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展示会受注システムで受注額はいつ分かる?一人担当の負担が減る作業と残る作業

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 受注額がすぐ分からない主な原因は、注文が紙や別々の経路で入り、一人の転記と集計を経て初めて数えられる形にある。
  • 展示会受注システムは注文を会場で端末に入れる形に変え、会期中の集計と会期後のデータ引き渡しを可能にする。ただし、金額の合計画面の有無や見積依頼との区別は製品ごとに確かめる。
  • 減るのは転記・集計・受注システムへの再入力で、商品と価格の事前登録、注文の確認・確定、出荷手配は残る。
  • 工数の削減幅を示す資料はなく、通信断時の動きも紹介ページからは分からないため、提供元への確認が必要になる。
  • 現行の転記時間を測ったうえで展示会1回から試し、減った時間と増えた登録時間を比べて続けるかを決める。

40代後半の日本人女性が展示会のブースでの説明をしている場面

展示会のあとで受注額が数えられない原因は、注文の集め方と転記にある

展示会が終わると、紙の注文書、FAX、メール、電話のメモを一人で表計算に打ち直し、ようやく受注額が分かる。
その間も「今回はいくら取れたのか」と聞かれる。
この遅れの多くは、会場で紙に書いてもらった注文を後から転記する流れから生まれます。
展示会受注システムで注文を会場の端末に入力する形に変えると、集計は会期中に進み、会期後の作業はデータの引き渡しになります。
減るのは主に転記と集計です。
商品・価格の事前登録と注文内容の確認は残ります。
削減幅は確かめられていないため、次回の展示会1回で試し、転記時間と金額の確認を比べて判断します。

注文が複数の経路で届く

展示会のブースでは、来場したバイヤーが紙の注文書に品番と数量を書き込み、担当者がそれを預かります。
ところが、注文は会場だけで終わりません。
会期後には、社内で検討してからFAXで届く注文、メールに添付された表計算のファイル、電話で追加を受けたときの手書きのメモが、数日にわたって少しずつ届きます。
受注額を出すには、これらを一か所に集め、品番ごと・取引先ごとに数え直す必要があります。
最後の一件が入るまで、合計は確定しません。

経路が分かれていること自体は、展示会に限った話ではありません。
株式会社ハンモックが食品の小売・卸売の受注担当者106名に行ったインターネット調査(2023年3月)では、受注方法としてFAX、受発注システム、メール、電話が複数回答で並んでいます1。
受発注システムを挙げた人は58.5%でした1。
複数回答の結果なので、システムを使っている会社でも注文がシステムだけに一本化されているとは限らず、FAXや電話の注文が並行して残っていることがうかがえます。

展示会の受注は、この日常の経路に、会場の紙の注文書と名刺が上乗せされる形になります。
経路が一つ増えるたびに、受け取る場所と書式も一つ増えます。
一人で受注を担当していると、そのすべてを自分の手元で一つの表にそろえる作業が、受注額を知るための前提になってしまいます。

手入力と転記に時間がかかる

同じ調査では、受注業務で注文書の手入力に手間がかかると答えた人が60%でした(この設問の回答者90名)1。
対象は食品の小売・卸売の受注担当者で、展示会に限らない受注業務全般についての回答です。
展示会を一人で担当する人の実態をそのまま表す数字ではありません。
それでも、注文書を人の手で打ち直す工程が、受注の現場で負担として意識されていることは読み取れます。

展示会の場合、手入力は一度では終わらないことが多くなります。
まず紙やメールの注文を表計算に打ち込み、合計を出して受注額を把握します。
次に、出荷や請求へつなげるため、同じ内容を社内の受注システムや基幹システムへ入れ直します。
展示会受注の効率化を扱うecbeingの解説でも、手書きの注文書による入力エラーと、展示会後に担当者が基幹システムへ手動で転記する負担が課題として挙げられています4。

手書きの数字が読み取りにくければ、バイヤーに問い合わせて確かめる作業も加わります。
一人担当では、確認待ちの注文が残っている間、合計を出しても暫定の数字にしかなりません。
受注額がすぐ分からない原因は、担当者の作業の速さではありません。
注文が紙や別々のファイルで入り、人の手を通して初めて数えられる形になっていることにあります。
そうであれば次の疑問は、注文が最初からデータとして入る形に変えたとき、どこまで早く数えられるかです。

注文が複数の経路で届き、一人の転記を経て受注額が出るまで(模式図)
紙・FAX・メール・電話で届く注文が一人の手入力と再入力に集まり、最後の一件が入るまで受注額が確定しない関係の図
▼ 図の内容を文字で読む
  1. 紙・FAX・メール・電話で注文が届く
    • 会場の紙の注文書
    • 会期後のFAX・メール・電話のメモ
  2. 一人が表計算へ手入力
    • 手書きが読めないときはバイヤーへ問い合わせ
  3. 受注システムへ再入力
  4. 最後の一件が入って受注額が確定

展示会受注システムで、会期中に受注額を見られる仕組みと限界

端末入力から管理画面の集計まで

注文が紙で入るから転記が必要になるのなら、会場で注文をそのまま端末に入れてもらえば、転記をせずに集計を始められます。
展示会受注システムは、この注文の入口を置き換える仕組みです。
提供元の説明を見ると、流れはおおむね共通しています。

株式会社クオリティスタートのHandyは、スマホで商品のバーコードを読み取って注文を送信し、複数の端末から届いた注文を管理画面でまとめる仕組みだと説明しています2。
管理画面ではリアルタイムで売上状況を確認でき、注文はExcelで一括ダウンロードできるとしています2。
株式会社システムフォワードの展示会受付.comも、QRコードやバーコードの読み取りで受注を登録でき、会期後の手入力が不要になるとしています3。

ecbeingが展示会受注の効率化として示す構成では、ブース内のタブレットで来場者が商品と数量を入力し、データはクラウドに保存されて社内の受注システムへ自動で連携されます4。
入力された注文は営業担当者が確認・修正・確定する流れで、展示会当日に受注データの処理が完了するとしています4。
これはアパレルメーカーを想定した事例としての説明です。

三つの説明に共通するのは、注文が入力された時点で、すでに集計できるデータになっていることです。
紙の注文書なら会期後の転記が終わるまで合計は出ませんが、端末入力なら会期中から集計を進められます。
ただし、いずれも提供元が自社の機能や構成として述べている内容で、第三者が効果を検証したものではありません。
機能は製品ごとに違い、ここに挙げた流れがどの製品にも備わっているとは限りません。

金額の集計画面の有無を確かめる

ここで区別しておきたいのは、注文データが集まることと、受注金額が画面に出ることは同じではない点です。
ecbeingの構成の説明は、受注データの処理が当日に完了するところまでを述べていますが、受注金額をどう把握するかには触れていません4。
データがそろっていても、金額を見るには出力してから表計算で合計し直す必要があるのか、管理画面で合計が出るのかは、この説明だけでは判断できません。

受注額を会期中に知るために導入するなら、契約前に確かめたいのは、取引先別や商品別の金額の合計が画面に出るかどうかです。
金額は数量に単価を掛けて出るものなので、商品と一緒に価格が登録されていることも前提になります。
品番と数量だけを集める使い方であれば、会期中に分かるのは数量までです。
金額の計算は会期後に残ります。

数える範囲も確かめておく必要があります。
展示会受付.comは、受注だけでなくサンプル依頼や見積依頼も読み取りで登録できるとしています3。
受注・見積依頼・サンプル依頼が分けて集計されるのか、画面の合計にどれが含まれるのかによって、その数字の意味は変わります。
見積依頼まで含んだ合計を受注額として報告すると、会期後に数字が下がることになります。
何を合計しているのかを提供元に確かめておけば、会期中の数字を報告に使えます。

会場の端末入力から、会期中の集計と会期後の受注入力まで(提供元の説明にもとづく模式図)
会場で端末に入力した注文が管理画面に集まり、会期中に集計を確認し、担当者の確定を経て出力または自動連携で会期後の受注入力へ引き継がれる流れの図1会場で商品と数量を端末に入力2複数端末の注文を管理画面に集約3会期中に集計を確認4担当者が内容を確認・修正・確定5会期後の受注入力へ引き継ぐ

▼ 図の内容を文字で読む
  1. 会場で商品と数量を端末に入力
    • バーコード・QRコードの読み取り
  2. 複数端末の注文を管理画面に集約
  3. 会期中に集計を確認
    • 売上状況の確認(説明がある製品)
    • 金額の合計画面の有無は製品ごとに確認
  4. 担当者が内容を確認・修正・確定
  5. 会期後の受注入力へ引き継ぐ
    • Excelで出力して取り込む
    • 社内の受注システムへ自動連携

一人担当の工数は、どの作業が減りどの作業が残るか

減る作業

ここまでの仕組みを、一人担当の作業に当てはめてみます。
減る見込みがあるのは、会期後にまとめて発生していた作業です。

  • 紙の注文書やメモを表計算へ打ち直す転記
  • 取引先別・商品別に合計を出す集計
  • 表計算から社内の受注システムへの再入力(自動連携や取り込みができる場合)
  • 手書きの数字が読めないときのバイヤーへの問い合わせ

ecbeingの構成では、入力データが社内の受注システムへ自動連携されるため、転記は不要になるとしています4。
Handyのように注文をExcelで出力する仕組みでも、会期後の受注入力は打ち直しではなく、出力したデータの取り込みや貼り付けに変わります2。
品番を読み取りで入れる形なら、手書きの読み違いも起きにくくなります。
ただし、数量の打ち間違いは端末でも起こりうるため、確認の工程がなくなるわけではありません。

残る作業

残る作業もはっきりしています。
まず事前の準備です。
Handyは、利用にあたって商品リストと出展者リストをExcelで用意する必要があり、商品は管理画面から登録するとしています2。
会期中に金額まで集計したい場合は、価格も正しく入っていなければなりません。
登録した単価に誤りがあれば、その商品を含むすべての注文の金額がずれます。
紙の運用なら会期後に見つかっていた誤りを、会期前に潰しておく作業が増えるということです。

次に、注文の確認と確定です。
ecbeingの構成でも、来場者が入力した注文を営業担当者が確認・修正・確定する流れになっています4。
来場者の入力をそのまま受注として扱わず、数量の桁や納期の希望を担当者が見直す工程は、システムを入れても担当者の側に残ります。
さらに、受注が確定した後の在庫の引き当てや出荷の手配は、展示会受注システムの外側の仕事です。

一人担当にとっての変化は、作業の量が単純に減るというより、作業の一部が会期後から会期前へ移ると考えたほうが実態に近くなります。
出展準備の時期に商品と価格の登録が重なるため、その時期の予定には余裕を持たせておく必要があります。

効果の大きさが未確認な点

では、これで一人担当の工数は何割減るのでしょうか。
この問いに答える数字は、ここで取り上げた資料の中にはありません。
提供元の説明は、会期後の手入力が不要になる、売上状況をリアルタイムで確認できるといった機能の説明であり、削減した時間や割合を示したものではないためです。

作業の種類を考える具体例としては、ecbeingが紹介するコロンビアの事例があります。
導入前はFAXやExcelの注文書で受注し、在庫表の作成や出荷依頼の処理に手間がかかっていましたが、導入後は在庫共有が自動化され、出荷業務を1名で短時間に終えられるようになったと述べられています5。
ただし、これは取引先向けの受注サイトを導入した事例で、展示会の受注を一人で担当する場面の削減を示したものではありません。
受注額の把握についての記述もありません。

この事例から読み取れるのは、作業の種類です。
紙やExcelの注文を人がさばく形から、注文がデータで入る形へ移ると、在庫表や出荷依頼のように注文の後ろに続く作業まで軽くなる可能性があります。
一方、自社でどれだけ減るかは、自社の転記にいまどれだけ時間がかかっているかで決まります。
そのため、効果の大きさは、導入前に測った自社の数字と比べて確かめることになります。

作業 紙の注文書・表計算 会場の端末入力
商品と価格の準備 注文書を用意する 商品リスト・価格の事前登録が必要
会場での受付 紙の注文書を預かる 来場者や担当者が端末に入力
受注額の把握 会期後の転記と集計の後 会期中に集計を進められる(金額画面は製品ごとに確認)
注文内容の確認 手書きの読み取りと問い合わせ 入力内容の確認・修正・確定
受注システムへの入力 表計算から再入力 Excel出力の取り込みか自動連携
出荷手配 担当者が行う 担当者が行う(変わらない)
一人担当の作業が減る・会期前へ移る・残るの別(削減幅は未確認の模式図)
会期後の転記や集計は減り、商品と価格の事前登録は会期前へ移り、注文の確認と出荷手配は残ることを三つに分けて示した図
▼ 図の内容を文字で読む
  • 減る作業
    • 紙の注文書やメモの転記
    • 取引先別・商品別の集計
    • 受注システムへの再入力(自動連携や取り込みができる場合)
    • 手書きの数字についての問い合わせ
  • 会期前へ移る作業
    • 商品リストの登録
    • 価格の登録と確認
  • 残る作業
    • 注文の確認・修正・確定
    • 在庫の引き当てと出荷の手配

表計算・紙で足りるときと、展示会受注システムが効くときの境目

手入力が負担の中心になる条件

システムを入れれば転記は減りますが、転記がもともと小さな負担なら、事前登録や費用の分だけ手間が増えることもあります。
件数で一律に線を引ける基準はないため、ここでは手入力が負担の中心になりやすい条件を、判断の手掛かりとして整理します。

  • 1回の展示会で受ける注文の件数と、1件あたりの明細の行数
  • 注文対象になる商品の点数と、品番の読み違いが起きやすいかどうか
  • 年間の出展回数
  • 表計算で集計した内容を、受注システムや基幹システムへ入れ直しているか
  • 受注額を会期中に知る必要があるか、会期後でよいか

表計算や紙で足りやすいのは、取引先も商品も少なく、会期後に一晩で打ち込める量に収まり、受注システムへの再入力も発生しない場合です。
受注額を報告するのが会期後で構わないなら、会期中に集計できる利点も生きません。
この場合は、注文書の書式を品番と数量が書きやすい形に整えるだけでも、転記の手間と読み違いを抑えられます。

反対に、注文件数と明細が多く、表計算への手入力と受注システムへの再入力という二度打ちが起きている場合は、システムで入口を置き換える効果が出やすい条件です。
会期中に受注額を見て、残りの会期で声を掛ける取引先を決めたいといった使い方をするなら、集計が会期中に進むこと自体に意味があります。
出展が年に1回程度でも、Handyのように利用日数で料金が決まる製品であれば、出展日数から費用を見積もれます2。
頻度が低いことが、そのまま導入を見送る理由になるわけではありません。

判断に迷うのは、注文件数は多くないのに転記に時間がかかっている場合です。
原因が手書きの読み取りや問い合わせにあるのか、受注システムへの二度打ちにあるのかで、効く手当ては変わります。
前者なら端末入力が直接効きます。
後者なら、集めたデータを受注システムへどう渡すかまで含めて考える必要があり、これは契約前の確認事項につながります。

30代後半の日本人男性がタブレットへの入力をしている場面

導入前に確かめる費用・通信環境・連携の条件

費用の体系

料金の決まり方は、提供元によって違います。
Handyの料金は「利用日数×2万円」と示されており、3日間の展示会に出展すれば6万円になる計算です2。
これはHandyという製品のこの条件での料金で、展示会受注システム全体の相場を表すものではありません。
展示会受付.comは見積もり方式で、金額は個別の見積もりで決まります3。

日数で決まる料金なら、出展の予定が決まった時点で費用を計算できます。
見積もり方式の場合は、商品点数や端末の台数、連携の有無など、何によって金額が変わるのかを見積もりの段階で聞いておくと、次回以降の費用も読めるようになります。
どちらの方式でも、端末を自社で用意するのか、商品登録を自社で行うのかといった、料金に含まれない手間も合わせて見ておく必要があります。

費用と比べる相手は、会期後の転記と集計に使っている時間です。
一人担当が展示会のたびに何日を転記と集計に充てているかが分かれば、その時間と料金を並べて判断できます。
この時間をまだ測っていなければ、試行の前に測っておくことが、後の判断の土台になります。

会場の通信環境

端末入力の仕組みは、注文を送信して管理画面に集める形が中心です。
そのため、会場の通信が途切れたときにどう動くかは、導入前に確かめておきたい点です。
Handyと展示会受付.comの紹介ページには、通信がない状態で使えるかどうかの記載がありません23。
対応しているともしていないとも、ページからは判断できません。

展示会場では多くの来場者が同時に通信するため、混雑する時間帯に回線が不安定になる場面も想定しておく必要があります。
提供元には、送信できなかった注文が端末に残るのか、回線が戻ったときに再送されるのか、再送で同じ注文が二重に登録されることはないのかを具体的に聞くと、当日の動きを想像しやすくなります。
Handyのページには端末のOS要件の記載もないため、手持ちのスマホやタブレットを使う予定なら、その機種で動くかも同じ機会に確かめておきます2。

あわせて、端末が使えない間だけ紙で受けるための注文書を、システムと同じ品番の並びで用意しておくと、通信が戻った後の入力が短く済みます。
紙の予備は、システムを信用しないための準備ではありません。
通信の状態に左右されずに注文を受け続けるための準備です。

基幹・受注システムとの連携

会期後の作業がどこまで減るかは、集めた注文を社内の受注システムへどう渡すかで決まります。
ecbeingの構成のように受注システムへ自動連携するなら、確定した注文はそのまま受注システムに入り、再入力は発生しません4。
Handyのように Excelで出力する形なら、そのファイルを受注システムに取り込めるかどうかが分かれ目になります2。

取り込みで手間が残りやすいのは、列の並びや取引先コードの付け方が、受注システム側の取り込み形式と合わない場合です。
出力した表を毎回並べ替えたり、取引先名をコードに置き換えたりする作業が残れば、転記は減っても加工の時間が残ります。
契約前に出力ファイルの見本をもらい、自社の取り込み形式と突き合わせておけば、加工がどれだけ必要かが分かります。

基幹システムを持たず、表計算で受注を管理している場合は、出力されたExcelをそのまま受注台帳の元にできます。
この場合の確認は、列の並びや商品名の表記を自社の台帳に合わせられるかが中心になり、連携の確認は比較的少なく済みます。

小さく試す進め方と、続行・見直しの判断材料

試す範囲

仕組みと残る作業、費用と通信の条件が見えたら、次は自社で効果を確かめる段階です。
最初から全商品・全展示会で切り替えるより、次回の展示会1回、あるいは商品の一部に絞って試すほうが、事前登録の負担も費用も抑えられます。
日数で課金される製品なら、試す展示会の日数分の費用で済みます2。

商品の一部に絞る場合は、たとえば新商品だけを端末入力にして、定番品は従来の注文書で受けるといった分け方が考えられます。
ただしこの場合、会期中の受注額は端末の分と紙の分に分かれ、全体の合計は会期後まで出ません。
受注額を会期中に把握することが目的なら、商品で絞るより、展示会1回分を丸ごと切り替える形のほうが効果を確かめやすくなります。

どちらの形でも、前の節で触れたとおり、現行の方法で会期後の転記と集計に何時間かかっているかを記録しておきます。
前回の展示会の記録がなければ、試す展示会の前に、通常業務で注文書1件の入力にかかる時間を測っておくだけでも、比べる材料になります。

見る項目

試した後に振り返る項目は、導入の目的に合わせて次のように置きます。

  • 会期中に受注額を確認できたか、その数字に見積依頼などが混ざっていなかったか
  • 会期後の転記・集計にかかった時間が、事前の記録と比べてどうだったか
  • 商品と価格の事前登録にかかった時間
  • 入力ミスや修正が何件あり、誰がどう直したか
  • 通信が途切れた場面があったか、そのときの注文をどう受けたか

続けるかどうかは、会期後に減った時間と、事前登録で増えた時間の差で考えると分かりやすくなります。
差し引きで手元の時間が増え、会期中に受注額が見えたことで営業の動きが変わったなら、続ける理由になります。
事前登録に時間がかかりすぎた場合は、商品リストを手元の表計算から作れないかを見直します。
通信の問題が出た場合は、紙の予備との使い分けを決め直してから、次の展示会で試します。

1回の試行で結論が出ないこともあります。
初回は操作に慣れない分だけ時間がかかりやすいため、見直した条件で2回目を試し、2回分の記録を並べてから判断しても遅くはありません。
効果があったかどうかを決めるのは、提供元の説明ではなく、自社で測った転記時間と、会期中に見えた受注額です。

展示会1回ずつ試して見直し、次の展示会へ戻る繰り返し(模式図)
範囲と基準を決め、展示会で試し、受注額・入力ミス・通信断を記録し、転記時間と事前登録時間を比べ、条件を見直して次の試行へ戻る繰り返しの図
▼ 図の内容を文字で読む
  1. 試す範囲と現行の転記時間の基準を決める
  2. 展示会で端末入力を試す
  3. 会期中の受注額・入力ミス・通信断を記録
  4. 会期後の転記時間と事前登録時間を比べる
  5. 登録方法・紙の予備・範囲を見直す

注文がどの経路で届き、どこで何度転記しているかは、日々の作業に追われる一人担当だけでは整理しにくいためです。

自社の受注の流れに沿って、どの転記が端末入力や連携で置き換わり、どの確認が手元に残るかを確かめられます。無料相談で要件を整理する

要点の整理

受注額が遅れる原因 注文が紙や別々の経路で入り、転記と集計を経て初めて数えられる
会期中に見えるもの 端末入力なら集計は進む。金額の合計画面と、見積依頼との区別は製品ごとに確認
減る作業 会期後の転記・集計、受注システムへの再入力、手書きの問い合わせ
残る作業 商品・価格の事前登録、注文の確認・確定、出荷手配
効きやすい条件 注文件数と明細が多い、二度打ちがある、会期中に金額を見たい
契約前の確認 料金の決まり方、通信断時の動き、出力形式と取り込み形式
試し方 現行の転記時間を測り、展示会1回で減った時間と増えた登録時間を比べる
Businesswoman in red blazer writing notes at a desk with laptop and documents.
▽ 写真の出典元

提供元の説明だけでは、出力されるデータが自社の受注台帳や受注システムに合うか、試行で何を測るべきかを判断しにくいためです。 次の展示会に合わせて、試す範囲、比べる項目、転記時間の記録の取り方を整理できます。

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よくある質問

展示会の会場で通信が不安定でも注文は受けられますか。

本文で取り上げた製品の紹介ページには、通信がない状態での利用についての記載がなく、対応の有無は判断できません。
提供元に、送信できなかった注文が端末に残るか、回線が戻ったときに再送されるか、二重登録が起きないかを確かめてください。
あわせて、システムと同じ品番の並びの紙の注文書を予備として用意しておくと、通信が戻った後の入力を短くできます。

受注額は注文確定前と確定後のどちらで集計されますか。

製品によって異なり、紹介ページからは判断できません。
来場者の入力を担当者が確認・確定する流れの製品では、画面の合計に未確定の注文が含まれるかどうかで数字の意味が変わります。
見積依頼やサンプル依頼が合計に入るかも含めて提供元に確かめ、会期中に報告する数字がどの段階のものかを決めておくと、会期後に数字が変わっても説明できます。

基幹システムがない小規模事業でも導入できますか。

注文をExcelで一括出力できる製品であれば、出力したファイルを表計算の受注台帳の元にできます。
この場合の確認は、列の並びや商品名の表記を自社の台帳に合わせられるかが中心です。
導入できるかどうかは製品ごとの条件によるため、出力ファイルの見本を提供元にもらって確かめるのが確実です。

商品点数が多い場合、事前登録はどの程度の負担になりますか。

負担の大きさを示す資料はなく、自社の準備状況で変わります。
商品リストをExcelで用意して登録する製品の場合、品番・商品名・価格をまとめた表をすでに持っていれば、それを元にできます。
価格の誤りは全注文の金額に響くため、点数が多いほど登録後の見直しに時間を取っておく必要があります。
商品を絞って試すと登録は軽くなりますが、会期中の受注額は端末の分と紙の分に分かれます。

来場者に注文を直接入力させる方式と、担当者が代わりに入力する方式はどう違いますか。

来場者が入力する方式では、担当者は接客中に入力しなくて済む一方、数量の桁や品番の選び違いを後から確認・修正する工程が担当者に残ります。
担当者が代わりに入力する方式では入力内容をその場で確かめられますが、一人でブースを回す場合は、接客と入力が重なる時間帯に手が足りなくなりやすくなります。
どちらの方式に対応しているかは製品ごとに確かめてください。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:株式会社ハンモック「食品業の受注業務に関する実態調査」(2023)
  2. 2 出典:株式会社クオリティスタート「展示会受注システム Handy」(2026)
  3. 3 出典:株式会社システムフォワード「展示会受付.com」(2026)
  4. 4 出典:ecbeing「展示会受注にまつわる業務を効率化したい」(2026)
  5. 5 出典:ecbeing「コロンビアが展示会受注をBtoB ECでDX化し業務効率を大幅改善」(2023)

画像の出典元

  1. Businesswoman in red blazer writing notes at a desk with laptop and documents./Photo by Vlada Karpovich on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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