◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 支払期日は受領日(役務は完了日)から60日以内で定め、検査や請求書の遅れでは期限は延びない。
- 支払予定日を検収日や請求書の計上日から計算している場合は、受領日から数え直してずれを点検する。
- ずれの原因に応じて設定変更・運用見直し・改修を振り分け、過去取引の再計算で確かめる。
- 期日だけでなく、手形や電子記録債権などの支払手段と、振込手数料の負担・控除も点検する。
- 取適法の対象外と判定した取引では、支払サイトの短縮は法令上の要請ではない。
目次

自社の取引は取適法の対象か、支払サイトの短縮が必要か
取適法への対応で支払サイトを見直すとき、受発注システムの支払予定日が検収日や請求書の受領日から計算されていると、法令上の期限とずれることがあります。
公正取引委員会のQ&Aでは、支払期日は物品等を受領した日から60日以内で定める必要があり、検査や請求書が遅れても期限は延びません2。
まず自社の取引が対象かを切り分け、支払予定日の起点と支払手段をシステム上で点検します。
そのうえで、ずれの原因に応じて、設定変更・運用見直し・改修のどれで直すかを選びます。
施行日と取引類型
取適法は2026年(令和8年)1月1日に施行されました1。
支払サイトの見直しに入る前に分けておきたいのは、自社が発注側として結んでいる取引のうち、どれが法の対象になるかという点です。
同じ取引先との間でも、部品の加工を頼む取引と、運送や保守などの作業を頼む取引では、取引の種類が違います。
特設ページでは、取引の種類として製造委託等と役務提供委託等が区別され、それぞれに基準が置かれています1。
発注側である委託事業者が、受注側である中小受託事業者に仕事を委託する取引が、支払期日や支払手段のルールがかかる場面です。
受発注システムで注文の種類や品目区分が分かれている場合は、購買の担当者が「どの注文がどの取引類型に当たるか」を先に整理しておくと、取引先ごとの判定が進めやすくなります。
資本金基準と従業員基準の考え方
対象かどうかは、取引の種類に加えて、発注側と受注側の規模で決まります。
資本金による基準に加えて従業員数による基準が設けられ、資本金の基準に当たらない場合でも、従業員数が製造委託等で300人、役務提供委託等で100人の基準に当たれば対象になります1。
この追加は、社内の取引先リストを資本金だけで仕分けてきた会社ほど影響があります。
資本金の欄だけを見て対象外としていた取引先が、従業員基準では対象に入る可能性があるからです。
取引先マスタに資本金は登録していても従業員数は持っていない、という状態であれば、判定に必要な情報がそもそも揃っていないことになります。
資本金の金額区分や、従業員数をどう数えるかの当てはめは、記事の要約や社内資料の数字だけで済ませないほうが安全です。
公取委の関係ページには条文(e-Gov)や改正法の説明資料、テキスト、ガイドブックへのリンクがあり、適用範囲は簡易診断ツールで確かめるよう案内されています3。
取引先ごとに条文と診断ツールで確かめた結果を記録として残しておけば、後から「なぜ対象と判断したか」を社内外に説明できます。
判定の結果は、取引先マスタに対象かどうかの区分として持たせておくことを提案します。
後の節で支払条件マスタや支払方法を直すとき、対象の取引だけを変えるのか、全取引を一律に変えるのかを判断する材料になるためです。
対象外なら何を確認するか
判定の結果、対象外と分かった取引では、支払サイトの短縮は取適法が求めることではありません。
この場合に支払条件を変えるかどうかは、取引先との契約や自社の資金繰りを踏まえた経営判断になります。
ただし、対象外という判定は固定ではありません。
取引先の資本金や従業員数は増減しますし、同じ取引先でも委託する仕事の種類が増えれば、当てはめる基準も変わります。
取引先の登録時、取引の種類を追加したとき、定期の見直し時など、判定をいつやり直すかを社内で決めておくと、対象になった取引を対象外のまま扱い続けることを防げます。
対象と判定された取引については、次に「60日をどの日から数えるか」が問題になります。
システムの計算の前提と法令の考え方がずれやすいのは、この起算点です。
支払期日は何を起点に数えるか:検収日・請求書の受領日では足りない
受領日が起算点になる場合
公取委のQ&Aでは、支払期日は物品等を受領した日から60日以内で定める必要があると説明されています2。
受領日は原則として納品された時点です2。
役務提供委託の場合は、役務の提供を受けた日、つまり役務が完了した日から数えます2。
60日という日数は、Q&Aの説明として確認できる内容です。
社内規程やシステムの設定値として固定する際は、条文(e-Gov)の文言とあわせて確かめておくと、規程の根拠を示しやすくなります3。
具体的な流れで考えます。
仮に、部品加工を委託した取引先から製品が届き、自社の倉庫で受け取ったとします。
その後、品質管理部門の検査を経て検収が登録され、取引先からの請求書は月末にまとめて届きます。
この流れのなかで法令上の起点になるのは、倉庫で受け取った日です。
検収の登録日や請求書を受け取った日は、社内の処理の都合で後ろへずれていく日付であり、起点にはなりません。
検査・請求書の遅れは期限を延ばさない
Q&Aでは、検査に60日を超える時間がかかる場合でも、受領後60日以内に支払期日を定める必要があるとされています2。
請求書の提出が遅れた場合も、受領後60日以内に定めた支払期日までに支払う必要があります2。
実務で効いてくるのは、遅れの原因が受注側にあるように見える場面でも同じ扱いになる点です。
請求書が届かないから支払処理を止める、検査が終わらないから支払予定日を先送りする、といった運用は、システム上は自然な待ち状態に見えます。
しかし、それは期限を延ばす理由になりません。
支払期日は受領を基準に先に決まり、社内の検査や請求書の処理は、その期日に間に合わせる側に回ります。
このため、検査に時間がかかる品目を扱う取引では、検査期間を見込んで支払期日を後ろに置く発想は使えません。
受領日から数えた期日の範囲で、検査と支払処理をどう並行させるかを組み立てることになります。
やり直し・返品・納期前納品の扱い
納品物にやり直しや返品があった場合、Q&Aでは、再納品された後の受領日が起算日になると説明されています2。
これは支払前に返品ややり直しがあった場合の扱いです。
システムの側から見ると、この場面では一つの注文に最初の受領日と再納品の受領日という二つの日付が生まれます。
最初の受領日が再納品の日付で上書きされて消えると、後から経緯をたどれなくなります。
反対に、最初の受領日のまま支払予定日を計算し続けると、実際の起算日とは違う日を基準に期日を管理することになります。
納期より前に納品されたものの扱いについても、受領日の設問(Q75)で説明があります2。
納期前の納品を受け入れることがある取引では、どの日を受領日として記録するかを原文に沿って決めておくと、倉庫と経理で記録する日付が食い違いにくくなります。
1か月締切制と期日の特定
支払期日は、具体的な日が特定できるように定める必要があります2。
「検収後速やかに」や「請求書を受け取ってから一定期間内」のように、後の出来事次第で日付が動く定め方は、この考え方と合いにくいと考えられます。
月ごとに締めて支払う1か月締切制の場合は、締切後30日以内に支払期日を定めるとされています2。
締切制の運用は取引先との合意内容によるため、支払条件マスタに登録された締め日と支払日の組み合わせを一つずつ見て、締切から支払日までの間隔がこの範囲に収まっているかを確かめます。
60日を数えるときの初日の扱いや、期日が金融機関の休業日に当たる場合の扱いは、計算式の結果を左右する一方で、ここで取り上げた公取委の説明からは読み取れません。
システムに組み込む前に、条文や説明資料の該当箇所で確かめておく項目です。
▼ 図の内容を文字で読む
- 受領日(役務は完了日)
- 受領後60日以内に支払期日を定める
- 検査・請求書の遅れ
- 検査が60日を超えても期日は延びない
- 請求書が遅れても定めた期日までに支払う
受発注システムの検収日・請求受領日・支払予定日は、起算点とずれていないか
支払予定日の自動計算の起点
受発注システムや購買管理の仕組みで支払予定日を自動で出す場合、何かの日付を基準日にして、そこに支払条件の日数や締め日を当てはめています。
このとき基準日が検収日や請求書の計上日になっていると、前の節で見た受領日との間に差が生まれます。
先ほどの部品加工の例で考えます。
倉庫で受け取った日から検収の登録までに時間がかかり、さらに請求書の計上が月末になると、システムは計上日を出発点に支払条件の日数を数えます。
画面に表示される支払予定日は契約上の条件どおりに見えても、受領日から数え直すと60日を超えている、という状態が起こり得ます。
このときシステムの計算そのものは正しく動いており、ずれているのは基準日の選び方です。
ここで言う点検は、法令が受発注システムに特定の日付項目を持つよう求めているという意味ではありません。
法令が求めているのは、支払期日を受領日から60日以内で定め、その期日までに支払うことです。
システムの点検は、その期日を社内で確実に管理できているかを確かめる手段であり、項目名や持ち方は製品ごとに異なります。
日付項目ごとの点検ポイント
点検は、次の三つの観点で進めます。
公取委Q&Aにある起算点の扱いを、自社の日付項目に当てはめた編集部の整理です2。
1. 支払予定日の基準日:支払予定日が、検収日や請求書の受領日・計上日から自動計算されていないか。
2. 待ち状態での先送り:検査や請求書待ちのあいだ、支払予定日が受領日から60日を超える位置へ自動で後ろ倒しされる設定になっていないか。
3. 例外の日付:納期前の納品、返品、やり直しがあったとき、どの日付を受領日として記録しているか。
三つの観点は、見る場所も担当も違います。
1つ目は、支払条件マスタや計算の設定を見れば判断でき、情シスの担当者が中心になります。
2つ目は、設定だけでは分かりません。
経理の担当者が、実際に保留になっている取引の支払予定日がどう動いているかを見て初めて、待ち状態で期日が延びていないかが分かります。
3つ目は、倉庫・品質管理・経理がそれぞれ記録する日付の定義が揃っているかの問題で、購買の担当者が部門間の取り決めを確かめる役回りになります。
点検の途中で、受領日そのものが受発注システムに無いと分かる場合もあります。
入荷や入庫の記録が別の在庫管理の仕組みにあり、支払側はその日付を参照していない、という構成です。
この場合は、受領日をどこから取り込むかが次の課題になり、対応の選び方にも関わってきます。
EDIでの明示事項の注意
取引先とEDIで注文データをやり取りしている場合は、支払期日の計算とは別に、注文時に示す事項の表し方も点検の対象になります。
Q&Aでは、明示事項をコードや記号で示す場合は、その意味を書面等で示す必要があるとされています2。
単価を0円と表記して送る場合には、後日補充することの明示が必要とされています2。

支払条件をコードで送っている場合、受注側の取引先がそのコードの意味を知らなければ、支払期日がいつなのかを確かめられません。
支払条件マスタを見直してコードを追加・変更したとき、取引先へ渡しているコードの説明資料が古いままだと、システム上は条件を変えたのに相手には伝わっていない、という状態になります。
マスタの変更と説明資料の更新を同じ作業として扱うと、この食い違いが起きにくくなります。
| 観点 | 検収日・請求書計上日を基準にした計算 | 受領日を基準にした計算 |
|---|---|---|
| 起点となる日 | 社内の処理が済んだ日 | 物品を受け取った日(役務は完了日) |
| 検査が長引いたとき | 支払予定日も後ろへずれる | 支払予定日は動かない |
| 請求書が遅れたとき | 支払予定日も後ろへずれる | 支払予定日は動かない |
| 再納品があったとき | 扱いは設定次第 | 再納品後の受領日から計算し直す |
▼ 図の内容を文字で読む
- 支払予定日の基準日
- 支払条件マスタや計算の設定を見る
- 情シスの担当者が中心
- 待ち状態での先送り
- 保留中の取引の支払予定日の動きを見る
設定変更・運用見直し・システム改修のどれで対応するか
原因別の振り分け表
点検でずれが見つかったら、ずれの原因ごとに対応を分けて考えます。
原因が計算の設定にあるのか、社内の承認や書類待ちにあるのか、システムが必要な日付を持てないのかで、直す場所が変わるためです。
次の振り分けは編集部の提案で、効果を実測したものではありません。
表の中で判断が分かれやすいのは、運用見直しと改修の境目です。
受領日はシステムに記録されているのに、検収の承認が滞って支払処理に進まないのであれば、承認期限や締め日の運用を変えれば足ります。
反対に、受領日がそもそも記録されていない、または再納品のように一つの注文に複数の受領日が生じたときに両方を残せないのであれば、運用を工夫しても受領日を基準にした期日は計算できず、改修の検討に進むことになります。
締め日と支払日の関係は、設定変更で直せることが多い部分です。
1か月締切制では締切後30日以内に支払期日を定めるとされているため2、支払条件マスタに登録された組み合わせのうち、この範囲を超えるものを洗い出して直します。
設定変更で済む場合でも、変えた設定が対象の取引だけに効くのか、対象外の取引の支払条件も一緒に変わるのかは確かめておく必要があります。
取引先ごとに対象かどうかを記録しておけば、ここで設定を分けるかどうかを判断しやすくなります。
どの対応が早く安く済むかは、使っている製品や社内の体制によって変わるため、一律の優劣はつけられません。
過去取引での再計算による確かめ方
どの対応を選んでも、直した後に期日が収まるかは、実際の取引で確かめるのが確実です。
手順は次のとおりです。
1. 対象と判定した取引先との、過去数か月分の取引を抽出する。
2. 取引ごとに受領日(役務は完了日)を確定させる。
3. 現在の支払予定日と、変更後の設定で計算した支払予定日を並べる。
4. 受領日から支払予定日までが60日を超える取引を拾い出す。
5. 拾い出した取引を、振り分け表の原因に当てはめて分類する。
6. 対応を入れた後、同じ取引で再計算し、超過が残っていないかを見る。
抽出する期間は、締め日と支払日の組み合わせが一通り現れ、返品ややり直しのあった取引も含まれる長さにします。
通常の注文だけで再計算すると問題が見えなくても、再納品のあった取引だけで期日がずれる、という場合があるためです。
拾い出した件数が少なくても、それだけで問題が小さいとは判断できません。
特定の品目の検査だけが長い、返品の多い時期だけ期日を超える、というように原因が偏っていれば、件数とは別に直す場所がはっきりします。
1件ずつ明細と取引条件を照らし合わせ、原因を確かめてから対応を決めます。
▼ 図の内容を文字で読む
- 設定変更
- 締め日と支払日の組み合わせが範囲を超えている場合
- 支払条件マスタの組み合わせを洗い出して直す
- 運用見直し
- 受領日は記録されているが検収の承認が滞る場合
支払手段と手数料も点検する:手形・電子記録債権・振込手数料
禁止される支払手段
日数を直しても、支払の手段によっては、受注側が期日までに代金を受け取れないことがあります。
特設ページでは禁止事項として、手形による支払と、満額を期日までに得ることが難しい電子記録債権やファクタリングを使った支払が挙げられています1。
電子記録債権は、債権を電子的に記録し、支払や譲渡に使う仕組みです。
Q&Aでは、満期日が支払期日より後になる電子記録債権で支払うことは、原則として支払遅延に当たるとされています2。
システム上の支払予定日が受領日から60日以内に収まっていても、その日に渡すのが満期日のもっと先にある電子記録債権であれば、受注側が満額を手にするのは期日より後になります。
このため点検では、支払予定日だけでなく、支払方法マスタに登録された手段と、その手段で受注側が満額を受け取れる日を並べて見る必要があります。
取引先ごとに手形払や電子記録債権が初期値として残っている場合、対象の取引ではその手段を選べないようにしておくと、担当者が過去の慣行のまま支払データを作ることを防ぎやすくなります。
手数料の控除と負担
振込手数料を中小受託事業者に負担させることも、禁止事項に挙げられています1。
Q&Aでは、決済に関する手数料を代金から差し引くことは、取引先との合意があっても支払遅延に当たるとされています2。
支払側のシステムや振込の設定では、取引先ごとに手数料の負担区分を持ち、振込時に自動で差し引く設定にしていることがあります。
過去の合意に基づいて入れた設定であっても、対象の取引では見直しの対象です。
支払予定日と支払金額の両方を点検しないと、期日は守れていても満額が届かない状態が残ります。
点検は、取引先マスタの手数料負担区分、支払データの控除額、実際の振込明細の順にたどると、設定と結果の両方を確かめられます。
請求額と振込額の差が手数料に近い小さな額であっても、それだけで手数料の控除と決めつけることはできません。
値引きや相殺など別の理由で差が出ている場合もあるため、明細と取引条件を照らし合わせて原因を特定します。
取引先との調整の進め方
支払期日を早める、手形や電子記録債権から振込へ切り替える、手数料を自社負担にする、といった変更は、自社の資金繰りにも影響します。
影響の大きさは取引の規模や現在の支払条件によって変わり、一律の目安はありません。
進め方の一例として、次の順序を提案します。
1. 対象と判定した取引ごとに、現在の支払期日の起点、支払方法、手数料の扱いを一覧にする。
2. 経理で、新しい条件にしたときの支払の時期と金額を試算する。
3. 取引先へ伝える変更内容(支払期日、支払方法、手数料の扱い)をまとめる。
4. 支払条件マスタ、支払方法マスタ、注文データやEDIで送る表記を同じ時期に更新する。
4つ目を後回しにすると、取引先には新しい条件を伝えたのに、注文データや支払データは古い条件のまま、という食い違いが生まれます。
受注側の取引先は、通知された支払期日と支払方法をもとに入金を管理します。
発注側の社内でマスタの更新と取引先への通知を一つの作業として扱うことが、条件変更を相手に正しく届ける近道です。
▼ 図の内容を文字で読む
- 支払期日
- 受領日を起点にした支払予定日の計算
- 締め日と支払日の組み合わせ
- 支払手段
- 手形払の初期値の有無
受領日を起点にした期日管理では、自社の受発注システムのどの日付項目が受領日に当たり、支払予定日の計算がどの日を基準にしているかを、実際の設定や画面に照らして読み解く必要があり、社内だけでは判断に迷うことがあります。
現在の日付項目と支払条件の設定を一緒に見ながら、ずれがどこにあり、設定変更・運用見直し・改修のどれで直す話なのかを切り分ける相談ができます。無料相談で要件を整理する
要点の整理
| 軸 | 基準 |
|---|---|
| 対象の判定 | 取引の種類と、資本金・従業員数の基準を条文と簡易診断ツールで確かめる |
| 支払期日の起点 | 受領日(役務は完了日)。検収日や請求書の受領日ではない |
| 期日の長さ | 受領後60日以内。1か月締切制は締切後30日以内 |
| 例外の日付 | 支払前の返品・やり直しは再納品後の受領日から数える |
| システムの点検 | 支払予定日の基準日、待ち状態での先送り、例外の日付の記録 |
| 対応の選び方 | 原因に応じて設定変更・運用見直し・改修を振り分け、過去取引の再計算で確かめる |
| 支払手段と手数料 | 手形払や満期日が期日より後の電子記録債権を使わず、振込手数料を取引先に負担させない |

支払期日だけでなく、支払方法や手数料の設定、取引先ごとの対象判定まで含めて直す範囲を決めるには、取引類型や取引先ごとの条件が絡み、作業の順序を組み立てにくいことがあります。 過去取引の再計算をどの範囲で行うか、支払方法マスタや手数料の控除設定をどこまで点検するかを、自社の取引に沿って整理する相談ができます。
よくある質問
検査や検収に時間がかかる取引では、支払期日はどう定めればよいですか。
検査に60日を超える時間がかかる場合でも、受領後60日以内に支払期日を定める必要があるとされています2。
検査期間を見込んで期日を後ろに置くことはできないため、受領日から数えた期日に間に合うよう、検査と支払処理の進め方を組み立てます。
請求書が届かない場合、支払期日を過ぎても問題ありませんか。
請求書の提出が遅れても、受領後60日以内に定めた支払期日までに支払う必要があるとされています2。
請求書待ちで支払処理が止まる運用になっている場合は、保留中の取引の期日を受領日から数えて管理できるよう、運用を見直す対象になります。
返品ややり直しがあった取引では、60日はいつから数え直しますか。
支払前に返品ややり直しがあった場合は、再納品された後の受領日が起算日になると説明されています2。
システムでは最初の受領日を上書きせず、再納品の受領日を別に記録できるかどうかが点検の要点です。
電子記録債権で支払っている場合、どんな点を見直す必要がありますか。
満期日が支払期日より後になる電子記録債権での支払は、原則として支払遅延に当たるとされています2。
満額を期日までに得ることが難しい電子記録債権を使うことは、禁止事項にも挙げられています1。
支払予定日だけでなく、渡す債権の満期日が期日より前にあるかを並べて確かめます。
振込手数料を取引先の代金から差し引いてもよいですか。
振込手数料を中小受託事業者に負担させることは禁止事項に挙げられています1。
決済に関する手数料を代金から差し引くことは、取引先との合意があっても支払遅延に当たるとされています2。
取引先マスタの手数料負担区分や振込時の控除設定に、過去の合意のまま残っているものがないかを見直します。
画像の出典元
- A diverse group of colleagues working together in an office setting with laptops and documents./Photo by Mikhail Nilov on Pexels
- Professionals brainstorming ideas in a conference room with sticky notes and laptops./Photo by Yan Krukau on Pexels