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全銀手順とは?全銀TCP/IP手順との違いと切り替えが必要になる条件をわかりやすく解説

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 全銀手順は名称では判別できない。TCP/IP手順という名前でも、一般公衆電話網やISDNを適用回線とする従来型がある
  • 制度側は従来型手順のサポートが2023年12月末で終了し、回線側はINSネットが2028年12月31日に提供終了する
  • 公表されている期日は共通でも、自社の対応期限は接続先金融機関の受付と接続テストの枠によって決まる
  • 回線の棚卸しは用途をまたいで一本化し、手順の対応は接続先ごとに分けて進める
  • 費用や対応製品は構成によって変わるため、前提を整理して金融機関とベンダーへ条件を示して確認する

IPネットワーク接続に使うLANケーブルのコネクター
▽ 写真の出典元

自社のEDIは振込データ伝送か受発注データ交換か、まず区別する

回線の見直しやEDIシステムの更改をきっかけに、長年動いてきた振込データの伝送をこのまま続けてよいのかを調べ始めた、という方は多いと思います。
ここで動かせるのは、いま使っている接続がどの回線を前提にしているかを確かめ、切り替えの要否を公表されている期日から逆算することです。
全国銀行協会は従来型のベーシック手順・TCP/IP手順のサポートを2023年に終了しており3、回線側でもINSネットが2024年に新規申込を終え、2028年に提供終了となります5。
制度と回線の両方に期日がある一方で、自社がいつまでに何をするかは接続先の金融機関と自社の回線契約によって変わります。
まずは、自社の接続がどちらなのかを見分けるところから順に見ていきます。

自社のEDI接続を見分ける順序
振込データ伝送か受発注データ交換かを確認していく手順を示す図

全銀手順が使われる場面(銀行・企業間の振込データ伝送)

全銀手順は、正式には全銀協標準通信プロトコルと呼ばれる、企業と金融機関の間でデータをやり取りするときの取り決めです。
総合振込や給与振込のデータを銀行へ送る、入出金明細を受け取る、といった処理の「送り方」を決めている部分にあたります。
全国銀行協会は2017年に、広域IP網をベースとする全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)を、企業・銀行相互間のオンラインデータ交換において使用する標準通信プロトコルとして制定しています1。

押さえておきたいのは、通信手順が決めているのは主に送り方であって、業務システムの中身そのものではないという点です。
「手順を切り替える」と聞くと会計システムごと入れ替える話を連想しがちですが、検討の中心になるのは、どの回線でどうつなぐかという部分になります。
もちろん、伝送の仕組みが業務システムとどうつながっているかによって影響範囲は変わるので、そこは後の節で確認する項目として扱います。

調べ始めた時点では、自社で「全銀手順」と呼んでいるものが何を指しているのかが曖昧なことも珍しくありません。
経理担当者が銀行から配布されたソフトで振込データを送っているのか、情報システム部門が管理するサーバから夜間に自動送信しているのかで、確認する相手も、社内に残っている資料も変わります。
接続先が金融機関なのか、送っているのが入金・支払に関わるデータなのかを一つずつ確かめるところから始めると、その後の判断が早くなります。

実際には、同じ会社の中で複数の接続が並んでいることもあります。
本社から総合振込のデータを送る接続と、支店や工場が個別に持っている接続、それに取引先との受発注の接続が、別々の機器と回線で動いているという形です。
導入した時期も担当部署も違うので、まとめて一つの仕組みとして考えないほうが、この後の確認は正確になります。

受発注EDIとの違いを先に区別する

「EDI 手順」で検索すると、金融機関との伝送の話と、取引先との受発注の話が同じ画面に並びます。
どちらもEDIと呼ばれますが、扱う取引も、相手も、根拠になっている標準も別のものです。
たとえば流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)は、小売業とその取引先である卸売業・商品メーカーとの間の企業間取引を標準化したもので6、企業と金融機関の間のデータ交換を対象とする全銀協標準通信プロトコルとは領域が異なります。

この区別が実務で効いてくるのは、社内の担当が分かれているときです。
振込データの伝送は経理・財務部門と、受発注は購買や営業のシステムと結び付いていることが多く、相手先も契約もそれぞれ別に管理されています。
片方だけを見て「うちのEDIは対応済み」と判断すると、もう片方の接続が古い回線に残ったままになります。

ですから、最初の作業は接続先ごとの棚卸しになります。
金融機関との接続が何本あるか、取引先との接続が何本あるか、それぞれどの機器・どのソフトから出ているかを一覧にしておく。
この一覧があると、この後に出てくる期日の話を、そのまま自社の作業へ当てはめられます。

全銀手順と全銀TCP/IP手順は何が違うのか

適用回線の違い(ISDN・一般公衆電話網 と IP網)

全国銀行協会が公表している区分では、従来のベーシック手順とTCP/IP手順は一般公衆電話網またはISDNを適用回線とし、TCP/IP手順・広域IP網はIPを利用する回線を適用回線としています2。
違いを一言でいえば、どの回線の上で動く前提なのかという点です。
手順の細かな仕様差より先にこの区分を押さえておくと、次の「切り替えが必要か」という判断が組み立てやすくなります。

電話網やISDNを適用回線とする接続では、伝送のたびに相手先へ発信して回線をつなぎ、終われば切る、という形になります。
手元には電話回線につながる通信装置があり、回線の契約も電話の契約として残っているはずです。
一方、IPを利用する回線を前提とする接続では、網への接続契約とネットワーク機器の設定が土台になり、伝送はすでに用意された経路の上で行われます。

この差は、移行の作業がどこに集中するかに直結します。
回線と、そこにつながる機器と、伝送を制御する設定は確実に変わります。
それに対して、振込データを作る業務側の処理は、そのまま残せる場合もあれば、出力先や起動の仕組みを直す必要が出る場合もあります。
どちらになるかは金融機関の案内と自社の構成によって変わるため、ここは一般論で決めずに確認事項として持っておくのが安全です。

手順の呼び方 適用回線
ベーシック手順 一般公衆電話網またはISDN
TCP/IP手順(従来型) 一般公衆電話網またはISDN
TCP/IP手順・広域IP網 IPを利用する回線

呼び方の整理(ベーシック手順/TCP・IP手順/広域IP網)

紛らわしいのは、呼び方が複数あることです。
「全銀手順」「全銀ベーシック手順」「全銀TCP/IP手順」「全銀協標準通信プロトコル」が、同じ社内資料の中で混ざって使われていることもあります。
特に注意したいのは、TCP/IP手順という名前が、一般公衆電話網やISDNを適用回線とする従来型にも、IP網を適用回線とするものにも付いている点です2。

つまり、社内の資料に「TCP/IP手順」と書かれていても、それだけではIP網に移行済みとは判断できません。
名前ではなく、実際にどの回線でつないでいるかを見る必要があります。
伝送ソフトの接続先指定が電話番号になっているのか、IPアドレスやホスト名になっているのか、回線の請求がどの品目で来ているのか。
判別は、こうした具体的なところで行うのが確実です。

広域IP網を適用回線とする全銀協標準通信プロトコルが制定されたのは2017年です1。
それ以前から止まらずに動いている接続であれば、従来型のまま使い続けている可能性が高くなります。
長く安定して動いてきた仕組みほど設定を触る機会がなく、社内に詳しい人が残っていないことも多いものです。
その場合は、金融機関から受け取った接続仕様の書類や、伝送ソフトの設定画面に残っている接続先情報が手掛かりになります。

手順の呼び方ごとの適用回線の違い(模式図)
ベーシック手順とTCP・IP手順(従来型)は電話網・ISDN、TCP・IP手順・広域IP網はIP網を適用回線とすることを示す図

なぜ切替が必要なのか、いつまでに対応すべきか

制度側と回線側で公表されている時期の並び
2017年の広域IP網版制定から2028年12月31日のISDN提供終了までの時期を並べた図

全銀協によるサポート終了(2023年12月末)

全国銀行協会は2017年にベーシック手順およびTCP/IP手順(従来型)の取扱いを公表し、これらの手順について2023年12月末をもってサポートを終了しました3。
ここでいうサポートは、手順の改正と、会員や一般利用者からの照会対応等を指します3。
あわせて、システムのライフサイクルを踏まえつつ全銀プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)等の代替手段への移行を検討し、2023年12月末までにIP網への移行対応を実施するよう案内されています3。

この内容を実務に引き直すと、サポート終了は「その日に通信が止まる」という意味ではありません。
規格の維持と問い合わせ窓口が終わる、というのが公表されている範囲です。
ただし仕様が改正されなくなるということは、今後の制度の変更が従来型の手順には反映されないということでもあります。

そして、実際にいつまで従来の接続を受け付けるかを決めるのは、接続の相手である金融機関です。
案内の時期も、用意される移行先の接続方式も、金融機関ごとに違います。
この2023年12月末という日付は、自社の作業期限そのものというより、自社の期限を金融機関に確認すべき理由として受け止めるほうが実態に近くなります。

NTTのISDN終了スケジュール(2024年8月新規受付終了・2028年12月31日提供終了)

もう一つの期日は回線側から来ます。
NTT東日本は、INSネット64・INSネット64ライト・INSネット1500について、2024年に新規申込を終了し、2028年にサービス提供を終了すると発表しています5。
ISDN回線で伝送している場合、この日付はそのまま設備の使用期限になります。

さらに手前の動きとして、2024年1月1日以降、固定電話(加入電話・INSネット)はIP網へ移行し、INSネット(ディジタル通信モード)等のサービスが終了しています4。
ディジタル通信モードは、EDIやPOSなどの専用端末との通信に使われることの多いサービスで、終了後は補完策で対応するものの、従来の通信より伝送遅延が生じる問題が発表されています4。
提供終了の期日を待たずに、通信の挙動そのものが変わり得る区間があるということです。

伝送遅延という言い方は抽象的に聞こえますが、運用の現場では具体的な形で表れます。
伝送に時間がかかれば、タイムアウトや再送が増え、夜間バッチの終了時刻が後ろへずれます。
振込の締切時刻に間に合わせる前提で組まれている処理なら、止まってはいないが余裕がなくなる、という状態が先に来ます。

新規申込の終了も、別の形で効いてきます。
拠点を増やす、事務所を移転する、機器が故障して回線を引き直す、といった場面で、同じ回線をもう一度用意することができません。
制度側の期日と回線側の期日が重なっているため、一般公衆電話網やISDNで伝送を続けている企業にとって、検討を先送りしにくい状況にあるのは確かです。
ただし、対応の要否と時期そのものは、接続先の金融機関の対応状況と自社の回線契約によって変わります。

全銀TCP/IP手順への移行で確認すべきこと

移行を検討するときに確認する順序
自社の接続方式の確認から移行計画の作成までの流れを示す図

接続先金融機関の対応状況を確認する

期日があることは分かっても、自社が何月までに何をすべきかは、ここまでの情報だけでは決まりません。
それを決める材料は、接続している金融機関の側にあります。
全国銀行協会は利用者に対して代替手段への移行検討を案内していますが3、移行先としてどの接続方式を用意し、いつまで従来の接続を受け付けるかは、各金融機関の案内に沿って確かめることになります。

複数行と接続している場合、この確認は行ごとに必要になります。
メインバンクの接続は案内が届いて対応済みだが、給与振込だけで使っている別の銀行の接続が古いまま残っていた、というずれが起きやすいところです。
接続先の一覧を作ったうえで、それぞれに現在の接続方式、移行先として案内されている方式、申込から接続テストまでに必要な期間を聞く。
遠回りに見えて、これがいちばん早く全体像がそろう進め方です。

特に確認しておきたいのが、移行期間中に旧経路と新経路を並行して使えるかどうかです。
振込は止められない処理なので、ある日を境に一度で全部を移すのか、しばらく両方使えるのかで、計画の立て方がまったく変わります。
接続テストの時間帯やテスト用データの扱いも、金融機関側で用意される枠に依存します。
期日から逆算するときに効いてくるのは、この枠がいつ取れるかという点です。

確認の主体がずれていることもあります。
回線の契約は総務が、伝送の機器は情報システム部門が、金融機関との窓口は経理が持っている、という分かれ方は珍しくありません。
案内の文書が経理に届いたまま、技術的な判断をする部門へ渡っていないと、期日だけが静かに過ぎていきます。

確認の窓口が部署ごとに分かれている例(模式図)
回線契約・伝送の機器・金融機関との窓口が異なる部署に分かれることを示す図

自社の回線契約・既存システムとの互換性を確認する

自社側で確かめるのは、回線の契約と、その回線に何が乗っているかです。
契約の品目がINSネットなのか一般の加入電話なのか、拠点ごとに何本あるのか、名義は誰かを押さえます。
ここで見落としやすいのが、同じ回線をFAXや警備、POSなど他の用途と共用しているケースです。

共用していれば、伝送の移行だけでは回線を解約できません。
逆に、他の用途の都合で先に回線を整理することになれば、伝送側の移行時期もそれに引きずられます。
回線の棚卸しは、全銀手順の検討としてではなく、その回線で動いているもの全体の話として進めたほうが手戻りが少なくなります。

システム側では、伝送を担っているのが専用の端末なのか、サーバ上のソフトなのかを確認します。
ソフトであれば、IP網を適用回線とする接続方式に対応したバージョンがあるか、今の環境のまま更新できるか、OSや機器のサポート期限と重ならないかが判断材料になります。
データを作る処理、伝送する処理、結果を取り込む処理のどこが変わるのかを分けて見ると、影響範囲が具体的になります。

運用の部分も見落とされがちです。
伝送のジョブをいつ動かしているか、失敗したときに誰がどう再送しているか、結果をどこで確認しているか。
接続方式が変われば、エラーの出方も再送の手順も変わります。
手順書が古いまま残っていると、切り替えた直後の夜間に対応できる人がいない、という形で問題が出ます。

費用や対応製品については、構成によって幅が大きく、一般的な相場として示せるものではありません。
現在の接続方式、回線の本数、伝送ソフトのバージョンや機器の型といった前提を整理したうえで、取引のある金融機関と、伝送ソフト・機器のベンダーへ具体的な条件を示して確認するのが確実です。
前提がそろっていれば、返ってくる見積もりも比較できる形になります。

JCA手順・流通BMSとの違い、混同しないための整理

流通BMSは小売・卸・メーカー間の受発注標準

検索の途中で混ざりやすい受発注側の標準との関係も整理しておきます。
流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)は、経済産業省が消費財流通に携わる企業間のEDI取引を促進するため2003年度から6年間行った事業の成果として策定されたもので、小売業とその取引先である卸売業・商品メーカーとの間の企業間取引を標準化しています6。
扱うのは発注や出荷、請求といった商取引のデータで、金融機関との間のデータ伝送とは対象が異なります。

JCA手順という言葉も、受発注のEDIを調べていると一緒に出てきます。
これも取引先との受発注のやり取りに関わる通信手順で、つなぐ相手が金融機関ではなく事業会社である点が、全銀協標準通信プロトコルとの大きな違いです。
「古い手順から新しい方式へ移す」という話の形が似ているために混ざりやすいのですが、期限を決めている主体も、確認する窓口も別々です。

混同したまま進めると、検討の順番を間違えます。
受発注側の相談先は取引先とそのシステム担当、金融機関との伝送の相談先は各行の窓口で、案内が届く経路も違います。
社内で一つの「EDI対応」としてまとめてしまうと、どちらかの期限が見えなくなります。

全銀手順とは対象取引が異なる

とはいえ、両者にまったく接点がないわけではありません。
共通しているのは回線です。
同じISDN回線に受発注の通信と金融機関との伝送が相乗りしていれば、2028年のサービス提供終了5は、どちらにも同じように効きます。

そこで、作業の切り分けはこうなります。
回線の棚卸しは、用途を問わず一本化して進める。
手順そのものの対応は、接続先ごとに分けて、それぞれの相手の案内に沿って決める。
この二つを分けておくと、回線の話と手順の話が混ざって判断が止まる、という状態を避けられます。

受発注側は、取引先が指定する標準や接続方式に合わせる形になることが多く、自社だけで決められる範囲は限られます。
一方、金融機関との伝送は接続先が限られている分、確認すべき相手がはっきりしています。
どこから手をつけるか迷うなら、期日が公表されている回線側の確認を先に済ませ、そのうえで接続先ごとの期限を埋めていくと進めやすくなります。

区分 主な当事者 扱うもの
全銀協標準通信プロトコル 企業と金融機関 振込などのオンラインデータ交換
流通BMS 小売業と卸売業・商品メーカー 発注や出荷などの企業間取引

ここまでで、自社の接続がどの回線を前提にしているか、どの期日がどこから来ているかを切り分ける材料はそろいました。
残るのは、それぞれをどこへ確かめに行くかという点です。

全銀協標準通信プロトコル・JCA手順・流通BMSの対象の違い(模式図)
当事者と扱う取引がそれぞれ異なることを示す図

公表されている期日の所在ははっきりしても、自社の接続がどれに当たるかは、実際の設定や契約書を見るまで決まらない部分が残ります。

現在の接続方式、回線契約の状況、接続している金融機関の数を持ち寄っていただければ、どこから確認すれば期日に間に合うのか、順番の当たりを一緒に付けられます。無料相談で要件を整理する

切替検討前に確認する3つのポイント

自社の中で確かめられることから、外部に聞かないと分からないことへ広がる順に並べています。

  • いま使っている手順と適用回線は、伝送ソフトや端末に残っている接続先の設定と、金融機関から受け取った接続仕様の書類で見分ける。名称だけでは判別できない
  • 回線があと何年使えるかは、回線契約の品目と通信事業者の案内で確かめる。INSネットは新規申込がすでに終了し、2028年12月31日に提供が終わる5
  • 実際に切り替える期日は、取引のある金融機関ごとに、受付期限と接続テストの枠を聞いて決める

複数の金融機関と接続している場合は、三つ目を接続先の数だけ繰り返します。

要点の整理

軸 基準
自社が使っている手順 名称ではなく適用回線(電話網・ISDNかIP網か)で見分ける
制度側の期日 従来型のベーシック手順・TCP/IP手順のサポートは2023年12月末で終了
回線側の期日 INSネットは2024年に新規申込終了、2028年に提供終了
自社の対応期限 接続先金融機関の受付期限と接続テストの枠から逆算する
受発注EDIとの切り分け 接続先で分け、回線の棚卸しだけは用途をまたいで一本化する
費用と製品の検討 構成の前提を整理したうえで金融機関とベンダーへ確認する

受発注の通信と金融機関との伝送が同じ回線に相乗りしている場合、どちらの都合で先に動くべきかは社内だけでは決めにくくなります。 接続先の一覧と回線の契約状況をもとに、棚卸しをどの単位で行い、どの確認を先に回すかを整理するところまでご相談いただけます。

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よくある質問

自社が全銀手順(ベーシック手順)とTCP/IP手順のどちらを使っているか、どこで確認すればよいですか

名称だけでは判別できません。
TCP/IP手順には一般公衆電話網やISDNを適用回線とする従来型もあるためです2。
手掛かりになるのは、伝送ソフトや専用端末に登録されている接続先の情報、金融機関から受け取った接続仕様の書類、そして回線の契約書や請求の明細です。
接続先が電話番号で指定されていれば電話網・ISDNを前提とした接続、IPアドレスやホスト名で指定されていればIP網側の接続を疑う、という見当の付け方ができます。
社内で判断が付かない場合は、現在の設定内容をそのまま示して、取引金融機関の窓口と伝送ソフトのベンダーへ照会するのが早道です。

ISDNの新規受付が終わった後も、2028年12月末までは今のまま使い続けてよいのでしょうか

回線としては2028年12月31日の提供終了まで続きますが5、そのまま何も起きないわけではありません。
新規申込が終了しているため、機器の故障や事務所の移転、拠点の追加で同じ回線を引き直すことができません5。
また、EDIやPOSの通信に使われることの多いディジタル通信モードは、終了後の補完策で従来の通信より伝送遅延が生じる問題が発表されています4。
加えて制度側では従来型手順のサポートが2023年12月末で終了しており3、金融機関がいつまで従来の接続を受け付けるかはそれとは別に決まります。
「回線が使えるか」ではなく「接続先にいつまで受け付けてもらえるか」を基準に考えるのが実務的です。

全銀TCP/IP手順に切り替えると、既存の振込・請求システムの操作や画面は変わりますか

手順の違いは適用回線の違いとして整理されており2、変わるのは主に回線と機器、そして伝送の設定です。
ただし、業務システムと伝送の仕組みがどうつながっているかによって、影響の範囲は変わります。
振込データを出力する先や、伝送を起動する仕組み、結果を取り込む処理が接続方式に依存していれば、その部分の手直しが必要になります。
伝送ソフトの更新だけで済むのか、機器ごと入れ替えるのかでも作業量は変わるため、現在の構成を示してベンダーと金融機関に確認してください。

全銀手順と流通BMS・JCA手順を両方使っている企業は、何を切り分けて考えればよいですか

切り分けの基準は接続先です。
金融機関との伝送と、取引先との受発注は、根拠となる標準も相談する窓口も別で、流通BMSは小売業と卸売業・商品メーカーの間の企業間取引を対象としています6。
一方で、同じ回線を両方が使っているなら、回線の期日は両方に等しく効きます5。
回線の棚卸しは用途をまたいで一本化し、手順の対応だけを接続先ごとに分けると、判断が止まりにくくなります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「EC-Rider B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

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  1. 1 出典:一般社団法人全国銀行協会「広域IP網をベースとした『全銀協標準通信プロトコル(TCP/IP手順・広域IP網)』の制定について」(2017年)
  2. 2 出典:一般社団法人全国銀行協会「全銀協標準通信プロトコル」(発行年不明・常設ページ)
  3. 3 出典:一般社団法人全国銀行協会「全銀協標準通信プロトコル(ベーシック手順およびTCP/IP手順)の取扱いについて」(2017年)
  4. 4 出典:東日本電信電話株式会社「固定電話(加入電話・INSネット)が廃止?IP網移行の時期と注意点について解説」(発行年不明)
  5. 5 出典:東日本電信電話株式会社「『INSネット』の新規申込受付・提供終了について」(2024年)
  6. 6 出典:一般財団法人流通システム開発センター「流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)設立経緯」(発行年不明)

画像の出典元

  1. IPネットワーク接続に使うLANケーブルのコネクター/PawinG on Pixabay

◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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