第一回:B2B ECが製造業を救う !?

第一回:B2B ECが製造業を救う !?

川手 正己(株式会社イーシー・ライダー/代表取締役/ヘッド・コンサルタント)

弊社は2008年から足掛け8年に渡って、B2B企業様に向けたECサイトの構築システムを開発・販売して参りました。
B2B業界における電子商取引の歴史は、インターネットを介したEDIを含めると2000頃から始まっていますが、ベンダー各社からのB2B ECサービスの提供が活発化し始めたのは、ほんの2、3年ほど前のことになります。弊社が同システムの販売に着手した2008年当時もB2Bに特化したECサイト構築システムはまだあまり世間に出回っておらず、おかげ様で小売業、製造業、卸売業など、様々な業種のお客様からお声がけいただき、B2B向けECサイトの構築・運営についてご相談に乗らせて頂きました。

B2Bと一口に言っても、業種・業態・ビジネスモデルにより抱える課題は多岐にわたりますが、本コラムでは、昨今特にご相談の増えてきた製造業者様のB2B ECについてお話させていただこうと考えています。

B2B ECの導入をお考えの製造業者の皆様に、本コラムが少しでもお役に立てれば幸いです。

製造業者が直面する課題

景気の減退により売上の低下に悩む多くの日本企業にとって、売上アップは至上命題とも言えるでしょう。そのための戦略の一つとして、ECサイトの開設をお考えの企業様が増加してきています。

しかし、同じように売上アップを狙ってECサイト開設を検討しているといっても、その背後にある直接の悩みや動機は様々です。悩みが異なるということはそこに潜む課題が異なるということで、当然、それを解決するために取るべき施策も変わってきます。

最終的に目指すのは同じ「売上アップ」というゴールでも、そこに到達するための道は、抱えている課題によって異なってくるのです。

売上アップを阻む「壁」①-受注処理コストの増大

たとえばあるメーカー様では、既存の大手取引先との取引高が年々減少し、これを埋め合わせるため、新たな販路の開拓が急務となっていました。新たな取引先として小口の取引先を増やしていく戦略を打ち出すことになりましたが、その際に障壁となったのが、受注処理業務にかかるコスト増の問題です。

このメーカー様では取引先からの注文を電話、FAX、およびメールで受付け、オペレーターが手入力する形で基幹システムへのデータ登録を行っていました。注文の受付と登録の処理には、受注金額の大小関わらず一定の手間がかかりますので、小口取引先が増えれば、受注処理にかかる手間が比例的に増加し、その分人件費がかさみます。これでは、せっかく売上高がアップしても人件費の増加が足を引っ張る形となり、思うように成果は上がりません。

売上アップを阻む「壁」②-受注処理コストの増大

また、同様に小口の取引先の拡大を検討されながら、与信管理が煩雑になることの懸念から、施策の導入に積極的になれないケースもあります。
ある卸売会社様では、販路拡大のため小口取引先との取引を増やしていくという戦略のもと、楽天市場などのモールに出展してネットショップを運営している小規模な小売店を新規取引先候補とする方針を打ちだされました。

しかし、こうした小規模な取引先に対して大口の取引先と同じ与信管理の方針で対応することは難しく、少額の与信枠を設けたり、掛売の出来ない事業者には前払いで販売したりといった個別対応を行う必要が出てきます。結果、与信管理や受注・発送業務はどうしても煩雑化することになり、業務を圧迫する懸念が生まれます。

取引先候補となる業者には発注意欲が十分にあるのに、こうした業務の煩雑化がネックとなって取引拡大施策に一歩を踏み出せずにいらっしゃいました。

売上アップを阻む「壁」③-システムの機能が不十分

また別の企業様は、現行システムの機能不足による運営効率の悪さにお悩みをお持ちでした。
この企業様では数年前にECサイト構築システムを導入してB2BのECサイトを開設・運営しておられましたが、コストを下げる事に心を砕くあまりに機能を絞りすぎてしまい、いざ蓋を開けたら日常の受注処理がスムーズに回らず、却って処理コストが増加してしまうという結果を招きました。コスト重視の導入が裏目に出た形です。

この企業様は建築材料を扱うメーカー様で、商品の注文を受け付ける際には商材の「長さ」と「本数」の二つの値を指定する必要がありました。ところが、導入したECシステムではこのような指定を行うことができなかったのです。

一般的なECサイト構築システムでは、購入する商品の「数」を指定する事は可能です。また、購入単位(この場合長さ)がある程度決まっているのであれば、ドロップダウンリストなどで選択する形にすることは可能です。しかし、「125cm を 30本」「85cmを70本」というように長さを細かく指定し、そこから割り出した価格と購入数量(本数)を掛けあわせて合計金額を出すような機能を標準で持つシステムはあまり見かけません。

苦肉の策として注文時に備考欄に長さを記入してもらい、仮の注文として一旦受け付けた上で、営業担当者がその都度金額を再計算した上えで登録しなおす形で運用していましたが、やりとりに時間がかかる上に人的ミスも発生し、業務効率が著しく低下してしまいました。加えて、営業担当者がこうした受注処理に時間を取られた結果本来の営業活動に割く時間が削られてしまい、それが更に売上アップを阻む障壁となるという、皮肉な結果を招いてしまったのです。

この状況をなんとか改善したい、というのが、この企業様が当時直面しておられた直接の課題でした。

悩みに応じた対策が必要

このように、最終的な目標は同じ「売上アップ」でも、目下の課題として顕在化している課題の内容は様々です。
ここにご紹介した企業様はすべて、B2BのECサイトを導入することでお悩みを解決されました。しかし、ECサイト導入にあたって重点を置いたポイントは、それぞれに異なります。

何が課題となって売上アップを阻んでいるのか、言い換えると、売上をアップするにはどのような課題をどうクリアしていくべきなのかを正しく見極め、その課題に対して適切に対策を打っていくことが、B2BのECサイトで売上を上げていくための重要なポイントとなります。

次回より、製造業者様のB2BのECサイト導入にあたって、ご紹介したようなお悩みや課題別に具体的な対策をご紹介していきたいと思います。

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