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BtoB通販と通販(BtoC)の違いとは?機能・市場規模・導入実例で比較する

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • BtoB通販と通販(BtoC)の違いは、買い手が組織か個人かという一点から、価格の決め方・決済の方法・注文前後の工程へ枝分かれする
  • 2024年のBtoB-EC市場規模は514兆4069億円でEC化率43.1%、BtoC-EC市場規模は26兆1225億円で物販系分野のEC化率は9.78%と、規模も浸透度も大きく異なる
  • 機能の違いは掛け売りに集まり、対応に必要な機能要件は5つ、その軸は与信枠・締め請求・入金消込の3つ
  • 導入実例では約20,000点や25,000品といった商品数を扱い、実質的な開発期間が4か月という例もある

Professionals analyzing financial charts in a corporate sett
▽ 写真の出典元

BtoB通販と通販(BtoC)の違いは、買い手が「組織」であること

BtoB通販と通販(BtoC)の違いは、買い手が組織か個人かという一点に集約されます。個人向けの通販は、商品を選び、決済を済ませれば取引がその場で完結します。これに対して企業間の取引は、注文の前に取引口座の開設と与信枠の設定があり、注文の後に締め請求と入金消込が続きます。つまり、カートと決済の間だけを見て両者を比べても違いは見えず、注文の前後に伸びている工程まで含めて見たときに、必要な機能の差がはっきりします。市場の側から見ても、2024年のBtoB-ECは514兆4069億円でEC化率は43.1%2、BtoC-ECは26兆1225億円で物販系分野のEC化率は9.78%1と、規模も電子化の進み方も同じ物差しでは測れません。本記事では、この違いを機能・市場規模・導入実例の3つの角度から並べ、自社がどちらの前提で仕組みを選ぶべきかを整理します。

決める人と払う人が別々にいる

通販(BtoC)では、商品を選ぶ人、決済する人、受け取る人が同じ個人であることがほとんどです。だからこそ、迷わせない導線と、その場で完了する決済が設計の中心になります。

BtoB通販では、現場の担当者が品番を選び、上長が金額を承認し、経理が支払いを処理する、というように役割が分かれます。一つの注文に複数の人が関わる前提に立つと、注文の履歴を誰が見られるか、承認をどこで挟むか、といった設計項目が最初から必要になります。

価格が相手ごとに変わる

個人向けの通販は、同じ商品に同じ価格が表示されるのが基本です。会員区分による割引はあっても、価格の体系そのものは一つに保たれます。

BtoB通販では、取引先ごとに掛け率が異なり、数量によって単価が変わり、契約によっては特定の品目だけ別建ての価格になります。つまり、価格は商品に紐づくのではなく、商品と取引先の組み合わせに紐づきます。この一点だけでも、個人向けの仕組みをそのまま企業間に転用しづらい理由が説明できます。

注文の後ろに請求の工程が残る

個人向けの通販では、決済が終われば売上は確定し、取引はそこで閉じます。BtoB通販では、注文が成立した時点では代金は動かず、月末などの締め日にまとめて請求し、後から入金を照合して初めて取引が閉じます。

この「注文の後ろに残る工程」こそが、BtoB通販で最初に確かめるべき部分です。与信枠の設定から受注、締め請求、入金消込までを一続きの流れとして捉えると、どこを仕組みで持ち、どこを人手で担うのかを切り分けやすくなります。

市場規模の差が土俵の違いを示すものだとすれば、その土俵の上で必要になる機能は具体的に何か。ここからは、両者を分ける核心である決済まわりに絞って見ていきます。

与信枠の設定、受注、締め請求、入金消込の順に左から右へ並ぶ流れ図
掛け売り対応の軸になる3つの機能(与信枠・締め請求・入金消込)が置かれる位置

市場規模で比べると、BtoB通販とBtoCは土俵が違う

2024年のBtoB-ECは514兆4069億円、EC化率は43.1%

2024年のBtoB-EC(企業間電子商取引)の市場規模は、前年比10.6%増の514兆4069億円でした2。EC化率は43.1%で、前年から3.1ポイント増えています2

EC化率が4割を超えているということは、企業間の取引ではすでに電子化が標準に近い水準まで進んでいるという意味です。裏を返せば、紙の注文書やファクスのまま残っている取引は、取引先側から見て例外の側に回りつつあります。

2024年のBtoC-ECは26兆1225億円、物販系分野のEC化率は9.78%

一方、2024年のBtoC-EC市場規模は26兆1225億円で、前年比5.1%増でした1。このうち物販系分野は15兆2194億円で同3.7%増、EC化率は9.78%です1

消費者向けの通販は広く普及している印象がありますが、物販全体に占める割合で見れば1割に届いていません。数字の上では、企業間のほうが電子化の度合いが高いという構図になります。

数字の差は「設計思想の差」として読む

この2つの数字を並べる目的は、どちらが有望かを比べることではありません。規模の大きい市場が、個人向けとは違う工程と条件の上で成り立っているという事実を確かめることにあります。

BtoB-ECのEC化率が43.1%という水準にあるのは、受発注の反復が多く、取引条件があらかじめ決まっているという企業間取引の性質に、電子化がよく合うためです。自社の取引がこの性質を持つなら、参考にすべきはBtoCの通販ではなく、企業間取引の側の作法になります。

必要な機能が見えたところで、次に気になるのは「実際にはどのくらいの規模のものが、どのくらいの期間で立ち上がるのか」という点です。導入実例の数字で確かめます。

BtoB-ECとBtoC-ECの市場規模とEC化率を上下に並べた比較表
2024年のBtoB-ECとBtoC-ECの市場規模とEC化率
Rustic stone house porch with wooden features, surrounded by
▽ 写真の出典元

機能の違いは「掛け売り」に集まる

掛け売り対応に必要な機能要件は5つ

BtoB通販の機能要件は数多く挙げられますが、通販(BtoC)と決定的に分かれるのは決済まわりです。BtoB ECの掛け売り対応に必要な機能要件は5つとされています3

比較検討の場では、商品検索の使いやすさや画面の見栄えに目が向きがちです。しかし、掛け売りに必要な要件が満たされていなければ、どれだけ画面が整っていても運用は続きません。まずこの5つを満たすかどうかを、比較の一次条件に置くのが現実的です。

軸になるのは与信枠・締め請求・入金消込の3つ

5つの要件のうち、中心にあるのは与信枠・締め請求・入金消込の3つです3。与信枠は、取引先ごとに売掛の上限を持ち、超えた注文を止める仕組みです。締め請求は、期間内の取引を締め日でまとめて1通の請求にする仕組みです。入金消込は、入金された金額を請求と照合して売掛を落とす仕組みです。

この3つは、いずれも個人向けの通販には存在しません。既存の通販システムをBtoB通販へ転用しようとしたときに最初につまずくのも、ほぼこの部分です。逆にいえば、この3つが仕組みの側にあるかどうかが、BtoB通販向けかどうかを見分ける実務的な基準になります。

導入実例で見る、BtoB通販の規模感

取り扱う商品点数の桁

BtoB通販では、取引先が業務のために必要とする品目を網羅する必要があるため、商品点数が大きくなりやすい傾向があります。ある導入事例では、BtoB ECサイトで取り扱う商品点数は約20,000点でした5

別の事例では、BtoBサイトの初期掲載商品数が25,000品でした6。公開の時点ですでにこの規模から始まっている点は、商品登録と更新の運用をどう回すかを、企画段階から設計に含めるべき理由を示しています。

立ち上げにかかる期間

機能が多いぶん、BtoB通販の構築は長期化すると考えられがちです。ある導入事例では、BtoB ECサイトの実質的な開発期間は4カ月でした4

要件が固まっていれば、企業間の取引に必要な機能をそろえたうえで、この程度の期間で公開に至る例もあるということです。期間を左右するのは機能の多さそのものよりも、取引条件や価格体系をどこまで事前に整理できているかだといえます。

自社に当てはめて考える

最初に書き出すのは「取引条件」

自社がBtoB通販とBtoCのどちらの前提で仕組みを選ぶべきかは、取引条件を書き出せば判断できます。取引先ごとに価格が変わるか、支払いは前払いか掛けか、締め日はいつか、承認を挟む取引先があるか。これらに一つでも当てはまるなら、個人向けの通販の延長では設計が足りません。

逆に、価格が一律で、代金がその場で決済されるなら、企業が相手であっても通販(BtoC)の仕組みで足ります。相手が法人かどうかではなく、取引条件が組織向けかどうかで判断するのが実務的です。

次に確かめるのは商品点数と価格の持ち方

取引条件の次に確かめるのは、扱う商品点数と、価格をどう持つかです。実例が示すように、数万点規模から始まることは珍しくありません56。点数が増えるほど、価格を取引先ごとに持つ負荷も比例して重くなります。

この2つが見えていれば、比較検討の論点は「どのシステムが多機能か」ではなく「自社の取引条件をそのまま載せられるか」に絞れます。検討期間を縮めるうえでも、この順序が効きます。

BtoB通販と通販(BtoC)の違いは、買い手が組織であることに始まり、価格の持ち方、注文前後の工程、そして掛け売りの機能へと連なっています。市場規模とEC化率の数字は、企業間取引の電子化がすでに進んでいる事実を示し、導入実例は数万点規模でも現実的な期間で立ち上がることを示しています。自社の取引条件を書き出すところから始めれば、どちらの前提で選ぶべきかは自ずと定まります。

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▽ 写真の出典元

BtoB通販と通販(BtoC)の違いは一覧で読めば分かりますが、自社の取引条件がどちらに寄っているかは、実際の掛け率や締め日、承認の有無を具体的に並べてみないと判断がつきません。企業間取引の構築を重ねてきた相手であれば、書き出した条件を見ただけで、個人向けの延長で足りるのか、掛け売りの仕組みが要るのかを切り分けられます。

現在の取引条件と商品点数をそのまま伝えれば、掛け売りに必要な機能のどれが自社に要るのか、既存の仕組みのどこまでが流用できるのかを、具体的な形で確かめられます。無料相談で要件を整理する

掛け売り対応で必ず確かめる3つの機能

  • 与信枠:取引先ごとに売掛の上限を持ち、上限を超える注文を受注の時点で止められること
  • 締め請求:締め日までの取引をまとめ、取引先ごとに1通の請求として発行できること
  • 入金消込:入金された金額を請求内容と照合し、売掛を消し込めること

この並びに優劣の順序はありません。

この3つは掛け売り対応の軸であり、比較検討の場では画面の使い勝手より先に確認すべき項目です。

要点の整理

基準
買い手 組織か個人か(決める人と払う人が分かれるか)
価格 取引先ごとに掛け率や数量単価が変わるか
決済 掛け売りか、その場での決済か
請求 締め日でまとめて請求する必要があるか
入金 入金と請求を照合して売掛を消し込む必要があるか
市場規模(2024年) BtoB-EC 514兆4069億円/BtoC-EC 26兆1225億円
EC化率(2024年) BtoB-EC 43.1%/BtoC-EC物販系分野 9.78%
商品点数の規模感 約20,000点、初期掲載25,000品という実例がある
立ち上げ期間の目安 実質的な開発期間が4カ月という実例がある
A vibrant still life of various vegetables and measuring tap
▽ 写真の出典元

検討が長引く原因の多くは、機能の比較そのものではなく、取引条件と価格体系の整理が済んでいないことにあります。数万点規模の構築や実質4か月での立ち上げを手掛けてきた相手なら、どこから整理すれば期間が縮むのかを、経験に照らして示せます。 取引先の数、価格の持ち方、締めと入金の運用を共有すれば、立ち上げまでに決めておくべき項目の順序と、自社の場合に想定される進め方を確かめられます。

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よくある質問

BtoB通販と通販(BtoC)の一番大きな違いは何ですか?

買い手が組織か個人かという点です。ここから、取引先ごとに価格が変わること、決済が掛け売りになること、注文の前後に承認や請求の工程が挟まることといった違いが派生します。カートと決済の間だけを比べても違いは見えません。

BtoB通販とBtoC通販では、市場規模にどのくらいの差がありますか?

2024年のBtoB-EC市場規模は514兆4069億円で、EC化率は43.1%です。同じ2024年のBtoC-EC市場規模は26兆1225億円で、物販系分野のEC化率は9.78%です。規模だけでなく、電子化の進み方にも差があります。

掛け売りに対応するには、どんな機能が必要ですか?

BtoB ECの掛け売り対応に必要な機能要件は5つとされ、その軸になるのが与信枠・締め請求・入金消込の3つです。この3つは個人向けの通販システムには存在しないため、転用を考える際の最初の確認点になります。

商品点数が数万点あってもBtoB通販は運用できますか?

導入事例では、取り扱い商品点数が約20,000点、別の事例では初期掲載商品数が25,000品という規模があります。ただし点数が増えるほど登録と更新の運用負荷も増えるため、公開後の更新手順を企画段階から設計に含めることが前提になります。

BtoB通販の立ち上げにはどのくらいの期間がかかりますか?

導入事例では、BtoB ECサイトの実質的な開発期間が4カ月だった例があります。期間を左右するのは機能の多さよりも、取引条件や価格体系をどこまで事前に整理できているかです。

法人が相手なら必ずBtoB通販の仕組みが必要ですか?

必ずしもそうではありません。価格が一律で、代金がその場で決済されるなら、相手が法人でも通販(BtoC)の仕組みで足ります。判断は相手の属性ではなく、取引条件が組織向けかどうかで行うのが実務的です。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査(BtoC-EC分野)」(2025年) 経路
  2. 2 出典:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査(BtoB-EC分野)」(2025年) 経路
  3. 3 出典:株式会社フライトソリューションズ「BtoB EC掛売り決済の対応方法|2026年取適法と要件」(2026年) 経路
  4. 4 出典:株式会社イーシー・ライダー「EC-Rider B2B 導入事例(フーヅフリッジ株式会社様)」(2017年) 経路
  5. 5 出典:株式会社イーシー・ライダー「EC-Rider B2B 導入事例(株式会社ポディウム様)」(2025年) 経路
  6. 6 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B 導入事例(日東電工CSシステム株式会社様)」(2020年) 経路

画像の出典元

  1. Professionals analyzing financial charts in a corporate sett/Photo by Yan Krukau on Pexels
  2. Rustic stone house porch with wooden features, surrounded by/Photo by Magda Ehlers on Pexels
  3. Exterior view of a modern brick building with extensive glas/Photo by Edias Vandirai on Pexels
  4. A vibrant still life of various vegetables and measuring tap/Photo by FounderTips . on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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