◆監修・編集責任者
B2B EC-COLUMN
この記事のポイント
- 受発注システムの受注データは、連携を組めば在庫・会計・倉庫管理などへ反映でき、複数システムへ同じ内容を手入力する作業を減らせる
- 連携方式には、CSV形式でファイルを出力して渡す方法と、相手システムがAPIを提供している場合にカスタマイズで接続する方法がある
- API連携が成立する条件は、相手システムがAPIを提供していることと、カスタマイズとしての開発・設定に費用と工数をかけられることの2点
- 電子受発注システムの導入率は2021年度調査で受注側48.5%・発注側40.9%にとどまり、導入後に生産性が向上したとの回答も41.8%と、つなぎ方次第で結果が分かれている
- 公開されている金額は、システム連携用リソースを確保した構成のモデルケースで月額260,000円、SaaS型受発注システムの目安で初期30〜50万円・月額10〜20万円と前提が異なり、相場として合算も比較もできない
目次

受発注システムを連携させずに手作業のままだとどんな支障が起きるか
受注メールを見ながら受発注システムに入力し、同じ内容を在庫管理システムにもう一度打ち込み、月末には会計システムへ転記する——注文が増えるほど、この転記の列は長くなっていきます。
在庫数が合わない、請求金額が違うといった確認に時間を取られているなら、原因は担当者の注意力ではなく、システム同士がつながっていないことにあります。
受発注システムに入った受注データは、連携を組めば在庫・会計・倉庫管理などへ自動で反映させられます。
ただし実現できるかどうかは、つなぎたい相手側のシステムがAPIを提供しているか、その接続をカスタマイズとして開発する費用と工数をかけられるかで決まります。
まず自社のどのシステムがAPIに対応しているかを確かめ、連携方式と費用の条件を照らし合わせる、という順で考えると判断がつきます。
転記・二重入力によるミスと工数増加
取引先からの注文が受発注システムに登録されるところまでは、すでに自動で動いている会社が多いはずです。
手が止まるのはその先です。
受注一覧を開き、同じ商品コードと数量を在庫管理システムの画面へもう一度入力する。
倉庫へ渡すために出荷用のファイルを作り直す。
月末になれば、売上を会計システムへ計上するためにまた同じ数字を拾う。
注文の受け取り自体は電子化されているのに、社内のシステムをまたぐたびに人の手が挟まっている状態です。
この形で困るのは、作業時間が増えることだけではありません。
同じ数字が複数の場所に別々に保存されるため、食い違ったときにどれが正しいのかを決める基準がなくなります。
在庫が合わないと気づいたとき、受発注システムの受注数と在庫管理システムの引当数のどちらを直せばよいのかは、注文の原本まで遡らないと判断できません。
調べている間にも新しい注文は入ってきますから、確認の仕事は後ろへ後ろへと溜まっていきます。
転記そのものは単純な作業なので、慣れた担当者ほど速く、正確にこなします。
だからこそ問題は、その人が休んだ日に処理が止まるという形で表に出ます。
どの画面のどの項目を、どの順番で、どこへ写すのか。
その手順が担当者の記憶の中にある限り、引き継ぎのたびに同じ説明をやり直すことになりますし、代わりに入った人の作業だけ誤りが増えるという事態も起きます。
つまり、気をつけて作業するという対策では解決しない種類の問題です。
人が写している限り、写し間違いの確率はゼロになりません。
変えられるのは注意力ではなく、写す回数そのものです。
導入率からみる社会全体の実態
こうした手作業が残っているのは特殊な状況ではありません。
中小企業庁の令和3年度取引条件改善状況調査では、電子受発注に2021年までに対応したと回答した受注側企業が48.5%、発注側企業は40.9%と報告されています1。
受注側でも半数に届かず、発注側は4割ほどという水準です。
これは2021年度調査時点の全体の数字で、業種別や企業規模別の内訳、その後の推移までは本記事では確認していません。
それでも、注文のやり取りそのものが電子化されていない相手や部門が身近に残っているという実感とは、大きくずれない数字だと言えます。
同じ「電子受発注システムの導入率」という言葉は、別の資料でも使われています。
中小企業庁が導入率を2021年9月時点の約2割から2023年めどに約5割へ引き上げる目標を掲げている、という報道です2。
調査の時点も集計の仕方も異なるため、この2割と先ほどの4割台を並べて「伸びた」「遅れている」と読むことはできません。
両方から読み取れるのは、電子的な受発注そのものがまだ全社に行き渡っておらず、国としても引き上げの対象に位置づけられている、という程度の話です。
もうひとつ、導入した企業側の回答として紹介されている数字があります。
受発注システムの導入で生産性が向上したと答えた企業が41.8%、業務の定型化・マニュアル化が可能になったと答えた企業が39.9%です3。
これは受発注システムの提供事業者の記事が中小企業庁の調査の引用として示した数値で、原文そのものは本記事では確認していません。
注目したいのは割合が4割前後にとどまっている点です。
システムを入れれば自動的に効果が出るわけではなく、入れたあとに社内のどの作業とどうつないだかで結果が分かれている、と読むほうが実態に近いはずです。
| 対象 | 数値 | 時点 |
|---|---|---|
| 受注側企業の電子受発注システム導入率 | 48.5% | 2021年度 |
| 発注側企業の電子受発注システム導入率 | 40.9% | 2021年度 |
| 導入で生産性が向上したと回答した企業 | 41.8% | 2021年度 |
| 導入で業務の定型化・マニュアル化が可能になったと回答した企業 | 39.9% | 2021年度 |
API連携でどの業務・データが自動化されるのか
受注データの自動反映
では、システム同士をつなぐと先ほどの場面はどう変わるのでしょうか。
実際の製品で確認できる例を見ると、BtoB EC構築システム「EC-Rider B2B Ⅱ」(株式会社フライトソリューションズ)では、自社が管理する各種データをCSV形式のファイルとして出力して会計システムや倉庫管理システムなどの外部システムと連携でき、APIが提供されている他システムとはカスタマイズによって連携できると案内されています5。
そして、こうした連携によって、複数のシステムへ手動で同じデータを入力する手間を省けると説明されています5。
業務の言葉に置き換えると、受注データを人が入力する回数が一度で済むということです。
受発注システムに登録された注文の商品コード・数量・取引先・納品先といった項目が、在庫管理や倉庫管理、会計の側へそのまま渡ります。
在庫管理システムの画面を開いて同じ数字を打ち直す作業と、月末に売上を拾い直す作業が、渡す対象に含まれている分だけなくなります。
数字が食い違ったときにどちらが正しいかを探す作業も、元のデータが一つになるぶん減っていきます。
一方で、連携を組めば人の確認がすべて不要になる、とまでは言えません。
受発注システム側の商品コードと在庫管理システム側の商品コードが別々に振られていれば、渡した先で行き先が見つからないという形で止まります。
取引先コードや倉庫コードも同じです。
連携を検討するときは、どのデータを渡すかと同時に、両側のコードの対応をどう合わせるかを決めておく必要があります。
ここは自動化の話というより、連携を動かすための下ごしらえにあたる部分です。
もう一つ区別しておきたいのは、データが届くことと、届いた先でそのデータが処理されることは別だという点です。
受注データが在庫管理システムに渡っても、引当までを自動で行うのか、担当者が画面で確認してから確定するのかは、受け取る側の仕組み次第で変わります。
「連携できる」という案内を読むときは、どこまでが自動で、どこから人の操作が残るのかを、自社が使う製品の仕様として個別に確かめておくと見込み違いが起きにくくなります。
在庫・会計・倉庫管理・決済との連携実績
連携できる相手は在庫と会計だけではありません。
先の製品では、販売管理・会計、倉庫管理・在庫連動、決済、サイト内検索、ポイント管理といった複数分野のシステムとの連携が案内されています5。
受注のデータは業務の入口にあたるため、その先のさまざまな処理で同じ情報が必要になる、という構造がここに表れています。
分野ごとに、必要になるデータの部分は違います。
会計側が要るのは売上として計上するための取引先・金額・計上日にあたる情報で、倉庫側が要るのは出荷先・商品・数量・納期にあたる情報です。
決済であれば入金や与信の状況が受注の状態と結びつきます。
つまり一つの受注データを丸ごと渡すというより、受け取る側の業務に必要な項目を切り出して渡す、という設計になります。
自社で連携を検討するときも、「在庫システムとつなぐ」ではなく「在庫システムへ受注のどの項目をいつ渡すのか」まで具体化しておくと、必要な作業量が見えやすくなります。
ここで挙げた分野は、あくまでこの製品が案内している範囲です。
連携できる相手の種類も、どこまで自動で反映されるかも、製品ごとに異なります。
すでに使っている受発注システムがあるなら、その製品の機能ページや仕様書で、連携先として名前が挙がっている分野と方式を確かめるのが出発点になります。
検討中の段階であれば、つなぎたい社内システムを先に書き出したうえで、各製品の連携実績と突き合わせるほうが比較しやすくなります。
連携方式にはどんな種類があり、何で選び方が変わるのか
CSV連携でできること
連携と一口に言っても、渡し方は一つではありません。
先の製品で案内されているのは、自社データをCSV形式のファイルとして出力して外部システムと連携する方法と、APIが提供されている他システムとカスタマイズによって連携する方法の2通りです5。
まずファイルを介する方から見ていきます。
CSVは、値をカンマで区切って並べた表形式のファイルです。
受注データをこの形式で書き出し、相手のシステムに取り込ませることで情報を渡します。
この方式の利点は、相手側が接続用の窓口を持っていなくても成立することです。
会計システムにも倉庫管理システムにも、外部から作成したファイルを取り込む機能はよく備わっています。
実際、この製品でもCSV出力は標準の機能として、会計システムや倉庫管理システムなど様々な外部システムとの連携手段に位置づけられています5。
一方で、ファイルを介する以上、出力と取り込みという手順が間に挟まります。
取り込む側が読める列の並びや文字の形式に合わせてファイルを用意する必要もあります。
いつ出力して、いつ取り込むのかという運用のタイミングも決めなければなりません。
1日1回まとめて渡す運用であれば、在庫の数字が両方のシステムで一致するのはその処理の後になります。
受注のたびに在庫を引き当てたいのか、日次でまとめて合えばよいのか——必要な鮮度によって、この方式で足りるかどうかが分かれます。
API連携でできること
もう一方のAPIは、システムが外部からのデータのやり取りを受け付けるために用意する接続の窓口です。
ファイルを書き出して渡すのではなく、システム同士が直接データを読み書きします。
先の製品の案内でも、APIが提供されている他システムの場合はカスタマイズによってシステム連携できる、と説明されています5。
ここで目を留めたいのは「提供されている場合は」という条件です。
この一文が、方式を選ぶときの分かれ目になります。
自社の受発注システムが連携に対応していても、つなぎたい相手のシステムが窓口を用意していなければ、API連携という選択肢はそもそも成立しません。
逆に相手が窓口を持っているなら、ファイルの受け渡しを挟まない形が選べます。
つまり、どちらの方式にするかは自社の希望だけでは決まらず、相手システムの仕様によって先に絞り込まれる、という順序になります。
検討の進め方としては、つなぎたい相手を一つずつ挙げ、それぞれについてAPIの提供があるかを確かめるのが確実です。
提供があればAPIとCSVのどちらが自社の運用に合うかを比べ、なければCSVで渡せる範囲を検討する。
全社の連携をどちらか一方の方式にそろえる必要はなく、相手ごとに違ってかまいません。
| 観点 | CSV連携 | API連携 |
|---|---|---|
| データの渡し方 | 自社データをCSV形式のファイルとして出力して渡す | システム同士が直接データをやり取りする |
| 成立する条件 | 相手システムがファイルを取り込めること | 相手システムがAPIを提供していること |
| 対応の位置づけ | 標準機能として案内されている | カスタマイズによる対応 |
API連携を実現するにはどんな条件が必要か
相手システムのAPI対応有無
API連携は、自社の受発注システム側だけを見ていても可否が決まりません。
確認できている条件は、つなぎたい相手のシステムがAPIを提供していること、そしてその接続をカスタマイズとして開発・設定できることの2点です5。
両方がそろってはじめて成立する、という関係になります。
確かめる順番としては、相手側が先です。
会計システムをつなぎたいなら、その会計システムの提供元にAPIの提供があるかを聞きます。
このとき「APIはありますか」だけでは足りません。
どのデータを読み書きできるのか、受注や仕訳のどの項目まで扱えるのかまで聞いておかないと、窓口はあるのに渡したい項目が通らない、ということが起こり得ます。
自社で使っている版やプランによって提供範囲が違う場合もあるため、契約中の条件に沿った回答をもらうことが必要です。
なお、本記事で確認できた案内は「APIが提供されている他システムの場合、カスタマイズにより連携できる」という条件までです5。
接続時の認証の仕組みや、やり取りするデータの形式といった技術的な要件までは読み取れません。
そのため、実際に自社のシステム同士をつなげるかどうかの最終判断は、受発注システム側と相手システム側の双方に、自社の構成を伝えたうえで個別に確認することになります。
一般論として「APIがあればつながる」と決めてしまわないほうが、後戻りが少なくて済みます。
カスタマイズ対応の必要性
もう一つの条件は、その接続を実際に作る作業です。
先の案内でAPI連携が「カスタマイズにより」と説明されている点には意味があります5。
契約すれば設定画面から選ぶだけでつながる、という性質のものではなく、つなぐ相手ごとに開発と設定が発生する位置づけだということです。
当然、そこには費用と期間がかかります。
この点は、社内の体制にも関わってきます。
情報システム担当者が自社側の要件を整理し、相手システムの提供元からAPIの仕様を受け取り、受発注システムの提供元が接続部分を作る——という具合に、少なくとも三者が関わる形になりやすい作業です。
自社の担当者だけで設定を終えられると想定していると、日程の見積もりが大きくずれます。
誰に何を確認し、どこまでを外部に依頼するのかを、検討の早い段階で決めておくほうが動きやすくなります。
判断の軸としては、連携1本ごとに「減る転記の量」と「かかる開発」を並べて見ることになります。
毎日何十件も写している業務なら、開発をしてでもつなぐ価値が見えやすいでしょう。
月に一度まとめて数件を渡すだけなら、CSV出力で十分間に合うこともあります。
すべての連携をAPIでそろえる必要はなく、頻度と件数の多いところから順にAPIへ寄せ、残りはファイルで渡す、という組み合わせも現実的な選択です。
導入・連携にかかる費用の目安
システム連携用構成のモデルケース費用
連携が現実的かどうかを決めるのは、最後には費用です。
公開されている金額で参考になるのは、負荷分散および社内外システム連携用のリソースを確保した構成のモデルケースとして、EC-Rider B2B ⅡのASP利用料金が月額260,000円と案内されている例です4。
システム連携を前提にサーバー側の余力を持たせた構成では、利用料金がこの水準になる、という一つの実例です。
この数字を読むときに気をつけたい点が二つあります。
一つは、これが特定の構成を前提にしたモデルケースだということです。
扱う注文の件数や必要な冗長性によって構成は変わるため、同じ製品を使っても金額がこの通りになるとは限りません。
もう一つは、案内されているのがASPの利用料金だという点です。
API連携がカスタマイズとして行われる以上、その開発にかかる分がこの月額とどういう関係になるのかは、案内からは読み取れません。
見積もりを取る際は、利用料金とカスタマイズの費用を分けて提示してもらうと、比較しやすくなります。
費用を見積もるときは、金額そのものより、何によって変わるのかを押さえておくほうが役に立ちます。
ここまでの内容からは、サーバーの構成、つなぐ相手の数、相手ごとに必要な開発の有無という三つが、金額を動かす要素として見えています。
つなぎたい相手を全部並べたうえで、このうちどれをAPIにするかを決めてから見積もりを依頼すると、比較できる形の回答が返ってきます。
別製品での費用目安
もう一つ、別の提供事業者が示している目安もあります。
SaaS型の受発注システムについて、初期費用が30〜50万円、月額の運用費用が10〜20万円という数字が、同社調べとして紹介されています3。
受発注システムそのものを導入する際の、規模感をつかむための目安として示されたものです。
この数字と、先ほどの月額260,000円を並べて高い安いを論じることはできません。
提供元も製品も、前提にしている構成も違うからです。
片方はシステム連携用のリソースを確保した特定構成でのASP利用料金4、もう片方はSaaS型受発注システム一般についての自社調べの目安3で、そもそも測っている対象が異なります。
足し合わせて総額を出すこともできません。
どちらも「この条件ではこういう金額が示されている」という情報として、別々に受け取るのが正しい読み方です。
そのうえで、自社の見積もりをどう組み立てるかという話になります。
公開されている金額はあくまで各社の条件下の数字ですから、相場として自社に当てはめるのではなく、導入予定の製品ごとに、自社の注文件数とつなぎたいシステムの一覧を渡して見積もりを取るのが確実です。
そのとき初期費用と月額、そして連携のためのカスタマイズ費用を分けて出してもらえば、連携を1本増やすごとに何が積み上がるのかが見えます。
費用の全体像が見えれば、どの連携を最初に作り、どれを当面はCSVで運用するかという優先順位も決められます。
連携方式の違いと費用の前提が見えたところで、自社の状況に当てはめるときに何を確かめればよいかを整理しておきます。
| 対象 | 金額 | 条件・時点 |
|---|---|---|
| BtoB EC構築システムのASP利用料金(モデルケース) | 月額260,000円 | 負荷分散および社内外システム連携用リソースを確保した構成・2026年 |
| SaaS型受発注システムの初期費用の目安 | 30〜50万円 | 提供事業者の自社調べ・2026年時点 |
| SaaS型受発注システムの月額運用費用の目安 | 10〜20万円 | 提供事業者の自社調べ・2026年時点 |
連携できるかどうかは自社の受発注システムだけでは決まらず、相手システムの提供状況と、接続をカスタマイズとして作れるかの両方にかかっています。<br>この二つを突き合わせる作業は、製品の機能ページを読むだけでは判断しきれない部分が残ります。
つなぎたい社内システムの一覧と、現在どの作業を手で転記しているかをお伝えいただければ、CSV出力で足りる範囲とカスタマイズによるAPI連携が必要な範囲の切り分け、そこに必要な作業の見当をお伝えできます。無料相談で要件を整理する
自社の連携可否を判断するために確認すること
相手システム側で決まることと自社側で決められることという、確認先の違いで並べています。
- つなぎたい相手システムがAPIを提供しているか(提供がなければCSV出力での連携が候補になる)
- 相手システムのAPIで、受注データのどの項目まで読み書きできるか
- 自社が契約している版やプランでも、その提供範囲が同じか
- 受発注システム側の連携がカスタマイズ対応になるか、標準機能で足りるか
- その連携で減る転記の件数が、かかる開発の費用と期間に見合うか
つなぐ相手が1つだけで、渡すデータも月次の売上に限られる場合は、開発の可否より出力と取り込みの運用をどう回すかが判断の中心になります。
要点の整理
| 連携の可否を決めるもの | 相手システムのAPI提供の有無と、カスタマイズ対応にかけられる費用・工数 |
|---|---|
| API以外の手段 | CSV形式でのファイル出力による連携(標準機能として案内される例がある) |
| 方式を決める順序 | つなぐ相手を洗い出す→相手のAPI提供状況を確認する→方式を相手ごとに決める |
| 確認できた連携分野 | 販売管理・会計、倉庫管理・在庫連動、決済、サイト内検索、ポイント管理(製品により異なる) |
| 費用の読み方 | 公開金額は各社の構成・条件下の数字。相場として当てはめず、製品ごとに個別見積もり |
費用は構成とつなぐ相手の数で変わるため、公開されている金額をそのまま自社に当てはめることができません。<br>どの連携から着手し、どれを当面はファイルの受け渡しで運用するかという順序も、注文件数と業務の頻度が分からないと決められません。 想定する注文件数と連携したいシステムの条件をもとに、利用料金と連携のためのカスタマイズを分けた見積もりの形でご説明できます。<br>あわせて、着手する順番の考え方もご相談いただけます。
よくある質問
自社の受発注システムにAPIが用意されていない場合、連携をあきらめるしかないのでしょうか
API以外の手段があります。
確認できた製品の案内では、自社データをCSV形式のファイルとして出力し、会計システムや倉庫管理システムなど様々な外部システムと連携する方法が標準機能として示されています5。
ファイルを介するため出力と取り込みの手順とタイミングを決める必要はありますが、渡す情報そのものは同じです。
まずはCSVで足りる業務かどうか——どのくらいの頻度で、何件を、どの鮮度で渡したいのか——を整理してから、API連携の要否を判断すると無駄がありません。
API連携の設定は自社の情報システム担当だけで完結できますか
完結すると考えないほうが安全です。
確認できた案内では、APIが提供されている他システムとの連携はカスタマイズによる対応と説明されています5。
相手システムの提供元からAPIの仕様を受け取り、受発注システム側で接続部分を作るという流れになるため、複数の関係者が関わります。
自社担当者の役割は、つなぐ相手とデータ項目を決め、両社への確認を取りまとめる部分になると見ておくと、日程の見積もりがずれにくくなります。
受注データ以外の情報も連携できますか
製品によります。
本記事で確認した製品では、販売管理・会計、倉庫管理・在庫連動のほか、決済、サイト内検索、ポイント管理といった分野との連携が案内されています5。
受注情報だけでなく、決済の状況や顧客ごとのポイントといったデータも連携の対象になり得る、という範囲です。
ただしこれはこの製品の案内範囲であり、連携できる分野も自動で反映される程度も製品ごとに違いますので、自社が使う(使おうとしている)製品の仕様で確かめてください。
公開されている連携費用は、自社の条件にもそのまま当てはまりますか
当てはまりません。
月額260,000円という金額は、負荷分散および社内外システム連携用のリソースを確保した構成のモデルケースとして示されたASP利用料金です4。
初期費用30〜50万円・月額10〜20万円という数字は、別の提供事業者がSaaS型受発注システム一般について自社調べとして示した目安です3。
提供元も製品も前提の構成も異なるため、合算も単純な比較もできません。
自社の注文件数とつなぎたいシステムの一覧を示したうえで、利用料金とカスタマイズ費用を分けて見積もってもらうのが確実です。
- 1 出典:中小企業庁「令和3年度取引条件改善状況調査」(オリックス・レンテック株式会社の記事による引用確認)(2022年)
- 2 出典:日刊工業新聞社「中小企業庁が中小企業の電子受発注実現へ開発する「データ連携基盤」の全容」(2021年)
- 3 出典:株式会社竹田印刷(TS-BASE運営)「Webの受発注システムの選び方とコストの目安」(2026年)
- 4 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B Ⅱ 料金プラン・費用」(2026年)
- 5 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Rider B2B Ⅱ 外部システム連携機能」(2026年)
画像の出典元
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