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BtoB通販の支払サイトと請求書締め日を取引先ごとに管理する方法

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 支払サイトは取引先ごとに違ってよく、支払期日は物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間に収める
  • 締め日と支払サイトは請求処理の設定ではなく、取引先マスタの属性として持たせると取引先が増えても運用の形が変わらない
  • 締め日が取引先ごとに違っても、発行する請求書には適格請求書の6項目の記載が必要になる
  • 締め日と支払サイトから入金予定日が自動で決まれば、入金消込は記憶の作業ではなく突き合わせの作業になる

40代前半の日本人女性が請求書の封入をしている場面
▽ 写真の出典元

支払サイトは取引先ごとに違ってよいのか

取引先ごとに支払サイトが違っていても差し支えありません。問題は違うこと自体ではなく、その違いを人の記憶や手作業ではなくシステムの中に持てているかどうかです。取引先マスタで締め日と支払サイトを個別に設定できれば、締め日ごとに請求書をまとめて発行し、入金予定日まで伝票に持たせられます1。まずは自社が抱える支払サイトの種類を取引先ごとに洗い出し、現状の請求書発行が手作業かシステム化されているかを確かめるところから始めます。

オフィスの自席で納品書とノートパソコンを見比べる日本人の会社員
▽ 写真の出典元

違ってよい。ただし支払期日には上限がある

支払サイトを取引先ごとに変えること自体は、取引条件の取り決めの範囲です。末締め翌月末払いの取引先と、20日締め翌月末払いの取引先が並んでいても、それぞれの合意があれば成り立ちます。取引先の締め日に自社を合わせてきた結果として条件がばらついているのであれば、それは無秩序ではなく、掛売りを続けてきた取引の履歴そのものです。

一方で、支払期日の長さには法の上限があります。取適法では、物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間に支払期日を定めることとされています1。支払が遅れた場合には、年率14.6%の遅延利息を支払う義務が生じます1。取引先から支払サイトの短縮を求められたときは、この上限の内側で条件を詰め直す話だと捉えると、交渉の範囲がはっきりします。

まず自社の支払サイトの種類を洗い出す

取引先ごとの条件を数え上げると、実際には数種類の組み合わせに収まることが多くあります。締め日(月末か、20日などの特定日か)、支払月(翌月か翌々月か)、支払日(月末か特定日か)の三つを軸にした表を作り、取引先を当てはめていきます。取引先の数だけ条件があるように見えていたものが、型の数として把握できるようになります。

洗い出しの途中で、契約書に書かれた条件と実際の入金の運用がずれている取引先が見つかることもあります。ずれを見つけた時点で取引先に確かめておくと、後からシステムに設定を移すときに、どちらが正しいかで立ち止まらずに済みます。条件の型が見えたら、次はそれをシステムのどこに持たせるかです。

請求書の締め日はシステムでどう管理するのか

締め日と支払サイトは取引先マスタに持たせる

締め日をシステムで管理する要点は、締め日を請求処理の側の設定ではなく、取引先の属性として持つことです。取引先マスタで、月末・20日などの異なる締め日と支払サイトを個別に設定できる仕組みであれば、取引先が増えても運用の形そのものは変わりません1。新しい取引先が増えたときにすることは、マスタに締め日と支払サイトを入れることだけになります。

締め日を取引先の属性として持てると、日々の受注伝票は締め日を意識せずに積み上げるだけでよくなります。締め日が来たときに、その日を締め日とする取引先の伝票だけがまとまって拾われる形になるためです。月末に担当者が取引先の一覧を見ながら請求対象を選び分ける作業が、ここで消えます。

適格請求書の記載は締め日ごとの発行に載せる

締め日ごとに分けて発行する請求書も、当然ながら適格請求書として扱われます。適格請求書には6項目の記載が必須であり1、締め日が取引先ごとに違っても、この記載の要件は変わりません。締め日の設定を取引先マスタ側に寄せ、記載の様式は共通の雛形で持つと、条件のばらつきが書式のばらつきに広がらずに済みます。

逆に、請求書を表計算ソフトなどで個別に作っている運用では、締め日の違いがそのまま様式の違いとして残りやすくなります。記載漏れの点検が取引先の数だけ必要になり、月末の負荷が下がりません。条件の置き場所が決まったら、次は発行と入金の突き合わせを仕組みにする番です。

請求書の自動発行から入金消込までどう仕組むのか

締め日で締めて自動で発行する

請求書の自動発行とは、締め日が来たらその締め日の取引先の伝票を自動で締め、適格請求書の様式で出力するところまでを指します。担当者の作業は、締めた内容の確認と、例外のある取引先への個別対応だけに絞られます。取引先が増えても、増えるのは確認の対象であって、作成の工数ではありません。

入金予定日を持てば消込は突き合わせになる

入金消込が重い作業になるのは、入金があったときに「どの請求に対する入金か」を人が思い出しているからです。締め日と支払サイトが取引先マスタにあれば、請求書を発行した時点で入金予定日が自動的に決まります。伝票が入金予定日を持っていれば、消込は記憶の作業ではなく、入金データとの突き合わせの作業になります。

突き合わせの形にできると、月末に追われる対象も変わります。すべての入金を確認するのではなく、予定日を過ぎても入金が確認できないものだけが残ります。支払の遅延は年率14.6%の遅延利息の対象になり得るため1、遅れを早く見つけられること自体が、取引先との条件の話を進める材料にもなります。

支払サイトのばらつきは、取引先との関係を積み重ねてきた結果であって、なくすべきものとは限りません。なくすのではなく、取引先マスタという一か所に寄せて持つことで、月末の負荷から切り離すのが現実的な道筋です。

締め、発行、入金予定、突き合わせの四つの段をつないだ流れ図
締め日から入金消込までを一本の流れとして設計する

取引先ごとの締め日と支払サイトをどこまで個別に持てるかは、システムの仕様と自社の取引条件の両方を並べて見ないと判断がつきません。条件の洗い出しが終わった段階で相談すると、話が具体的になります。

自社の取引先ごとの締め日と支払サイトの組み合わせを持ち込み、取引先マスタで持てる範囲と、現状の請求書発行のどこが手作業のまま残るかを確かめられます。無料相談で要件を整理する

取引先ごとの支払サイト管理を整える前に確かめること

自社だけで決められることと、取引先との取り決めやシステムの仕様に関わることに分けて並べています。

  • 取引先ごとの締め日(月末・20日など)と支払サイトの組み合わせが一覧になっているか
  • 契約書に書かれた条件と実際の入金の運用が一致しているか
  • 支払期日が受領日から60日以内のできる限り短い期間に収まっているか
  • 取引先マスタで締め日と支払サイトを個別に設定できるか
  • 締め日ごとに請求対象の伝票をまとめて締め、請求書を発行できるか
  • 発行する請求書に適格請求書の6項目が揃うか
  • 締め日と支払サイトから算出した入金予定日を伝票が持っているか

確かめた項目が揃わないときは、条件の洗い出しで止まっているのか、システムの設定で持てないのかを切り分けて見直します。

Business meeting with handshake and financial analysis displ
▽ 写真の出典元

要点の整理

基準
支払期日の上限 物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間1
支払遅延 年率14.6%の遅延利息を支払う義務1
締め日の設定 取引先マスタで月末・20日などを取引先ごとに個別に持つ1
請求書の記載 適格請求書の6項目の記載が必須1
請求書の発行 締め日が来た取引先の伝票をまとめて締め、自動で発行する
入金消込 締め日と支払サイトから決まる入金予定日と入金データを突き合わせる
50代後半の日本人女性が年度末の書類整理をしている場面
▽ 写真の出典元

請求書の自動発行から入金消込までを一本の流れにするには、受注をどう締め、入金予定日をどこに持たせるかを先に決める必要があります。個別の機能の有無より、流れの設計を一緒に見たほうが早く決まります。 現状の請求書発行と入金消込が月末のどこで詰まっているかを洗い出したうえで、締め日ごとの自動発行と突き合わせによる消込に載せ替えた場合の運用の形を確かめられます。

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よくある質問

取引先ごとに支払サイトが違うのは、そのままにしておいてよいのでしょうか。

取引条件として合意があれば、違っていて差し支えありません。ただし支払期日は、取適法により物品等を受領した日から起算して60日以内のできる限り短い期間と定めることとされています1。上限の内側に収まっているかどうかだけは、取引先ごとに確かめておきます。

締め日は月末以外にも設定できますか。

取引先マスタで締め日を持てる仕組みであれば、月末・20日などの異なる締め日を取引先ごとに個別に設定できます1。締め日を請求処理側ではなく取引先の属性として持たせることが要点です。

取引先から支払サイトの短縮を求められた場合、どこを見ればよいですか。

まず現在の条件が締め日・支払月・支払日のどの組み合わせかを確かめ、短縮後の条件が受領日から60日以内に収まるかを見ます1。合意ができたら、変更するのは取引先マスタの設定であり、請求書の作り方そのものを変える必要はありません。

請求書を自動発行すると、入金消込はどう変わりますか。

締め日と支払サイトから入金予定日が自動で決まるため、消込は請求と入金データの突き合わせになります。担当者が確認するのは、予定日を過ぎても入金が確認できない案件に絞られます。

支払が遅れた取引先には何が生じますか。

取適法では、支払遅延に対して年率14.6%の遅延利息を支払う義務が定められています1。遅れを早く把握できる仕組みがあること自体が、取引先との条件の見直しを進める材料になります。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:株式会社イーシー・ライダー「BtoB EC掛売り決済の対応方法|2026年取適法と要件」(2026年) 経路

画像の出典元

  1. 40代前半の日本人女性が請求書の封入をしている場面/画像:生成AI(自社)
  2. Business meeting with handshake and financial analysis displ/Photo by AlphaTradeZone on Pexels
  3. 50代後半の日本人女性が年度末の書類整理をしている場面/画像:生成AI(自社)
  4. オフィスの自席で納品書とノートパソコンを見比べる日本人の会社員/画像:生成AI(自社)

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

監修確認日:

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