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卸価格を取引先ごとに切り替える仕組みと、対応範囲・運用サイクルの確かめ方

◆監修・編集責任者 小園 将隆 

B2B EC-COLUMN

この記事のポイント

  • 卸価格の差別化とは、取引先の区分ごとに適用する価格を分けて持ち、決めた日から自動で切り替える仕組みを指す。受賞歴とは別の軸で確かめる
  • 受賞歴は第三者の目に触れたことを示す目安にはなるが、評価の対象・選定の基準・評価された年を公表資料で確かめない限り、自社が必要とする価格切替の対応範囲を保証するものではない
  • 見積り前に確かめるのは、自社に必要な価格区分の数と、それを支える組織階層の対応上限、そして価格改定を回す締めの置き方の三点である

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▽ 写真の出典元

卸価格の差別化とは何を指すのですか

取引先ごとに卸価格を切り替えられるかどうかは、受賞歴の有無ではなく、価格区分の型・階層の対応上限・改定運用の締めという三つの具体で決まります。まず卸価格の差別化が何を指すのかを言葉として揃え、次に受賞歴が何を評価したものかを公表資料で切り分けます。そのうえで自社に必要な価格区分をいくつ持つのかを数え、組織階層としていくつまで構成できるのかを確かめます。卸価格切替では組織階層を5階層まで構成できるとされており1、この種の上限値を自社の取引先構成と突き合わせることが、見積り比較の出発点になります。最後に、価格改定業務を確定・登録・検証・切替の4つの締めに分けて業務カレンダーへ置けるか1という運用面まで見れば、受賞歴に頼らずに判断の順番を組み立てられます。

取引先の区分ごとに価格を持ち、決めた日から切り替えること

卸価格の差別化とは、同じ商品に対して取引先ごとに異なる価格を持たせ、あらかじめ決めた日からその価格を適用する仕組みのことです。値引き率を都度入力する運用とは異なり、誰にどの価格が出るのかをシステム側で保持するため、担当者が変わっても同じ価格が再現されます。BtoBの受発注サイトで「価格差別化に対応」と書かれている場合、この保持と適用の自動化までを指すのか、単に取引先ごとの掛率を登録できるだけなのかで、実務の負担は大きく変わります。

言葉を揃えるために、差別化を三つの決めごとに分けて考えると比較しやすくなります。第一に誰に適用するのか、つまり取引先をどの単位で区分するのか。第二にどの単位で価格を分けるのか、商品単位なのか商品群なのか、数量帯や組織階層と連動させるのか。第三にいつから切り替えるのか、適用開始日をどう持つのか。この三つが揃って初めて、取引先ごとの卸価格が運用に乗ります。

機能名だけでは対応範囲が読み取れない

機能一覧に並ぶ言葉は各社で定義が揃っていません。同じ「取引先別価格」でも、取引先を一件ずつ登録する方式と、価格区分(ランク)を作って取引先を紐付ける方式では、取引先が増えたときの運用負荷がまったく異なります。さらに、親会社と子会社、本社と支店のような組織の入れ子を価格に反映できるかどうかは、階層をいくつまで構成できるかという上限の問題になります。

そのため、機能名の有無ではなく「自社の取引先構成を、その仕組みの上でどう表現できるか」を問いにして確かめる必要があります。問い合わせの言葉としては、区分の作り方、紐付けの単位、階層の上限、適用開始日の持ち方の四点を具体的に並べると、回答の差が見えやすくなります。

言葉の定義と受賞歴の位置づけが整理できたところで、次は自社の側の条件を数える番です。

適用対象、分ける単位、切替時期の三つを縦に並べた図
卸価格の差別化を成り立たせる三つの決めごと

受賞歴は選定の決め手になりますか

受賞は第三者の評価の目安であって、機能の保証ではない

受賞歴は、そのサービスが第三者の目に触れ、一定の評価を受けたことを示します。導入検討の初期に候補を絞る材料としては役に立ちます。ただし、受賞が評価しているのは多くの場合、利用者数や成長性、デザイン、支援体制といった総合的な側面であり、卸価格の差別化という個別機能の対応範囲を審査したものとは限りません。

したがって、受賞歴は「候補に入れる理由」にはなっても、「取引先ごとの価格切替が自社の要件を満たす理由」にはなりません。この二つを分けて扱うことが、比較検討で遠回りをしない第一歩です。

確かめるのは評価対象・選定基準・評価された年

受賞歴を材料として使うのであれば、公表資料で三点を確かめます。何を評価対象としたのか(サービス全体か、特定の機能か、導入企業の事例か)。どのような基準で選ばれたのか(審査なのか、利用者投票なのか、掲載数の集計なのか)。そして、いつ時点の評価なのか。評価された年が古い場合、その後の機能追加や仕様変更は反映されていません。

この三点が公表資料で追えない受賞は、社内の稟議資料に載せても説得材料になりにくいものです。受賞の事実を否定する必要はありませんが、価格差別化の可否については別途、対応範囲の回答を文書で受け取るのが確実です。

必要な区分の数が見えたら、それを毎期回し続けられるかという運用の視点で確かめます。

自社に必要な価格区分はいくつですか

取引先を並べて、価格が分かれる境目を数える

比較の前に決めておきたいのが、自社に必要な価格区分の数です。現在の取引先を一覧にし、どこで価格が分かれているのかを書き出します。年間取引量で分けているのか、業態で分けているのか、契約時の経緯で個別価格になっているのか。実際に数えると、社内で「取引先ごと」と呼んでいたものが、いくつかの区分に整理できる場合が少なくありません。

整理の欄としては、区分の呼び名、対象となる取引先、価格の決め方(掛率か個別単価か)、見直しの頻度の四つを持つと扱いやすくなります。この一覧がそのまま、各社へ提示する要件の下敷きになります。

例外をいくつ抱えるかまで書き出す

区分に収まらない例外の数も併せて数えます。特定商品だけ別価格、期間限定の特別価格、キャンペーン時だけの上乗せなど、例外は運用の手間を押し上げる要因です。例外が多いほど、区分と個別価格を併用できる仕組みが必要になります。

区分の数と例外の数が出そろえば、あとはそれを支える階層構成と運用の回り方を確かめる段階に進みます。

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▽ 写真の出典元

運用の締めはどう回りますか

価格改定は4つの締めに分けて業務カレンダーへ置く

卸価格の切替は、仕組みを入れた時点では終わりません。仕入価格の変動や年度の切り替わりに合わせて価格を改定する業務が、毎期繰り返し発生します。この改定業務は、価格表を確定する日、確定した価格をシステムへ登録する日、登録した価格を検証する日、新価格が実際に適用される切替日という4つに分け、それぞれを別々の日として業務カレンダーに置く考え方が示されています1

4つを分ける利点は、責任の所在と手戻りの範囲がはっきりすることにあります。確定が遅れれば登録が遅れ、検証の時間が削られ、最後に適用日だけが迫るという流れを、あらかじめ日付として見えるようにしておくわけです。

検証の日を確保できる仕組みかを見る

4つの締めのうち、実務で圧縮されやすいのが検証の日です。登録した価格が意図した取引先に、意図した日から出るのかを、適用前に画面で確認できるかどうか。この確認手段があるかないかで、改定作業の緊張度は変わります。

見積り前の問い合わせでは、適用前の価格を事前に確認できるか、誤りが見つかったときに適用日を動かさずに修正できるか、という二点を尋ねておくとよいでしょう。機能一覧には現れにくい部分ですが、毎期の運用に直接効いてきます。

卸価格の差別化は、区分の設計・階層の上限・改定の締めという三つの具体に分解すれば、受賞歴の有無に左右されずに比較できます。自社の取引先一覧と業務カレンダーを手元に置いたうえで各社へ問い合わせれば、回答の差はそのまま運用の差として読み取れます。

卸価格の切替は、機能一覧の言葉だけでは自社の取引先構成に当てはまるかどうかが読み取れず、区分の作り方や階層の持ち方といった設計の前提を実際の画面と突き合わせて初めて判断できるためです。

手元の取引先一覧を示しながら、必要な価格区分をどう表現できるか、階層はどこまで構成できるかを、具体的な構成案として確かめられます。無料相談で要件を整理する

見積り前に確かめる確認項目

  • 価格区分の作り方(取引先を一件ずつ登録するのか、区分を作って紐付けるのか)
  • 価格を分ける単位(商品単位・商品群・数量帯・組織階層のどれに対応するか)
  • 組織階層の対応上限(卸価格切替では5階層まで構成できるとされる例がある)
  • 適用開始日の持ち方(未来日付で登録し、指定日から自動で切り替わるか)
  • 価格改定の締めの置き方(確定・登録・検証・切替の4つを別の日として運用できるか)
  • 例外価格の扱い(区分と個別価格を併用できるか、期間限定価格を持てるか)

この並びに優劣の順序はありません。

これらの確認項目は、自社が採る価格区分の型によって重点が変わります。次に型ごとの見方を整理します。

価格区分の型ごとに見る、設計の要点と確かめ方

価格を分ける単位 向く場面 重点的に確かめる点
個社別価格型 取引先ごとの個別価格 取引先数が限られ、契約ごとに価格が決まる 登録件数が増えたときの更新手段
ランク別価格型 価格区分(ランク)ごとの掛率や単価 取引先が多く、条件で区分できる 区分の作成数と、区分を跨ぐ例外の扱い
組織階層連動型 親子・本支店の階層に沿った価格 取引先が企業グループを構成する 構成できる階層数の上限と、上位価格の引き継ぎ

個社別価格型:取引先ごとに価格を持つ

再現性は高いが、更新の手段が要点になる

取引先ごとに個別の価格を持つ型です。契約で価格が決まっている取引が多い卸売業では、この形がもっとも実態に近くなります。誰にどの価格が出るかが一対一で決まるため、価格の再現性は高くなります。

一方で、取引先が増えるほど登録・更新の件数が増えます。確かめたいのは、一括での取り込みや書き出しができるか、改定時に対象を絞って一度に更新できるかという点です。個社別の運用は、登録の仕組みよりも更新の仕組みで差がつきます。

確かめる点 問いの形
登録の方法 取引先と商品の組み合わせを一括で取り込めますか
更新の方法 改定対象を絞って一度に書き換えられますか
適用の制御 取引先ごとに異なる適用開始日を持てますか

個社別の価格は登録そのものより改定時の更新手段で運用負荷が決まるため、実際の件数を前提にした手順を見ておく必要があるからです。

想定する取引先数と商品数を伝えたうえで、一括での取り込みや改定対象を絞った更新がどの手順で行えるかを確かめられます。無料相談で自社の条件を持ち込む

ランク別価格型:区分を作って取引先を紐付ける

区分の数と、例外の逃がし方を決めておく

価格区分(ランク)をいくつか作り、取引先をそこへ紐付ける型です。取引先数が多く、取引量や業態で価格を整理できる場合に運用負荷が下がります。改定時は区分の価格を直せば紐付く取引先すべてに反映されるため、更新の手間が小さくなります。

要点は二つあります。ひとつは、必要な区分をいくつ作れるか。もうひとつは、区分に収まらない取引先をどう逃がすか、つまり区分と個別価格を併用できるかどうかです。併用ができないと、例外のために区分を増やし続けることになります。

確かめる点 問いの形
区分の設計 価格区分をいくつまで作成できますか
紐付けの単位 一つの取引先を複数の区分へ紐付ける必要は生じますか
例外の扱い 区分の価格と個別価格を併用できますか
Two professionals shaking hands across a desk with cityscape
▽ 写真の出典元

区分の数と例外の逃がし方は、既存の価格体系を持ち込んで初めて過不足が見えるため、社内で整理した区分案を突き合わせる場が要るからです。

整理した区分案を持ち込み、作成できる区分の範囲と、区分に収まらない取引先を個別価格でどう扱えるかを確かめられます。無料相談で自社の条件を持ち込む

組織階層連動型:親子・本支店の構成に沿って切り替える

必要な階層数を数え、対応上限と突き合わせる

取引先が企業グループを構成している場合、親会社の下に子会社、その下に支店や営業所という入れ子の関係を価格へ反映したくなります。これが組織階層連動型です。上位で決めた価格を下位が引き継ぎ、必要な箇所だけ下位で上書きする、という設計ができれば、登録件数を抑えたまま実態に沿った価格を出せます。

この型で最初に確かめるべきは階層数の上限です。卸価格切替では、組織階層を5階層まで構成できるとされています1。自社の取引先のうち、もっとも入れ子が深い先を書き出し、必要な階層数を数えて、この種の上限と突き合わせます。上限を超える場合は、どこかの階層を統合するか、個社別価格と併用するかの判断が必要になります。

確かめる点 問いの形
階層の上限 組織階層をいくつまで構成できますか
引き継ぎ 上位階層の価格を下位が引き継ぎ、必要な箇所だけ上書きできますか
上限超過時 階層数が上限を超える取引先はどう扱いますか
取引先構成の洗い出し、必要な階層数の把握、対応上限との突き合わせという三段階を並べた図
組織階層で卸価格を切り替えるときの確かめ方

企業グループを相手にする場合、必要な階層数が対応上限に収まるかどうかで設計が変わり、超える場合の代替案まで含めて検討する必要があるからです。

もっとも入れ子が深い取引先の構成を示して、階層としてどこまで表現でき、上位価格の引き継ぎと上書きがどう働くかを確かめられます。無料相談で自社の条件を持ち込む

要点の整理

基準
言葉の定義 取引先の区分ごとに価格を保持し、決めた日から自動で適用できるか
区分の型 個社別・ランク別・組織階層連動のどれを採り、併用できるか
階層の上限 自社で必要な階層数を数え、構成できる上限と突き合わせたか(5階層まで構成できるとされる例がある)
適用の制御 未来日付で登録し、指定日から切り替わるか。適用前に確認できるか
運用の締め 確定・登録・検証・切替の4つを別々の日として業務カレンダーに置けるか
受賞歴の扱い 評価対象・選定基準・評価年を公表資料で確かめ、機能の対応範囲とは切り分けたか

受賞歴や機能名だけでは判断が付かない部分が、価格区分の数・階層の上限・改定の締めという具体に置き換わった段階で、実物に当てて確かめるのが最も早いためです。 整理した確認項目をそのまま持ち込み、自社の取引先構成と改定スケジュールに沿って運用できるかを、見積り前の段階で一つずつ確かめられます。

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よくある質問

受賞歴のあるサービスなら、卸価格の差別化にも対応していると考えてよいですか

受賞は第三者の評価を受けた目安にはなりますが、個別機能の対応範囲を保証するものではありません。評価の対象・選定の基準・評価された年を公表資料で確かめたうえで、価格差別化については区分の作り方・階層の上限・適用開始日の持ち方を別途、文書で回答してもらうのが確実です。

取引先ごとに価格を分けるのと、価格区分を作るのとでは、どちらがよいですか

取引先数と例外の多さで決まります。取引先が限られ契約ごとに価格が決まるなら個社別、取引先が多く条件で整理できるならランク別が回しやすくなります。実務では併用になることが多いため、区分と個別価格を同時に持てるかを確かめてください。

組織階層はいくつまで構成できるものですか

卸価格切替では組織階層を5階層まで構成できるとされる例があります1。自社の取引先のうち、もっとも入れ子が深い先を書き出して必要な階層数を数え、その上限と突き合わせて判断してください。

価格改定のたびに作業が集中してしまいます。どう分ければよいですか

価格表を確定する日、確定した価格をシステムへ登録する日、登録した価格を検証する日、新価格が実際に適用される切替日の4つを、別々の日として業務カレンダーに置く考え方が示されています1。とくに検証の日を確保できるかが、適用後の手戻りを抑える分かれ目になります。

見積り比較の前に、社内で用意しておくものはありますか

取引先の一覧に、価格が分かれる境目と例外価格を書き込んだ表と、価格改定の時期が分かる業務カレンダーの二つです。この二つがあれば、各社への問い合わせを具体的な条件で揃えられ、回答の差をそのまま比較材料にできます。

◆監修・編集責任者

小園 将隆

株式会社フライトソリューションズ ECサービス部 マネージャー

BtoB通販のパッケージシステム「FSOL B2B Ⅱ」の導入支援をはじめ、製造業、卸売業をはじめとした法人向け通販サイト構築を多数手掛ける。卸売領域の専門知識をもとに、日本の商習慣に固有の課題をパッケージシステムの機能追加によって解決。BtoB流通の販路拡大を支援する。

  1. 1 出典:株式会社フライトソリューションズ「EC-Riderお役立ちコラム『BtoB卸価格を取引先ごとに切り替える方法とは?区分の型と改定運用の考え方』」(2026年) 経路

画像の出典元

  1. Surgeon organizing surgical instruments on a sterile table b/Photo by Stéf -b. on Pexels
  2. Professional handshake symbolizing cooperation and partnersh/Photo by olia danilevich on Pexels
  3. Two professionals shaking hands across a desk with cityscape/Photo by Khwanchai Phanthong on Pexels

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◆この記事について

独自調査以外の一次情報は、省庁・公的機関を中心とした信頼性の高い情報源から引用し、出典を明記しています。
年次更新される統計については、引用元の最新版を確認したうえで掲載しています。

※この記事は上記の監修・編集責任者がAIの協力を得て制作しています。

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