式によって違い、帰社後に残る転記の量を左右します。
手動入力は、ブースに置いたタブレットやPCの画面へその場で打ち込む方式です。
追加の機器や読み取りの仕組みが要らない代わりに、来場者と話しながらの入力になるため、混雑した時間帯には後回しになりやすくなります。
後回しにした分は、結局あとでまとめて打つことになります。
CSVインポートは、会場で集めた来場者データや別の手段で読み取った名刺データを、ファイルにまとめて取り込む方式です。
件数が多くても一度に入る一方、出力される項目と取り込む側の項目を合わせる準備が最初に必要です。
項目の並びや必須項目が合っていなければ取り込みで止まりますが、一度決めてしまえば次の会期からは同じ手順を使えます。
スマートフォンでの名刺スキャンは、撮影した時点で文字情報に変える方式です。
名刺・接客メモをAI-OCRで読み取り、展示会当日中にHubSpot・Salesforceへ自動連携される製品もあります2。
最大4枚の名刺を同時に読み込める仕様のものもあり2、複数名で来場した相手の名刺をまとめて扱えます。
これは特定製品の仕様であって、対応するCRMや連携の時点は製品ごとに異なります。
どの方式を選ぶかは、ブースで相手と話している時間をどう使うかという話でもあります。
会場でのデータ化が会期中に終われば、帰社後に残るのは確認と補足だけになります。
逆に、どの方式であっても会場でデータにしていない情報——会話の中身、先方の検討状況、決裁に誰が関わるか——は、誰かが後から書き起こすしかありません。
転記を減らしたいのであれば、名刺そのものより、名刺に添えるメモをその場で残せるかを見たほうが実態に近い判断になります。
| 会場での入力方式 | その場でデータ化される範囲 | 帰社後に残りやすい作業 |
|---|---|---|
| 手動入力 | 入力できた分だけその場でデータになる | 混雑時に後回しにした名刺の入力 |
| CSVインポート | 取り込んだファイルに含まれる項目 | 出力側と取込側の項目を合わせる準備 |
| スマートフォンでの名刺スキャン | 撮影した名刺の文字情報 | 読み取り結果の確認と修正 |
効果を左右する条件—既存システムとの連携タイミングと突合せキー
受注金額の正とするシステムはどちらか
ここまでは、展示会受注システムの中で情報がどうつながるかという話でした。
しかし多くの場合、最終的な受注は既存の受注管理システムや会計システムで扱われており、展示会受注システムの中だけでは完結しません。
連携の可否と方法は製品の仕様によるため、まず決めておくべきなのは、受注金額を「正」とするのはどちらかという点です1。
基幹システム側で受注番号を採番し、請求まで進めるのであれば、正は基幹側です。
このとき展示会受注システムに入る金額は、会期直後に把握するための速報値という位置づけになります。
反対にCRM/SFA側の商談金額を正とすると、値引きや数量変更が基幹側だけで反映されたときに、どちらを直すのかが決まりません。
決めないまま運用すると、会期直後に出した集計と、締めた後の金額が合わないという状態が続きます。
どちらを正とするか決めておけば、もう一方は「参照するだけ」と扱えるので、両方を人手で直す作業が減ります。
転記を減らすというのは、入力の速さの話であると同時に、直す場所を一つにする話でもあります。
突合せキー項目(取引先コードなど)の整備
次に確認するのは、連携のタイミングはいつか、そして両方を突き合わせるキー項目が揃っているかです1。
キー項目とは、二つのシステムで同じ相手・同じ案件だと判断するための番号のことで、取引先コードや受注番号がこれにあたります。
展示会で会う相手は新規が多く、名刺の段階では取引先コードがまだ存在しません。
会社名の文字列だけで突き合わせようとすると、株式会社の前後、全角と半角、支店名の有無といった表記の違いで別会社として扱われます。
そこで、受注が決まって基幹システムに取引先を登録した時点で、そのコードを商談の記録へ書き戻す。
あるいは基幹の受注番号をCRM/SFA側の商談に記録しておく。
どちらの向きでもかまいませんが、番号を入れる担当と時点を決めておかないと、後から突き合わせる手段が残りません。
連携のタイミングも、実務上の要件になります。
会期中にほぼその場で渡るのか、日次でまとめて渡るのか、会期後にCSVを出力して取り込むのか。
会場で在庫を引き当てたい、その場で納期を回答したいという運用であれば、タイミングは「あれば便利」ではなく必須条件になります。
逆に、会期後の事務処理でまとめて処理する運用なら、日次やCSVでも十分に回ります。
条件が揃っていない場合、CSV出力後の再入力が一部残ります。
ただ、残り方には幅があります。
全件を手で打ち直すのか、キー項目だけを補って取り込むのかでは、負担がまったく違います。
そのため、検討の段階で聞くべきことは「連携できますか」ではなく、「どの項目が、いつ、どちらからどちらへ渡るのか」です。
この問い方にすると、渡らない項目が具体的に出てくるので、残る作業を件数で見積もれるようになります。
実際にどれくらい変わるのか—導入企業の実例
データ化の日数が、次の行動を始める日を決めている
仕組みと条件を押さえたうえで、実際に導入した企業で何が変わったのかを見ておきます。
以下はいずれも個別企業の事例であり、業種や出展の規模が違えば同じ数字にはなりません。
AI翻訳のリーディングカンパニーである株式会社ロゼッタは、2004年創業で、主力製品「T-4OO」に6,000社以上の導入実績があります。
従来は展示会で受け取った名刺を持ち帰り、外部のOCRなどで数営業日かけてデータ化していましたが、導入後は会場で撮影してその場でデータ化する運用に変わりました3。
この変化に伴い、リード獲得からインサイドセールスが動き始めるまでの期間が平均4〜5営業日早くなったと報告されています3。
3月に出展した展示会からは、2ヶ月弱(取材日は4月22日)で受注に至っています3。
この事例で注目したいのは、短縮された4〜5営業日が、それまでデータ化に要していた期間とほぼ重なっている点です。
転記を減らす効果は、作業時間が何時間減ったという形だけでなく、次の行動を始められる日が前倒しになるという形で現れます。
展示会では同じ来場者に他社も接触するため、最初の連絡が数営業日早いことの意味は、扱う商材や検討期間によって変わります。
逆にいえば、検討に数ヶ月かかる商材で、社内の追客体制がまだ整っていない場合、データ化だけを早めても受注の時期は動きません。
もう一件、調達・購買業務の高度化を支援するBtoB SaaS企業である株式会社Leaner Technologiesは、年間約40回もの展示会に出展しています4。
従来使っていた名刺読み取り・リード管理ツールの更新時期に合わせて選定を行い、2026年2月から2ヶ月間のトライアルを経て、同年4月から正式導入しています4。
出展の頻度が高いほど、一回あたりの運用の差は積み上がります。
同時に、会期ごとに名前の付け方や入力ルールがぶれると、集計のほうで崩れていきます。
導入の進め方という点では、既存ツールの更新時期に合わせたこと、正式導入の前に一定期間のトライアルを置いたことが具体的です4。
会場での入力は、来場者を前にした短い時間で行う作業なので、机上の比較だけでは現場で回るかどうかが分かりません。
自社で効果を見積もるのであれば、現在データ化に何日かけているか、会期後の最初の接触までに何日かかっているかを先に測っておくと、比較の基準ができます。
この二つの日数は、事例の数値をそのまま当てはめるより確かな材料になります。
自社の展示会規模・受注形態に応じた選び方
即時受注か、見積後受注かで優先順位が入れ替わる
ここまでに出てきた判断の材料は二つです。
会場での入力方式と、既存システムとの連携条件。
この二つのどちらを優先するかは、自社の受注がどこで確定するかによって変わります。
以下は、資料にある仕組みと連携条件をもとにした整理であり、効果を保証するものではありません。
会場でその場で数量や金額が決まる即時受注が中心の場合、会期中に確定情報が生まれます。
確定した受注をどのタイミングで基幹システムへ渡すか、渡したときに同じ取引先・同じ案件だと判断できるかが、そのまま残る転記の量になります。
この形であれば、連携のタイミングと突合せキー項目の整備を先に固めたほうが、入力方式を磨くより効きます。
会期中に納期を回答する、在庫を引き当てるといった運用があるなら、なおさらタイミングが要件になります。
見積後に受注が決まる形が中心なら、会場で確定するのは金額ではなく、相手の関心と課題です。
引き継ぐべきものは数字ではなく文脈なので、見込み客や商談の記録に、会話の内容・要望・検討の状況までどこまで残せるかが要になります。
名刺だけが移って接客メモが移らないと、後を追う担当者が同じことを聞き直すことになり、来場者側にも手間をかけます。
この形では、入力方式を選ぶときに「名刺を何枚速く読めるか」より「その場でメモをどこまで添えられるか」を見るほうが実態に合います。
出展の規模と回数も、判断を分けます。
年に一、二回の出展であれば、削減される打ち直しの件数と、運用ルールを決めて社内に周知する手間を並べて比べることになります。
件数が少なければ効果も小さく見えますが、会期の間隔が空くほど前回の手順を思い出す時間が発生するため、入力の手順が記録として残ること自体に意味が出る面もあります。
年間約40回といった頻度で出展する企業4であれば、展示会名の付け方や入力項目を標準化しておく価値のほうが先に立ちます。
最後に、検討の順序としては、機能の比較から入らないほうが見誤りません。
先に決めるのは、会場で誰が何を入力するか、確定した受注をどちらのシステムで正とするか、突き合わせに使う番号を誰がいつ入れるか。
この三つが自社の中で決まっていれば、製品に確認すべきことは「その運用ができるか」という一問になります。
決まっていない状態で製品仕様だけを並べると、どの項目が自社にとって必須なのかを判断できません。
自社の流れに沿って、どこまでが一度の入力で済み、どこから確認が残るのかを書き出してみると、見積もるべき範囲が絞れます。
| 受注形態 | 会場で確定する情報 | 優先して確認すること |
|---|---|---|
| 即時受注が中心 | 数量・金額まで決まる | 連携のタイミングと突合せキー項目の整備 |
| 見積後受注が中心 | 関心・課題・要望のメモ | 見込み客と商談への情報の引き継ぎ精度 |
どこまで転記が減るかは、製品の機能一覧ではなく、自社の受注がどこで確定し、既存システムとどの項目を突き合わせるかで決まるため、仕様の比較だけでは判断しきれないからです。
現在の名刺から受注までの流れと、いま使っている受注管理の仕組みをお聞かせいただければ、どの工程が一度の入力で済み、どの確認が残り、連携にどの項目が必要になるかを整理してお伝えできます。無料相談で要件を整理する
導入前に自社で決めておく項目
既存システムと組み合わせたときに転記が残るかどうかを分ける条件で並べています。
- 会場での入力方式(手動入力・CSVインポート・名刺スキャン)のうち、自社のブース運営で現実に回るのはどれか
- 受注金額の正とするのは基幹システム側か、展示会受注システム側か
- 連携のタイミングは会期中か、日次か、会期後のCSV出力か
- 突き合わせに使うキー項目(取引先コードや受注番号)を、どの時点で誰が記録するか
- 名刺登録の時点で付ける展示会名の名付け方を、会期前に決めてあるか
受注が会場で確定するか、見積後に決まるかで、上位に置くべき項目は入れ替わります。
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 転記が減る範囲 | 会場で一度入力した名刺情報が、見込み客・商談・受注の金額入力まで引き継がれる部分 |
| 残る作業 | 読み取り結果の確認、重複の整理、接客メモの書き起こし |
| 連携の確認点 | 受注金額の正とするシステム、連携のタイミング、突合せキー項目 |
| 事例の読み方 | 4〜5営業日短縮などは個別企業の数値で、業種・出展規模が違えば再現しない |
| 受注形態別の優先 | 即時受注は連携条件、見積後受注は商談情報の引き継ぎ精度 |
会場での入力方式と連携条件は互いに影響し合うため、片方だけを決めても、帰社後にどれだけ再入力が残るかを見積もれないからです。 出展の規模と受注の形(その場で金額が決まるのか、見積後に決まるのか)を伺えれば、先に固めるべき条件と、確認が必要な項目の並びをご一緒に整理できます。
よくある質問
名刺のCSVインポートやスマートフォンでのスキャン以外に、会場での入力方法はありますか。
ブースに置いたタブレットやPCへその場で打ち込む手動入力があります。
追加の機器が要らない一方、来場者と話しながらの入力になるため、混雑した時間帯の分が後回しになりやすい点は見込んでおく必要があります。
展示会によっては来場者情報を読み取る仕組みが主催者側から提供されることもありますが、その場合も自社のシステムへはデータを取り込む形になるため、扱いとしてはCSVインポートに近くなります。
対応する入力方式は製品ごとに異なるので、自社のブース運営で回る方式に対応しているかを個別に確認してください。
突合せキー項目(取引先コードなど)が既存システムに無い場合はどうすればよいですか。
展示会で会う相手は新規が多く、名刺の段階で取引先コードが無いのはむしろ通常の状態です。
運用としては、受注が決まって基幹システムに取引先を登録した時点で、採番されたコードを商談の記録へ書き戻すか、基幹側の受注番号をCRM/SFAの商談に記録しておく形を決めます。
どちらの番号を軸にするかを一つに決めておかないと、後から突き合わせる手段が残りません。
会社名の文字列だけで突き合わせる方法は、株式会社の前後や全角半角、支店名の有無といった表記の違いで別会社として扱われるため、集計の軸には向きません。
なお連携の可否と方法は製品の仕様によります1。
展示会の出展回数が少ない企業でも、転記削減の効果はありますか。
削減される打ち直しは件数に比例するため、出展が年に一、二回であれば、その分だけ効果の絶対量も小さくなります。
判断としては、一回あたりの名刺・注文の件数と一件あたりの入力時間を掛けた量と、運用ルールを決めて社内に共有する手間を並べて比べることになります。
一方で、会期の間隔が空くほど前回の手順を思い出す時間が発生するため、入力と紐づけの手順が記録として残ること自体に意味が出る面もあります。
年間約40回出展する企業の事例4は頻度が高い側の例なので、同じ効果をそのまま当てはめることはできません。
名刺登録の時点で展示会名を紐づけ忘れると、どうなりますか。
登録の時点で全件に展示会名を付けることが重要とされています1。
付け忘れると、あとから登録日時や名刺の並び順でどの会期のものかを判断することになり、会期が近い時期に重なっていると区別がつかなくなります。
すでに商談や受注まで進んでいる場合は、その先の記録も紐づけ直すことになるため、一件ずつ遡る作業が発生します。
予防としては、会期ごとの区分を会期前に作っておき、名前の付け方(同じ展示会に複数ブースで出る場合の書き分けを含む)を先に決めておくことです。
入力画面でどこまで固定できるかは製品によって異なりますが、名前を事前に決めておくこと自体はどの入力方式でも共通して効きます。
- 1 出典:株式会社フライトソリューションズ(EC-Rider運営)「展示会受注システムで受注額を把握する方法|名刺データの紐づけと運用のポイント」(2026年)
- 2 出典:ジンベイ株式会社「展示会の名刺管理・リード管理サービス GenLead 製品ページ」(2026年)
- 3 出典:ジンベイ株式会社「GenLead導入事例:株式会社ロゼッタ」(2026年)
- 4 出典:ジンベイ株式会社「GenLead導入事例:株式会社Leaner Technologies」(2026年)
画像の出典元
- Hands organizing conference programs and name tags at event registration desk./Photo by RDNE Stock project on Pexels