日東電工グループの一員であり、各種工業用粘着テープやテープ貼り機器を中心に約3,800品種の製品の提案・販売を手掛けている日東電工CSシステム様は、法人顧客専用の業務用通販サイト「ハルイチ」の立ち上げにあたりECサイト構築パッケージ EC-Rider B2Bを採用いただきました。
導入にあたり、基幹系連携などBtoB向けの機能群と、事業の成長と変化に対して柔軟、小刻みに対応できる柔軟性を高く評価していただいています。
Case04 日東電工CSシステム株式会社様 「こだわりのテープ」を自由に作成できるBtoB ECサイト
業種 | 粘着テープ製造販売業 |
企業規模 | 大手(大手粘着テープメーカーのグループ企業) |
小規模小売店のビジネスを支援するオリジナルテープの付加価値とは
工業用粘着テープやテープ貼り機器などの製造販売を手掛ける日東電工CSシステム。約3,800種類の製品を取り扱う、大手粘着テープメーカーだ。全国に広がる独自の販売網を持ち、最近ではECサイトを活用したオンラインでの販売も積極的に行っている。その筆頭となるのが、2018年4月にスタートした法人向けテープの販売サイト「ハル工房」だ。
「ハル工房」は、多種多様なこだわりを持った顧客の要望に合わせ、オーダーメイドのテープを1巻から販売するサービスである。日東電工CSシステム CS本部 WEBセンター 兼 事業開発担当の鈴木大祐氏は、「粘着テープメーカーならではの品質と品揃えで、お客様のビジネスの成長を支援します」と語る。
「ハル工房」のターゲットは、小規模な小売店や独立系の販売店だ。これまで日東電工CSシステムの顧客は、主に工業分野を中心とする企業が多数を占めていた。「ハル工房」では既存のチャネルでリーチできなかった顧客層に積極的にアプローチし、新規市場開拓と販路の拡大をねらう。
1巻単位、1ミリ単位で、欲しいテープをカスタマイズできる
日東電工CSシステム CS本部WEB センター マネージャー 主事を務める春川孝志氏は、「小売市場は高齢化と労働力不足で競争が激しい。そのような状況下では、付加価値の高い商品/サービスの提供が、競合他社との差異化ポイントになります。お店のオリジナリティ溢れるこだわりのテープは、強力な販売促進ツールとなるでしょう」と説明する。
ハル工房の特徴は、テープの「品質」「量」「印刷」「デザイン」をカスタマイズできることだ。たとえば、「粘着力が強い」「臭いが少ない」などの品質に対するこだわりから、テープ幅やサイズを、ミリ単位で指定できる。通常の注文では最小ロットが1ケース(200巻)だが、ハル工房では1巻単位の購入も可能だ。
日東電工CSシステム 事業本部 事業統括センター 事業開発担当の配川哲郎氏は、「これまでもお客様から『1ミリ単位でサイズを調整して、無駄なく使えるテープがほしい』という要望を頂いていました。また、社内からはテープにオリジナルの印刷を施せば、(お客様の)ブランディングなどに役立てるのではないか』とのアイデアも挙がっていました。われわれは粘着テープの特性を知り尽くしているテープ専門メーカーとして、そうしたニーズに柔軟に対応していきたいと考えています」と語る。
「デザイン作成ツール」とECシステムがシームレスに連携
「ハル工房」の中でも、顧客のこだわりに応える究極のサービスが、顧客がオリジナルテープを自由に作成できる「ハルメイド」である。ロゴや写真、イラスト、QRコードなど、顧客自身が自由にデザインしてプリントする、いわば「オリジナルオーダーメイド印刷テープ』だ。もちろん、数巻単位で購入できる。
通常、オーダーメイドの印刷テープは、印刷のための「版」を製作し、大型機で印刷する。そのため、コストの観点から大量生産する必要があり、価格が割高になってしまうことがあった。しかし「ハルメイド」は、デジタル印刷機を利用して作成するので、「版」を製作する必要がない。その結果、印刷コストが低く抑えられるだけでなく、少量生産も可能となっている。配川氏は「個人商店のお客様がお試しで購入できるよう、少量・低価格で提供できるようにしました。素材は和紙タイプのマスキングテープですから、高級感があります」と説明する。
「ハルメイド」のもう1つの特徴は、Webサイト上でテープのデザイン作業ができることだ。「ハル工房」のWebサイト内にある「デザイン作成ツール」を利用するため、デザインソフトのインストールや、イラストレータデータを準備する必要がない。
完成したデザインは、ECサイト構築システムである「EC-Rider B2B」に登録する。「EC-Rider B2B」は、企業間取引に必要な基本機能をパッケージとして網羅したシステムである。「デザイン作成ツール」は「EC-Rider B2B」とシームレスに連携しているので、デザイン作成から注文・決済の手続きを、単一のWebサイトで完結できるのだ。
春川氏は、「2017年2月から段階的に『EC-Rider B2B』を導入検討してきました。同システムはECサイトを一元的に管理できるほか、基幹システムやサードパーティツールとの連携が可能なので、ハルメイドの構築に役立ちました」と説明する。
デザイン作成ツールとの連携は「EC-Rider B2B」のカスタマイズサービスを利用した。その際には「EC-Rider B2B」の販売元であるイーシー・ライダーのサポート受け、短期間でのシステム構築を実現したという。
メッセージアイテムだけじゃないQRコードで追加情報の提供も可能
ハルメイドがスタートして約3カ月。現在はターゲット層に周知すべく、小売業界の専門誌など、「ニッチだが需要のポテンシャルがある分野」(鈴木氏)にアプローチしている段階だ。春川氏は「オリジナルのイラストやメッセージを施したテープは、『情報伝達の入り口』です。工夫次第でさまざまなビジネスチャンスを生むものと確信しています」と、胸を張る。
たとえば、封筒や小箱の簡単な口止めといった一般的な使い方はもちろん、通信販売の商品などを出荷する際にQRコードを印刷したテープを貼れば、QRコードを介してサイトにアクセスしてもらうことで、より詳細な商品紹介ができる。
ほかにもバレンタインやクリスマス、ハロウィンなど、季節イベントに合わせた商品包装のアクセントとしての利用も考えられる。文字のサイズやフォントは複数用意されているので、お菓子やギフト品などの製品ラッピングに「いつもありがとうございます」の言葉を添えるなど、メッセージアイテムとしても幅広く利用できるだろう。
こうした可能性について配川氏は、「今、期待しているのは農業分野での利用です」と語る。近年は「食の安全」を重視する消費者が増え、「誰が作ったのかがわかる農作物を購入したい」との気運が高まっている。パッケージに生産者の顔写真が印刷されている農作物を目にする機会も増えた。「顔写真とQRコードが印刷されているテープを貼れば、消費者は『誰が』『どんな環境で育てているのか』という情報を得られます。結果的に(こうした情報の提供は)消費者の安心にもつながると考えています」(配川氏)
「ハル工房」では今後、「粘着剤の種類」や「テープの長さ」など、さらにカスタマイズできる範囲を拡げていく計画だ。鈴木氏は、「ハル工房やハルメイドはスタートしたばかりですが、そのサービス内容を知ってもらえれば、関心を持って頂けると確信しています」と自信をみせる。
「テープには無限の可能性がある」と感じてもらえるような、お客様に寄り添った製品を提供していくこと——。これが日本屈指のテープメーカーの夢であり、使命でもあるようだ。
日東電工CSシステム株式会社の社員の皆様をご紹介
CS本部
WEBセンター
兼 事業開発担当
鈴木 大祐 様
CS本部
WEBセンター
マネージャー 主事
春川 孝志 様
事業本部
事業統括センター
開発グループ
事業開発担当
配川 哲郎 様
導入サービス | EC-Rider B2B ASP「ConoHaマーケットプレイス」プラン |